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氷川家ギター合宿3日目
「花は桜木、オネエは今井、立てばオカマで座ればオネエ、歩く姿は今井ルナ」
「私のギターで謎のBGM演奏しながら意味分かんない格言じみたセリフ言わないで頂戴」
「言わせてくれ、我が同胞」
「普通に呼んでください」
「この三日間お世話になったわ。ありがとう」
「いえ、私もルナさんと料理したりして楽しかったです。というか洗濯とかアイロンがけとか、むしろ私の方が家事を多く教えてもらいましただから……」
「紗夜、……今は俺たちだけだぞ」
「……ええ、そうね。ありがとうルナ」
この三日間でなぜかかなり距離が深まった2人。
殆どは紗夜の歩みである。それはルナが酒に酔って眠っていた時、リサからこんな提案をされた。
『紗夜、ルナの事が好きならさ、普段見せない紗夜を見せるのもいいんじゃない?』
そう言ってリサから提案されたのは普段の敬語をやめるというものだった。
最初は躊躇いながら、不器用に話していたが、段々と違和感も無くルナと日菜にだけはタメ口で、普段通り話せるようになったのだ。
そのおかげもあってか、ルナもルナでオネエ口調を抜いて、対等に、紗夜と接するようになり……
「……どうしたの? 私の顔なんて見つめて」
「……いや、なんかアレね。最近私変なのよ」
「変とは?」
「紗夜といるとリサとは違う安心感とか緊張する」
「……へぇ、それで?」
「多分、というか認めたく無かった言い訳だけど、私……俺、紗夜が好きかもしれないわ」
「……そうですか」
「……それだけ?」
「ええ。私はルナが好きだから。当然異性としてよ」
「……あんなに言い争ってたのに? 割と暴言の言い合いだったのに?」
「あんなもの照れ隠しよ。それに、ルナにだけタメで話すなんてそれ以外何があるの? 鈍感にも程があるわね」
「バカにしてるの?」
「事実を言ったまでよ。素直じゃない私もアレだけど、日菜の件からしばらくして私は自覚したわ」
「私は今よ」
「やっぱり鈍感ね」
「過去に囚われてたせいでそんな感情湧かなかった、なんて言いわけは?」
「通用すると思う?」
「無いわね」
そんな雰囲気も何も無い、まるで日常会話のようにさりげなく両思いを伝える2人。そして……
「……好きよ紗夜」
「私も好きよ……でも、ルナ自身の言葉でもう一度聞きたいわ」
「……紗夜、好きだ。……俺で良ければ……一緒にいてくれ」
「離すわけないでしょ、こんな情緒不安定なオネエなんて私くらいしか面倒見きれないわ」
「テメェも日菜の名前出しただけでメンタルズタボロだったくせによく言うよな」
「今は大丈夫です! もう日菜とは最高の姉妹よ! 貴方こそ、まだ湊さん達と楽器弾いてないけどメンヘラにならないのかしら?」
「言いやがったなテメェ! この三日間お前のおかげでなんとかなったわ! 見せてやるよオネエ
「おねーちゃん、ルー君、うるさい。ヤるならもう少し声抑えて。後避妊して」
「「して無いわよ!!」」
「うわ、ルー君がこのまま男の子口調になると思ったらまさかのオネエに戻った。その結果奇跡的に一字一句ハモッタ」
「解説しなくて良いわよ!」
「そういえばルナ、携帯返すわね」
「……え? あ、リサに連絡するの忘れてたわ」
「楽器演奏の特訓なんて言えないからそれだけは黙っていたけど、携帯も家の中でも少しだけ取り上げてたのは悪かったわ」
「良いわよ別に……うわぁ、やべぇ」
「どうしたのルー君、素に戻って」
「姉さんから500件メッセージ来てる」
「「はい?」」
ハモった姉妹にメッセージ画面を見せると
