バカとテストと男の娘?   作:清水樹

20 / 20
補習その3 試運転

『召喚獣の試運転?』

 

召喚獣の試運転をする。

朝のSHRの時間、Aクラスの教室に集められた僕達はいきなり学園長にそう告げられた。

 

「ああ、そうだよ。あんたらにはAクラスとFクラスの合同で試運転の為の戦闘をしてもらいたいのさね」

「…おいババァ 召喚獣の試運転はわかったがなんで俺達なんだ」

 

雄二の言うことももっともだ。確かにもっと試運転するのに適した人がいるかもしれないのに。

みんなもそう思ってるみたいで、各々ブツブツと文句を言っている。

 

「それに関しては今から説明してやるから黙って聞きな。クソガキども」

 

学園長はギロリと僕達を睨むように見渡して黙らせると、言葉を続けた。

 

「まずは今回の召喚獣の変更点を説明するよ」

「召喚獣の変更点…ですか?」

「ああ、今回は召喚獣の獣の要素を強くして召喚獣の性能を上げるテストになるのさね」

「…だからそれがなんで俺達にやらせる理由になる」

「最後まで聞きな。…それで、あんたらにやらせる理由だがね。成績の優劣での操作性の違いを確認したいのさ。成績優秀者と学園一のバカのあんたらには丁度いいだろう?」

「なるほどー。点数の高い人の召喚獣は逆に性能が上がりすぎて操作しづらかったりするかもしれないから…ってことなのかな」

「逆に成績底辺のやつらが動かしやすくなって成績の意味がなくなる結果になっちまうかもしれねぇな」

「まぁ、概ねそんな感じさね。これで理解したかい? そんなわけであんたらには召喚獣の試運転に付き合ってもらうよ」

 

この説明を受けてAクラスのみんなや僕達は納得したんだ…けど。

 

「俺らじゃなくていいんじゃないか」

「めんどくさいよなー」

「他にもバカはいるだろ。そいつらにやらせろよ」

 

FFF団のみんな…さっきの説明理解してないのかな…?

 

「安心しな。さっき言った通り、この学園にあんたらよりバカは存在しないさ」

『なんだとババァ!』

「ほう? あんたらはよっぽど再振り分け試験、受けれなくてもいいみたいだねぇ…?(ギロリ)」

『すいまっせんでしたぁぁぁぁぁぁ!』

 

そんなこんながあって、召喚獣の試運転が始まった――

 

 

「ったく、納得はしたがなんで俺達が」

「まぁまぁ…とりあえず召喚してみませんか?」

「……オッケー」

「ボクも召喚してみるかな。なんだか面白いことになりそうな予感がするよー」

「「「試験召喚獣、召喚〈サモン〉!」」」

 

ポンッ

 

煙が晴れて、召喚獣の姿が現れる。召喚された召喚獣には…。

 

「わあぁぁぁ…! 可愛いです~…!」

「……背中に翼」

「ボクは…これはタヌキかな?」

 

瑞希ちゃんの召喚獣にはウサ耳と尻尾。

ムッツリーニの召喚獣にはコウモリのような翼。

愛子さんの召喚獣にはタヌキ耳と尻尾がそれぞれ生えていた。

 

「召喚者の特徴を捉えた獣の特徴が召喚獣に出てるってところか?」

「姉上よ。ワシらも召喚してみるのじゃ」

「そうね。やってみましょうか」

「「試獣召喚ッ!」」

 

秀吉達の召喚獣が現れる。

 

「これは…猫かしら?」

「姉上は茶猫でワシは三毛猫…かのう?」

「なるほど、三毛猫は基本的にメスしかいないらしいからな」

「ワシは男じゃ!」

「ふーん。じゃあアタシはなんで茶猫なのかしら」

「それはあれじゃろう。ねこかぶぁぁぁ姉上! ワシの腕はそっちには曲がらないのじゃ!?」

「秀吉―? なにか言ったかしら?」

「なななななにも言ってないのじゃ! だから離してほしいのじゃ!」

「ならいいのよ。…次からは言葉に気を付けなさい」

「わ、わかったのじゃ(ガクガクブルブル)」

 

な、なんだか優子さんの見てはいけない一面を見た気がする…。

 

「そんじゃ、俺も召喚してみるか。試獣召喚ッ!」

「これは…犬かな? でもそれじゃ坂本くんっぽくないかなぁ?」

「……多分、狼」

「確かに、それならば雄二らしいのう」

 

狼かぁ。確かに雄二っぽい感じがするよ。かっこいいなぁ。

 

「…明久。私達も召喚する」

「うん。じゃあ行くよ」

「「(…)試験召喚獣、召喚〈サモン〉ッ!」」

 

さぁ! 僕にもかっこいい召喚獣が…!

 

にゃーん

 

「きゃあぁぁぁぁ! 可愛いです~!」

「明久君は白猫で…代表は黒猫かしら?」

「いや、翔子の召喚獣をよく見ろ。あの目つきの鋭さは…クロヒョウだ!」

「……言われてみれば、獲物を狙う目をしている気がする」

「明久くんの召喚獣はイメージ通りだねー。白くて可愛いよ」

 

…わかってたさ わかってたよ…。秀吉がアレだもんね… 僕もそうなるよね…。

少しくらい夢見てもいいじゃないか召喚システムのバカァァァァァ!

僕は思わず天を仰いでしまっていた。

 

「…? 明久。どうしたの?」

「だ、大丈夫。なんでもないよ…」

 

その後、次々とAクラスやFクラスのみんなが召喚していったんだけど…。

 

「…なんだか、ネズミ多くないかな…?」

「…まぁ、たくさんいる。ってところだろうな」

『『こ、こんな扱い…あんまりだああああああっ!』』

 

 

…ピクンッ

 

…あ、あれ…? なんだかちょっと暑くなってきた…?

