「それでも」と言って立ち上がってくる系英雄 作:D.D.D_Official
その少女は、血みどろの中生まれた。
悲鳴が、聞こえてきた。
「どうして」「ゆるせない」「のろってやる」
その言葉は全て、目の前の男に向けられているのだと分かった。
男は血で赤く染まった鎧を日に浴びさせながら、少女の父親らしき戦士が無惨に首を切られ死んだ様をどこまでも冷たい目で見ていた。
少女は産まれながらにして自身の役割を与えれていた。この場に居た全てのムスリムが少女に呪いを託したのだ。
「啓典の民を討て」と。
──────────────────
捕虜の虐殺が終わった。
これと言って何の感慨も湧かなかったが、唯一残念なのが「英雄」の行いから遠ざかってしまったな。という事だけだった。
「ライカード様…その、大丈夫ですか?」
「────正直、心苦しいな。君に向ける顔が無い」
「そんな…アタシなんか……いえ、アタシは気にしていませんよ!寧ろ、周りの兵士達が蛮行を行なっている中ライカード様だけが慈悲ある死を与えていたのですから!」
「そうか…俺は、君の英雄らしく在れたか?」
「はいっ!ライカード様はアタシの思う英雄らしいお方ですっ!」
「そうか……そうかぁ………ハハ、少し気が滅入っていた様だ。ありがとう、アルス嬢。よし、俺はもう大丈夫だ!」
今のところ、ただ一人のファンであるアルス嬢が「良し」とするなら俺も良しとしよう。それに、アルス嬢の言う通り俺は出来るだけ苦痛を与えずに即死させた。
多少恨まれこそすれ、恐れられる事は無いだろう。
「アルベルト様…いえ、ライカード様でしたね。間も無く作戦開始時刻です。目的地はヤッファ、港町です。運が良ければ魚介が食べれるかもしれませんね」
「魚介か…良いな。さて、征くか」
──────────────────
「前方に、サラディンの軍勢を発見!」
「良くやった!皆の者、強襲殲滅態勢!」
「「「おおおおおおおおっ!!!」」」
とうとうアルスフの戦いが始まったか。
この戦いは俺たち十字軍の勝利で終わる。だから、俺も沢山活躍させて貰おうか?
「十字軍だァ!オラ死ねぇ!……いかん、口調が」
「ぐわーーーっ!!!」
「アッディーン様ぁーーっ!」
「悪く思え、俺達は神の尖兵だからな」
「流石ライカードしゃま!かっこいいーっ!」
「フ、ありがとう…次が来るぞ!」
順調だ。余りにも順調だ。
理由は簡単だ。サラーフ=アッディーンが有能すぎるが故だろう。奴は天才だ、故に撤退の指示も驚くほど早い。
今俺たちが倒しているのは、殿と逃げ遅れた兵士達だ。寧ろ、圧勝出来て当然と言う事だ。
「我!アイユーブ軍が将の一人、アシュルム・エル・ロイマン・クレイアス・アブラハム・ムハンマド・メソリアヌス・アリー・バクルである!貴公の名を聞かせて欲しい!」
「私の名はアルベルト・フォン・フリークス3世。いざ、尋常に勝負」
「応とも!ゆくぞアルベルトォオオオオ!!!」
「──────来い」
殿の将軍か。名前は長いが覚えられん事もない。アシュルム…まあ良い。こいつのような強者に対してする事はただ一つ。
正々堂々叩き潰す事だ。
「我が一子相伝の剣術をおっ!おっ、おおおおっ!?」
「右、左、上、突き、最後は下か?」
「ぐぬ、全て弾かれるとは!中々の手練れ!やるなアルベルト!だが、これはどうかな?奥義!【雷光一閃突き】ィ!」
「!」
アシュルムの剣から雷が漏れ出る。これはマトモに受けたらヤバそうだな。とすると…回避、はダメだ。後ろにアルス嬢が居る。ならばすべき事は一つ。
「うおおおおおっ!!!」
「受け切って見せよう…!」
剣と剣がぶつかり合う。片や雷光を纏った剣、片や血を吸いすぎて落ちなくなった剣。互いの武器が火花を散らし、付近の地面が剣圧で抉れていく。
「ぐっ、ぬぅっ!まだまだぁぁぁぁ!!」
「私は、負けん!私の後ろに護るべきものが在るのなら、絶対になあっ!」
「「うおおおおおおおっ!!!」」
数分にも思える一瞬の攻防。
そしてそれは、武器の耐久力で決着がつく。
「な、我が…武器が……!」
鈍い音を立てて剣が特大剣の力でひしゃげる。突きは勢いを失い、そのまま雷光は収まった。
「私の勝ちだな。では、その命頂こう」
「────ふはは!アルベルトよ、其方の武、確かに強かった!では、辺獄でまた逢おうぞ!」
「あぁ、俺は地獄だろうがな」
アシュルムの首を一瞬で切り落とすと、俺は再び馬に乗り戦場を駆ける。後ろでアルス嬢が騒いでいるが、今は勝利の余韻に浸りたかった。
──────────────────
「───我々の勝利だ!」
