バカとテストと男の娘?   作:清水樹

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最終問題 Aクラス戦 終結。そして…

もう少しで第4回戦が始まる。

3回戦はムッツリーニが1勝して、このままの勢いで僕達の勝利を勝ち取りたい…けど。

 

「…姫路。すまないが科目は選ばないでくれるか」

「…はい。大丈夫ですよ」

「…悪いな。俺のミスだ」

 

…うん。美波ちゃんが勝手に教科を選んじゃったから…ね。

瑞希ちゃんが使う分の科目選択権がなくなってしまったんだよね。

 

「いっ、いえ…私は大丈夫ですから…」

「…こんなことを言うのは都合が良過ぎるかもしれんが…頼む! 勝ってくれ…!」

「坂本君…。…はいっ!」

 

雄二の頼みを聞いて、瑞希ちゃんが力強く頷く。

 

「…第四回戦を始めます。4人目の方は前に出てきてください」

 

高橋先生の声にFクラスからは瑞希ちゃんが前に出て行った。

そして対するAクラスの方からは…。

眼鏡を掛けた男子が出てきた。…うん。彼のことは僕でも知ってるよ。学年次席で、確か…。

 

「姫路さん。君の相手は僕がさせてもらうよ」

「久保君ですか。ですが、負けません…!」

 

そうだ、久保君だ。…それにしても学年次席か…。

 

「それでは、教科はどうしますか?」

「どうするんだい? 姫路さん」

「…私がここで選ぶわけにはいきませんから」

「そうか。なら僕が選ばせてもらうよ。 …総合科目でお願いします」

「承認します」

 

総合科目…。

いくら瑞希ちゃんでも次席相手にこれは厳しいんじゃ…。

 

『うおおおおおっ! 姫路さーん! 勝ってくれぇぇぇぇっ!!』

 

……! …そっか。そうだよね。僕達が信じなきゃ誰が信じるんだよ!

 

「瑞希ちゃん! 頑張って!」

 

そう声を掛けると瑞希ちゃんはこっちを向いて笑顔を向けて返事を返した。

 

「…明久くん。…はい。頑張ります!」

「それでは、召喚を始めてください」

 

高橋先生の宣言に瑞希ちゃんの表情が真剣になる。

 

「試験召喚獣、召喚〈サモン〉ッ!」

「試獣召喚ッ!」

 

総合科目 Fクラス 姫路瑞希 4409点

         VS

     Aクラス 久保利光 3997点

 

『『おお…おおおおおおおっ!?』』

「久保も4000点手前…流石学年次席…だが…」

「なんなのよ。あの点数」

「4400点…学年主席レベルじゃないか」

「なんであんな人がFクラスなんだ?」

 

「うおおおおおお!」

「流石、姫路さんだ!」

「どうだAクラス!」

「これが俺達Fクラスの実力だぜ!」

 

…うん。確かに学年次席よりも高い瑞希ちゃんの点数は凄いけどさ。…ナンデ皆ガ勝チ誇ッテルノカナァ…?

 

『…? …ヒィッ!?』

「……あ、明久」

「き、気持ちは分かるが落ち着くのじゃ」

「…あいつらは俺が後でシメといてやる。だからお前は応援してろ」

「…うん、そうだね。わかったよ」

 

そうだよね。瑞希ちゃんを応援しないと。

 

「…まさかこれ程とはね。でも、これは点数の勝負じゃない。僕が勝たせてもらうよ…!」

 

双振りの大鎌を持った久保君の召喚獣が瑞希ちゃんの召喚獣に襲い掛かる。

 

「Fクラスの皆の為にも…負けられま…せんっ!」

 

それに対し瑞希ちゃんの召喚獣は大剣を振り上げ大鎌を弾く。そしてバランスを崩された久保君の召喚獣に大振りの一撃を叩き込んだ。

 

Aクラス 久保利光 3521点

 

そして久保君の召喚獣は派手に吹っ飛ばされ…あれ? がら空きのところに叩き込んだはずなのに思ったより減っていない…。

…そうか! 当たるときに合わせて咄嗟に跳んだんだ…!

