ベルが如く   作:サンバガラス

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今回は長いですよ。高評価と感想をお願いします。


第十七話 自由

 

ベルとリリが階段を登って2階に行くと1人の男がいた。

 

「何をしているアーデ」

 

「!?」

 

「誰だアイツ?」

 

「ベル様、あの人はソーマファミリアの団長のザニス様です」

 

      ソーマファミリア団長

       ザニス・ルストラ

 

「あんたが、ソーマファミリアの団長なのか」

 

「貴様何者だ?」

 

ザニスはベルに言った。

 

「サポーターのリリを雇っている唯の冒険者だ。リリをこのファミリアから脱退させる為、ソーマ様にちょっと話し合いがしたくてここに来た」

 

「そうか・・・このファミリアから脱退したいなら金を出せ。それがここのファミリアのルールだ」

 

ザニスは嫌な笑い顔をして言った。

 

「それはお前が勝手に決めた物だろ?ファミリアの脱退は、眷属と主神の両方の同意があれば契約解除は出来ると聞いた。用があるのはお前じゃない。ソーマ様だ。そこを退け」

 

「・・・ここまで、私を侮辱されたのは初めてだよ。特別に教えてあげよう。レベル1の君がレベル2である私との力の差どれぐらいあるのかを!!」

 

      ソーマファミリア団長

        ザニス・ルストラ

 

ザニスは剣を抜いてベルに襲いかかった。

 

「・・・お前もその気なら、こっちも容赦しねえ」

 

「ほざけ、レベル1が!!」

 

斬り掛かったが、ベルは軽々と避けてカウンターのボディブローを喰らわせた。

 

「グッハァ!?」

 

「・・・どうした?来ないのか?」

 

ベルはザニスを挑発した。

 

「このレベル1のぶんざいで!!」

 

ザニスは再びベルに斬り掛かかろうとしたが、その前にベルはザニスの顔面を殴ろうとした。

 

(そうくると思ってましたよ!!)

 

ザニスはベルが顔面を殴ってくると予想していて、顔面をガードしたが、

 

「な!?グッハァ!?」

 

ベルは顔面を殴るフェイントを入れ、ザニスの左頬を殴り、顎、腹、再び左頬を殴り、トドメに右蹴りのボディキックのフェイントを入れて右頬を蹴り抜いた。

 

「セッイヤァァァ!!!」

 

       『旋回砲火の極み』

 

「バギャァァァ!!!」

 

ザニスは悲鳴を出しながら倒れた。ベルは倒れたザニスの胸倉を掴んで持ち上げた。

 

「答えろソーマ様は何処にいる?」

 

「だ、誰が言うか・・・」

 

ザニスがそう言うとベルはザニスの後頭部を掴んで近くにあった机に顔面から思いっきり叩き付けた。

 

「ブッヘェァ!?」

 

顔面を叩き付けられたザニスは眼鏡が割れ、鼻血を出していた。

 

「・・・答えろ」

 

「や、やめギャァァ!!!」

 

ベルはもう一度ザニスを叩き付けた。

 

「もう一度聞く。ソーマ様は何処にいる?」

 

「さ、最上階のへ、部屋に居ます。だ、だからもうや、やめて下さい!!!」

 

ザニスは完全に心が折れて、ソーマの居場所を言った。

 

「そうか・・・行くぞリリ」

 

「は、はい!!」

 

ベルはザニスを投げ飛ばし、リリを連れてソーマにいる部屋に行った。それから数分後、ベルはソーマがいる部屋の扉を開けて入った。そこにはボサボサの長髪の男がいた。

 

「リリ、あの方がソーマ様なのか?」

 

「そうです。ベル様」

 

     ソーマファミリア主神 ソーマ

 

するとソーマはベル達の方を向いた。

 

「・・・誰だお前は?」

 

「初めましてソーマ様。ヘスティアファミリアの団員、ベル・クラネルです」

 

「・・・ヘスティアの眷属が俺のファミリアに何しに来た?」

 

「このファミリアの団員であるリリルカ・アーデを脱退させる為、ソーマ様と話し合いに来ました」

 

ソーマは失望した様な目をしてベルに言った。

 