『ルナ会いたい』『ルナ会いたい』『ルナ会いたい』『ルナ会いたい』『ルナ会いたい』『ルナルナルナルナルナルナルナルナルナルナルナルナ』『紗夜、サヨナラ』
それらしきものが500件届いてた。
「……リサ、今行くわよ!」
「私も行きます。でも、死にたくありません」
「俺が守るよ」
「あたしまだ死にたく無いからいいや」
「「お前も(貴方も)来い(来なさい)!!」」
そうして今井家に向かった。
♪♪♪
「わぁいルナだー! ルナー! ねぇ、何してたの紗夜と獣のような『バキューン!』してたの? それとも日菜誘って3『ピー』してたの? ねぇ答えて、答えて? ……答えろ」
「リサ落ち着きなさい、事情は友希那交えて見せるから取り敢えずその隠しきれないR18用語はやめなさいよ」
「寂しかったよルナ!!」
「こんなリサちー見た事無いよ」
「シスコンにも程がありますね」
「ルー君もシスコンだしね」
「毎日のようにポテト食べさせ合いっこしてるアンタらに言われたく無いわよ! ほら、泣き止みなさい、リサ。よしよし、ごめんねぇ、連絡出来なくて……おいコラなんでズボン脱がそうとしてんだテメェ!? 馬鹿姉貴!」
「だってルナの童貞紗夜に取られたー!!」
「隠しきれてねぇよ! なんで急にそんなキャラになってんの!」
「違いますよ、今井さん」
「紗夜、ナイスよ! 誤解を解いて!」
「ルナの童貞はまだです。ファーストキスは酔って寝てる間にしました。その後もルナさんが家に泊まって寝ている時に5回くらい唇にしました。口開けてる時は舌を入れました。それだけです」
「犯罪者だああああ!! ここに犯罪者がいるぅ!!」
「うわぁ、おねーちゃんそれは無いわ」
紗夜の言葉に恐怖するルナとキャラ崩壊してる日菜がいた。
「良いじゃないもう付き合ったんだし」
「え? そうなの?」
「そんな感じしないけど事実よ」
「……紗夜おおおお!! アタシの弟がぁぁぁぁ!! よくもアタシの弟の初体験ぉぉぉぉ!!」
「落ち着けやお前はぁぁぁ!! ああ! もう、冗談じゃねぇんだけどぉぉぉぉ!!!」
キャラ崩壊の修羅場であった。
♪♪♪
「まだ終わりじゃない、あの日交わした口づけ、あの店の、ハヒフヘホ〜♪」
「ねぇ待って!? 3日間ってこのためだったの!? ってか何でこの曲!?」
「3日間日菜やルナさんと話し合った結果、ルナさんの音域に1番合うのはこの曲だと決定して、これを練習させました」
「確かに見事にルナの声とマッチしてるわね。今までのオネエ口調から違和感しかないけど」
「ってか……うわぁ、なんかルナが楽器弾いてるの新鮮。というかアタシ感動してる……泣きそう」
「泣いてるわよ……まぁ、今は全然粗しかないけど、よく3日でここまで弾けるわね」
「私達の特訓よりかはルナさんの手先の器用さとかですぐ弾けてましたよ。ルナさんがほぼなんでも出来るのも幸いしたと思います」
「演奏はそこまでって感じだけど、あたしからしたらるんってくるからいいかなぁ。それに、楽しそうだよ、ルー君」
「……さて、リサ。準備はいい?」
「……友希那?」
スタジオで演奏をし終えたルナに友希那が近づいて言った。
「ルナ、まだ粗しかないけどたった3日でここまで弾けたのは……」
「もちろん、友希那、リサ。貴方達と楽器やりたかったからよ。……未熟だけど、まだ歌に対して貴方達の数万倍本気では無いけど、付き合ってくれるかしら?」
そんなルナの言葉にリサと友希那は
「「もちろん(よ)」」
そう、微笑んだのだった。そして、演奏後に
「ルナ、お疲れ様。良かったわよ」
「おう、ありがとう紗夜」
「「「……え!?」」」
紗夜とルナがお互いタメで、ルナに関しては昔の口調で返事をしていたことに驚いた三人だった。
ルナ君の歌った曲は大友さんです。伝わってくれさい。