「じゃあ明久…に行かせるわけにもいかないか… 島田。Fクラスの使者として、Dクラスに宣戦布告に行ってきてくれ。時間は午後からだ」
「いやよ!低レベルクラスの宣戦布告の使者って大抵ひどい目に合うって聞くじゃない!」
「大丈夫だ、よく考えてみろ。男子が女子に暴力を振るうわけがないだろう?」
「そ、そうよね。わかったわよ。午後からでいいのね?」
美波ちゃんの問いに対して雄二は頷いて答えると、美波ちゃんは教室を出ていった。
「――女子に襲われるかもしれないがな」
…忠告が遅いよ雄二。
Dクラスside
ガラガラッ
「FクラスはDクラスに宣戦布告するわ! 時間は――」
「お姉さま!」
Dクラスの扉を開け声を上げると突然、女子生徒が飛びつくように抱き着いてきた。
「――午後から…って、美春!?」
その女子生徒の名は清水美春。同学年であるはずの美波をお姉さまと慕い、そして愛している少女である。
「お姉さまお姉さまお姉さまぁ!!」
ぐりぐりぐりぐりぐり
「ちょっ、美春!離しなさい!」
「お姉さまは美春に会うためにわざわざDクラスに来て下さったのですよね!?」
「ちがっ、ウチはFクラスの使者としてっ…!」
「あぁん、お姉さまぁ!美春のために嬉しいです~!」
「だから違うってばぁ! ウチはFクラスの使者として来たの!」
「だからそれはつまり美春に会うためですよね!?」
「美春~! ウチの言うこと聞きなさい!」
「うふふふふ、美春に会うために使者になるなんて、お姉さまはそこまで美春のことを本当に愛してくださっているのですね! 美春とお姉さまは相思相愛だなんて素敵ですぅ。 これはもう汚らわしい豚どもなんてもうお姉さまの目には映りませんよね? むしろお姉さまに近づく汚らわしい豚どもは美春が排除して差し上げます!!」
「だ、だからいつも言ってるけどウチは普通に『男』が好きなんだってばぁ!」
「嘘です!お姉さまは美春のことを愛してくださってるはずですからそんなことはありえません! 例えそうだったとしても先ほど言った通り美春とお姉さまの邪魔をする豚どもは排除します!!」
「あーもぅ…!誰か助けてぇぇぇぇぇ!!」
「お姉さまぁぁぁぁぁぁ!!」
彼女の暴走は止まらない。 誰にも止められない。
Dクラスsideout
「はぁ…はぁ…」
しばらくすると美波ちゃんが帰ってきた。なんだか疲れてるみたいだ。
「坂本ぉ! だましたわね!?」
美波ちゃんは凄い剣幕で雄二に詰め寄っていた。
「俺はちゃんと女子には襲われるかもと言ったぞ」
「くううぅぅぅぅっ…!」
美波ちゃんは悔しそうにしてた。雄二を凄い睨んでる。
そんな美波ちゃんを軽く往なして、雄二は檀上に立った。
「よーし、皆! 島田に宣戦布告してもらった通り戦争は午後からだ!」
「各自きちんと飯を食って全力を出せ! それまでは休むか、勉強して力を付けろ! いいな!」
そして雄二はみんなを叱咤激励する。
その瞬間――
「「「「うおぉぉおぉおおぉぉぉ!!」」」」
――みんなのやる気は爆発した。
――僕たちの戦争がこれから始まる――