この素晴らしい世界にねこですよろしくおねがいします   作:アカツメヒビキ

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お久しぶりですねねこです。SCP×このすば小説はまだですか? ねぇねぇねぇねぇ


ねこです。苛つきとお久しぶりです。

 

 

 

謎の超魔力&謎の爆発から約一ヶ月ほど経ったある日のこと。いつも通り赤字のため簡素な夕食__というより夜食を用意していた。

 

 

今日はウィズさんが定期的に共同墓地に眠る魂を天に還してあげる日だからだ。心優しい人(リッチー)に向けてお疲れ様の意を込め、奮発してスイーツを用意した。疲れた時には甘いものと相場が決まっている。深夜にスイーツという甘い誘惑にウィズさんが迷いを見せたのも最初だけだった。今では嬉しそうに某服が弾け、なくなる料理漫画のように見てるこっちが涎が出そうな顔でパクつく姿は癖になる。成程……これが餌付けか。

 

 

本当に優しい人なのだ。お人好しとも言う。……だけれども、これで何度目か数えるのはとっくにやめたが、これでゴミにしかならないぽんこつ魔道具さえ仕入れなければ……本当にもう……はぁ、考えるのはよそう。

 

 

そんなことを考えため息をついていると、ガチャリと扉が開いて黒いローブを着たウィズさんが帰ってきた。今日は思っていたより遅いご帰宅のようだ。欠伸が出るのを抑えながら、お帰りなさいと伝えようとかけよった。

 

 

__のだが、そのウィズさんの姿を近くで見て思わず肩を掴んで攻め寄ってしまった。

 

 

「ね、ねこさん?! どどど、どうしたんですか?!」

 

【それは此方のセリフです。いました。どこの屑に襲われたんですか、粛清してやります。きいてますか? 顔や特徴、背丈まで詳しく教えてくださいよろしくおねがいします】

 

 

ウィズさんに詰め寄りながら、目の前にそう文字を書いてやる。ウィズさんは少し涙目で顔色も悪く、目立った外傷はないが息が少し荒い。そしてフラフラとしていて倒れそうである。……一体、どんな手練れに攻撃されたんだろう。

 

 

ウィズさんは凄腕のアークウィザードだし、アンデッドの王であるリッチーでもある。そのウィズさんをこんな目に合わせられる奴がこんな駆け出しの街に居るというのは衝撃だ。いや、もしかしたら凄腕の冒険者がたまたまこの街に来てウィズさんに攻撃をしたのかもしれない。

 

 

ならば街を旅立たれる前に急いで処さねば。うちの店主をこんな目に合わせやがって……旅を手伝ってあげようではないか。あの世へ狂いながら旅立たせてやるよ屑野郎が。

 

 

そんな怒りが伝わったのか、ウィズさんは慌てて「違います!」と叫ぶ。

 

 

「違いますから! えっと、襲われたのではなくて、浄化されかけたというか……倒されかけたというか……?」

 

【ねこでした。なるほど相手はプリーストなのですね。しかもウィズさんを浄化するほどの力を持つとなるとアークプリーストですね。この街にプリースト職は少ないのでこの情報だけでも充分追えます。処してきますねこです。】

 

「あああああああ!!! いつになく饒舌でしかも私のことで怒ってくれるのは嬉しいのですが違うんです違うんです! ちょっとしたトラブルがあったんですよ話を聞いてください!!」

 

 

魔法使いの癖に意外にも強い握力で店から出ようとするのを阻止され、結局話を聞くことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

話を聞いてみるに、浄化__つまりは魂を還すために訪れた墓地でウィズさんの魔力に反応した死体が目覚めてしまうそうだ。それを見た人がウィズさんをゾンビメーカーと見間違ってギルドにクエストを出し、それを討伐にきた冒険者の一人に浄化されかけるも、理由を話すと墓地の浄化を引き受けてくれたらしい。

 

 

「……という訳なんです。決して相手にも悪気があった訳ではないですし、むしろ正義感だと思いますし、私のせいで目撃した人を怖がらせてしまっているみたいですし……それに今後の浄化は代わってくれるそうなんです! ほ、ほら、とっても良い人なので許してあげてください!」

 

 