 

「…合わせて跳んだはずなのにこんなに削られるなんて…流石は姫路さんだね…!」

「私は相手が誰であろうと負けるわけにはいかないんです…!」

 

瑞希ちゃんの召喚獣が地を蹴って跳ぶと、一瞬で久保君の召喚獣に迫る。

対する久保君の召喚獣は自ら跳んだとはいえ、体勢を再び崩している。まだ立て直せないようだ。

 

「ごめんなさい…っ!」

 

その隙を見逃さず瑞希ちゃんの召喚獣は斬撃を繰り出す。

 

Aクラス 久保利光 1512点

 

「くっ…本当に強いね。…ひとつ聞いていいかな。姫路さんは何故ここまで強くなれたんだい?」

「…私はこのクラスの皆が好きなんです。…人の為に一生懸命な皆がいる、このFクラスが…!」

「Fクラスが…好き?」

「はい…! だから私は負けられないんです…!」

「…そうか。だけど僕も学年次席として負けるわけにはいかないんだ!」

「…そうですか…。ですが、これで決めさせてもらいますっ!〈熱線〉」

 

瑞希ちゃんの召喚獣から何かが発射され久保君の召喚獣に命中したかと思うと突然、久保君の召喚獣が燃え上がってどんどんと点数が減っていく。

 

「…こ、これは…!?」

「…これが私の召喚獣の腕輪〈熱線〉の効果です…!」

「だけど、まだ勝負は終わっていない…!」

 

瑞希ちゃんの召喚獣の首に大鎌が迫る――

 

総合科目 Fクラス 姫路瑞希 3909点

         VS

     Aクラス 久保利光 0点 DEAD

 

――だけど瑞希ちゃんの召喚獣の首を刈り取るより先に久保君の点数がなくなり、久保君の召喚獣が消え去った。…ってことは…。

 

「勝者 Fクラス 姫路瑞希!」

『うおおおおおおおおっ!』

 

やったぁ! 瑞希ちゃんの勝ちだ!

 

「…僕の負けだね。でも次に戦うことがあるなら負けないよ」

「…はい。私の勝ちです。…次も負けませんよ」

 

久保君と一言交わすと、瑞希ちゃんがこっちに戻ってきた。

 

「やりました。皆さん!」

「うん。見てたよ おめでとう。瑞希ちゃん!」

「うむ。素晴らしかったのじゃ」

「……勝利」

「ああ、助かったぞ。姫路」

「…はい!」

 

「…それでは、Fクラス対Aクラスの最終戦を始めます。代表の方は前に出てきてください」

 

Fクラスからは雄二が、Aクラスからは翔子ちゃんが前に出る。

 

「…よう、やっとここまで来れたぜ」

「…雄二。明久の為でも私は代表として負けられない」

「ああ、それでいい 本気で来い。その上で勝ってやる」

「…負けない」

 

雄二と翔子ちゃんが対峙する。

何が起こってもこれが最終戦だ。勝ってよ雄二…!

 

「では、教科は何にしますか?」

「教科は日本史、内容は小学生レベルで方式は百点満点の上限ありだ!」

 

雄二の言葉にAクラスの人達がざわめく。

 

「小学生レベルだと?」

「そんなの満点確実じゃないか」

「注意力と集中力の勝負になるな」

 

普通はそう思うだろう。だけど僕達は翔子ちゃんの弱点を知っている。

 

「…わかりました。ではテスト問題を作ってきますので少し待っていてください」

 

そういうと高橋先生は一旦教室を出ていく。

そして10分ほど経った後、高橋先生が戻ってきた。

 

「…お待たせしました。では、両クラスの代表の方は視聴覚室に来てください」

「…ああ、わかった」

「…はい」

 

雄二と翔子ちゃんが出ていってからしばらくするとディスプレイに雄二と翔子ちゃんが映り、テストが始まるとディスプレイに問題が表示されだした。

 

〈次の()に正しい年号を記入しなさい〉

 

(  )年 平城京に遷都

(  )年 平安京に遷都

(  )年 鎌倉幕府設立

 

次々と問題が表示されていく。

 

「…あの問題は出るかな…」

「出ればワシらの勝ちじゃが…」

「……出なければ負け」

 

(  )年 大化の改新

 

……! 大化の改新…!