「・・・簡単に酒に溺れる薄っぺらい子供の言葉に何の意味がある?」

 

「どう言う意味だ?酒に溺れる?」

 

ベルがそう言うとソーマはコップにお酒を注ぎ、ベルに渡した。

 

「これを飲んでまた同じ事を言えるのなら、話でも何でも聞こう」

 

「それは!!」

 

リリはベルに渡されたお酒に驚いていた。

 

「・・・これを飲めば良いのか?」

 

「いけません!!ベル様それは『神酒(ソーマ)』です!!一口でも飲めば、一生そのお酒の事しか考えられなくなります!!」

 

だが、リリの注意はベルが『神酒』を飲んでいる時だった。

 

「あ・・・あ・・・」

 

リリはベルもこのソーマファミリアと同じになってしまったと絶望していたが、

 

「・・・うん美味しい。風味もあって、濃厚でいて、さっぱりしている。割と度数もあるが、飽きやすい酒だなこれは」

 

ベルはお酒の感想を言っていた。

 

「え!?」

 

「!?」

 

リリは驚き、ソーマは目を開きながらベルに驚愕していた。

 

「べ、ベル様。何ともないのですか!?」

 

「いや、そこそこ酔ってるんだが」

 

「そ、そう言う事じゃなくてですね!?」

 

リリはだいぶ困惑していた。

 

「・・・お前は溺れないのか?」

 

「だからどう言う事なんだ?」

 

「ですからベル様」

 

リリはベルに説明した。

 

「そうなのか?だが俺はそうなって無いんだが?」

 

「それはリリにも分かりませんよ」

 

ベルとリリはそう言い合っていた。

 

「所でソーマ様、さっき言ってたこの酒を飲めば話でも何でも聞くと」

 

「・・・ああ」

 

「リリを脱退させて下さい」

 

「・・・もし、嫌だと言ったら?」

 

ソーマがそう言ったのに対し、ベルはこう答えた。

 

「男に、ましてや神に二言はありせんよね?もし貴方が約束を破る様な真似をしたなら、たとえ(アンタ)でも潰す」

 

するとソーマは言った。

 

「・・・良いだろう。リリルカ・アーデの脱退を認めよう」

 

こうしてリリはソーマファミリアから脱退する事が出来た。

 

「それではソーマ様。失礼させて頂きます」

 

ベルが部屋を後にしようとした時だった。

 

「・・・お前の名は何だ?」

 

ソーマが訪ねた。

 

「ベル。ベル・クラネルです」

 

「ベル・クラネル・・・・面白い男だ。その名前覚えておこう」

 

「では」

 

ベルはそう言って、リリを連れて部屋を出て行った。その途中でザニスを叩き起こした。

 

「おいザニス」

 

「ヒッ!!」

 

「お前から団員達に他人や他のファミリアに迷惑を掛けるな。そして2度とリリの前に現れるなと伝えろ。破ったらこんな程度じゃあ済まねえぞ」

 

「わ、分かりました!!!」

 

ベルはザニスにそう言った。その結果、ソーマファミリアは細々なお金しか稼ぐ事が出来ず、ソーマファミリアはほぼ壊滅状態になった。そしてベルとリリは門の前まで来ていた。

 

「さてリリ。お前はこれからどうするんだ?」

 

ベルがそう言とリリは何かを決めた表情になって言った。

 

「・・・リリはベル様のファミリアに入りたいと思っています!!」

 

「・・・冒険者が嫌いじゃなかったのか?」

 

「ええ、そうです。でもリリはベル様を裏切り、そしてベル様に救われました。ベル様のファミリアに入り、恩を返します!!それがリリのケジメです!!」

 

リリはそう答えた。

 

「・・・本当に良いんだな?」

 

「はい!!(・・・ケジメを付けるのも有りますが、リリはベル様の事が好きになってしまいましたからね・・・)」

 

そうリリはベルに惚れてしまったのだ。それはそうだ。1人の少女の為を助ける為にファミリアをほぼ壊滅させたのだ。惚れるだろう。

 

「ならこれからよろしく頼むぞリリ」

 

「はい!!よろしくお願いしますベル様!!」

 

こうしてヘスティアファミリアに新たなる団員が増えたのだ。

 


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