そう、必死そうに弁明するウィズさん。それを自分はむすっとした顔で聞いていた。何故そのような顔なのかと言えば、ただ苛ついた……という子供のような理由になってしまうだろう。

 

 

ウィズさんの説明で、その冒険者たちがウィズさんを倒そうとした訳ではないと理解できている。ウィズさんにも少なからず非があった訳だし、前に一度だけ浄化する場面を見たことがあるが、あれは側から見れば勘違いしてしまうのも無理はない。つまりは報告者にも非はない。

 

 

偶然の事故__というのが適切かは知らないが、そんな所だろう。それでも、何故だか苛ついてしまったのだ。

 

 

「ねこさん……? あの、怒ってるんですか? えっと、その、ずっと黙っていると怖いんですが……もしかして、相手の方への殴り込みとか考えてませんよね?! 何度も言いますが、どちらかと言えば私の方が悪いんです!」

 

 

ほら、またそうやって冒険者ら(ソイツら)を庇う。見ず知らずの奴らにウィズさんがそうしていると思うと、苛々としてくるのだ。なんというか、一言で言えばこれは嫉妬なのだろう。

 

 

自分が思っているよりも、自分はウィズさんに執着しているらしい。ここは異世界。家族や友人と二度と会えないこの世界で、一番最初に関わった人、それがウィズさんだ。命まで助けられ、居住を共にするまでになった同居人兼雇い主に執着しない訳がない。

 

 

恥ずかしいから絶対に本人には言わないが、自分はウィズさんを親のように思っているのだ。血は繋がっていないが、家族なのだと。

 

 

「……ねこさぁん。無視しないでくださいよぉ…うぅ」

 

 

そう考えていれば、ウィズさんがついに泣き出した。やばい、放置し過ぎてしまった。嫉妬心から勝手に苛ついて放置とか……自分は思っているより面倒臭いガキだったようだ。謝らなければと、ウィズさんの涙をハンカチで拭きながら、空中に文字を書いていく。

 

 

【すみませんねこです。少しねこが自分で思うより井戸ガキですと考えていただけですから。無視してごめんなさい】

 

「井戸ガキ……? ガキ……? えっと、それはどういう意味で」

 

【さて、遅くなりましたねこですが、深夜のスイーツのお時間ですよ。今日のねこはコチラになりますです】

 

「こ、これはっ! ご近所で話題になっていた、ネロイドアイスクリーム……?!」

 

 

はわわと涎を垂らすウィズさんに餌付けの喜びを感じつつ、さあどうぞと食べるように促した。

 

 

冒険者の件は水に流そう。次にウィズさんを狙ってきた場合は問答無用で狂わせてやると考えながらも、それはないかと首を振る。こんな誠実な人と知れば、倒そうとするなどあり得ない事なのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__その約一か月後。

 

 

いつも通りに閑古鳥が鳴くどころか合唱している店に、カランカランと鐘の音が来客を知らせてくれる。久しぶりのお客様に、ウィズさんがいらっしゃいませと言おうとする。

 

 

が、お客様を見るとウィズさんは驚き声を上げる。そういう自分も久しぶりに見たアイツを見て、固まってしまったのだが。

 

 

「あああっ?! 出たわねこのクソアンデッド! あんた、こんなところで店なんて出してたの?! 女神であるこの私が馬小屋で寝泊まりしてるってのに、あんたはお店の経営者ってわけ?! リッチーのくせに生意気よ! こんな店、神の名の下に燃やして…」

 

 

ウィズさんをクソアンデッドと言った所から自分は動き出し、そして燃やすと発言したその瞬間に首元を掴んで耳元ですぅと息を吸い込み、呟いた。

 

 

 

 

 

「『ねこです。お久しぶりですねよろしくおねがいします』」

 

 

 

 

 

__瞬間。駄女神はその場に崩れ落ちた。

 

 

 







猫のストーカー行為って飼い主を親だと思ってるかららしいですね。うちの猫がストーカーしないのは親だと思われてないのでしょうか

好きな猫系SCPは?

  • 無害な子猫
  • 半身猫のジョーシー
  • お使いのテレビ(以下略)
  • 『ふくろねこ』
  • ねこですよろしくおねがいします
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