【書籍化!】『君は勇者になれる』才能ない子にノリで言ったら、本当に勇者になり始めたので後方師匠面して全部分かっていた感出した   作:流石ユユシタ

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11月1日より、スニーカ文庫から書籍化します。皆さんのおかげです! いつもありがとうございます!


小話

 これはダンが、初めて魔王を倒した後、少し経ってからの物語である。

 

 魔王サタン。初代勇者アルバートが滅ぼしたと言われていた魔王であるが、その魔王が復活をした。

 

 世界は再び混乱に包まれ、戦いの火蓋が上がることになる。

 

 世界は勇者を求めて、魔王とその配下と戦った。その戦いの最中、一人の英雄が産まれる。

 

 

 名を、勇者ダンと言った。

 

 勇者ダンは仲間と共に魔王サタンを倒し、世界に平和をもたらした。そして、そこから二週間経過したある日のことだ。

 

 彼は妖精族の国に呼ばれることになる。

 

 

■■

 

 

 魔王サタン倒してやってぜ!! ふぅぅぅーー!!

 

 俺すげぇぇ!! 魔王倒しちゃったよ!! まぁ、仲間が居たからでもあるけどねぇ。

 

 それでもトドメを刺したのは俺である。嬉し過ぎて射精したのだけが恥ずかしい。

 

 だがしかーし、魔王を倒したんだー!!

 

 本日は妖精国の王様が御礼の祭典をしてくれるから、気分も上がっている。

 魔王討伐の報酬金、だけでなく国救ったんだから気持ちのチップみたいなのをせびろう。

 

 でも、リンの国の王様だからやめた方がいいのか。リンにがめつい奴と思われるのも癪だしな。

 

 いやいや、魔王倒したしそれくらいもらっても問題ないか。だってこっちは世界救ってるからねぇ?

 

 

「あ、ダン。こっちよ」

 

 

 リンが妖精国内の待ち合わせ場所で待っていた。一応、サクラもいる。

 

 

「勇者君ー! こっちだよー!」

「……うむ」

 

 

 堂々と待ち合わせすると騒がれてしまうので、人気のない場所で二人と会った。

 

 

「じゃ、ついてきて」

 

 

 リンが先頭に立ち、歩いていく。サクラはなんだか嬉しそうだ。

 

「いやー、僕達が魔王を討伐するとはね!」

「そうね。随分大変だったけど」

「これで新たな伝説として、後世に語り継がれると思うと、遠くまで来たよね。確かに大変だとは思うけどさ」

「そうねぇ。報酬、パパいくらくれるのかしらね」

「リンちゃんのお父さん、国王だから5000万ゴールドとかくれるじゃない?」

「安いわよ。アタシはいらないけど、二人にはもっと貰って欲しいわ。命かけてるし」

 

 

 こそこそ、歩きながらも顔は布で隠しながら二人は歩いている。俺は鉄仮面でいつも隠しているので問題はない。勇者になると俺は人気になったので、俺を真似して鉄仮面を被っている人が多い、なので気にされない。

 

 

「ダンはいくら欲しいの?」

 

 

 リンに聞かれた。ちょっと控えめに言った方がいいか。いや、世界救ったし。

 

 

「12億ゴールド」

「まぁ、世界救ったし妥当かしらね。でも、それでも少なくない?」

 

 

え? 120億とかでもいいのかな。城に入り、国王がいる大きな部屋にたどり着く。

 

 

「おい、あれが」

「勇者だ」

「な、なんと言う覇気」

 

 

 兵士達がすごい騒いでいる。やっぱり妖精族達にも俺の噂は広まっているんだろうなぁ。

 

「よくぞ世界を救ってくれた。勇者一行よ。勇者ダン、覇剣士サクラ。我が娘リンリン・フロンティアも良くぞ成し遂げた」

「……ふん」

「ありがとうございます!」

「パパ、さっさと話してよ」

「お父様と呼べ」

 

 

 俺はぶっきらぼうに、サクラはニコニコ笑顔で御礼、リンはいつも居る家のような場所だから緊張していない。

 

 