「「「うおおおおおおっ!!」」」
ヤッファを奪取した。街の住民は誰一人として抵抗しなかった上に、自ら恭順を申し出てきた。恐らくだが、アッコンでの惨劇が既に彼らに伝わっていたのだろう。
だが今俺の目の前で起きている事を見ると、恭順は本当に正しい選択だったのかと思ってしまう。
「いやっ!離して!だれかっ!助けてえっ!」
「へっへっへ…故郷には居なかった良い女だぜ…!」
「抵抗すんのかァ!?俺たちゃ泣く子も黙る十字軍様だぞぉ!?」
「ヒャーッハッハッハ!!!」
「いやぁあああっ!おとうさん!おかあさん!」
「お前をお母さんにしてやろうってんだ!」
反吐が出る。英雄として、ここは助けに行くべきだな。例え敵の民だとしても、恭順を選んだ者には慈悲と愛情を与えなければ。
「おい、下衆ども」
「あぁん?テメェは……はっ!?ライカード様じゃねぇですか!」
「な、なんでしょう…あっしらは捕虜に指導していただけで…」
「そうです!コイツは捕虜、元々敵なんですぜ!?」
「彼らは我々に降った。改宗も受け入れている筈だ。貴様らがしようとしてる事は、仲間に対する陵辱に他ならない。十字軍として、神の尖兵として恥じぬ行いをせよ。守れなければ死ね」
「くっ、すいやせんでした!行くぞ、お前ら!」
「「待ってくれよアニキぃ!」」
行ったか。さて、襲われていた少女を保護しようか。
「君、無事かね?」
「ぁ……大丈夫、です…」
「そうか、なら良かった。君のような少女が襲われるのは見ていて気分のいいものでは無いからね」
「その、なんで…わたしを?」
「不思議な事を聞くね。困っている人を助けるのに、理由なんているかな?」
今のは英雄ポイント高いな。
「──────勇者、さま?」
「いいや、私は──そうだな。ヒーローだ。みんなを助けるヒーロー。困っている人あらば助け、強きを挫き、悪しきを滅ぼす。そういう存在さ」
殆ど俺自身の願望に近い。だがそんな人間になれた時、俺は真の英雄として歴史に名を残すことになるだろう。尤も、残虐な人殺しである俺がそうなれるとは思わないんだがな。
精々、戦争で活躍した英傑ぐらいだろうさ。
だが、俺は死にたくはない。
死ぬわけにはいかない。
どっかの誰かに運命を決められるなんて、そんなふざけた話があってたまるか。必ず俺は生を掴み取ってみせる。
「わぁ…!ヒーローさま、すごい!それなら、わたしのお願いを聞いてほしいの!」
「言ってみなさい」
「うんっ!あのね、悪い十字軍を倒してほしいの!」
くそったれ。滅びろ運命!
──────────────────
さて、件の少女から十字軍をなんとかしろと願われてしまったからには、どうにかしなくてはならないな。
一番手っ取り早いのが、規律による修正だ。
簡単に言うと「俺達十字軍は神の使者である」という認識を全体に広め、ふしだらな行為は神の名を穢す行為であると知らしめる。
そうすると、キリスト教徒しか居ない十字軍は品行方正な規律ある軍隊になるはずだ。
………というか。
戦争だと言うのに従軍売春婦すら居ないのはどうかと思う。普通、中世の戦争と言うものは兵士にとって二つの側面を持つ。
一つ、「男の浪漫」
二つ、「いつ死ぬかもわからない怖いもの」
この二つだ。その内の「男の浪漫」の影響があり、余程の豪傑でない限り女性は参加しない。それに、十字軍は所詮平民や貴族の三男などの寄せ集めだ。
口減らしで家を追い出された者が大半だろう。
つまるところ、十字軍の兵士たちは故郷を失い碌な生活も送れず死ぬ事になるのだ。そしてそれには強い負荷が掛かる。
暴徒が出て当然…と言うより、あまり表面化してない現状が奇跡と言っても過言ではないだろう。
「やはり…女か。姦淫は罪とは言え、これでは余りにも酷だ。何か別のベクトルで発散させねば…」
「──────さま?ライカード様?」
「む、アルス嬢か。すまない、考え事をしていた」
「えと、その…女性が必要、なんですか?」
しまった。聞かれていたようだ。
おい待てアルス嬢、顔を赤らめるな。
違う、違うんだ。
「それなら、アタシが…って、何言ってるんだろ!?」
「忘れてくれ。兵士たちの士気高揚に必要な事を考えていただけだ。」
「そ、そうなんですか……平時であっても勝利の事を考えているなんて、流石はライカード様!邪推したアタシが恥ずかしい…!」
「まぁ、君も年頃の娘だろうしな。そういう事もあるだろう。さて、私は一度リチャード陛下に皆を集めてもらうように言ってくる。頭を冷やしたらすぐに来ると良い」
「…………もう、子供みたいに…」
