バカとテストと男の娘?   作:清水樹

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問8 戦後交渉

Fクラスの勝利で試召戦争が終わった後、僕達は戦後交渉のためにDクラスに集まっていた。

 

ワァァァァァァァァァァァァァァッ…!

 

勝利に浮かれ騒ぐFクラスと下位クラスに負けて嘆くDクラスの皆が集まったDクラス教室は騒然としている。

そんな中ガックリと項垂れていた平賀君に、勝ち誇った表情の雄二が歩み寄った。

 

「この戦争、俺達の勝ちだな」

「……ああ、分かっている。姫路さんもだがFクラスにあれほど強い女子がいるとは思わなかったよ。俺達の負けだ」

「そうか。…ん? 女子だと?」

 

…なんだか嫌な予感がするなぁ…。

 

「ああ、吉井さんとかいう…Dクラスの4人どころか10人相手に勝って見せてくれたよ」

 

やっぱり…。

 

「吉井…なるほど、明久のことか。あいつなら男だぞ?」

「は?」

 

あー…平賀君だけじゃなくてDクラスの大半がポカーンとしてる…。

 

「「「「「は…? え、ええええええええっ!?」」」」」

「お、男ぉっ!?」

「うそっ、女の子にしか見えないわよ!?」

「あんなに可愛い子が男の子なはずがない!」

「男? だがそれがいい!」

 

…うーん…驚きすぎじゃないかなぁ…。最後の人とかなんかおかしいし。

 

「す、すまない。女子という報告を受けていたものでね。男子制服を着てるだけだと思っていたんだ」

「はぁ…別にいいよ…」

「はは…そう言ってもらえると助かるよ」

 

まぁ…断固として男と認めてくれないFクラスの皆よりは…ね。

 

「あー…それで、いいか?」

「ああ、すまないね。今日はこんな時間だし、教室の明け渡しは明日で構わないだろうか」

 

うーん…目標はAクラスだし多分雄二は――

 

「いや、教室の交換はしなくていい」

 

――やっぱりね。

 

『『『『『は、はあぁぁぁぁぁっ!?』』』』』

 

そんな雄二の発言にFクラスの皆は驚愕していた。

 

「な、なんでだよ!」

「せっかく勝ったのに!」

「ふざけるなー!」

 

雄二はやれやれといった感じでため息を吐く。

 

「はぁ…俺達の目標はAクラスだ。Dクラスで満足してどうする」

「なら最初からAクラスに挑めばいいじゃないか!」

「少しは自分で考えろ。それだからFクラスなんだお前らは」

「「「「な、なんだとー!」」」」

 

Fクラスの大半は雄二の発言の裏に気付けてないみたいだね。

 

「……俺達としてはありがたいが…。本当に、それでいいのか?」

「ああ、条件付きだがな」

 

やっぱり。雄二は教室の交換を交渉材料にするつもりみたいだ。

 

「設備を交換条件にするってことは、相当無理な条件でも吹っかける気か?」

「いや、そんなに警戒しなくていい。要件は単純なことだ」

 

そう言って雄二はDクラスの外に見える室外機に目を向ける。

 

「Dクラスの外に設置してある室外機。ソレを俺が指示した時に壊してほしい」

「室外機? ああ、あれか。確かアレはBクラスのエアコンを動かしていたはずだが…。どうしてそんなことを?」

「次のBクラス戦で勝つ為に必要だからな」

 

そういうと雄二は悪役のような悪い笑みを浮かべた。

Bクラスに勝つ為…次はBクラス戦か。いきなりAクラスじゃ僕達の経験値が足りな過ぎる。その為のBクラス戦だろう。

だが平賀君には予想外の提案だったらしく、面を食らった様子で雄二を見ていた。

 

「本当にそれで良いのなら願ってもないことだが、本当にそれでいいのか?」

「学校の設備を壊すんだ。当然教師連中には睨まれるだろう。だが、悪い取引ではないだろう?」

 

断れない平賀君にあえて提案のように問うことで反発させずしっかりと行動してくれるようにしてるんだろう。こういう企みが本当に得意だよね。雄二って。

 

「そうか。そういうことならその提案を呑ませてもらうよ」

 

平賀君は少し思案してから、こくりと頷いて答えた。

 

「これで交渉終了だ。詳しくは後日話す。今日はもう帰っていいぞ」

「ああ、ありがとう。FクラスがAクラスに勝つ日を楽しみにしてるよ」

「ははは、無理するなよ。Fクラス風情がAクラスに勝てるわけがないと思ってるだろ?」

「いや、そうでもないよ。確かに戦う前なら何をバカなことをと思っていただろう。だけど姫路さんもいるし…」

 

平賀はそういうとチラリと明久の方を見る。

 

「俺達の半数近くを一人で倒した吉井さんもいるからね。もしかしたら、と思っているよ」

「そうか。まぁ、期待に沿えるよう頑張るさ」

「ああ、期待しているよ」

 

そして平賀君と会話を交わした雄二は僕達の方に向き直った。

 

「さて、皆! 今日はご苦労だった。明日は補充試験を受けるから、今日のところは帰ってゆっくりと休んでくれ、解散!」

 

その号令を皮切りに僕達は旧校舎に戻って行くのだった。

 

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