この素晴らしい世界にねこですよろしくおねがいします 作:アカツメヒビキ
【急募】SCP×このすばを増やす方法【求む】
ぼんやりする頭で書いたので、なんかアレですけど許してください。
いやはや、毎度毎度の誤字報告助かります、ありがとうございますねこです。
「そう言えば、私、最近知ったのですが。カズマさん達があのベルディアさんを倒されたそうで。あの方は幹部の中でも剣の腕に関しては相当なものだったはずなのですが、凄いですねぇ」
ウィズさんに襲い掛かるアクアを高級クッキー(消費期限切れ)で宥め、大人しくさせて暫く。ハムスターのようにサクサクとクッキーを齧るアクアをチラチラ気にしながら、ウィズさんは穏やかな笑みを浮かべる。
嗚呼、このアクセルの街を留守にしていた時があったっけ。自分は魔法の素材を集めるために、この大陸で最も深いダンジョンへ潜っていた時の事を思い出す。
どうやら、その時に魔王幹部のベルディアというデュラハンがカチコミに来たらしい。ご近所さんに聞いた話だと、毎日毎日、家に魔法をぶっ放されているのでクレームを言いに来た、とのこと。
まあ、所詮他人事なので適当に軽ーく同情しただけで終わった。魔王幹部だからそんな嫌がらせをやられるのでは? とも思った。で、そのベルディア討伐の際にとあるアークプリーストが洪水級の水を出し、街の一部が洪水被害にあったそうな。今考えると、絶対にそのアークプリーストはアクアだと分かる。トラブルメーカーかよ。
ふうむ、この駄目神の洪水被害で、この街の住民は防災意識が高まっているだろう。なら、防災グッズでも作れば売れるかも知れないな。よし、試しに今度作ってみよう。最近、毎日鳴り響く爆発音対策の耳栓もセットにして販売計画を練って……
はて、防災グッズには何が入っていたかと自分が思い出していれば、カズマが不思議そうな顔でウィズさんに問う。
「"あのベルディアさん"って、なんかベルディアを知ってたみたいな口ぶりだな。あれか? 同じアンデッド仲間だから繋がりでもあったのか?」
「嗚呼、言ってませんでしたっけ。私、魔王軍幹部の一人ですから」
カズマの問いかけに、さらっと自分でも知らなかったことを言いのけるウィズさん。隕石の如く強い衝撃発言に思わず思考停止していれば、アクアが「確保ーっ!!」とウィズさんに襲い掛かったので、はっと我にかえり羽交い締めにして引き剥がす。
「ちょっと、離しなさいよ!! これで借金がチャラになるの! 面倒くさいバイトをしなくて済むし、お酒が飲み放題になるほどの借金返済のお釣りがくるのよ! お昼過ぎまで寝て、起きたら冒険者ギルドに行ってお酒を夜まで飲んで、銭湯に行って、お風呂上がりの牛乳をキューっとやって、高級なワインを寝る前に飲んで……ってのを毎日繰り返せるのよ!! アンデッドが女神の役に立てるんだから感謝なさ」
「『一旦黙ってねこになりましょうです』」
バタバタと抵抗するアクアが煩いので、耳元でぼそっと呟けば、アクアはへなへなと力が抜けて床に這いつくばる。そんなアクアの頬をぺちぺちと叩いてみれば、焦点が合わない目で「うふふ、ねこぱんち、ねこぱんち……」と笑っている。よし、軽い症状で済んでるし大丈夫だろう。多分。自分はアクアの事を確認すると、ウィズさんに向かう。
【取り敢えず、今ねこのうちです。何か理由がねこなんですよね? 聞かせてくださいウィズさん】
倒れたアクアを気にしながらも、ウィズさんはおずおずと話し始めた。
「は、はい。その、実はですね……」
曰く、ウィズさんは魔王城の結界の維持の為の"なんちゃって幹部"らしい。人に危害を加えたこともなければ、そもそも賞金が掛かってないと言う。結界は魔王城を守る壁のようなもので、通常は魔王幹部全員を倒さなければ魔王城へと侵入できないが、アクアほどの力ならば残り二、三人が維持する結界ならなんなく破れる。今、自分を倒しても残りは六人。ならば、数がもっと減るまで、やるべきことがある自分はまだ生かして欲しい……との事だった。
泣きながら「生かしてください」と懇願するウィズさんに、カズマはなんとも居心地が悪そうな顔で目を泳がし、虚空にねこじゃらしを振るアクアをチラ見すると、口を開いた。
「ええっと。まあ、そういう事なら俺は別に無理に浄化しない。アクアにも説明して、やめさせる。俺みたいな未熟なパーティーに幹部をどうこうできるはずも、というか、会うはずもないし……ウィズ以外の幹部が倒されるのを気長に待っていた方がいい。その間にレベルを上げて、魔王討伐を目指すさ」