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「リチャード陛下は居られるか」
「現在、作戦立案中かと。」
リチャード1世に謁見するため、ヤッファに設置されている一番大きな邸宅に俺は足を運んでいた。
「そうか、では終わるまで待機させて貰おうか?」
「いえ、もし宜しければライカード様もご参加なさってください。きっとリチャード陛下のお役に立てましょうぞ」
「そういうものか。では、遠慮なく入らせて貰おう」
邸宅の中は対して荒れた様子も無く、綺麗なままだった。占領してから数日たっても綺麗な場所は実際珍しい。
大抵は兵士や貧民が荒らしにくるからな。
これを見るに、リチャード1世はキチンと部下の統制は取っているのだろう。若しくは、散らかったものを片付けるお手伝いさんがいるかだ。
「リチャード陛下、ライカードです。今お時間宜しいですか?」
「入れ」
短い言葉と共に入室を許可される。
部屋に入って、俺は驚いた。
屋敷内が異様なほど綺麗だったのと比較して、この部屋は書類や酒瓶まみれだった。どれほど根を詰めたらこうなるのだろう?
リチャード1世の顔には酷い隈が浮かんでいた。
「……入室して早々人の顔をジロジロ見るとは不躾だな。して、何用か。見ての通り、我は忙しいのだが」
「十字軍の士気に関する事で行いたい事があります。その実行許可を頂きたく」
「士気の事か。我も今考えていた事だ。何か名案があるのなら聞かせよ」
「はい。それは私達十字軍の十字軍としての矜持を取り戻す為に、私達自身が宣教師となる事です。要は、兵士たちが『キリストの教えを知らぬ哀れな民に素晴らしいキリスト教を教えてやっている』という意識を持つことが目的です」
「────成る程、武器では無く聖書による征服か」
「ええ。そして、キリスト教を拒んだ者…具体的に言えば、彼らの聖典を燃やせなかった者は一家郎党惨たらしく殺してやりましょう。古来より処刑は民草の楽しみで在るが故」
勿論、これは江戸幕府がキリシタンに対してやった事の焼き直しだ。いや、時系列から言って俺の方が先になるのか?まぁ良い。踏み絵が本当に有効か知る良い機会になるだろう。
「素晴らしい作戦だ。人道を無視すればの話だが」
「お嫌ですか?」
「いいや、俄然やる気が湧いてきた。そして貴様をもっと欲しくなった。この戦争が終わりし後、我が軍門に降れ。若しくは、我が友として我を支えてはくれないか?」
ナチュラルに死亡フラグを吐くなぁ。まぁ俺がいる限り死なせない…というより、運命的にこの人は死なないのだけれど。
「私と陛下が五体無事であったのなら、その時は貴方の元へ仕えましょう」
「楽しみに待っている」
リチャード1世は満足げにニヤッとすると、大きなあくびをした。恐らく問題が解決して落ち着いたのだろう。ここは寝かせてやろうか。
「リチャード陛下、じき夜です。お休みになられては?」
「……む、もうそんな時間か。では、我は寝かせて貰おう。ライカード、貴様も寝よ。明日早朝から貴様の策を実行する故な」
「はっ」
さて、明日は大忙しだな。
──────────────────
翌朝。俺は用意したお立ち台の上に乗り声を張り上げて兵士たちに叫んだ。
「皆の者!聞いてほしい話がある!」
「私の名はライカード。先の戦いで最も武功を立てた者にして、アッコン制圧戦に於いて城壁を剣一つで破壊した者である!」
「先程、神の忠実なるしもべにして最後のキリスト王リチャード陛下が天啓を得られた!」
早速兵士たちがざわめき出したな。良いぞ、この調子でどんどん感化させて最終的には全員が「キリスト教を広める清廉な修道士」という自己認識を持てるようにしよう。
「神はリチャード陛下にこう仰られた!『神の子イエスの神聖なる教えを広めよ』と!そしてこうも仰られた!『汝リチャードだけで無く、その部下にも知らしめよ。神の威光を遍く世界へ広めよ』と!」
「私が言いたいのはただ一つ!異教徒どもを我らが同胞にしてやれ!と言う事だ!」
「「「うおおおおおおおおおっ!!!」」」
反応は上々。さて、これからは布教兼征服のための戦争だ。ここにいる全員が己を正当化する事ができる。果ては死をも恐れぬ軍隊にもなれるかもしれない。
「我らの教えを拒んだ者には鉄槌を!奴らは悪魔ぞ!」
「「「おおおおおおおおおっ!!!」」」
歓声は鳴り止む事を知らず、
俺が床につくまで鳴り響いていた。
次の日、襲われていた少女がお礼を言いに来た。
「ヒーローさまが何をやったのかはわからないけれど、十字軍の奴らが一気に優しくなったの!ありがとう、ヒーローさま!今日はね、十字軍の部隊長だっていうおじさんにリンゴ貰っちゃった!」
