俺が友達とsakiの世界に転生して泥臭い麻雀で生きていく話   作:お肉大好き 真

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第1話

清澄高校麻雀部。部委員数が足らず団体戦に出場できない以外は至って普通の麻雀部。部室には3人の人影があった。

 

「本当に二人ともうちに入部してくれるのかい?」

 

鼻息荒く二人に詰め寄る変質者はこの部活の部長の竹井久。

 

「はい。僕ら麻雀好きですから。」

 

そう答えたのは学生服に身を包んだ二人組。

 

一人はイカにも好青年そうな笑顔が似合う新入生。もう一人は無駄に態度がデカいデブ。

 

二人は高校の入学式が終わった直後に入部届を携えて麻雀部を訪ねた。万年人手不足の麻雀部にとってこれは余程の珍事だったのか、竹井久は我を忘れて興奮していた。

 

 

 

 

 

死因は覚えていないが俺は死んで生まれ変わったらしい。大学に入学したまでの事は覚えているが目が覚めると幼児になっていた。当初はよくできた夢だと思っていたが、いつまでも夢から覚めない事、TVで全国高校麻雀選手権が放映されている事で気がついた。俺sakiの世界に転生したんだって。

 

 

 

前世の俺は麻雀が好きで高校で麻雀を知ってからネットとリアルのどちらの麻雀にもハマっていた。ネット麻雀は少なくても1日に3回、リアルは毎週同じ高校のメンツで卓を囲んだ。受験期は流石にネットは控えるようになったがリアルは今まで通りに毎週同じメンツで卓を囲んだ。18歳になりフリーに挑戦できるようになった俺は色々な雀荘に行ってみた。卓のレベルやルールが違って大負けしたり、大勝ちしたりしたがどの麻雀も楽しかった。そんな俺だからこそ咲の世界に転生したと気づいた瞬間、思わずニヤけてしまった。だって化け物たちと卓が囲めるんだ。その日はワクワクして眠れなかった。

 

 

 

現実は非情だった。親に駄々を捏ねて連れて連れてきてもらった近所の麻雀教室で俺は一人のある赤毛の少女に手も足出ずにボコボコにされた。卓に付けば、ツモられまくって飛び終了。意地になって押し返せば悉く放銃からの飛び終了。俺が余りにも早い飛びをしまくる物だから、1日で30半荘も打つ事ができた。その日の平均着順はまさかの4。上がり率に至っては驚異の0%と言う異次元の弱さを見せつけて、俺は早々に戦術的撤退をした。

 

 

 

2度と麻雀なんかするかと思いふて寝した俺だったが、翌日になると、もう一度親に駄々を捏ねて麻雀教室に行った。結局麻雀をやめられないのは麻雀打ちの麻雀打ちたる所以だろう。

 

 

 

しかし、俺は普通の麻雀打ちではない、普通ならここで昨日のように何度も対局してまた盛大に負ける事を繰り返すだろうが俺は違う。俺は我慢が出来る麻雀打ちだ。ここは見。見が最善。無策で突っ込む奴らとは格が違う。

 

 

 

結局この日は一日中昨日特に俺を沢山飛ばした赤毛の少女の後ろ見をした。彼女の麻雀は攻撃的な印象を受けたがこれと言った特徴は無い。よく言えばミスが少ない、悪く言えば平凡な打牌だった。唯一、非凡な所を上げるなら運が良すぎる点だ。有効牌しかツモらない。これが今日初めて見た打ち手なら俺は「ついてるじゃん。よかったね」くらいにしか思わないがコイツは昨日も同じくらい早く上がって俺を飛ばしていやがった。だから俺はこの赤毛のガキを能力者だと断定した。

 

 

 

俺はこの2日間の経験から、あの麻雀教室での勝ち方を考えていた。正直あそこは赤毛のガキ以外はレベルが低い。赤毛が打たない時に他の奴らを見たが、生徒の小学生は勿論、講師役の男も玉の間にすら辿り着けないであろうレベルだった。ではなぜ俺はあんなにボコボコにされたのか。俺が奴らよりとことん弱い雑魚だからか?いや違う。麻雀は基本的に初心者がプロにだって結構な確率で勝てるゲームだ。少なくても勝率が10%を切ることはまず無い。仮に俺が初心者で赤毛をプロレベルの猛者だと仮定しても、30連敗なんて2回連続一枚宝くじを買って一等が当たる確率よりも低い。通常考慮にすら値しない確率。ならば俺が30回連続最下位をとった理由はもうこれしか無い。赤毛が能力を使って俺を狙い撃ちにした。

 

 

 

では奴の能力はどんなものが考えられるか。後ろ見で奴のツモがいい事は分かっている。しかしこれだけではここまでの狙い撃ちは不可能だと考える。単純な話だが俺が奴が上がるより早く上がれば上がり率0%は達成出来ないのだ。現実は俺が上がることが一度も無かった。飛んで局数が少ないとは言え100局以上は打った筈なのに一度も上がれないなど考えられない。30連敗なんかよりも薄い確率。ここに奴の能力の真髄が見え隠れしている筈だ。

 

 

 

俺と打っていた時、奴以外の同卓者は数は少ないが普通に上がれていた。一度も上がらせて貰えなかったのは俺だけだった。しかし、俺が後ろ見をしていた時はほぼ全ての上がりが赤毛による物だった。という事は奴には場を支配する能力と特定の個人のツモを支配する能力がある。そして赤毛は俺との対局で俺を最下位にした上で勝つようにわざと能力を発動しなかった。俺以外に上がらせてあとは自分が高打点をツモって俺を飛ばす。その為に場の支配をしなかった。

 

 

 

あのアマ俺に舐めプかまして来やがった。そこに思い至った瞬間に俺は決意した。奴を必ず負けさせてやる。その無表情を曇らせてやる。

 

 

 

照side

 

○月×日 今日はいつも行ってる麻雀教室に新しい子が来た。ちょっとだけ強そうだったからボコボコにした。何度でも挑戦してきてちょっと気持ち悪かった。

 

○月▲日 今日もあの子が来た。また打ちに来たのかなと思ったけど今日は一度も打たずにずっと私を見ていた。気持ち悪かった。

 

○月◇日 今日もあの子が来た。また一日中見られるのは嫌だと思っていたら今日はずっと麻雀を打ってた。嫌だったから2度と打ちに来ないように全力でボコボコにした。負けたのにニヤついていて本当に気持ち悪かった。

 

○月■日 今日はもうあそこに行きたくない。家に一日中いたら妹が家にあの子を連れてきた。どうしよう。

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