【急募】私達が世界を滅ぼさずに済む方法   作:アキ山

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お久しぶりです。

長年筆を進められませんでしたが、熱に魘されてる時の悪夢のお陰でネタが舞い降りました

皆様の暇つぶしになれば幸いです。


ラスボスが超強化とかクソゲーである

どうも、ご無沙汰しています。

 

父を名乗る不審仮面に内心ドン引きな魔獣幼女Aだ。

 

私達の目の前には日本のヴィラン史上最悪と言われた男、オール・フォー・ワンがいる。

 

本来であれば、こんなド級の腐れ外道と私達いたいけな幼女の間に縁などある筈がない。

 

しかし、私とダイアナが背負った業は本当に平穏というモノが嫌いなようだな。

 

「えっと……あの人、あなた達のお父さんなの?」

 

「違うよ。私達のパパは犯罪歴なんてない立派な社会人だったもん」

 

「でも、今娘達って……」

 

 キッパリと否定されて戸惑う女子高生のお姉さん。

 

 いや、我が身を贄に荒神を鎮める櫛名田比売の末裔というべきか。

 

 眼前の巨悪がヒントをくれたお陰で彼女が何者かようやくわかった。

 

 彼女は『BULE SEED』という古いアニメのヒロインである藤宮紅葉(もみじ)だ。

 

 というか、紅葉さんが存在するという事は日本にまだヤバい不発弾が埋まっている証明になるんだが……。

 

 いくらなんでも魔境過ぎないか、この国。

 

「随分と冷たいなぁ。僕は君達の顔を見るのを楽しみにしていたんだよ? なにせ、向こうでは顔を見る事無く死んでしまったからねぇ」

 

「異界同位体としてグエン・モルガンの記憶を引き継いだだけの男が、父親面は止めてもらおうか。私達の父さんは緑谷伸茂ただ一人、アンタは一滴も血が繋がっていないんだ」

 

「次やったら殺すよ?」

 

「やれやれ。たしかに、こちらでは我々の間に血縁は無い。だが、君達も僕と同じように記憶をとどめているじゃないか。我が娘、エレイン・モルガンとダイアナ・モルガンの記憶をね」

 

 双子揃って心底嫌そうに顔をしかめてやったのに、眼前の男には堪えた様子はない。

 

 まったくもって面の皮が厚い奴め。

 

「あの、いかい…どういたい…ってなんなんですか?」

 

 話にまったくついていけていないのだろう、おずおずと手を上げて質問する紅葉さん。

 

 原作じゃ自分で『脳みそスカピー』とか言ってたからな、この人。

 

 マニアックなSF理論なんてわかるわけないか。

 

「藤宮紅葉君、君は並行世界という言葉を聞いた事があるかね?」

 

 それを受けたオール・フォー・ワンはテーブルに肘をついた手を組み合わせて説明を始める。

 

「えっと…マンガで見た事あります。たしか、よく似ているけど別の世界とか何とか……」

 

 自信なさげな紅葉の答えにオール・フォー・ワンは小さく頷く。

 

「そう。世界はとある選択肢を起点に分岐し、大樹の枝葉のように無数に存在するという考え方だ。たとえば、個性が発現せずに科学技術が異様に進歩した世界とかね」

 

「それって本当にあるんですか?」

 

「あるとも。現に()や彼女達は異なる世界で生きた自分の記憶を持っている」

 

「そこでは、この男はグエン・モルガンという研究者だった。ヴァジュラという禁断の果実を見つけ出し、それに手を出すという大罪を犯した、な」

 

「おいおい、随分な言い草だな。その果実を喰った人間のセリフじゃないだろう」

 

「正確には無理やり食べさせられた、だよ。母親の中にいる胎児へ高濃度のヴァジュラエネルギーを浴びせるなんて正気の沙汰じゃない。その所為でお姉ちゃんと私は文字通り地獄を見たんだから」

 

「ほう、具体的には?」

 

「アンタの実験の後遺症でお姉ちゃんは知能に障害がでて、言葉を喋れることができずに野生児同然になった。私だって産まれた時から首から下が使い物にならなくて、サイボーグとして生きる事になったんだから!!」

