バカとテストと男の娘?   作:清水樹

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問14 Aクラス戦 開戦

Aクラス戦当日

僕達、Fクラスは会場として作り変えられたAクラスの教室に集まっていた。

流石はAクラスの教室。AクラスとFクラスの全員が入ってもまだ余裕がある。

 

「それではこれより、AクラスとFクラスの試召戦争を始めます!」

 

そう告げて前に出てきたのはAクラスの担任、高橋先生だった。

フルネームは高橋洋子。赤い髪を後ろでお団子状にまとめていてスーツをピッシリと着こなしたキャリアウーマン然としたクールで知的な印象を受ける女性だ。

 

「両者共、準備はよろしいでしょうか?」

「あぁ」

「…大丈夫です」

 

雄二と翔子ちゃんが頷いて了解の意を示す…とうとう始まるんだ。僕も応援頑張らなきゃ…!

…ちょいちょい

…ん?

 

「どうしたの? ムッツリーニ」

「……応援に適した服を用意した」

「えっ、これを着てくればいいの?」

 

服の入ってるであろう紙袋を持ったムッツリーニはコクコクと頷いている。うーん、どんな服だろう。

 

「じゃあ着替えてくるね」

 

僕はムッツリーニから紙袋を受け取ると着替えるために一旦Aクラスの教室を出て行った。

 

数分後

「ムッッッツリィィィィニィィィィッ!!」

「うるさいぞ。あきひ…なっ!」

「ムッツリーニ! これ、どういうことなの!?」

 

僕が着てるのは応援でお馴染みの学ラン…ではなく…。

 

「なんでチア服なのさぁ!?」

「……(グッ!)」カシャカシャ、カシャカシャッ

 

グッ!じゃないよ! それに写真撮らないでよ!?

 

『おおおおおおっ!!』

「ムッツリーニ! 俺、予約な!」

「俺も!」

「俺も俺も!」

「……(グッ!)」

 

だからグッ! じゃないよぉ! それに皆、予約ってなにさ!?

 

「…ま、まぁ、それはいいや。それでもう始まってる?」

「ん、ああ。いや、まだ始まってないぜ。明久が出て行ったのが見えてたからな。代表だけ選出して待ってもらった」

 

一回戦が始まってるかどうか雄二に尋ねてみるとそう返ってきた。

僕のせいで待たせちゃってるのか…。

 

「待たせてごめんね。それで最初は誰と誰が戦うの?」

「気にすんな。…んで一回戦だが…この通りだ」

『うおおおおおお! 秀吉ぃぃぃ! 美少女魂見せつけろぉぉぉ!』

「だからワシは男じゃと言ってるのじゃ!」

「それ以前にアタシと秀吉ってほとんど顔一緒のはずよね…この差はなんなのかしら…」

 

…なるほどね。

その光景を見て僕は把握した。

 

「秀吉と優子さんか」

「ああ、さて。明久も戻ってきたことだしそろそろ始めてもらおう」

 

…僕はこの格好でいるしかないのね…。

 

「高橋女史! 待ってた奴が来たんで」

「…分かりました。では、第一回戦を始めます。科目は何にしますか?」

「どうするの? 秀吉」

「そうじゃの…ここは姉上に任せるのじゃ」

 

秀吉は科目選択を優子さんに委ねた。

 

「あら、いいの? 少しでも自分の得意な教科を選んだ方がいいんじゃないかしら?」

 

だけど優子さんは秀吉を煽ってFクラスの科目選択権を使わせようとしているようだ。

 

「構わぬ。姉上よ。そんな挑発には乗らぬぞ?」

「…そうみたいね。じゃあ、アタシが選択するわ。…古典でお願いします」

 

そして選択権を譲られた優子さんは古典を選択した。でもあれ…? 古典って…。

 

「姉上よ。それでよいのか? 古典はワシの得意科目じゃぞ」

「ええ、だからこそよ。秀吉 あんたの本気をアタシに見せてみなさい!」

 

やっぱり。秀吉の得意科目だよね。

 

「承認します では、召喚してください」

 

古典のフィールドが展開される。

 

「「試験召喚獣、召喚〈サモン〉ッ!」」

 

古典 Fクラス 木下秀吉 185点

       VS

   Aクラス 木下優子 384点

 

2人の召喚獣が召喚された。

召喚獣の説明をすると、秀吉の召喚獣は袴姿に薙刀を持っていて、優子さんの召喚獣は鎧姿にランスを装備している。

リーチではランスに分があるが一撃の重さでは薙刀が勝るだろう。

 

「あら、やるじゃない。秀吉」

「いやいや、まだまだじゃよ。…まだ姉上の半分じゃしのう」

 

秀吉は謙遜しているけどかなり努力したはずだ。秀吉の古典の点数は前は130点前後だったはず…。そこから50点も上げるなんて簡単じゃないはずだよ。

 

「それじゃ行くわ…よっ!」

 

先に仕掛けたのは優子さんの召喚獣だ。鋭いランスの突きが秀吉の召喚獣に迫る…!