カズマのその言葉に、ウィズさんの表情は明るくなり、笑う。そりゃそうだ。人畜無害(自身の店以外に)なウィズさんを、わざわざ倒そうとする冒険者はそうそういまい。カズマが「よし、倒そう」と言おうものなら問答無用で狂わせる考えだったので、未来のお客様候補が減ることはなさそうな事にほっとする。
良い決断をしたなと思っていれば、カズマは少しばつが悪そうに聞いてきた。
「でも、良いのか? 幹部って連中は一応ウィズの知り合いとかなんだろ? ベルディアを倒した俺達に恨みとかは無いのか?」
カズマの言葉を聞いて、自分はすぐにウィズさんを見た。確かに、このお人好しは知り合いがこの世にいなくなったと知ったら悲しむかも知れない。そんな姿は見たくない。見てしまえば、カズマ達を少し恨んでしまう。魔王幹部から街を救ったヒーローなのに……
不安で拳を強く握ってウィズさんの答えを待つ。ウィズさんはちょっとの時間悩んだ後、口を開く。
「……ベルディアさんとは、特に仲が良かったとか、そんな事も無かったですからね……。私が歩いていると、よく足元に自分の首を転がしてきて、スカートの中を覗こうとする人でした。幹部の中で私と仲が良かった方は一人しかいませんし、その方は……、まあ簡単に死ぬような方でも無いですから」
一呼吸置いて、ウィズさんは「……それに」と言い。
「__私は今でも、心だけは人間のつもりですしね」
そう、少しだけ寂しげに笑った。ウィズさんがベルディアの事で悲しんでいないのにほっとしつつ、自分はアクアに少しだけ感謝した。
……ウィズさんのスカートの中を覗こうとするクソ変態アンデッドをこの世から抹消してくれてありがとう、と。取り敢えず、そのクソ変態アンデッドの城に今度行ってやろう。慰謝料として金目の物を全て奪い、赤字を減らすのだ。
そう思いながらチラリとアクアを見ると、またねこの怪我を治そうとしたのか、優しい笑顔で自分の頭の上(そこにねこがいるらしい)に回復魔法を唱えている。……狂っている方が女神らしく見えるのは何故だろうか。
そんな疑問を浮かべていれば、急に目にハイライトが戻ったアクアが「あら、私ってば何をして……」と言う。ほう、これは発見だな。どうやら、最上級の回復魔法は狂いすら治すらしい。なんというか、効き目も悪いし治せるし、ウィズさんとまではいかないが、自分もこの駄目神とは戦うとしたら相性が悪いらしい。
正気に戻ったアクアにウィズさんの事情を説明中のカズマを横目で見ながら、ウィズさんの服の裾をちょいちょいっと引っ張る。そうすれば、ウィズさんは「なんですか?」と此方を見た。
【スキルの件ですが、どうするんですか? どこにでもいますか?】
「あっ……ちょっと忘れかけてましたね。以前私を見逃してくれた事への、せめてもの恩返しですし……うーん、アレにしましょうかね……あ、あのねこさん」
【井戸の中ですなんですか?】
「私のスキルは相手がいないと使えない物ばかりなので……その、よろしければねこさんに試してもいいですかね? も、勿論手加減はしますし、ちょっぴりしかしませんし、大事になったりはしませんよ?!」
慌てたように早口で言うウィズさんが可笑しくて、少し笑う。ウィズさんは自分の命の恩人だ。あの時ウィズさんがいなければ、死んでいたかもしれない。そう考えれば、ウィズさんに殺されたって自分は文句は少ししか言わないつもりだ。
自分がOKのサインをしながら頷くとウィズさんはペコペコと謝り、丁度良いタイミングで説明が終わったらしいカズマに声をかける。
「カズマさん、えっと、今からドレインタッチというスキルを使うので、見ていて下さい」
「ほー? アンデッドがスキルを使う所を女神は目の前で黙って見てろって言うのね?」
「えっ?! いや、その」
「……これじゃ、どっちがリッチーと女神か分からないなっと!」
二度あることは三度ある。またもウィズさんに絡むアクアの頭を、バシンとカズマが引っ叩く。「痛いっ?!」と悲鳴を上げるアクアを無視して、カズマは此方に向き直った。
さて、漸く本題のスキルを教えることができるらしい。
漸く本題ではない件について。次が本題ですね。
カズマさんが影薄いですわねこです。頑張り所ですね。
好きな猫系SCPは?
-
無害な子猫
-
半身猫のジョーシー
-
お使いのテレビ(以下略)
-
『ふくろねこ』
-
ねこですよろしくおねがいします