「それは良かった。私も頑張った甲斐があったというものだね。私としても、君のような可憐な少女が微笑んでいる姿を見れる事が誇らしい限りだからね」
「か、可憐だなんてそんな…」
「ははは、事実を述べたまでさ。さて、私たち十字軍はじきエルサレムへと行く」
「え、エルサレムっ!?どうしてっ、あそこは聖地だから、戦っちゃ…「違うよ。」えっ?」
少女の発言を遮って俺は話す。
この少女は元はムスリムだ。無闇に刺激して反乱を招いても面白くない。
何より、反乱なんか起こされた途端に十字軍は嬉々として住民を虐殺し始めるだろう。現に、街の外にはキリスト教を拒んだムスリムが磔にされているしな。
「私たちはね、彼のサラディン殿と話に行くんだ。『僕たちにも聖地を使わせてください』ってね。決して戦うことはしないさ」
「……そうなの?それなら良かった!聖地を傷つけちゃったら、ヒーローさまに天罰が降っちゃうから!」
「おや、私を心配して言ってくれていたのかい?嬉しいね。ありがとう」
「うんっ!あ、あとね……ううんっ!なんでもない!」
「気になるところだけれど、聞かないでおこうか。素敵な乙女には秘密が付き物だからね。ただし、話したいのなら早めにすると良い。私たちは一週間後には出発するからね」
「………!うん!わかった!」
そう言って少女はどこかへ走り出してしまった。
何を伝えんとしていたかは気になるが、まぁ気にしないでおこう。
この街の全員で十字軍に刃向かった所で瞬殺されるのがオチだからな。そんな無駄な事はしないと信じようじゃないか。
「そういえば、最近あまりアルス嬢を見ないが…どこに居るのだろうか」
「アタシはここですっ!」
「ッ!?なぜマントの裏側から声が!?」
「えへへ…アタシ、これでも魔術師なので。小さくなってマントの裏側に潜むぐらい出来ますっ!」
「──────因みに、いつから居た?」
「今朝からです!」
良かった。リチャード1世との企てを聞かれていたら最悪アルス嬢を口封じする羽目になっていたかもしれない。あの話は英雄らしくないからな。
「………今後は定期的に確認するとしよう」
「あっはい」
──────────────────
一週間が経った。
いざ出立の時になって、俺たち十字軍はヤッファ中の住民たちから涙ながらの送迎を行なわれた。
俺が殿として挨拶をしていると、
人混みの中から少女が駆け込んできた。
「ヒーローさま!渡したいものがありますっ!」
その手には一生懸命手で編んだであろうお守りが握られていた。
「────っ!あぁ、ありがとう。嬉しいよ、本当に、嬉しい。これほど嬉しい贈り物は初めてだ。これは、君の形見として持っておこう」
「はいっ!どうかご無事で、ヒーローさま!まぁ…お話し合いするだけなら怪我はないと思いますけど!とにかく、頑張ってください!」
「あぁ!君のおかげで私は無限の勇気を手に入れる事が出来た。君に神の祝福があらんことを祈っているよ。では!」
「いってらっしゃい!ヒーローさまーーっ!」
俺が上機嫌で馬を駆けていると、マントの裏側からアルス嬢がニヤニヤしたような声で揶揄ってきた。
「流石はライカード様ですね、あんなに可愛い子を手篭めにしてしまうとは!」
アルス嬢には一度俺に抱いているイメージを問いただした方が良いかもしれないな。
「マントを切り離しておこうか…」
「あーっ!待って、待ってください!冗談です!冗談ですからーっ!」
─────────◆─────────
その日、サラーフ=アッディーンは夢を見た。
遥か遠方より白く輝く兜をつけて進軍してくる十字の大軍。既にサラディンの思考は危険信号を発していたが、彼の天才的な将軍としての才能が囁いていた。
『これをよく見なければ死ぬぞ』と。
サラディンはそれに従い敵陣を凝視した。
十字軍一人一人の実力は農民に毛が生えた程度のものが殆どだ。それ故に、実力者というものは見やすいものだ。
サラディンが初めに見たのは、黄金の髪に赤い流星。透き通るような紅い瞳の王器に満ち溢れた青年。
彼は察した。きっと彼が噂に聞く獅子心王であろうと。
次にサラディンが見たのは、燃え尽きた灰のような髪を逆立て、色を失ったかのような瞳の色をした偉丈夫だった。
サラディンにはすぐに分かった。それの持つ特大剣の赤い模様は自分たちムスリムの血であると。
手入れを忘れたか、それとも呪いを受けたか。
そのどちらかだと思い、サラディンは急ぎ起床した。
