「…やけにDクラスの人が少ないな…」
何故か誰とも戦うことなくDクラスの前に着いてしまった。
人があまりいないってことは多分…。
ガラッ!
「ひぃふぅみぃ…うわー…集まってるとは思ってたけど、こんなにかー…」
…やっぱりね。
そこには代表の平賀君の他に近衛であろう10人が待ち構えていた。
「本当にFクラスが1人でここまで来れるとは思ってもみなかったよ。…だけど、これで終わりだッ!」
そう言って手を上げると平賀君は下がって、その代わりに10人が前に出てきた。
1人相手に10人とか多すぎないかな…常識的に考えて。
しかしこの人数…うーん、流石に無理かもしれないな。
でも、やってやる!
「試験召喚獣、召喚ッ!」
「「「「「「「「「「試獣召喚ッ!」」」」」」」」」」
科学 Fクラス 吉井明久 231点
VS
Dクラス 近衛集団10人 平均135点
「ははは、流石に10人相手に勝てるかな? 4人を相手に1人で圧倒したFクラスの生徒がいるという情報は入っていたからね。戦力を集中させてもらったよ」
なるほど、Dクラスの戦力を集結させたのはそういうわけだったのか。
「行くぞっ!掛かれッ!」
ガキッ! キィン! ガッ! ギャリィッ!
Dクラスの1人が声を上げると、近衛集団の召喚獣たちが一斉に攻撃を仕掛けてきた。
「くっ…!」
流石に僕もこの人数を相手しながらじゃ完全に回避はし切れず防戦一方だ。
「よし! いい感じだぞ」
「流石にこの人数相手じゃ避けれないみたいね」
「4対1で圧勝したって聞いてたけど大したことないな」
「防戦一方じゃないか!」
「このまま押し切るぞッ!」
「おうっ!」
ドガッ! ザシュッ! バキィッ! ズバァッ!
Fクラス 吉井明久 231→212→171→150→121点
くっ…どんどん削られてく…
…え? 4対1のときみたいに避けて見せろって?
…無茶言わないで欲しい。この人数相手に避けながら正確に急所を狙うとか無理ゲーだよ…。
「流石にこの人数相手だとやっぱり無理だったみたいだね。 君を倒せばもはや敵はいない。Dクラスの勝利だっ!」
勝ち誇ってるなぁ…。4人相手に圧勝した僕を抑え込んでるんだから当然と言えば当然だけど。
だからってこのまま素直にやられるつもりはない。
痛いのは嫌だけど…。
「避けれないなら…!ぐっ!あああああああ!」
避けれないなら…、肉を切らせて骨を断つだけだッ!
Fクラス 吉井明久 3点
Dクラス 近衛集団10人 0点 DEAD
「は、ははは…まさか10人相手に勝つとはね。でも君の点数も残り少ない。俺には勝てないだろう」
確かにフィードバックのダメージが残ってるし、僕の残り点数じゃ平賀君は倒せそうにない。
だから――
「――あとは頼んだよ? 瑞希ちゃん」
「…は?」
「あ、あの…」
勝ち誇っている平賀君に瑞希ちゃんが後ろから声を掛ける。
「え? あ、あれ? 姫路さん? Aクラスはこっちを通らなかったと思うけど…」
「いえ、そうじゃなくて…」
どうやら平賀君は状況が飲み込めていないようだ。
「Fクラス 姫路瑞希が現代国語勝負を申し込みます。サ、試獣召喚ッ!」
「…え?」
現国 Fクラス 姫路瑞希 386点
VS
Dクラス平賀源二 146点
「え、あれ?」
「ごっ、ごめんなさいっ!」
ザシュッ!
戸惑って動きを止めている平賀君の召喚獣を瑞希ちゃんの大剣が一刀両断した。
「戦争終了! 勝者Fクラス!」
Fクラスの勝利。こうして僕たちの初めての試召戦争は幕を閉じたのだった。