ベルが如く   作:サンバガラス

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第九話 怪物祭(モンスターフィリア)

 

〜四日後〜

 

ベルは町をぶらついていた。オラリオに来てから約半月。まだ自分の行った事のない場所を探していたそんな時だった。

 

「おーい!白髪頭、頼みがあるニャー」

 

アーニャが声を掛けて来たのだ。ベルはアーニャに近づいた。

 

「頼み?何だ」

 

アーニャはベルに財布を渡した。

 

「おミャンはこの財布をおっちょこちょいのシルに渡すのだ!!」

 

「突然何を言い出す?そして話が全く見えないんだが?」

 

ベルが疑問に思っているとリューがやって来た。

 

「アーニャ。それでは説明不足です。クラネルさんが困っています」

 

「リューはアホニャ。店番サボって怪物祭を見に行ったシルに忘れた財布を届けて欲しいニャンて一々言わなくとも分かる事ニャ」

 

「と言う訳です」

 

「成程」

 

リューの説明にベルは理解した。

 

「無論シルはサボった訳ではなく休暇を取って祭り見物です。今頃財布が無くて困っているでしょう」

 

「・・・しょうがないな。シルに届けてやるか」

 

ベルはシルに財布を届ける事にした。

 

「ところで、最近ここに来たばっかりなんだが、怪物祭(モンスターフィリア)って何だ?」

 

「怪物祭は、ガネーシャ・ファミリアが主催する年に一度のお祭りにゃん!!」

 

「闘技場を丸一日借りて、ダンジョンから連れて来たモンスターを観客の前で調教する祭りです」

 

「要は、偉くハードな見せ物って訳だにゃー」

 

「・・・シルを探すついでにその怪物祭にでも行ってみるか」

 

ベルは闘技場に向かっていたその頃、ロキは怪物祭の近くの喫茶店にいた。その喫茶店にはロキとアイズそしてローブを巻いた女がいた。

 

「全く、こんな所に呼び出して、今度は何を企んどるんや?また何処ぞのファミリアの子供を気に入ってちょっかい出そうとしてのか、この色ボケ女神」

 

ロキの言葉にローブの女いや、女神は微笑んだ。

 

 

      フレイヤファミリア主神 

         フレイヤ

 

「で、どない奴なんや、お前が気に入った子供ってのは?」

 

「・・・とても強くて、所々天然な所があるそんな子。黒と白が混ざり合った灰色の魂を持っていた。でも灰色なのに鈍い色ではなく無限の輝きを持っている灰色。私が今まで見た事のない色をしていた。あとは・・・そうね・・・渋いって感じられるわね」

 

(・・・ん?強くて、天然な所があって、渋い?)

 

フレイヤの言った言葉にロキの脳裏には4日前にあったベルが思い浮かんだ。

 

(もしかしてフレイヤの狙ってる子ってベルちゃんの事か!?)

 

「見つけたのは本当に偶然。たまたま目に入っただけ」

 

そう言ってフレイヤは窓の外を見ると立ち上がった。

 

「どないしたんや?」

 

「ちょっと急用が出来たわ」

 

「は?」

 

「また会いましょう」

 

フレイヤは喫茶店のから出て行った。

 

「って、会計ウチ持ちかい!!戻って来いフレイヤ!!!」

 

ロキが叫んでいる一方。その頃ベルはと言うと

 

「デートしようぜベル君!!」

 

「おいちょっと待て!!」

 

ヘスティアに連れ回されていた。

 

「俺は今人探しを頼まれてんだ」

 

「そうなのかい?ならデートしながら探せば良いよ!!一石二鳥さ!!」

 

「そう言う訳にはいかねえ!!おい話聞け!!」

 

するとヘスティアはクレープ屋の前に止まった。

 

「おじさん。クレープ2つ!!」

 

「あいよって、ベルさんじゃないか!!」

 

「ナヤさん?出店していたのか」

 

ベルはクレープ屋のナヤさんと会った。

 

「年に一度の大きな祭りだからね。ほら、このクレープは俺からの奢りだ」

 

ベルはタダでクレープを2つ貰った。

 

「運がいいなベル君は」

 

「・・・」

 

ベルは仕方なくヘスティアとデートする事になった。

 


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