「聞けい!出陣じゃ、じき十字軍がここエルサレムにたどり着くであろう!奴らは非情にも捕虜を皆殺しにした大罪人ぞ!奮い立て、奴らを倒せば十字軍は壊滅である!」
「「「おおおおおっ!」」」
歓声が鳴り響き、兵士たち、果てはエルサレムに住まう全てのムスリムが武装を始めた。
その様子をサラディンは険しい目で見ながら、思考を遠くの十字軍へと馳せた。
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「な、なんだあの軍隊は!?我々の五倍はあるぞ!」
エルサレムに着くや否や、驚きの声が上がった。
それも無理はない。エルサレムの前には十字軍の五倍の人数の兵士達が陣取っていたのだから。
「見ろ、あいつらの装備を!石の付いた棒切れしか武装してない奴までいるぞ!まさかエルサレムの民を徴収したんじゃないのか!?」
「だとするとマズイな、既にエルサレム内のキリスト教徒は皆殺しにされていてもおかしくはない」
「ふざけるな!あの悪魔どもめ!今に見ていろ、俺たち十字軍が貴様らの首を跳ね飛ばしてやる!」
十字軍は充分に沸き立っている。
気合はほぼMAX。若干の危うさは孕んでいるものの、許容範囲内だろう。
「皆の者、一旦落ち着くと良い!我らが王、神の使徒リチャード陛下が憎き敵サラディンに対しお言葉を賜るそうだ!心して聞くと良い!」
だが、熱中しすぎも良く無い。冷静な判断が失われれば、無駄な死を積み重ねるだけになってしまう。
まぁ、日本人でキリスト教徒でもない前世の俺からしたらこの十字軍自体意味のない物としてカウントしそうだが。しかし今は当事者だ。しっかりやらなくては。
「では、リチャード陛下」
「うむ………聞けい!愚かしくもイェルサレム王国に穢らわしい獣欲をぶつけ、剰え兵士としての覚悟もない一般人を徴兵するとは!許せぬ!だが、サラディンよ。我は貴様に選択肢を与えてやる!」
「………その、選択肢とは」
「貴様が率先しキリスト教へ改宗せよ!さもなくば死ね。一刻後に答えを聞く。色良い返事を期待しているぞ!」
おお、サラディンの顔が真っ赤になってら。そら怒るわな。でもこれ、悲しいけど戦争なのよね。だから交渉の手段は選んでられないって事だ。
「ライカード様、間も無く決戦ですね!」
「アルス嬢か。離れていると良い、これより始まる戦いは…地獄であろうからな」
「───っ!はい、ですがその前に御言葉を頂きたく!ライカード叙事詩のネタにするので!」
なんだそれ。
まあ良いか、叙事詩のネタにするのだったらカッコいいのが良いよな。うーん、悩むな。
『私は負けん』か?それとも『栄光と共に戻る』か?どちらも捨てがたいな。よし、ここは叙事詩的に仰々しく行こう!
「アルス嬢、私は栄誉ある高潔な騎士として最善を尽くし、必ず我が君の元へ勝利を掲げて舞い戻ることを君に約束しよう。これで君も安心して下がっていられるね?」
「〜〜〜〜っ!ひゃいっ!はわわわ…」
顔を真っ赤にして猛スピードで何処かへ行ってしまった。まぁアルス嬢は魔術師だし大丈夫か。もし攫われても俺が絶対に助けるから問題ないな!ヨシ!
「騎士ライカード殿、今宜しいか?」
「…!これはこれは、騎士ゲラルト殿。アッコンで貴方が死体を陵辱していたのを嗜めた時以来ですね。どうかなされましたか?」
「うむ…恥ずかしい話ではあるのだが、聞いてくれ。敵方の…ほら、あそこの女戦士だ。あの女戦士の生首が欲しくてな…貴公も男ならばわかるだろう?」
「手柄目的…では無いようですね。何に使うかは聞きませんが、貴方の品位を落とさぬように。首の件は解りました。獲ったら貴方にお渡ししましょう」
「おお!助かる!では、吾輩はこれで失礼させてもらおう!」
騎士ゲラルト。またの名を【悍ましきゲラルト】という。奴は死体性愛の変態オヤジだ。アッコンにおいて、最も穢らわしい行いをした男だ。
いつか地獄に落ちる。
ゲラルトは俺が生き残りがいないから建物を壊しつつ捜索していた折に、死んだ幼女の遺骸を穢していたのを拳をもって嗜めた事がきっかけで何故か関わることになってしまった。
正直早く死んでほしいし、英雄活動の邪魔になるからサッサと消えてほしい。いや、如実に。
あの時はドン引いたものだ。死体の山の上で「まだ暖かい」と連呼しながら腰を振っている様はこの世の悪を煮詰めたような感じだったな。
ぶち殺してもよかったが、英雄的に味方を殺すのはアウトなのでブン殴るだけに留めておいた。
「──────じき、戦いが始まるな」
現実逃避をしようとしてサラディン達を見ると、何やらファランクスを組んでいる様子。交渉は決裂、奴らは皆殺し確定だ。
さて、蹂躙を始めさせて貰おうか?