「それでだが、勇者よ。報酬金だが、特にお主個人には大きな額を払いたいと思っている。何しろ、魔王を倒したのは主なのだからな」

「1200億で構わん」

「……今、なんと?」

「1200億で構わん」

「それは、ちょっと」

 

 

 流石に多かったか? リンの父親が青い顔をしている。

 

「な、なんと言う額」

「そ、そんなには無理だ、国が滅びる!」

「お前は魔王になる気か!」

 

 

 おや、兵士達が色々言い始めた。

 

「ゆ、勇者よ。流石にそれは」

「うむ、なら1100億だ」

「そ、それも」

「なら、500億でいい」

「あー、ま、まぁ、それならギリ……う、うむわかった500億で検討しよう」

 

 

 

 500億はいいのか。でも、かなり苦虫を噛み締めているような表情だ。多分、相当多いらしい。

 

 だが、了承をしてしまったようだ。俺が最初に120億を提示してしまったが故に……結果的に見るとこれって、最初に大きな金額を出して、敢えて下げて要求を飲ませる心理テクニックみたいなやつでは?

 

 前世で聞いたことがあるな。

 

 

「勇者君、500億ってすごいね! 国でも作るの?」

「さぁな」

 

 

 別にそんなに貰っても使い道がないから困るんだけどなぁ。貰えるもんは貰えるわけだし、貰っておくか。

 

 

「う、うむ。では、祭典も行われる。それまで個室で休んでくれ」

 

 

 

 苦笑いされながら、王室を出た。そして、リンの部屋に案内された。

 

「ねぇねぇ、勇者君。妖精族の国で500億もらったけど、他の国でももらうってことになるのかな?」

「さぁな」

「この国で500億もらったんだから、他の国でももらうことになるわよ。現代の勇者と繋がりを持ちたい国はあるし。最初が500億、出し抜きたい国はもっと上を出してくるでしょうね」

「うわぁ! 勇者君、金持ちじゃん!」

「まぁ、魔王倒して金持ちにならないとかダメでしょうけどね」

 

 

 

 リンはあんまり報酬に興味がないようで淡々と説明。サクラはよく分からないようだが、なんとなく凄いって思ってる無垢な子供のようだ。

 

 

「魔王城ならぬ、勇者城でも作るか」

「おおー、僕も住んでいい?」

「お前はダメだ」

「えぇ!?」

 

 サクラはイケメンだから住んじゃダメ! 俺の家に住んでいいのはリンかな。

 

 

「あ、アタシは住んでいいの?」

「まぁ、構わんが」

「えぇ!? リンちゃん良くて僕がダメって何!?」

 

 

 サクラ、ちょっと騒がしいな。しかし、リンは住みたいのか。うむ、最上階に招待してもいいな。可愛いから。

 

 

「あ、ちょっと僕、家に手紙出すの忘れてた! 一旦外出てくるね!」

 

 

 サクラは部屋を出て外に行った。リンと二人きりとなってしまう。

 

 

 魔王を倒したし、告白するなら今じゃないか!?

 

 ふとそう思った。

 

 

「リン……」

「……なに?」

「……随分と長い旅をしたと思った」

「そうね……これからさ、どうするの? もう、故郷に帰っちゃうの?」

「……」

「帰るんだ。まだ、一緒にいても良いんじゃないかしら……」

「かもな」

「さ、寂しいって言うわけじゃないんだけど……ごめん、嘘。寂しいの。あの、アタシね。貴方といると安心する。あの、あの、アタシ、上手く言えないけど……ずっと言いたいことがあって」

「俺も、あった」

「っ! あ、あの、同じなら、その」

「……俺から言う。だから、その後にお前の気持ちを教えてくれ」

「う、うん」

 

 

 

 俺が告白を言おうとしたその時、

 

 

「──勇者君、リンちゃん!! 新たな魔王出たんだって!! また旅しないといけないよ!! どうしよう」

「「……」」

「まぁ、皆んなで旅できるのは嬉しいけどね! でも、早く準備しよう! さぁ、はやく!」

 

 

 告白の空気が壊れた。魔王、マジで許さん。上手く行ったかもしれないのに。

 

 

 その後、僅か二週間で俺は魔王を殺した。

 

 




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表紙がすごく綺麗なので、ぜひ見てくださいー!
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