〜次の日〜
「・・・・はぁー」
ベルは溜め息を吐きながら歩いていた。それは昨日の事でベルがエイナに5階層にミノタウロスが現れた事を伝えに行った際の事
『エイナさん。ちょっと話したい事が』
『あれベル君?今日はhキャァァァァァッ!!!!!??』
『!?どうした!!』
『べ、ベル君ち、血まみれだよ!?』
(そ、そうだっだ。すっかり忘れてた)
ベルは自分が血まみれになっていたのを完全に忘れていたのだ。
『(何とかして誤魔化さないとな)だ、大丈夫ですよエイナさん。俺のじゃ無いので』
『俺のじゃ無いってまさか人殺し!?』
エイナの勘違いによって事態は斜め上に行ってしまった。
『何でそうなるんですか!?違います!!話を聞いてください!!』
その後ベルは何とか落ち着かせて事の事象を話した。そして
『ベル君。何で私の言いつけを破ったのかな?』
『・・・自分の力がどこまで行けるのか気になったからです。申し訳ございませんでした』
ベルは謝った。
『・・・全く、冒険者は冒険しちゃいけないんだって言ったよね。ベル君。今回は偶々助かったけど、こんな事が永遠に続く事は無いんだよ』
『・・・申し訳ございませんでした』
そしてペナルティーとして1〜3階層にしか行けなくなってしまった。
「気を付けないとな」
そう思っていると
ジロッ
「!?」
ベルは辺りを見回した。
(何だ?今誰かに見られた様な・・・)
そう思っていると
「・・・あの?」
ベルは声を掛けられた。
「ん?」
振り向くとそこには、メイド服を着た少女が居た。
「・・・何か用か?」
「あのこれ落としましたよ」
少女はベルに魔石を渡した。
「魔石?おかしいな全部換金したはずなんだが・・・」
ベルは疑問に思ったが取り敢えず礼は言った。
「すまない」
「いえいえ、冒険者の方ですよね?今日も朝早くからダンジョンですか?」
「そうだな」グッゥゥゥゥ
ベルの腹が鳴った。すると少女は
「お腹空いてるんですね。よかったらこれどうぞ」
少女はベルに弁当を渡した。
「いや貰えない。それにそれはあんたの朝ごはんじゃ無いのか?」
ベルがそう答えた。
「気にしないでください。私の方はお店が始まったら賄いが出ますから、その代わり」
「その代わり?」
「今夜の夕食は是非当店で!!約束ですよ!」
少女はいい顔でそう言った。
「フッ。一本取られたな。それじゃあ行かせてもらうぞ」
「はい!お待ちしてます♪」
それからベルはダンジョンに行き、帰りに少女のお店に来た。
「冒険者さん、来てくれたんですね!!」
「約束だからな」
「自己紹介がまだでしたね。シル・フローヴァです」
豊穣の女主人の店員
シル・フローヴァ
「俺はベル・クラネルだ」
ベルとシルはお互いに自己紹介した。そしてベルはお店の中に入ってシルにお任せでしたら、山盛りのトマトパスタが出て来た。
「多いな」
すると主人であるミアが声を掛けた。
「あんたが、シルの知り合いかい?冒険者って割に可愛い顔してるし、ヒョロイね!!しっかり食べなよ」
フレイヤファミリア元団長 豊穣の女主人
「なら、遠慮なく食べさせてもらうぜ」
ベルはトマトパスタを豪快に食べ始めた。ミアはベルの食べっぷりに上機嫌になった。
「面白い奴だな、気に入った!!これはあたしからの奢りだ。よく食べな!!」
そう言ってナマズ?の素揚げをくれた。
「ありがとう」
ベルはミアに感謝した。するとシルが近づいて来た。
「どうです?楽しまれてますか?」
「まあ、楽しんでいるな」
「うふふ。それはよかったです。まあ、ベルさんのお陰で私の今夜のお給金も期待できそうです」
「・・・それは良かったな」
「このお店色んな人が来て面白いでしょ。沢山の人がいると沢山の発見があって、私つい目を輝かせてしまうんです!!」
「そうなのか」
確かに豊穣の女主人には様々な種類がいた。
「私知らない人と触れ合うのが趣味と言うか、心が疼くと言うのか」
「結構凄い事を言うんだな。それとお酒をくれ」
「はーーい。分かりました」
ベルがシルにお酒を頼んだその時だった。
「にゃぁん!!ご予約のがお客様御来店にゃん!!」
扉から美男美女の様々な種族の集団が入って来たのだ。すると周りが騒めき始めた。
『おおっ!えれぇ上玉!』
『バカッ!エンブレムを見ろ!ロキ・ファミリアだぞ!!』
『げぇ!!マジかよ!!』
そしてロキ・ファミリアの主神ロキが宴の挨拶を行っていた。
「皆ダンジョン遠征ご苦労さん!!今日は宴や!!思う存分飲めぇぇぇぇ!!」
ロキファミリア主神 ロキ
「「「「おおぉ!!!」」」」
ロキ・ファミリアが盛り上がっていた。
「・・・何か、盛り上がってるな」
ベルがそう呟くとシルがお酒を持って来た。
「ベルさん。ロキ・ファミリア様はうちのお得意様なんです。はいどうぞ」
「成程な。ありがとう」
ベルはそう言ってお酒をゆっくりと飲み始めた。だがこの豊穣の女主人にいる全員はこの後とんでもない事が起きる事をまだ知る由もない。