とある科学の超電磁砲W 二人で一人の仮面ライダー   作:かなん

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その名はW/風紀委員を救え

 結局黒子に繋がる情報は無し。初春やその先輩の固法なども完全にお手上げ状態だ。

 

「はぁ……あんたの検索でなんとかなんとかなんないわけ?」

 

「無理だね。キーワードが不足しすぎている。白井黒子の場所は検索できない」

 

 表情一つ変えずに言われカチンときた御坂は電撃を放とうとする。

 

「あれ?御坂さん?おーい」

 

 黒髪の少女は大きく手を振って走ってきた。

 

「佐天さんじゃない!あ、実は……」

 

 初春と同じ中学であり友人の佐天涙子。彼女に今日起こったことを話した。

 

「何でそんな大事なこと早く言ってくれなかったんですか!?」

 

「ごめん、こいつらのせいでバタバタしてて」

 

「はじめましてお嬢さん。俺は左翔太郎。でこいつが相棒のフィリップだ」

 

「あ、どうも、佐天涙子です。で、さっき言ってた怪物なんですけど……」

 

 佐天は聞いたいの画面を三人に見せた。それは佐天が好きな都市伝説サイトだった。

 

「都市伝説なんですけど、スキルアウトが怪物に変身して強盗や事件を起こしてるらしいです。しかも、アンチスキルもグルだとか」

 

「スキルアウト。不良連中のことか。そいつらがガイアメモリに手を出したってことだな」

 

「ガイアメモリ?」

 

御坂と佐天には何のことかわからない。

 

「USBメモリのような形で、体に挿すことによってドーパントという怪物に変化する。その力は君たちの能力に匹敵する」

 

「その力で黒子は奴らに捕まった。……でも黒子なら能力で何とかなるはず。まだなにかタネがありそうね」

 

御坂の携帯が鳴る。初春からだ。

 

『御坂さん。監視カメラの映像から白井さんがさらわれたビルのすぐ下にスキルアウトが数人いたようです。で、一人だけ顔が映っていたので照会をかけて身元が判明しました!』

 

携帯の画面に一人の男の情報が映し出された。

 

『この人が所属する組織のアジトも特定済みです。これだけの情報があればアンチスキルも……』

 

「いや、ここは私一人で行くわ。ありがとう、初春さん」

 

ちょっと!という初春の声を遮って通話を切った御坂はアジトの方向へ走り始めた。

 

「おい!まてよビリビリガール!」

「待ってくだい御坂さん!」

「待ちたまえ!君一人では危険だ!」

 

三人は御坂の後を追いかける。

 


 

 そこは大きな倉庫だった。かつて何かの研究をしていたであろう研究所の倉庫だ。今は不良のたまり場になっている。

 

「見つけたわよ!黒子を……その子を開放しなさい!」

 

 スキルアウトたちの視線が一気に集まった。ざっと十人くらいか。男らの中心には手と足を縛られた黒子が横たわっていた。

 

「へぇ〜この子のお友達かな?よくここがわかったね」

 

「うっさい。いい加減にしないと痛い目を見るわよ」

 

 御坂の近くに電流が走ったことで不良たちはその少女の正体に気づいた。

 

「まさか常盤台の超電磁砲(レールガン)のお友達だったのかこいつは。ずっと『お姉さま』って言ってたぜぇ」

 

「意識が戻るまで待ってたのに思わぬ邪魔が入ったな」

 

「超電磁砲もまとめて遊んでやるよ」

 

 屈強な男たちが御坂を取り囲んだ。

 

「いいわ。全員まとめて相手してあげる!」

 

 しかし、電撃を放つ間もなく突然と体の力が抜けてしまった。

 

「なによ……これ……」

 

 うずくまる御坂の髪を引っ張りあげる。

 

「『ナノデバイス』とやらの技術を応用してるんだってさ。この銃は」

 

 ナノデバイス。かつて大覇星祭の裏で起きた事件に使われていたものだ。段々と意識が遠のいていく。このまま黒子を救えないのか。そう考えていたその時だった。

 

「やっと追いついたぜ、ビリビリガール」

 

「大丈夫ですか御坂さん!?白井さんも!」

 

「なるほど。高熱と能力の無効化で有利な状況を作ったと」

 

 不良の一人、恐らくリーダーであろう男が大声で叫んだ。

 

