E.U.圏の都市を繋ぐ街道を、2台のトレーラーが道なりに走っている。後ろを走る1台を運転しているのは、DGEコーポ社長クラリス・ガーフィールド。前を走るもう1台のトレーラーは、黒の騎士団が今回のE.U.救援にあたって提供したKMF運搬用トレーラーで、管理局の魔導技術を部分的にだが導入しラクシャータ及び特派の試験技術が随所に取り入れられている最新モデルだ。車内に展開されている空間拡張技術によって外観に反して内部は広い。その恩恵を最も受けているのはKMFの格納部で、従来の同じサイズのトレーラーでは2機が限界だった積載数が、最大6機に増加している。とはいえ、今回は
『……次のニュースです。四十人委員会は、1か月前に賛成多数で可決されたAI活用促進法の施工に合わせ、最新鋭KMFのロールアウトを記者団に発表しました。今回発表された「パンツァー・マルダー」及び「キュクロプス」は、ブリタニアの主力機である「サザーランド」を凌駕する性能を保有しているとの事で、【E.U.が誇る最新鋭機の開発により、ブリタニアに対して優位に立つ事ができる】と政府高官関係者は自信をもって答えております。革命を守るため兵役を果たす事は民主主義社会の根幹であり、──』
トレーラー内のラウンジでは、マーヤは動画配信を通じて放送されているE.U.に関係する情報を集めていた。マーヤが今確認している内容は、E.U.高官が記者会見の席で発表されたE.U.製最新鋭機と称される二種のKMFについて。
型式番号Mk4-E3F9「パンツァー・マルダー」は、E.U.主力現行機である「パンツァー・フンメル」の後継機。外観上から分かる大きな変更点としては、従来機にはなかったマニピュレーターの採用に伴って腕部だったキャノン砲はコックピット上部の左右に背負う形式に変更された事。そして脚部にホバー移動用と推測されるユニットが増設された事が挙げられる。この機体はパンツァー・フンメルのパーツをできる限り流用しつつ、手数を含めた火力増強を目的とした発展機のようだ。
一方の型式番号Mk3-F1F7「キュクロプス」は、神聖ブリタニア帝国から鹵獲した旧式のKMFである「グラスゴー」を基に独自に強化発展させたKMFと思われる。外観上はグラスゴーが全体的に重装甲化した上で頭部のファクトスフィアがモノアイになり、鶏冠状の大きな角が後方に伸びていることが特徴だ。
E.U.側は、何方の機体もサザーランドを凌駕する性能を有していると豪語している。しかし神聖ブリタニア帝国が既にサザーランドに代わる量産機の開発を着々と進めていることを考えれば、豪語している内容が正しいとしても政府高官の発言は見通しが甘いと言わざるを得ない。それでも前衛でキュクロプスが攻撃を受け止め、後衛からパンツァー・マルダーからの砲撃に専念する事で、各々の長所を活かす事ができれば十二分に戦力になるだろう。
E.U.が嫌う人的損害も、施工されたAI活用法案なるもので無人機の導入が進む事で一程度の抑制につなげられる。
「はぁ、まさかE.U.がここまで酷い有様だなんて。ルルーシュへの定期報告、どう説明するべきかなぁ……」
問題は道中で立ち寄った街や都市で出会ったE.U.側の士気とモラルの低さだ。
マオの読心のギアスによって得られた確証だが、命の奪い合いと民衆を守る事を生業とする軍隊を、上流階級のステータスや楽な公務員程度にしか考えていない者が多く、戦闘における役割分担どころか戦線の維持能力に疑問が残る。しかも戦争を逃れてきた避難民を正規軍兵士は手助けもせず罵倒し、笑い物にするという唾棄すべき行為に対して疑問に思っていない。
民衆にしても、ユーロ・ブリタニアとの戦況は生活や物価、ビジネスにどう影響するか程度しか関心がないし、占領下に置かれたE.U.所属国家の惨状を他人事としか殆どの者が感じていない。
コーネリアの言葉を借りるならば、抜けている、惚けている。堕落している。といった所だろうか? 戦争の当事者意識が正規軍人も含めて希薄で、根拠もなく変わらない明日が続くと思い込んでいる。
E.U.が手を拱いている間にも、神聖ブリタニア帝国は新たに任命された
それに呼応するように、ユーロ・ブリタニア側もE.U.に対して攻勢を仕掛け、着々とその領土を広げている。
神聖ブリタニア帝国第98代皇帝シャルル・ジ・ブリタニアによる演説。後の世における『ユーロピア征伐宣言』から1か月余りが経過しているにもかかわらず、この有様なのだ。下手にE.U.を助ける事に労力を割くよりも、ユーロ・ブリタニアを神聖ブリタニア帝国と仲違いさせて合衆国連合側に取り込む離間工作に徹した方が有効かもしれないと、うっすらとだが思ってしまう。
「マーヤ、悩んでいるようだけれども大丈夫?」
ため息をついている私に声をかけてくれたのは、カレンだ。
