龍のセカイ探訪記   作:クックサンド

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とある森林の奥

_3日経った。

今はとある森で迷っている。街道近くでキャンプをしていたキャラバンによると、ここら一帯の森は"生きている"との事。とても興味深いのでやって来たのだが、どうも迷ったらしい…どうしようか。幸いにも食料はまだ残っているのであと…そうだな、1週間は持ちそうだ。最悪森の中に自生している植物やらイノシシやらを狩って食べればいい。

 

龍に戻ればいいのでは?と思ったが、まだ人が近い(と思う)ので戻ると厄介だ。出来ない。まぁ歩いていればなんとかなるだろう。

 

「日も暮れてきたし…うん。今日はここで野宿だな。夜に歩くのは危ないし」

 

そう呟いて、テントを皮袋から出して立て始める。今思えばこのテントとはもう4年以上の付き合いになるな…早いものだ。そんな事を思いながらテントを立てて中に荷物を置き、外にキャンプ用の調理器具を置き火を魔道具でつける。

そうだな…肉でも焼こうか。ユールフォストで買っておいた肉と野菜を樫の木の板の上で切って、油をひいてあたためておいたフライパンにのせる。

ジュウジュウと肉が焼ける音が辺りに響く。うーん、美味しそう。塩コショウを途中で投下し炒める。

 

ーーーー

 

…よし、肉野菜炒めの完成だ。肉のいい匂いと野菜のしなり感がなんとも食欲をそそる。いただきます。

 

「…上出来だ、美味い」

 

しっかり火も通っているな、良し。

 

「やっぱり塩コショウなんだよなぁ…」モグモグ

 

ふぅ、食べ終わった。…そういえばオレンジも買っておいたんだったな。デザートとして食べようか。

オレンジをナイフで半分に切り、また半分に切る。1/4のサイズが1番食べやすいような気がする。いただきます。

簡単に言うとオレンジジュースの味が濃くなった感じだな。甘酸っぱくて美味しい。

ご馳走様でした。…さて、日記書いて寝るか。

 

フライパンなどを近くの川で洗って乾かし、皮袋の中に仕った後今日の分の日記を書いて寝袋に入る。食べて少し時間が経ったというのもあって眠かったので、今晩はすぐに寝てしまったようだ。

Zz...

 

ーーーー

 

目が覚めた。…なんか外が暗いな、大丈夫なのか…?

外に出ると昨日と景色が違い、大樹の前だった。後ろにはまたもや大きい木があったが、眼前のモノとはあまり比べ物にならない大きさだ。暗い理由は大樹とそれを囲むように立っている木の葉であまり光が漏れないからだろう。

一応テントなどを片付け、皮袋に仕舞って、左手に長剣を持ちいつでも抜刀出来るようにする。

 

大樹に近づくのは危険だと感じたので、代わりに後ろの木へ近づく。

 

「……ッ」

 

木の表面には人間の顔が張り付いていたため、驚いて後ずさりしてしまう。…触ったら祟られそう。

他の木も確認するが、どれも同じように人間の顔がいくつも張り付いていた。顔は全て恐怖に染まっていた。

 

「ねぇ」後ろから少女の声がした。

「っ…何だ」思わず肩が跳ねる。驚くと肩が跳ねるのは本当だったのか。

「あなた…まよったの?わたしもなの。」

 

そう少女(?)は声を紡ぐが、振り返ってはいけない様な気がした。

 

「そうか、俺もだ」

「そうなんだ!さっきね、たいじゅの根の所にあながあるのを見つけてね、どこかにつながってるみたいなの、もしかしたら出られるかもしれないから、いっしょに来て?」

「ん…でも俺は大丈夫だ。来た道を戻る」

「えー、いっしょに行こ?」

「いや、いい。」

 

ついて行く筈がない。少女の声を無視して木の間を進もうとすると、

 

「なんで?なんでなの?せっかく出られるのよ?」

 

少女(?)の語気が強まり、声も低くなる。やっぱり女の子なんかじゃなかった。無言で無視して進むと腕を肌の質感も何もない堅いものに掴まれる。

_刹那振り向いて剣を抜きながら後ろにいた"モノ"を横半分に斬り裂いて剣を鞘に。

 

「ぁ…ぇ」

「静かに眠れ」

 

そう最期にしわがれた声で声を漏らし事切れる。

あぁやっぱり人間じゃない。悪性の木霊だ。

 

ソレを木の傍に担いで持っていき置いて去る。

何故かすぐに森から出る事が出来た。自分が出た後にこの森がどうなったのかは知らない。

 

何故大樹に近づかなかったのかって?

 

そこには沢山の骨がつまれてあったからだよ。

 

 

 

 

木霊(こだま)…字の通り木の霊。森などで発生するが、基本は無害である。見た目は小木に木の足やら腕やらをくっつけた様な感じ。

人のマイナスの感情をよく吸い取ってしまう為、それが溜まると悪性に変化し人を襲うようになる。

古い木で発生した木霊程悪性に変化した時にタチが悪い。




少しホラーチックにしてみました。どうでしたか?
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