─────────◆─────────
一言で言えば、その戦士の存在は悪夢だった。
灰色の目はギラギラと敵を見据え、
立ち塞がった者を撫で切りにしていく。
斬り殺された者の中には、幼子も居た。
子供ながらに勇気を振り絞り、
十字軍に立ち向かった勇敢な子だった。
立ち塞がった数秒後には細切れになっていたが。
戦士は単騎で本陣の中央まで切り込んでくると、遠見の魔術を使っていた私の目の前に立った。
あぁ、殺されるのか。
ここで私は無様に骸を晒すことになるのか。
そう思い、キュッと目を瞑ってその時を待つ。
しかし、待てどもその時は来なかった。
恐る恐る目を開いてみると、
戦士の前には我らがサラディン様が居た。
「貴様…その血、我らムスリムの物だなッ!」
サラディン様は激昂して戦士を詰る。
戦士は赤く染まった特大剣をチラリと見て、聞く者を魅了させるような低い声で言った。
「──────如何にも。この紋様は貴様ら異教徒どもの血だ。我らの神の教えを否定し、訳の分からない妄想家の妄言に付き合っている貴様らのな」
「………ムハンマドの教えを、クルアーンを侮辱するか下郎。その命、もはや無い物と思え」
「妄想家のシンパは妄言が得意なようだ」
「貴様ァ!」
先に斬りかかったのはサラディン様。
しかし、その鋭い一撃は軽々しく払われる。
返す刀ですぐさま隼の如く連撃を見舞う
「遅い。衰えたな英雄」
「まだまだァッ!」
対する戦士は冷めた顔で英雄の猛攻を防ぐ。
サラディン様の猛攻は次第に鳴りを潜めた。
歳だ。歳がサラディンを蝕んでいたのだ。
段々と苦しそうな顔になる英雄。
私にはどうすることもできなかった。
だが、サラディン様に一つの光明が差した。
「私は、戦士アスルムメジド!女の身なれど、我が力は竜の如くなり!」
援軍だ。麗しき女戦士アスルムメジドが戦死の前に立ち塞がったのだ。
女戦士は敵兵の血で汚れた装束を払い、
戦士を見据えた。しかし、戦士は目を細めると
「……そういえば、お前だったか」
と言った。その目はとても冷たかった。
そう、まるで出荷される家畜を見る目だ。
「頼まれたからにはやらなくてはな」
戦士は今までより素早く動き剣を振りかぶった。
女戦士は咄嗟に剣で身を守ったが、剣はへしゃげその美しい均整の取れた身体は水袋のように吹き飛んでいった。
「が、あ……っ!ま、負けんぞ!私は!」
「そうか。神よ、この哀れなる魂に救いを。せめて魂だけでも、天国へ送ってやってください」
「何を言って、いるぅ!戦士アスルムメジドは、まだ終わ」
あぁ、やはりダメだったのだ。
勇敢な女戦士アスルムメジドは、その首を刈り取られてしまった。しかし、戦いがあったにしては綺麗な顔で死んだものだ。
次は、私か。それともサラディン様か。
私が選ばれたのなら、少しは時間稼ぎが出来るだろうか?
「あ、貴方の…名を。聞かせてほしい!」
思わず口走っていた。
これから殺される相手の事を知っておくのは悪いのでは無いだろうから。
「………ライカード。そう言うお前は魔術師だな?その纏う雰囲気は紛れもなく魔術師だ。間違いない」
「…だとしたら、どうすると言うのです?結局殺すのでしたら変わらないではありませんか。私が魔術師であろうと、無かろうとも」
「フン、些事だ。だが充分な苦痛を与えずに殺してやる。安心しろ、私はこれでも慈悲深い方だ」
一体、殺すことのどこが慈悲だと言うのか。
出かけた言葉を飲み込んで、私は死を待つ。
「さ、サラディン様…生きてください」
「ぅ…ぐ…!ミリア殿、いかん!」
「お元気で──────ぎっ」
冷たくていたいものがわたしにぶつかった。
いたい、いたい、いたい、いたい、いたい。
あ、わたしのくび、ないや
これが おわり?
