ベルが如く   作:サンバガラス

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やあ。帰ってきたよ。


第二十五話 鍛治師との出会い

 

豊穣の女主人での小さな揉め事から2日後。ベルとリリはバベルの塔の安い防具屋に向かおうとしていた途中の事、ベルはとある大男と向き合っていた。

 

「・・・・・」

 

 ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

「・・・・・」

 

そう『猛者』オッタルである。因みにリリや周りの人達は2人の威圧にビビっていた

 

「・・・何の用だオッタル」

 

「・・・何故そう構える?俺は礼を言いに来ただけだ」

 

「礼だと?」

 

ベルがそう言った。

 

「お前と戦い、あのお方は今まで見た事の無い程喜び、そして俺は強くなれた」

 

「・・・そうか」

 

「また時間が在れば殺り合う好敵手(親友)よ」

 

「・・・はぁ?」

 

オッタルはそう言って何処かに行った。

 

「・・・なんだったんですかね?」

 

「・・・俺に聞くな」

 

それから2人はバベルに着いて防具を探していた。

 

「ベル様。少し聞いてもよろしいでしょうか?」

 

「どうした?」

 

「どうして防具を買いに来たんですか?今着ている服の方が防御力が高いですよ」

 

不思議に思ったリリにベルは答えた。

 

「新しいスキルの【重ね着】って奴で防具の上から別の防具を着れるようになったんだ。つまり防具を二つ着れて防御力を上げる事が出来る。見た目や服の材質は上から着た物に影響するんだって神様が言ってた」

 

「変なスキルですね」

 

リリは率直に答えた。そんなこんなで防具を見て回ったが、良い物が無かった。

 

「無いな・・・」

 

「因みにベル様はどの様な防具をお探しなのですか?」

 

「ああ、ヴェルフ・クロッゾって奴が作った防具なんだか・・・」

 

「クロッゾ!?」

 

ベルの言った事にリリは反応した。

 

「何か知ってるのかリリ?」

 

「ベル様知らないんですか!?あの呪われた魔剣鍛治師のクロッゾを!?」

 

「呪われた?何だそれは?」

 

リリは少しため息を吐いて喋った。

 

「かつて強力な魔剣を打つ能力で名を上げた鍛治一族。それがクロッゾです。しかしある日を境に能力か無くなり、没落し、魔剣が打てなくなりました」

 

「魔剣って確か、魔法の様な攻撃を出す事が出来る武器の事だよな?」

 

「ええ。ただし、回数制限がありその制限を超えると粉々に崩れる武器です」

 

「そうなのか」

 

話していた時であった。

 

「だからいつもいつも、何であんな端っこに!!」

 

「「?」」

 

大きな声が聞こえて来てたので2人は声のした方に行くとそこには赤髪の男が店主に文句を言っていた。

 

「こちとら命懸けで作ってんだぞ!!もう少しマシな扱いをだな!!」

 

「知るか!!置いてやってるだけでもマシな扱いだ!!そんなに文句があるなら、もっと良いのを作るんだな!!」

 

「だと!?」

 

揉めていた。

 

「どうかしたのか?」

 

ベルが店主に言った。

 

「いえいえ何でもありません。何をお探しの物でも?」

 

「ああ。ヴェルフ・クロッゾの防具はあるか?」

 

「え!?」

 

店主は驚くと、赤髪の男が笑い始めた。

 

「フハハハハハハハ!!」

 

「?」

 

「ヴェルフ・クロッゾの防具なら此処にあるぞ!!」

 

そう笑顔でベルに防具を見せた。

 

「・・・もしかしてあんたが、ヴェルフ・クロッゾか?」

 

「その通りだ!!」

 

     ヘファイストファミリア団員

       ヴェルフ・クロッゾ

 

それから広間に移った。

 

「いーや、まさか噂の【炉龍】が俺の作った防具を買ってくれるなんてな」

 

「俺も、クロッゾ本人に会えるとは思っても無かった」

 

そう言うとヴェルフは少し顔を背けた。

 

「ベル様!!」

 

「・・・ああ。すまん」

 

「・・・いや良いんだ。それよりも」

 

するとヴェルフはニヤリと笑って言った。

 

「なあ、ベル・クラネル。お前は俺の作品を2度も買いに来てくれた。つまり俺の顧客だと言う事だ。違うか?」

 

「・・・そうだな」

 

ベルがそう言った瞬間、周りにいた鍛治師達は舌打ちをして離れて行った。

 

「・・・縄張り争いですか?」

 

「まあそうだな。よく分かったなチビ助」

 

チビ助と言う発言にリリは少し怒った。

 

「チビ助なんかじゃあ有りません!!リリにはリリルカ・アーデと言う名前があります!!」

 

「そ、それは悪かったな。よろしくなリリ助。それでよベル。俺と直接契約を結ばないか?」

 

「直接契約?」

 

「お前の専属になって武器でも、防具でも作ってやる」

 

「・・・本当か?」

 

ベルはそう聞き返した。ヴェルフは続けて言った。

 

「ただ俺の我儘を聞いてくれるとありがたい」

 

「・・・何だ?」

 

「俺をお前のパーティに入れてくれ!!」

 

「・・・分かった。ちょうど俺も仲間が欲しいと思っていたからな」

 

「そうか。ならよろくなベル!!」

 

「ああ。頼りにしてるぜヴェルフ」

 

そう言って2人は握手をしていた。

 

 


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