「俺がやりたいこと。友が歩んできた道。歴史というものを。遺跡を。そういったものを調べたい」
その決意があっても、すぐに叶えられるものではない。それを知るまでに時間はかからなかった。遺跡を探索する者――探索者であるアーリーがすぐに教えてくれたからだ。
いくつものステップがあると言う。遺跡での冒険をする前に、不慣れな勉学をしなければいけないのは全ての過程の共通点だ。最初に探索者の受験資格を得られる大学に入ることから始まる。ただし、俺の場合、その前に通信教育を終わらせる必要があった。二年の時を経て、それを乗り越えられた。そして、勢いに乗って、大学入試を受けた。少ししてから、その結果が今の住処に届いた。
「開けるぞ」
研究者の道を歩む者や学問を究める者などが行く大学入試の結果が入っていると思うと、とても緊張してくる。カッターで慎重に開ける。三つ折りの紙を外に出す。三つ折りを開くと、合格という言葉が大きく書いていた。
「合格した」
短く呟いた。実感というものが湧かない。身体を動かしていないから、手ごたえがあったかどうかも分からなかった。戦士であったかつての自分がひたすら勉学に励むことになったことを驚くだろうか。昔の友も驚愕の表情を見せていただろう。
「マジか! おめでとう!」
俺が目覚めてから、ずっと傍で支えてくれた新しい友であるアーリーから祝福の言葉を受けた。
「俺の将来の後輩だな」
そして……いつかの後輩にもなるかもしれない。戦友として、冒険を共にすることになるのだろう。未来を想像すると、口元が緩くなってしまう。けど。まだだ。
「アーリー。これは始まりでしかない」
はっきりと言ったら、アーリーが「ストイックだな」と苦笑いしていた。
「俺のかつての友が歩んできた道を知るには、その術を学ぶ必要があり、許可証を貰わねばいけない」
そう言いながら、薄い桃色の花が舞う外をベランダから眺める。遠い天空に浮かぶ遺跡。地の果てにある遺跡。魔界にもきっとあるのかもしれない。王が歩んできたことは何か。民達は何をしてきたのか。苦難ばかりだったろう。それでも俺は知る必要がある。仕えて来た者として。友として。
黒雷の戦士ショールが行く方向は変わった。探索者という、危険な遺跡を発掘し、考古学者の助けになる職種になろうとしている。本格的に活動するまでに数年はかかるだろう。それでも構わない。その過程も楽しんでいきたい。一歩ずつ。前へ。進んでいきたい。