 

「やめろ、ダイアナ。終わった世界の話だ」 

 

 オール・フォー・ワンへ恨み節をぶつけようとする妹を私は止めた。

 

 向こうの世界のエレインとダイアナの境遇を思えば、事の元凶であるグエン・モルガンに文句の一つも言ってもバチは当たらないだろう。

 

 奴がヴァジュラを発見しなければ…いや、妻と娘達を実験に付き合わせなければ全ての悲劇は起きなかったのだから。

 

 とはいえ私達と同じように眼前の男は記憶を持つだけの別人だ、責めたところで何にもならない。

 

「それで私達をここへ引きずり込んだのは、新たなヴァジュラ研究のモルモットとしてか?」

 

「とぼけなくていいよ。あの悪趣味なヴァジュラノイドの出来損ない、アンタが作ったんでしょ」

 

 今度はこちらが問いを投げると、オール・フォー・ワンはやれやれと言った具合に肩をすくめた。

 

「確かにアレはこちらが生み出した物だ。だが、()は関与していない。一目見て粗雑な代物だと分かったからね。ヴァジュラと個性の関係性も分からないのなら、あの程度が限界だろう」

 

 オール・フォー・ワン…いや、この場合はその中にあるグエン・モルガンとしての言葉か。

 

 ともかく、奴の言に私は内心で納得する。

 

 コイツが手掛けたのなら、ヴァジュラノイドはもっと高性能になっていただろう。

 

「だったら要件は何だ?」 

 

「君達の力が見たいのさ。()が夢と希望を込めて君達に与えたヴァジュラ、それがどう結実したかをお父さんに──げぶぃっ!?」

 

 オール・フォー・ワンは己の言葉を最後まで吐くことはできなかった。

 

 何故なら私が視界を媒介にして衝撃波を奴の頭へ打ち込んだからだ。

 

「警告したはずだぞ。次に父親面をしたら殺す、とな」

 

「ひっ!?」

 

 紅葉さんを怖がらせたのには罪悪感を感じるが、それはそれ。

 

 元より私達は奴を生かしておくつもりはない。

 

 ヴァジュラ技術を世に流出させるなど許せる話ではないし、それが第一人者の手によるのであれば猶更だ。

 

 そうでなくても父母の件でヴィランアレルギーなのだ。

 

 日本屈指のヴィランという時点で殺す理由としては十分すぎる。

 

「ふ…ふふ……やってくれるね」

 

 だが、オール・フォー・ワンは私達が思うほど甘い相手ではなかった。

 

 衝撃波には向こうの世界で戦った多脚戦車の正面装甲を粉砕するだけの威力を込めたのだが、それを受けても奴は一命を繋いでみせたのだ。

 

「なるほど、今のが超能力……個性に由来しない新たな異能か。なかなかに興味深い」

 

 ブツブツと呟きながら椅子の背もたれに預けていた頭を戻すオール・フォー・ワン。

 

 衝撃波が吹き飛ばしたであろう仮面の右側頭部からは血で濡れた白い髪と額の一部が覗く。

 

 そこにあるのは……赤いなんらかの文字? いや紋様か?

 

「君達がそう望むのなら、殺し合いの中でヴァジュラの真価を確かめるのも悪くない。大蛇(おろち)との盟約で、そこのクシナダ君にも死んでもらうつもりだったから──ねっ!!」

 

 オール・フォー・ワンが腕を振るうと、挟んでいた机が不可視の何かによって裁断機で削るように粉々になっていく。

 

 恐らくは個性を使った破砕振動波!