さらでぃん さま どうか
いきて
─────────◆─────────
「さて…次は貴様か?サラディン」
俺はサラディンを追い詰めていた。
もし、サラディンがあと5年若ければ。もし、サラディンが正規軍を大量に用意できていれば。もし、サラディンが神の加護を得ていたのなら。
サラディンは俺に負けるはずなかっただろう。
俺はサラディンの秘書らしき女を殺し、女戦士の首を片手にサラディンに言う。
「降伏しろ、サラディン。この女が繋いだ命だろう、大切にしようとは思わないのか」
「…この身は元よりじきに死ぬ運命にある。降伏はしない。だが、講和には応じよう。ワシにはそこまでしか出来ん」
「賢い選択をしたな。よし、では貴様を我らが本部へ連行する。大人しくしていろ」
さて。総大将を捕まえたし、降伏勧告でもしような。命令ならばともかく、敵にも味方にも無益な死は許されてはいけないからな。
「聞け────この場の兵士たちよ。既にサラーフ=アッディーンは十字軍の手にある。サラディンは講和に応じると言った。直ちに戦闘行動を解除せよ。さもなくば殺す」
戦場から大きな歓声と失望の声が上がる。
当然だろう、自身らの総大将がこんなにもアッサリ捕まってしまったのだから。
まあ、降伏したところでアイユーブ・イェルサレム市民連合軍は殆ど壊滅状態だ。ここで死兵となって無駄死にするよりも賢い選択が出来ると思う。
「………戦士よ、名を聞かせてはくれぬか?ワシを打倒した戦士の名を知らずして死ぬのは惜しい」
「そういえば名乗っていなかったな。私の名はライカード。元は主無き身であったが、今は獅子心王リチャード陛下のご厚意によって直属の配下とさせて頂いている」
「そうか…では、一つ聞くが勇士ライカードよ。何故、戦士アスルムメジドの首を持ち帰るのだ。出来れば、彼女の故郷へと埋めてやりたいものだが」
「すまない。私とて首を取るつもりはなかったのだが、騎士の同朋に取ってくるよう頼まれたのでな。私とて英雄にならんとする身、輩の頼みを断り不和を生み出したくはないのだ。許せよ」
「で、あるか……すまぬ、余計な事を聞いた」
「別に良い。私としてもあの男は気に食わんのでな」
その後、暫くサラディンと会話しているとゲラルトの野郎が駆け寄って来やがった。どうせ首を渡せってんだろ。
「おお!流石はライカード殿、敵将の身柄を取るとはお見事!して、約束の品は?」
「……これだ。丁重に扱うと良い、英雄の首だ」
俺が女戦士の首を渡すと、ゲラルトはとつとう下衆な笑みを隠さずに涎を垂らし始めた。汚い。
すまんサラディン。お前の部下はこれから汚される。
「ムホホホッ!素晴らしいですなぁ!じゅるっ、ブヒヒヒヒヒィッ!!!」
「下衆がぁ…っ!」
──────前言撤回。俺はコイツを殺す。
サラディンと話しているうちに、サラディンは俺が模範とするべき真の英傑にして勇者だということが分かってきた。
その上で、彼の願いを無碍にして。
剰えその部下を汚す手伝いをすると言うのか。
ふざけるな。何が不和だ、何が輩だ。
コイツは敵だ。許されざる悪だ。
「ブヒヒヒ……むぉ?ライカード殿、どうなさ「その名で俺を呼ぶな。この穢らわしい豚が」…ひょ?」
「テメェはキリスト教の、神の教えに反している。背教者が、テメェのようなカスには地獄すら生温いわ。」
「なっ…あっ!貴様ライカード!私に何をするつもりだ!?」
「テメェは…蛆の餌だ」
「な、ぎゃあっ!?」
大きく袈裟懸けに剣を振り下ろす。ゲラルトは大きく吹き飛び、血を大量に噴き出しながら悶えている。
俺は踵を返してサラディンの元へ戻り、取り返した女戦士の首を埋葬して(キリスト教式だが)弔った。
「ライカード、貴殿は…」
「別に、この女戦士の為でも貴公の為でもない。奴はキリスト教の教義に反していた。姦淫の罪を犯した。故に…」
俺が言葉を続けようとすると、サラディンに手で制された。サラディンは俺の目を見て、厳かに言った。
「ありがとう」
その言葉を聞いた途端、俺は身体中から力が溢れてくるのがわかった。そうだ、これが聞きたかったんだ。
混じり気のない、純粋な感謝。
それは、きっと英雄に必要なものだろう。
俺はその言葉に微笑みで返して、サラディンを本陣のリチャード1世の所まで連れて行った。
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「講和だと?」
「そうじゃ、ワシの国にはまだ数十万の兵士たちが控えておる。ワシが死んだとて、次の将軍がワシの死を口実にガリアに攻め込むであろう。それを防ぎたくはないか?」
「ぐむ…しかし、我らには聖地奪還の使命があるのだ!無条件での終戦はないものと思え!」
「そういうと思うてな。聖地が使いたいのであろう?であれば、聖地イェルサレムはイスラームとキリスト、両者のものとすれば良いではないか。さすれば、争わずにすむだろう」
「だが、我ら十字軍はそれを認められぬ。我自身なら認めていたが、十字軍には認められないのだ。十字軍は狂信者の集まりだ。そうなってしまった。故に、落とし所として改宗を要求する」
「ワシ一人の棄教で大勢の兵らが許されるのであれば、喜んで改宗しよう。しかし、ワシが改宗すると同時にワシは王では無くなってしまう。であるからして、改宗するのは兵らを皆帰し、イェルサレムの復興が終わりし後でも構わないか?」
「良いだろう」
こうして、第三次十字軍はサラディンの改宗という形で集結した。俺は、たとえ僅かでも歴史を変えることに成功したのだ。
まぁ、歴史が僅かに変わったところで何らかの形で修正されるかして、未来には影響は無いだろう。
さぁて、この後は戦勝記念の宴だ!