そう思って周りを見てみると、顔を赤くしていたりモジモジしてたり…様子がおかしいみたいだ。

 

ギランッ!

 

…召喚獣の目が光った気がした。いや、光ってる。僕を狙うかのようにこっちを見てるよ…?

 

「…なんかやばそうだね。こういう時は…」

 

ダッ!

 

「…逃げる!」

『『まぁぁぁてぇぇぇぇぇっ!』』

 

うわあああああああ! なんでみんな追ってくるのさああああああ!?

こうして僕とみんなの鬼ごっこ?は始まってしまったのだった。

 

雄二side

「…行っちゃったわね」

「……幸運を祈る」

「む…う…。しかしこの暑さはなんじゃ…?」

「あー…これは仮説なんだが。多分この召喚獣には軽度のフィードバックが発動してる。…ほらな」

 

そう言って俺は召喚獣の頭に触れてみせた。

 

「それがどうしたと言うのじゃ」

「まぁ最後まで聞け。そんでこの試運転は獣の要素を強くしたと言っていただろ? 獣の特徴的な習性を考えてみろ。あとは分かるはずだ」

「……発情期」

「つまりそれがフィードバックされてるってことなのかしら」

「…なるほどのう。それならばこの体の火照りも分かるというものじゃな」

「…あれ? っていうことは、明久くんってやばいんじゃ…」

 

その時、明久の彼女の3人がハッとした表情になる。気づいてなかったのか。

 

「…優子、瑞希」

「…代表」

「…翔子ちゃん 明久くんを追いましょう…!」

 

ダダダッ!

 

「…行ってしまったのう」

「さて、と それじゃボクも行くかな」

「……待て、工藤愛子 どこに行くつもりだ」

 

工藤が教室の出入り口に向かっていく。

 

「うん? 恋する乙女のお手伝い…かなー それに面白そうだし」

 

そう言うと工藤は教室から出ていった。

 

「…俺らはここで待つとするか」

「…そうじゃのう」

「……承知」

 

雄二sideout

 

ドドドドドドドドドドドドドッ!!

 

「ど、どこまで追いかけてくるのさぁぁぁぁぁ!?」

『『まぁぁぁぁぁぁぁてぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!』』

 

ほんとにみんな諦めてぇぇぇぇぇ!?

 

グイッ

 

「うわっ!」

 

走って逃げてる途中、僕はいきなり誰かに引っ張られて引き込まれた。

 

「ってここ女子トイむぐぐぐぐぐっ!」

「しー…! 明久くん静かにして…! ばれちゃうよ…!」

 

ドドドドドドドドドドッ!

 

「あっちか!?」

「いや、そっちにはいなかったぞ!」

「じゃあこっちか!」

 

ドドドドドドドドドドッ!

 

「…ふー…みんなどこか行ったみたいだね。もう喋って大丈夫だよ」

 

そう言うと僕の口を塞いでいた手が外された。

 

「…ぷはぁ! 愛子さん 助けてくれたんだ ありがとう」

「いやー、お礼を言われることじゃないよー。だって」

 

ピッ

 

愛子さんが携帯を操作しだした。何をするつもりなのかな…。

…嫌な予感がする。

 

「あ、代表? 明久くん捕まえたから○階の女子トイレに来てもらえるカナ うん。急いできてねー」

 

…え?

 

「これで良しっと。…だって代表達に捕まってもらうために捕まえたんだから」

「に、逃げ…」

「逃がさないよー」

 

愛子さんはトイレの出口の前で立ちはだかっている。

 

「そ、それでも諦めるわけにはいかないんだぁぁぁぁ!」

「うわっと」

 

僕は無理やり愛子さんの横を抜けてトイレを脱出し――

 

ドンッ

 

――たかに思えたけど出る寸前で誰かにぶつかってしまった。

 

「…明久」

「明久君」

「明久くん」

「しょ、翔子ちゃん 優子さん 瑞希ちゃん… ど、どうしたのかな…?」

 

この時僕は悟った。僕の運命は決まっていたのだ、と。

 

…この後、僕がどうなったかはみんなの想像に任せるよ。

とりあえず、大事なモノは守りきった…よ…?

 

 

 

 

…一方その頃

 

「お姉さまぁぁぁぁぁぁぁっ!」

「なんで美春がここにいるのよぉぉぉぉぉ!?」

「大丈夫です絶対に痛くしませんから優しくしますからさあさあ美春に全てを委ねてくださいませお姉さまぁぁぁぁぁ!」

「いぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

空き教室では2人の女子生徒の声が響き渡ったそうな…。

 

 




なんとか書き終わりました。

最後まで読んでいただき本当にありがとうございます。
自分なんかの作品にこんなに評価やお気に入りをしていただき感謝の言葉しかありません!

続きを希望される声も多いですが、最初に構想を練った時点でここまでしか想定してなかったので、申し訳ありませんがこれで終わりとさせていただきます。

…さて、この最終話となったお話ですが。

原作の本音を喋る召喚獣回で召喚獣に触れましたよね。
アレからフィードバックも微弱ながらあるのではないか。という想像が生まれ、

召喚獣を見て、
召喚獣って獣だよな→獣なら発情期があるんじゃないか?
という妄想が生まれました。

そしてそれらが合わさった結果、もしも召喚獣の発情期が召喚者にフィードバックされたら。というお話になっていました。末期ですね。

さてさて、最後にもう一度。
ここまで読んでいただき本当にありがとうございました!
次回作もしくは続きを書くときが来ましたらまたよろしくお願いします!
また逢う日までさようならー!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。