 

「きゃあっ!?」

 

「お姉さん、私達から離れないで」

 

 私はダイアナと共にヴァジュラの結界を張ってそれを防ぐ。

 

 振動波の着弾の衝撃、その次に感じたのは内臓が浮き上がるような浮遊感。

 

 オール・フォー・ワンの攻撃で弾き飛ばされた私達は、砕かれた壁を超えて十数mの高さから落下していた。

 

「このぉっ!」 

 

 とはいえ戦端が開かれたからには、ここで手を緩めるわけにはいかない。

 

 私はお返しとばかりにパイロキネシスで奴に向けて人体発火を試みる。

 

 これは個性のように炎を放つのではなく、ヴァジュラを一点集中して対象を発火・炎上させる技だ。

 

 通常の手段では防げるものではない。

 

「ふ……」

 

 しかし、オール・フォー・ワンは余裕の笑みを浮かべて両手で複雑な印を組む。 

 

「オン・バザラギニ・ハラチハタヤ・ソワカ!」

 

「なっ!?」  

 

 マントラと共に奴の中で感じたヴァジュラの動きは孔雀や黎と同じモノ!?

 

 そして奴が発動させた術は、私の人体発火を発動前にかき消した。

 

「この男、個性だけじゃないのか!?」 

 

「そんなの聞いてないんですけど!?」

 

「これでも知人は多くてね、社会の闇を歩く術くらいは教わっているんだよ!」

 

 ヴァジュラによる重力制御で夜空を滑空する私達に、まるで空中で立っているかのように静止したオール・フォー・ワンは右手を向ける。

 

「もちろん、それは防御だけじゃない。───死柄木の名において命ずる。出でよ、 雷蛇(レイシヲ)っ!」 

 

 詠唱と共にオール・フォー・ワンから放たれたのは紫電が形作った蛇だった。

 

「獣魔術だとっ!?」

 

「ちょっ!? お姉ちゃん、なにあれ!」

 

「ほう、獣魔術を知っているとはね。コイツは中国の黒社会のさらに闇でしか伝わっていない代物なんだが、いったいどこでその知識を手に入れたのかな?」 

 

「さてな! 知りたければ力づくで聞き出してみろ!! 天の雷よ!!」

 

 私は帯電する雷蛇の電気を逆手にとって落雷を呼ぶ。

 

「ぬおおおおおおっ!?」

 

「ピギィィィィッ!?」

 

 同じ電気とはいえ獣魔と本物の雷撃では後者の方に分がある。

 

 私の一撃で雷蛇は消え去り、オール・フォー・ワンも黒い煙を全身から上げながら落ちていく。

 

 しかし魔王と呼ばれた男はこの程度では倒せなかった。

 

「僕の獣魔を呼び水にするとはね、面白い! 出でよ、 火礫甲虫(ホウリイチイアチヨン)っ! 回風(ホイフォン)! 凍血球(ドンシユエチウ)ッ!!」

 

 私達より下の位置で体勢を立て直して、連続して獣魔を召喚するオール・フォー・ワン。

 

 礫のように飛ぶ炎を纏った小虫、回転する刃を持った獣魔、氷の刃の群が私達へ殺到する。

 

「お姉ちゃん、あれって何なの!?」

 

「簡単に言うと獣魔ってバケモノを呼んで使役する召喚術だ!」

 

 火花と甲高い音を立てて障壁に激突する獣魔たちを睨みつけながら、私はダイアナの問いに答える。

 

 獣魔術は3×3EYESという割と有名な妖怪マンガに登場する術だ。

 

 主人公やそのライバルが使用している所為でかなりの種類があったはずだが、生憎と全ては憶えていない。

 

 しかし、獣魔術は使役する獣魔に主の『(ジン)』を与えなければ成立しない術だ。

 

 その消耗度合いは馬鹿げていて、普通の人間だと数回使えば衰弱死するほど燃費が悪いはず。

 

 なのにあの男は複数の獣魔を使っても『精』、すなわち生命エネルギーたるヴァジュラの消耗は見えない。

 

 いったいどういう事なんだ?

