バカとテストと男の娘?   作:清水樹

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問4 みんなの不満と戦争奮起

Fクラスが怒号に包まれる。

 

「不満がないわけがないだろうが!」

「いくら俺たちがバカだって言ってもこれはひどすぎる!」

「Aクラスも学費は変わんないんだろ!?」

「不公平過ぎる!」

 

クラスメイトの不満を聞き雄二はニヤリと口角を上げる。

 

「あぁ、そうだろう 俺も同意見だ。そこで皆に提案があるんだが――」

「――俺たちFクラスはAクラスに試召戦争を仕掛けようと思う」

 

――シーン

その瞬間教室が静寂に包まれる。

 

「「「「………は、はあぁぁぁぁぁ!?」」」」

 

だがその静寂も一瞬のことだった。

 

「無理だ。勝てるわけがない」

「これ以上設備を落とされるなんて嫌だ」

「姫路さんがいればなにも問題ない」

「アキちゃんがいたらそれでいい」

 

そんな動揺の声がそこらじゅうから聞こえてくる。

…一部動揺の声じゃなかったけど、僕がいればってどういうことなんだろう。

 

だがそんなみんなの動揺もわかる。

 

ここ文月学園は『試験召喚システム』――

――テストの結果が能力に反映される『試験召喚獣』を呼び出すシステムを採用している。

そして雄二が提案したのはクラスの設備を賭けてその召喚獣を使い戦争をする行為…試召戦争である。

そこで何が問題なのかというと…前述の通り、召喚獣の能力はテストの点数によって変わる。

つまりバカの集まりであるFクラスは総じて召喚獣の能力が低いのだ。

 

「別に根拠なく言っているわけじゃねぇ。このクラスには勝つための要素が揃っている」

「それを今から説明してやる」

 

そういうと雄二は僕らの方に視線を向ける。

 

「…おい、康太 姫路のスカートの中覗いてないで前に来い」

「……!!(ブンブン)」

「は、はわっ」

 

ムッツリーニは必死に顔と手を振り否定してる。

どうでもいいけど畳の跡付いてるよ…

 

「土屋康太。こいつがかの有名な、寡黙なる性識者(ムッツリーニ)だ」

 

おおおおおと湧き上がる。ムッツリーニって有名なのかな?

 

「……事実無根(ブンブン)」

「すげぇ…ムッツリーニだと…?」

「まさかヤツがそうだと言うのか…」

「だが見ろ。あんなに必死に否定してるぞ」

「ああ、ムッツリの名に恥じない姿だな」

 

なにやらみんな驚いているようだ。

しかしなにが凄いのか、僕一人だけよくわかってない――

 

「???」

 

――いや、瑞希ちゃんも僕と一緒でよくわかってないようだ。

 

「姫路のことは説明する必要もないだろう。皆もその実力はよく知っているはずだ」

「えっ? わ、私ですか?」

「ああ、ウチの主戦力だ。期待している」

 

瑞希ちゃんはAクラスのトップクラスの実力を持っている。Fクラスにとって貴重な戦力になるだろう。

 

「ああ、俺たちには姫路さんがいるんだ」

「彼女ならAクラスにも引けを取らない」

「姫路さんがいればなにもいらないな」

 

みんなにも段々とやる気が出てきたみたいだ。

 

「木下秀吉だっている」

「おお…!」

「確か演劇部のホープの…」

「あのAクラスの木下優子の…」

 

秀吉はみんなの言うとおり、演劇部のホープで双子の姉がAクラス上位だということで有名だ。

 

「それに――」

「――俺だって全力を出す」

 

「坂本ってなんだかやってくれそうだよな」

「小学生の頃は神童って呼ばれてたとか聞いたぞ」

「振り分け試験のときは調子でも悪かったのか」

 

クラスの士気はどんどん上がっている。

 

「それに――」

「――吉井明久だっている」

 

…シン――

 

「ちょっと雄二!なんでそこで僕の名前を出すのさ!全く必要ないよ――」

「うおおおおお!そうだ!俺たちには勝利の女神(アキちゃん)がいるんだ!」

「よーし!やる気出てきたぁああ!」

「――ね!って、ええぇ!?」

「なんで僕の名前が出てきてやる気が出るのさぁ!?」

 

僕が女神って…このクラス不安になってきたよ…

 

「しかも明久は最近まで入院していたんだ。学園から支給された長期入院者用のプログラムを受けているはずだ」

「だから成績はよくわからないが操作技術はおそらく学年トップだ。明久、今まで召喚獣を何回ぐらい操作したか言ってみろ」

「え? えっと…実際に操作したことはないけど学園から支給された専用ゲームでなら軽く3桁くらいは操作してるかな」

 

ゲームと言ってもコントローラーでやるものじゃない。本来の召喚とほとんど変わらない感じだ。

 

「おお!これは本当にAクラスに勝てるんじゃないか?」

「皆、この境遇には大いに不満だろう?」

「「「「当然だ!!」」」」

「ならば全員、筆(ペン)を執れ! 出陣の準備だ!!」

「「「「おぉぉぉぉぉぉ!!」」」」

「俺達に必要なのはちゃぶ台なんかじゃねぇ! Aクラスのシステムデスクだ!!」

「「「「うぉおおおぉぉおおおおぉぉぉぉっ!!!」」」」

「「お、おー……」」

 

みんなのボルテージは最高潮になっている。

そんなみんなの雰囲気に押され、僕と瑞希ちゃんも小さく拳を挙げたのだった。

 

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