イェルサレムに置かれてあった大量のワインが俺たちを待っているぞぉ!
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宴会も終わり、夜も更けて来た頃。
リチャード1世の元へ衝撃的な報せが届いた。
『ジョン王、フォリップ王に敗北。イギリス領フランスは、フランスの手に落ちた』と言う報せだ。
これにリチャード1世は激しく動揺し、急いで兵を引き連れて帰国しようとした。
「リチャード陛下!お待ちください、今行けば御身はフィリップに囚われてしまいます!」
しかし、それを止めようとした者がいた。
その名はライカード。またの名をアルベルト・フォン・フリークス3世。
後世にて【預言の騎士】と呼ばれる男である。
「何故だ、我に説明せよ!」
「フランス王フィリップの目的は、リチャード陛下の身柄の拘束にあると見ます!今行けば、確実に、絶対に捕まります!」
そういうライカードに対して、リチャード1世は言った。
「おまえが我を裏切ることは無いと信じているが、我は帰国しなければならぬ。おまえが臆した訳では無いのは知っていることだが、我を止めるな」
そう言うリチャード1世に対して、ライカードは意を決したように「ならば私も行きます」と行った。その顔は、悲痛に彩られていた。
リチャード1世の帰国の旅は凄惨を極めた。
道中襲い掛かるはフランスの屈強な騎士達。
一人、また一人とかつて十字軍で戦った仲間達が死んでいく。
命からがらラインラントに辿り着いた時には、もはやリチャード1世とライカードしか生き残っていなかった。
しかしそれでも、ライカードは命を振り絞った。
「たとえ剣が折れ、身体が引き裂かれようとも。それでも私は立ち上がろう。さぁ、王よ。お逃げください。ここは私が引き受けます」
ライカードは哀れなリチャード1世に微笑み、送り出した。
その様子を見ていた卑劣な王フィリップ2世は猛きライカードに言った。
「貴きライカードよ、私の騎士。もう一度、あの蜜月を過ごしませんか?」
それに対して、英雄ライカードは「断る」と言い、フィリップ2世の軍隊へと突撃した。
フランスの兵たちはライカードの勢いに押され、あっという間に4割がライカードの剣に斃れた。
しかし、その勢いも次第に衰えて行った。
あのサラディンすら打倒したライカードだったが、長い旅の疲れや傷が彼を蝕んでいた。
ライカードは非常に長く戦った。その時間は永遠と思えるほど長かった。
やがて、ライン川に追いやられたライカードは言葉を残し川へと飛び込んだ。彼の言葉はこうである。
「私の天運は未だ尽きず。神よ、私に運命の導きを」
と。
こうして、第三回十字軍はフィリップ2世の卑劣なる裏切りによって幕を閉じた。しかし、ライカードの天命はまだ尽きては居なかったのである。
しかしそれは、いずれまた別の機会に。
今の話は、第三回十字軍のことだから。
────アルス・アーク著『ライカードの詩』より抜粋
《真名解放》
真名 十字のセイバー→ライカード
宝具【████よ見よ、天命はここにあり】
効果:自身にターゲット集中&無敵状態(3回)付与&ガッツを付与(5ターン)&NP獲得率をアップ(3ターン)
スキル1「不屈」CT8
自身にガッツ(3ターン5回)を付与&ガッツ発動の度に攻撃力アップを付与(3ターン)
スキル2「魔術師殺し」CT6
自身にNP40%を付与&キャスター特攻を付与(4ターン)
スキル3「█████」CT5
敵全体の防御力をダウン(3ターン)
アペンドスキル
セイバーに対する攻撃力アップ
出典:『ライカードの詩』『█████探訪記』
地域:ヨーロッパ・中東
属性:秩序・善、地
レア度:☆4
能力:
・筋力A
・耐久A++
・敏捷C
・魔力E
・幸運B
・宝具C