「この学園都市は俺のもの!金も、女も、仲間も!欲しいものは全て手に入れる!コイツを使ってな!」

 

男は『B』のイニシャルのガイアメモリをポケットから出して自らの腕に挿した。

 

『バード!』

 

 他の男達も『M』のメモリを挿す。

 

『マスカレイド!』

 

 全員人間とは違う生き物になって襲いかかってきた。翔太郎とフィリップは佐天と御坂を守るように立ちふさがった。

 

「涙子ちゃん!ビリビリと友達を安全な場所に!」

 

「で、でも!翔太郎さんたちも」

 

「止めてやるよ。俺たちが!いくぜ、相棒」

 

「了解した」

 

 いつの間にか二人の腰にはベルトが巻かれていた。そして、それぞれ『C』『J』のガイアメモリを構えた。

 

『サイクロン!』『ジョーカー!』

 

「「変身!」」

 

 メモリをベルトに装填したフィリップは意識を失う。そして翔太郎のベルトにサイクロンメモリが転送、もう一つのスロットにジョーカーメモリを装填。ベルトを展開。

 

『サイクロン!ジョーカー!』

 

 翔太郎の体は風に包まれて、姿を変える。

 

「え……あれって……仮面……ライダー?」

 

 そう。二人は怪物と戦う戦士、『仮面ライダーダブル』なのだ。右は緑、左は黒のツートンカラーの戦士はマスカレイドドーパントを次々と倒していく。倒したマスカレイドは元の姿に戻っていく。

 

『一気に片付けよう、翔太郎』

 

「あぁ」

 

 ジョーカーメモリを引き抜いて、『T』のメモリを起動した。

 

『サイクロン!トリガー』

 

 黒色だった左半身は青色に変わり、銃を装備している。敵の攻撃を避けつつサイクロンメモリを銃『トリガーマグナム』に装填した。

 

『サイクロン!マキシマムドライブ!』

 

「『トリガーエアロバスター!』」

 

 風の如く速い弾丸がマスカレイドドーパントを貫いていく。

 

「あとはお前だけだ」

 

 ダブルはサイクロンジョーカーに戻りジョーカーメモリをベルト横にある『マキシマムスロット』に入れた。

 

『ジョーカー!マキシマムドライブ!』

 

 ダブルは空高く舞い上がった。

 

「さぁ、お前の罪を数えろ!」

 

「『ジョーカーエクストリーム!』」

 

 ダブルの体は縦半分に割れ、そのままキックを放つ。

 

「くそ!おれの計画が!うあああ!」

 

 バードドーパントは爆発し、ガイアメモリは粉々に散った。

 

 

「ん……ここは……?」

 

 黒子が目を覚まし辺りを見回すとと、そこは病室であった。

 

「あ、目が覚めましたか。おはようございます、白井さん」

 

 ベッドの隣には初春が椅子に腰掛けていた。目が覚めるまでずっといたのだろうか。

 

「も〜大変だったんですよ。白井さんがスキルアウトに捕まって……」

 

「怪物やスキルアウトはどうなったんですの?」

 

「大丈夫ですよ。その件ならもう片付きましたから」

 

「へっ?」

 

「二人の探偵さんが助けてくれたんですよ。なんでもメタモルフォーゼの力で怪物を倒したとか!」

 

 黒子は仮面ライダーのことを熱く語る初春を見てくすりと笑った。

 

「体が半分こになってですね・・・白井さん?どうしたんですか?」

 

「いえ……初春。心配かけたかと思ったのですがその様子なら大丈夫ですわね」

 

「もちろん心配しましたよ!御坂さんも佐天さんも固法先輩もみんなそうです。だから、あとでいちごパフェ奢ってくださいね!」

 

「……えぇ。その二人の殿方にもお礼をしなくてはいけませんわね」

 


 

「まさかここに仮面ライダーが現れるとは。だが、復讐をするいい機会だ」

 

 昨日おきた事件についてのニュース記事を見ている男。部屋には実験で使うようなガラスケースが並んでおり、その一つに茶髪の少女が裸で眠っていた。

 

「覚醒まであと少し。この子が異次元のゲートの鍵になる」

 

 男は着ていた白衣を乱暴に脱ぎ捨てて研究室を去っていく。その白衣の背には『X』と印が記されていた。

 

 

 

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