「……これで」

「ワシらの勝ちじゃ…!」

 

テストが終わり高橋先生は採点に入る。

そしてその結果は…。

 

日本史 限定テスト 100点満点

Fクラス 坂本雄二 100点

Aクラス 霧島翔子 97点

 

「勝者 Fクラス 坂本雄二! これにより3対2でこの試召戦争はFクラスの勝利となります!」

 

僕達の…勝利だ!

 

『いよっしゃあぁぁぁぁっ!』

「これで俺達の教室は…!」

『システムデスクだぁぁぁぁっ!』

 

Fクラスの皆が凄く喜んでる。

逆にAクラスの人達はひどく落ち込んでいて可哀そうにも思えるけど…。

 

「…雄二」

 

周りの様子を見てると翔子ちゃんを始めとした僕達と戦ったAクラスの皆が集まってきた。

 

「…設備の交換は明日…」

「…いや、設備の交換はしくていい」

 

…え?

 

『はああああああっ!?』

「設備を交換しないってどういうことだ!?」

「理由次第じゃ許さないぞ!」

「それなりの理由があるんだろうな坂本ぉ!」

 

そうだ。雄二が理由もなくそんなことを言うはずがない。

 

「ああ、実を言うとな。ババァに直談判して設備を交換しない代わりに後日、振り分け試験をもう一度受けれるようにしてもらったんだ」

「なんでそんな面倒なことを…」

「お前らはそのまま設備を交換するだけで満足か? このままだと男子が多いことは変わらないんだぞ。努力してAクラスに入れば女子に近付けるはずだ」

 

…それってAクラスに入れなきゃ意味ないよね。

 

「なるほど!」

「流石は坂本だな!」

「俺達はAクラスに勝った。つまりAクラス並の実力があるはずだ!」

『うおおおおおっ! 俺達はAクラスだ!』

 

…でもそれでもみんなは納得しちゃうんだね…。

 

「…皆、バカじゃのう」

「あはは…」

「…さて、戦後交渉の後は命令権の話だが…1回戦から順番にでいいか?」

 

そう言えばそんなのもあったね。

 

「…構わない」

「じゃあまずはアタシからね。秀吉 ちょっとこっち来なさい」

「む? なにかの。姉上」

「いいからこっちに来なさい」

「アタシの命令は―――よ」

「ふむふむ…ほほう 姉上よ。任せておくのじゃ」

「アタシの命令はこれで終わりよ」

 

内容はよく聞こえなかったけど優子さんの命令は終わったらしい。

その後も命令は続けられ皆の命令はこういう形になった。

 

優子さん 秀吉に何かお願いしたみたい

佐藤さん 相手が保健室にいてここにいないので保留

ムッツリーニ 自分達に勉強を教えてほしい

瑞希ちゃん 特にないので保留

雄二 ムッツリーニと同じ

 

「そんじゃ、命令も終わったことだし解散とするか」

「…わかった」

「皆さん。おつかれさまでした」

 

 

 

戦争が終わり命令が終わって解散したところで秀吉が話しかけてきた。

 

「…明久よ 少し話したいことがあるゆえ10分程したら屋上に来てくれぬか?」

「? わかったよ」

 

 

 

そして10分後

 

「秀吉~? 話したいことって何…優子さん?」

「あ、吉井君。来てくれたのね」

 

秀吉に言われて行ってみるとそこにいたのは優子さんだった。

 

「ねぇ優子さん。秀吉に言われて来たんだけど秀吉がどこにいるか知らない?」

「…ごめんなさいね。アタシが秀吉に頼んで吉井君を呼んでもらったのよ」

「へ? なんで優子さんが僕を?」

 

そう聞くと優子さんの頬に朱が差す。 …? どうしたんだろう。

 

「あ、あのね。吉井君 アタシ、あなたのことが…」

 




やっと書き上がりました。
物語の締め方って難しいですね。我ながら文章がめちゃくちゃだと思います。

ですが、これ以上考えてもいつまでも終わらなそうだったのでこれにて本編は完結となります。

なお、まだ後日談など数話投稿する予定なのでもう少しだけおつきあいください。
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