ベルが如く   作:サンバガラス

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第二十四話 豊穣での揉め事

 

〜神会から4日後〜

 

ベルとリリは豊穣の女主人にいた。

 

「【炉龍(フォールノスドラゴン)】?それがベル様の二つ名なのですか?」

 

「・・・どう思う?」

 

「良いんじゃないんですかその二つ名は。リリはかっこいいと思いますよベル様」

 

「そうか?まあ確かに俺も気に入っているがな」

 

そう言ってお酒を飲んでいるとシルとリューがやって来た。

 

「私も好きですよ【炉龍】」

 

「ランクアップおめでとうございます。クラネルさん」

 

「ああ」

 

「存分に飲んで下さいね。今日はベルさんの祝賀会なのですから」

 

そう言って、シルはベルの隣に、リューはリリの隣に座った。するリリはジト目になって2人に言った。

 

「お二人はここに座ってよろしいのですか?」

 

「ええ。ミア母さんからの伝言です。私達を貸してやるから存分に笑って飲めと。後は金を使えと」

 

「フッ。まあ取り敢えず、乾杯」

 

「「「乾杯!!」」」

 

しばらくしてシルがベルに言った。

 

「ところで新しい服を買ったんですねベルさん」

 

「ああ。どうだ良いだろ」

 

ベルはいつもの服装では無く、胸元まで開けたワインレッドのYシャツに半開きの全身グレーのスーツの姿であった。それは前世の桐生一馬のスーツほぼその物であった。何故ベルはこれを着ているのかと言うと2日前にベルが顔見知りの服屋の店長と倉庫の片付けをしていた時のことである。

 

「色々とあるんだな」

 

「そりゃあ服屋だからね。色んな売れ残りの服が沢山あるんだ」

 

そんな話をしながら服を片付けていると

 

「ん?これは・・・」

 

ベルはある服を手に取った。

 

「どうしたベルさん。ってこれは随分と懐かしい物が出て来たな」

 

「懐かしい物?思い出の品なのか?」

 

「ああ。これは俺がこの店の店主になった時に作ったんだ。灰龍って言う全身灰色の龍の体毛や髭から作ったスーツと真紅草と言うワインの様に赤い染色を使ったYシャツだな」

 

「・・・」

 

「この服は全ての属性攻撃の威力を下げる効果があるんだが、色で人気が無くて結局売れなかったんだ」

 

「・・・ならこれ俺が買い取っても良いか?」

 

「え?本当に?」

 

ベルの言葉に店主は驚いていた。

 

「気に入ったんだ。俺はこれが欲しい」

 

「そ、そうか。どうせ捨てる予定だったんだ。あげるよ」

 

こうしてベルはスーツを手に入れて着ていたのだ。ベル自身は似合っていると思っているが、あまり似合ってなくて、微妙なのである。

 

「「「・・・・」」」

 

3人は少し戸惑っていたが、言える雰囲気で無かったので話を変えたのであった。

 

「クラネルさんとアーデさんは今後ダンジョンの中層に向かうつもりなのですね」

 

「ああ。まだ調子を見ながらだけどな」

 

そうベルは答えると、リューが言葉を返して来た。

 

「さしてがましいことを言う様ですが、13階層より先へ潜る事はまだやめていた方がいい」

 

リューの言葉にリリは少し反論した。

 

「・・・ベル様とリリとでは中層に太刀打ち出来ないとお考えなのですか?」

 

「そこまで言うつもりはありません。ですが、上層と中層では違う」

 

「どう言う意味だ?」

 

ベルがリューに質問した。

 

「モンスターの強さも数も違う。能力の問題ではなく、1人では処理しきれなくなる。貴方達は仲間を増やすべきだ」

 

「仲間か・・・」

 

ベルが悩んでいた時だった。

 

「ハーハッハァ!!パーティの事でお困りかぁ【炉龍】さんよぉ」

 

「ん?」

 

ベルの言葉を男が聞き、近づいて来た。

 

「仲間が欲しいなら俺達のパーティにテメェらを入れてやっても良いんだぜ?俺達はレベル2だ。中層にも行けるぜ!けどその代わり、このえれぇべっぴんのエルフの嬢さん達を貸してくれよ」

 

「あ?」

 

ベルは少しイラついた。

 

「仲間なら分かち合いだ。なぁ?」

 

男は嫌なドヤ顔をした。すると

 

「失せなさい。貴方達は彼に相応しく無い」

 

リューが威圧を出しながら男にそう言った。

 

「ま、まあ妖精さんよ。俺達ならこんなカスみたいなクソ餓鬼より断然いい思いさせてやるぜ」

 

男がリューに触れようとしたが、

 

「イデテテテテテ!!!??」

 

「・・・気安く触ろうとするな」

 

「クラネルさん」

 

ベルが手首を強く掴み、男は痛みで悲鳴を上げていた。ベルは男を軽く吹っ飛ばした。

 

「て、テメェ!!何しやがる!!」

 

「フン。カスみたいなクソ餓鬼にこんな程度で悲鳴を上げるとは案外弱いんだな」

 

「な、何だと!!」

 

ベルは男を挑発していた。

 

「やる気か?なら表出ろ」

 

「ッ!!!??」

 

男はベルにビビった。すると大きな音が鳴り響いた。振り向くとそこにはカウンターを拳で叩き割っていた怒っていたミアがいた。

 

「騒ぎを起こしたいなら外でやりな。ここは飯を食って酒を飲む場所さ!!!!!」

 

「う、う!!?お、おい行くぞ!!」

 

「アホタレ!!ツケは効かないよ!!」

 

男は金を置いて逃げていった。だがベルはこれで小さな因縁が出来た事とは思ってもみなかった。

 

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