第27話 バイトを探す
色々な経験をやっていこう。そういうわけでバイトとやらを挑戦しようと決意する。これを同居人のアーリーに伝える。朝という時間帯だが、関係ない。
「というわけでバイトとやらをしたいのだが」
「……マジ?」
変な目で見られた。予想外だったことも大きいだろう。食事の手が止まっている。
「まあ若いから面接でどうとでもなるけど」
頭を抱え込んだ。生きた時代が異なっているから、価値観も異なっていく。だからこそギャップとやらを感じる。今回も同じだろう。
「お前。仕事を探す方法知ってるか」
真剣な顔。真剣な声。こちらも真面目に答える必要があるだろう。
「知らないが」
「だろうな!」
アーリーがテーブルをバンと叩く。突っ込むこと自体慣れているが、物に当たる必要はなかったはずだ。切り替えが早いのか、裏紙にさらさらと書き始めている。
「とりあえずはこれを守っとけ。仕事の候補決めたら報告しとけ」
さっさと食べ終えたアーリーは仕事に行ってしまった。紙を見てみる。仕事を探すのも電子世界に繋げる時代らしい。ツテで仕事を得たりするような時代ではないということだ。仕事内容についてだと、力仕事を主に探した方がいいと書かれている。身体能力を活かせということだろう。それに接客の仕事はまだ無理だろうと俺自身も感じていることだ。対応出来るとは思えない。
その他に受けて良い目安の給料も記されていた。これに関してはなるほどとすぐ理解した。不釣り合いと思うぐらいの高い報酬の仕事で釣って騙す手法は昔にもあったことだ。そして学んできているとはいえ、無知なところもある自分自身は恰好な的と言えるだろう。
大体は目を通し、ある程度理解出来たはずだ。タブレット端末を使って、検索をかけてみる。求人をたくさん載せている所が複数もある。アーリーが書いた紙には仕事掲示板がおすすめと書かれていた。それを使う事にする。その前に家事をやろう。
「んー……」
腕を上げて背伸びをし、仕事探しを再開させる。力仕事を主に探す。初心者なので少しずつ段階を踏むべきだろう。武技の習得みたいにいきなりやっては上手くいかないことと同じだ。出来れば一日限定から始めていくべきか。しかし選択肢が限られてくるのも否定できない。
「催し物」
アーリーの紙を元に求人を絞ってみた。数は二桁あり、スライドとやらでざっくばらんに見ていったら、気になる言葉を見つけた。
「天界フェスタ」
神々と天使が住むところ。魔界と人界の大戦があった頃は恐れていた場所という認識だった。実際天の神殺しを成功したものは片手で数える程度しかなく、罰として天から与えることもあったからだ。しかし今はそうでもないようで、たまにニュースで天界が話に出てくることもある。これだけ年月が経っていればそうなるのだろう。
だからこそ非常に気になるものだ。戦士として活躍していた時代では考えられなかった天界フェスタ。物品として何があるのかを知りたい。それに労働の条件としては悪くない。アーリーも納得するだろう。