「ただいまー」
1人でBクラスとの戦争に決着をつけた僕は教室に戻ってきていた。
「あ、明久。さっきの悲鳴はなんだ?」
そして教室に戻った瞬間、雄二にそう聞かれる。
あの悲鳴、ここまで届いてたんだね。
「あ、うん。ちょっと戦争に決着つけてきたよ」
これはほとんど私怨だ。だから僕は大したことでもないかのようにそう告げた。
「あ、なるほど。決着をつけてきたんですね~…って…えっ?」
「はぁ!?」
「決着をつけてきたじゃと!?」
「……なんでそんな無茶なことを」
うーん…。言っちゃってもいいんだけどね。わざわざ薬を盗られてたこと教えなくてもいっか。
「ん、ちょっと…ね それよりほら 戦後交渉に行ってきなよ。僕は休んでるからさ」
「あ、ああ 分かった。行ってくる」
そして皆は教室から出て行って教室には僕1人になっていた。
「…ふぅ… ちょっと疲れたな… でも薬は飲んでこないとね…」
…無理しすぎたかな…体が重い…。
座り込みたい衝動に駆られるが足に力を入れると歩き出す。
「んっ…ふぅ…」
そしてなんとか水飲み場に着いた僕は薬を水道水で飲み込んだ。
「はぁー…やっとゆっくり…」
「吉井」
…出来そうにないね。うん。
「…なんですか? てt…西村先生」
「む、今 鉄人と言いかけなかったか? …まぁ、いい 観察処分者の仕事を頼みたいのだが」
「…いいですよ。何をやればいいんですか?」
「Aクラスから自習に使ったプリントを回収してきてもらえるか」
「わかりました。じゃあ失礼します」
本当は座って休みたかったけど、ずっと学校に来れなくて迷惑と心配を掛けたんだ。
これくらいはやらないとね。
そしてAクラス前。教室の中はガヤガヤしている。ちょうどSHRが終わったみたいだ。
「失礼しまーす」
そしてAクラスの教室に入ると1人の女子生徒が僕に声を掛けてきた。
「あら、Aクラスに何の用かしら?」
その声のする方を見てみると…あれ…?
「秀吉? …じゃない。もしかして秀吉のお姉さん?」
「あなた、弟のこと知ってるの?」
「あ、えっと 秀吉とは同じFクラスの友達で…あ、僕の名前は…」
ぎゅむっ
「……明久」
「うわぁっ!?」
「代表!?」
秀吉のお姉さんと話していると僕の背後に翔子ちゃんがいきなり現れて僕の腕に抱きついた…って
「し、翔子ちゃん!? び、びっくりしちゃったじゃないかぁ! 急に現れないでよ!?」
翔子ちゃんの現れ方は毎度心臓に悪い。
「明久…Aクラスに何か用…?」
しかし翔子ちゃんは平常運転だ。
こてんと首を傾げてる。
「あ、うん えっと…」
「あれー? 代表。その娘誰ですか?」
また誰か来たみたいだ。緑髪のショートカット…誰だろう?
活発な印象を受ける女の子だ。
「…私の大切な人」
「え… へ…? な、なに言ってるの!?」
「あー…その娘が代表が言ってた…ってことは男の娘!?」
翔子ちゃん何を言ったのさぁ!? 男の娘じゃないし! ちゃんと男の子だよ!
「ああ、なるほど。あなたが吉井君だったのね」
秀吉のお姉さんもなんでか納得してるし…。
「あは♪ そーだ。なんだか長い付き合いになる気がするしボク達、自己紹介でもしよっか」
「それもいいわね。そうしましょう」
そしてなんだかわからないけどお互い自己紹介する流れのようだ。
「それじゃまずはボクからね。Aクラスの工藤愛子です。趣味は水泳と音楽鑑賞で、スリーサイズは上から78・56・79、特技はパンチラで好きな食べ物はシュークリームだよ☆」
「く…工藤さん? その自己紹介はどうなの…?」
特技がパンチラって…それにスリーサイズ言う必要あったのかな…。
「ダメだよー? 明久くん。ボクのことは愛子って呼んでね」
「あ、うん よろしくね。愛子さん」
って思って突っ込んだけど流されちゃった。
そして次は秀吉のお姉さんみたいだね。
「同じくAクラスの木下優子よ。木下だと弟と紛らわしいだろうからアタシのことは優子でいいわ」
「わかったよ。よろしくね。優子さん」
優子さんの自己紹介が終わって次は僕の番だ。翔子ちゃんは知ってるからね。
「それじゃ最後に…Fクラスの吉井明久。性別は男です。翔子ちゃんとは幼馴染で昔から友達だよ」
「…違う」
…へ? 違うって…?
「…私は明久の妻」
「違うでしょ!?」
「「ぷっ…あはははははははは!」」
翔子ちゃんの問題発言に突っ込んでいたら2人が急に笑い出した。なにか面白いことでもあったのかな?
「ふ…ふふ…ご、ごめんなさいね。なんだかおかしくって」
「いやー、明久くんといると退屈しなさそうだねー」
「ひ、ひどいよ。2人ともー!」
……あれ? 2人が急に顔を赤くして逸らした…?
「どうしたの…?」
「…い、いえ 何でもないのよ(よ、吉井君の困り顔…」
「そ、そうそう。明久くんは気にしなくていいんだよ(な、なんだかクるものがあるね…」
「……?」
なにがなんだかよくわからない。
「そ、それで吉井君? このAクラスになんの用だったのかしら?」
あっ…!
用事を思い出した僕は慌てて言葉を発する。
「そ、そうだった! 試召戦争の間に自習で使ったプリント! それを回収してきてって頼まれたんだ…け……」
だけど僕の目の前はなぜか段々とぼやけていって…。
「…ど… …あれ…?」
バタンッ
気付いたら僕は倒れてしまっていた。あはは…ちょっと大声出し過ぎたかな…?
「明久…!」
「吉井君!」
「明久くん!」
意識が途切れる直前、最後に聞こえたのは彼女たちが僕を呼ぶ慌てた声だった…。
翔子の明久の妻発言に対する補足
明久が入退院を繰り返していた病院が霧島財閥の物という設定でこの作品での明久と翔子はそこで出会った幼馴染となります。