ベルが如く   作:サンバガラス

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第八話 話し合い

 

ベートをボコボコにしたベルは店内に戻った。戻ると豊穣の女主人にいた客はざわざわしていた。それはそうだ。有名なファミリアの高レベル団員を誰も知らない奴が圧勝したのだ。ベルはざわざわしている客を無視してミアの方に向かった。

 

「・・・・・ミアさんご迷惑をお掛けしました」

 

ベルは店主のミアに謝罪した。

 

「・・・いや良いさ。今回は許す。ただし、うちの看板はしっかりと弁償しな!!」

 

「・・・・はい」

 

流石に看板の弁償は請求された。続いて、ベルはロキファミリアの方に向かい、頭を下げて謝った。

 

「・・・貴方の団員と喧嘩をしてしまい申し訳ありません。ロキ様」

 

「・・・謝らんでええわ。最初に喧嘩を振っ掛けて来たのはベートの方やし、気にせんで良いから、頭上げりぃや」

 

「ありがとうございます。ロキ様」

 

ベルは許して貰えたその時だった。

 

「・・・一つ尋ねても良いかな?」

 

「貴方は?」

 

「ああ、自己紹介がまだだったね僕はフィン・ディムナ。このファミリアの団長だよ」

 

       ロキファミリア団長

     『勇者』(ブレイバー) フィン・ディムナ

 

「それで聞きたい事とは?」

 

フィンがベルに質問していた。

 

「何故君がベートの言葉に怒りを覚えたのかが気になってね」

 

「・・・ミノタウロスに襲われていた冒険者が俺だからです」

 

ベルはそう答えた。

 

「ならどうしてベートを圧倒するぐらいに強い君がミノタウロスに襲われていて、アイズに助けてもらったんだい?」

 

「ミノタウロスは俺が倒しました。そして俺はそのアイズと言う人に助けてもらって無いです」

 

「・・・それは本当かい?」

 

「嘘をつく必要が有りません」

 

ベルはきっぱりとそう答えた。すると

 

「・・・その子が言ってるのは本当だよフィン。私がミノタウロスに追いついた時にはその子がミノタウロスと戦っていた」

 

金髪の少女がフィンにそう言った。

 

「あんたは?」

 

「・・・私はアイズ・・・アイズ・ヴァレンシュタイン」

 

       ロキファミリア幹部

  『剣姫』(けんき) アイズ・ヴァレンシュタイン

 

「・・・所で君の名前は?」

 

アイズがベルに名前を聞いていた。

 

「そやった!!最初に名前を聞くのを忘れとったわ!!」

 

「なぜそれを忘れるロキ」

 

緑髪のエルフがロキに突っ込んでいた。

 

      ロキファミリア副団長

  『九魔姫』(ナイン・ヘル) リヴェリア・リヨス・アールヴ

 

「すまんてリヴェリアママ」

 

「誰がママだ」

 

「もうーー。で名前は何や」

 

「ベル・・・ベル・クラネルです」

 

「ほーーーん。ベル・クラネルね」

 

するとフィンがベルに尋ねた。

 

「そう言えば君は、僕達のファミリアがケジメの取れないファミリアって言ってたね」

 

「・・・」

 

「・・・まあ、確かに今回のミノタウロスの件は僕達が悪い。そのケジメとしてどんな願いでも一つだけ聞いてあげよう」

 

『『『!?』』』

 

豊穣の女主人にいた客とロキファミリア(一部を除く)は驚いていた。それに対するベルの願いは

 

「・・・では、看板の弁償をお願いします」

 

「・・・・・・・・・え?」

 

ベルの願いにフィンは少し戸惑ってしまった。

 

「・・・もっと他にもあると思うけど・・・それで良いのかい?」

 

「ええ。それだけで十分です」

 

そう答えると

 

「アッーヒャヒャヒャヒャヒャ!!!」

 

ロキが笑い始めた。

 

「ほんま面白い子やな!!気に入った!!どうや、ベルちゃん、ウチのファミリアに入らんか?」

 

ベルはロキから勧誘された。

 

「嬉しい話ですが、お断りさせていただきます。それと何故ちゃん付け?」

 

「いや、何かちゃん付けしなきゃならんと思ってな?後本当にダメ?」

 

ベルはロキから勧誘を断っり、その理由を聞かれた。

 

「すみません。色んなファミリアを断られていた時に拾ってくれた神様を裏切る事は出来ないので」

 

「・・・そうか。なら仕方ないな。因みにベルちゃんの主神は?」

 

「ヘスティア様です」

 

ベルがそう答えると

 

「ハァァァァァァァッ!!??あのドチビんとこのファミリアやと!!??何で何や!?何でウチん所のファミリアに行ってくれなかったんや!?」

 

「行きましたが、弱そうと言う理由で門前払いされました」

 

その質問にベルが答えるとロキは怒りの表情になった。

 

「マジかぁ・・・・。希望者は誰でも通せ言っとったのに・・・」

 

「そろそろ時間もあれなので俺は帰らせて貰います」

 

「ベルちゃん。ドチビんとこのファミリアが嫌になったらウチのファミリアに来てやぁ。いつでも待ってるでぇ!!」

 

「分かりました」

 

ベルはミアに料金を支払って帰った。ベルが店を出た後ロキはため息を吐いた。

 

「あーあ。惜しい人材を見逃したなぁ」

 

「そう言っても仕方がないぞロキ。それに門番には少しばかり説教しなきゃならん」

 

「おーお。リヴェリアママの説教は怖いからなぁ。南無三ってな」

 

そんな会話をしていた。

 

 

 

 

 


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