だが秀吉の召喚獣はランスの鋭い攻撃を紙一重で回避した。

 

「この点数差…まともに当たるわけには行かぬのじゃ…!」

 

そして反撃をしようとする、が武器のリーチ差のせいでなかなか攻撃が届く距離まで踏み込めないようだ。

 

「ほらほら、どうしたの 秀吉っ! 攻撃してこないのかし…らっ!」

「くっ…近づけぬ…! その長物は厄介じゃ…のう…ッ!」

 

秀吉は攻撃が出来ず、優子さんは攻撃が当たらない。

この均衡状態が長く続いた。このまま決着がつかないのではないかと思いすらした…けど、その均衡は突然崩れた。

 

「いい加減当たりなさい…ッ!」

 

当たらないことに焦りが出たのか優子さんは精彩を欠いた突きを繰り出した。

 

ギィンッ!

 

だがその突きは薙刀で弾かれ、がら空きになった優子さんの召喚獣に薙刀の重い一撃が襲い掛かった。

 

Aクラス 木下優子 334点

 

「くっ…流石に一撃が重いわね…。この点数差なのに50点も削られるなんて…!」

 

優子さんは召喚獣の状態を立て直そうとする。けど秀吉はその隙を逃さなかった。

 

「まだまだ行くのじゃっ!」

 

ガキンッ! ザンッ! ギィン! ザシュッ!

 

Aクラス 木下優子 234点

 

全てではないけど優子さんも流石にいくつかの攻撃は防いだ。だけど秀吉は着実に優子さんの点数を削っていく。

 

「ふ…ふふふ…」

 

だけど優子さんが浮かべていた表情は焦りではなく…笑みだった。

思わず秀吉の召喚獣の動きは止まる。

 

「…姉上?」

「ほんと…強くなったわね。秀吉」

「…そうじゃのう。強くなったというのならば明久のおかげじゃな」

「吉井君の?」

「うむ。明久はワシの一番の親友じゃからな。それに明久は姉上の知ってる通り身体が強くないのじゃ。だからFクラスの教室に居させるわけにはいかぬのじゃ」

「…そう聞くと、負けてあげたくなるけどアタシはAクラスなの。…悪いわね」

「…姉上が謝ることではないのじゃ。なぜなら…ワシが勝つからじゃ!」

 

会話が終わった瞬間、止まっていた秀吉の召喚獣は動き出す。

優子さんの召喚獣は対応が遅れた…ように見えた。

 

ギィンッ! ガキッ! ガキンッ! ギャリィッ!

 

だが攻撃の結果は会話が終わる前とは全く違っていた。

 

「なっ…! 全て防がれたじゃと…!?」

「ふふ、話してる間止まってたのは得策じゃなかったわね。おかげであんたの動きは把握出来たわ」

 

どうやら優子さんは動きが止まってる間に今までの秀吉の動きを頭の中で整理し、秀吉の動きを把握したらしい。

 

「それじゃ、今度こそ当ててやるわっ!」

「何度やっても当たらな…なんじゃと…ッ!?」

 

…秀吉は回避しようとした。だが避けれなかった。

それどころか優子さんの召喚獣のランスは秀吉の召喚獣の急所を捉えていた。

 

「…動きを把握したってことは攻撃を防げるだけじゃなくて避けるのに攻撃を合わせることも出来るのよ。残念だったわね。秀吉」

「…ワシの負けなのじゃ」

 

古典 Fクラス 木下秀吉 0点 DEAD

       VS

   Aクラス 木下優子 234点

 

「勝者 Aクラス 木下優子!」

 

先生が勝者宣言をした後、Fクラスの陣地に戻ろうとした秀吉を優子さんが呼び止めていた。

 

「…秀吉。なんで負けたか分かるかしら?」

「む? 姉上が先ほど言っておったではないか。ワシの動きが読まれたからじゃろう?」

「ええ、でもそれだけじゃないわ。あんたのあの動き、多分誰かの真似なんでしょ。うね。アレ、あんたの武器には合ってないわよ」

「どういうことなのじゃ?」

「おそらく軽い武器のための動きなんでしょ? 秀吉。あんたの武器じゃ重すぎたのよ」

「…なるほどのう」

「じゃ、これからも吉井君と仲良くするのよ」

「姉上…うむ。当然なのじゃ!」

 

秀吉は会話が終わったのか、こっちに戻ってきた。

 

「すまぬ。負けてしまったのじゃ…」

「何言ってるのさ 秀吉! あれだけいい戦いして文句言う人なんていないよ!」

「そうだぞ。周りの声を聞いてみろ」

「木下君凄かったです~」

『秀吉ぃぃぃ!惚れ直したぞぉぉぉっ!』

「まったく…お主らは…、ワシは男じゃと言ってるじゃろう!」

『あははははははっ!』

 

こうして第一回戦は負けちゃったけど僕達の中で落ち込んでる人はいない。

この試召戦争…僕達が勝つんだ! おーっ!

 




…バトルパートは読むのは好きですが書くのは苦手です(´・ω・`)
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