 

「ダイアナ、アレを食らい続けたら結界がもたなくなる! 空中戦だ、気合を入れろよ!!」 

 

「任せて! エスコン3段の私の実力を見せてあげるよ!!」

 

 頭をかすめる疑問を脇に置いた私達はヴァジュラを推進力にして結界ごと高速で空を舞う。

 

「これでも食らえぇ!!」

 

 そしてダイアナは地面へ落ちていく瓦礫たちを念動力で拝借すると、高速徹甲弾のようにオール・フォー・ワンへと撃ち出した。

 

「ドッグファイトかい、付き合おう。出でよ、炸裂虫(チアリエチヨン)!!」

 

 そして自らに食らいつかんとする瓦礫たちを、オール・フォー・ワンは呼び出した炸裂する芋虫型獣魔で迎撃する。

 

「ねえ! いったい何なの!? 何が起こっているの!?」

 

「ちょっ!? 落ち着いて!」

 

 攻撃をダイアナに任せて機動の方を担当していると、パニックになった紅葉さんが私達にしがみ付いてきた。

 

 状況が状況だったとはいえ、問答無用で結界に閉じ込めての超能力バトルだからな。

 

 原作通りなら彼女は普通の女子高生だ。

 

 そりゃあ錯乱の一つもするだろう。

 

 とはいえ、現状では間が悪すぎる。

 

「クシナダが足手まといになったな! 出でよ、 火猿猴爪(ホウユアンホウチャオ)っ!」

 

 なにせ私達は絶賛殺し合い中なのだ。

 

「なめるなっ!!」

 

 ヴァジュラの結界には個性が効かない事を悟っているのだろう、右手に獣魔召喚による炎の爪を宿して突貫するオール・フォー・ワン。

 

 私はそれに向けて空間爆砕を叩き込む。

 

 閃光と轟音、それに続くように結界越しにも感じる衝撃が私達を後方へと押しやる。

 

 煙が晴れると、そこにいたのは右腕を根元から失い、胸の半分辺りまで抉り取られたオール・フォー・ワンだった。

 

「流石は()の最高傑作だ。個性は受け付けず、獣魔術もまた高出力のヴァジュラによって退けるとは……ますます手元に置きたくなった」

 

 常人ならば喋る事も出来ない程の重傷を負いながらも、仮面の欠けた部分から覗くのは不敵な笑みだ。

 

 ヴィランの帝王としての矜持か、それともグエン・モルガンの記憶がそうさせるのか?

 

 いや、違う。

 

 何故なら奴の肉体が欠損部分から霧のような煙を吐き出すと急速に復元を開始したからだ。

 

「超回復の個性!?」

 

「いいや、復元の際にヴァジュラを感じた! アレは個性じゃない!!」

 

「その通り」

 

 オール・フォー・ワンがそう返すと、全体に亀裂が走っていた奴の黒い仮面が粉々に砕け散る。

 

 そして中から現れたのは白髪で色の薄い瞳を持った中年の男だった。 

 

「これは個性なんてチャチなモノじゃない。僕が究極の生物になった証だよ」

 

 私の眼が釘付けになったのは、そんなものではなかった。

 

 奴の額に刻まれた真っ赤な『(ウー)』という文字だった。

 

「无……だと?」

 

「どうやら僕が如何なる存在か、知っているようだね。それもヴァジュラの導きかな?」 

 

 ニヤリと笑うオール・フォー・ワン。

 

「ッ!!」

 

 私は奴に向けて全力の念動衝撃波を叩く込むと、踵を返して一気に逃走を図った。

 

「きゃああああっ!?」

 

「お姉ちゃん、どうしたの!?」

 

「逃げるぞ! 今の私達に奴を倒す術はない!!」

 

 よりにもよって无だなんて!?

 

 どういうことだ?

 

 この世界に三只眼吽迦羅(さんじやんうんから)が存在しているって言うのか!?

 

 だとしても現代だと一人を除いて全滅している筈だぞ!

 

「ふふふ……どこへ行こうというのかね?」

 

 いや、今はそんな事を考えている場合じゃない!

 

 正真正銘、不老不死の化け物から逃れる術を考えねば!!

 

 

  

 

 




【悲報】AFOが不老不死になりました(僕のヒーローアカデミア・3×3EYES)

【秘宝】AFOが陰陽術と獣魔術を体得しました(僕のヒーローアカデミア・3×3EYES)

現状のヒーローとヴィラン

・オールマイト 全盛期に若返る。

・オール・フォー・ワン 不老不死・オカルトの術式を習得
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