黒の騎士団から派遣されているメンバーは、私の他にカレンと卜部さん、C.C.とマオの五名。クラリスさんも含めると、総勢僅か6名で編成されている。合衆国ブリタニアの軍人が含まれていないのは、E.U.側を下手に刺激しないためという理由だ。それがなければ、ギアスキャンセラーを持つジェレミア卿を劣化ギアス対策に連れて行きたかったところだった。
「状況は当初の想定よりも悪いけど、まだ大丈夫。ルルーシュがE.U.に対して怒らない報告の仕方を考えていただけ」
「うへぇ、マーヤがそう言うって事は相当難題って事よね」
「まあね。でも今頃、ルルーシュも中華連邦への介入を始めているはずだから、無理は禁物だけどこっちは私達で頑張ろう。せめて、散逸した国宝の回収だけでも済ませないと」
E.U.に到着してからこれまでの調査で、天叢雲剣はポーランド州ワルシャワにある博物館に美術品として展示されていることが分かっている。日本の国宝が客寄せの美術品として扱われている事に思う所はあるが、そのおかげで確保する難易度は想定より低そうだ。
「そういえば、ルルーシュの伝手で知り合いの執務官が協力してくれるって話だったね。どんな人なんだろう?」
「ルルーシュの話では、アースラ艦長でもあるハラオウン提督の義理の妹さんらしいわ。八神さんと親友なんだって」
出発の直前にルルーシュから告げられた、現地で合流する管理局執務官の事を思い出す。
確か……フェイト・テスタロッサ・ハラオウンという名前だったはず。予定ではパリで合流する事になっているが、E.U.における外国人の入国手続きに関する規則やらなんやらで、届け出のために私たちはワルシャワに一度立ち寄る必要があった。
『According to Arthra's technical staff, she possesses magical conversion qualities that efficiently convert magic into electricity(アースラ技術スタッフの話では、彼女は魔力を効率よく電気に変換する魔力変換資質を有しているそうです)』
「魔力変換資質って、シグナムさんが魔力を炎に変えるのが得意みたいな適性だったよね?」
『That's right(その通りです)』
「うん。ちなみに私の場合、炎への変換資質というよりは、”熱エネルギー”への変換資質に長けているみたい。お母さんと同じなんだって」
「そうなんだ。良かったね」
「ええ、それでね、──」
母親の話題を出すカレンは、どこか嬉しそうだ。複雑な家庭に生まれて、一時は母親を疎んでいたカレンがこうして積極的に母親との昔の思い出を話すようになったのは喜ばしい。
「──。だからさ、そんなお母さんが愛したお父さんと、機会があったら会って話をしたいとは思っているんだけれども……」
「今の情勢じゃ、難しいよね。カレンは、お父さんの事をどう思っているの?」
「分からない。昔は、お母さんとお兄ちゃんを捨てた癖に私だけ必要だからってシュタットフェルト家に呼んだ酷い父親だって勘違いしていた。でもお母さんと話をして、本当は違うんじゃないかって思えるようになってきたの。だから、お父さんはあの時どう思っていたのか、今はどう思っているのかを確かめたい。まあ、私が黒の騎士団のエースをしている事を知ったら、怒りそうだけれどね?」
『No need to worry. Your father, whom I know, will understand(心配無用です。私が知る貴方の父ならば、理解してくれますよ)』
「エクスプロード……」
カレンが父親とも和解できたら良いな。7年前に両親を喪った身としてはそう思いながら、そろそろワルシャワ近郊に到着するはずだという事を思い出し、急いで途中経過の報告資料を書き上げようとしたその時、トレーラーの近くで轟音が響き車体が揺れた。
「きゃっ! C.C.何が起きたかわかる!?」
『襲撃だ。近くの森からグラスゴーを確認したぞ。初撃をわざと直撃させなかった事を考えると、強盗目的だろうな。卜部とマオで対応する。もしものために準備をしておいてくれ』
「分かった」
急ブレーキがかかる中、私は思考を切り替えてもう一つのトレーラーを運転するC.C.に連絡を取る。C.C.は慌てた様子もなく答えると、襲撃者側から見た際にこちらのトレーラーの盾となるように横づけして停車する。
「カレン、先に
「分かった」
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E.U.によるサンクトペテルブルク奪還作戦が失敗に終わり、聖ラファエル騎士団に追撃命令が下されたユーロ・ブリタニアにて。
E.U.圏へと敗走する本隊と逸れたE.U.軍の部隊が隠れ潜んでいないかを探し出すための哨戒部隊が、聖ミカエル騎士団から出撃していた。
「結局、E.U.の連中は死力を尽くしてサンクトペテルブルクを堕とそうとせずに逃げ帰ったようだ」
「弱兵ばかりのE.U.の連中が相手なんだ。今頃は聖ラファエル騎士団の部隊が追い詰めて、都市ごと降伏させている頃だろうよ」
「そのままバルト三国辺りまで一気に行けると思うか?」
「聖ガブリエル騎士団だったら、そのまま勢い余ってポーランドまで行くかもな」
ファクトスフィアを含めたセンサー系を強化した偵察用のサザーランドに乗るユーロ・ブリタニアの騎士が、護衛を務めているサザーランドに乗る騎士と雑談に興じている。それでも、索敵範囲内に不審な敵影が現れないかの確認や、状況の変化に即時対応できるように警戒は緩めていない。彼等に油断がないとは言えないが、事実としてこの場でE.U.の
「お前たち、如何に聖ガブリエル騎士団のゴドフロア騎士団長が豪胆でも、そのような無謀はしないだろう。それに窮鼠猫を噛むという諺がある。追い詰められた相手は、時として予想だにしない策や行動でもって血路を切り開こうとする場合があるものだ」
サザーランド系ともランスロット系とも異なるコンポーネントで構成され、両肩から伸びる巨大なバインダーも相まって威容を放つ深紅のKMFが、哨戒部隊を先導する様に随伴しているからだ。
「申し訳ありません、
「まあ、そろそろ帰還するべき頃合いだ。興が乗りすぎなければ、多少の雑談には目くじらを立てんよ」
ギュンター・シュタットフェルト。ブリタニアの名家であるシュタットフェルト家の現当主にして伯爵。そして、
「それにしても、シュタットフェルト卿も災難ですね。まさか御息女が黒の騎士団などというテログループに参加して本国に反旗を翻すとは」
「私が良き父親をしてやれなかった報い……なのだろうな。あの子は利発で心優しい子だ。エリア11の日本人が虐げられている事を見て見ぬふりする事ができなかったのだろう」
ユーロ・ブリタニア所属の貴族として神聖ブリタニア帝国本国にいた彼が、ユーロ・ブリタニアの哨戒部隊を率いている理由。それは、本国の植民地であったエリア11が、現地の総督と結託した黒の騎士団によって反旗を翻し合衆国日本と合衆国ブリタニアの二か国として独立を宣言した事が影響している。黒の騎士団が要する特記戦力の一つである深紅のKMFのパイロットの正体が、シュタットフェルト家の令嬢であるカレン・シュタットフェルトである事が明るみになり、本国にいられなくなったのだ。
ユーロ・ブリタニアでは、ヴェランス大公や所属する聖ミカエル騎士団の騎士団長ミケーネ・マンフレディが彼の人となりや実力を良く知っていたこともあり、下手すれば処刑される可能性もあった彼を匿ってくれている。
だからこそ、ギュンターは本国から匿ってくれたユーロ・ブリタニアへの恩を返すため、伯爵という地位でありながら哨戒任務の様な地道な任務も率先して行うのだ。ミケーネ騎士団長も、その辺りを汲んで部下には理解があるものを選抜してくれている。
(カレン……私はお前に恨まれているだろうな)
カリンやナオト、カレンがエリア11でも不自由なく暮らせる様に手は回していたが、ユーロ・ブリタニアへと避難した妻──家の都合で迎え入れなくてはならなかった女──によってそれらが握り潰されていた事を知った時には後の祭りであった。
カレンからすれば、ギュンターはカレンの母を手籠めにして捨てた癖に家の都合で自分だけシュタットフェルト家に組み込んだ非情な男にしか見えない。少なくとも、ギュンター本人はそう客観視している。カリンと結ばれたかった本音。ナオトやカレンをもっと愛してやりたかった本音。それらの想いは、最早カレンには伝わらないだろうとも。
父親としては、直ぐにでも娘の下に駆け付けて彼女の怒りの沙汰を待つべきだと思っている。しかし、シュタットフェルト家を支える者としての矜持が、自己満足のための安易な逃げを許さない。
(私は父親失格だな。カリン、ナオト……どうか、カレンを支えてやって欲しい)
ギュンターは知らない。ナオトは既に亡く、愛した女性も療養の身であることを。そしてカレンは父を恨んでいない事を。
哨戒任務から帰還した先でギュンターは知る。エストニア州のナルヴァ郊外にて、都市に立て籠もったE.U.軍を包囲していた聖ラファエル騎士団の部隊が文字通り壊滅した事を。
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神聖ブリタニア帝国に制圧されたアフリカ大陸北部モロッコ州タンジェ及び、ユーロ・ブリタニア領土となっているロシア州サンクトペテルブルクを奪還するためにE.U.軍の派遣が決定された。
しかしE.U.議会で各種法案が可決・施工されたばかりの新機軸有機コンピューター無人KMF、そして間もなくロールアウトが予定されていた最新鋭機の配備前に強行した二つの作戦行動は、何方の方面も返り討ちに合う結果に終わった。
ペテルブルグ州の奪還を諦めエストニアからポーランドへと撤退するE.U.軍132連隊が、道中で行軍を止める。原因は、進行方向の先で起こってる戦闘音だ。
ナルヴァを包囲していたらしいユーロ・ブリタニア聖ラファエル騎士団のKMFが、見慣れないKMFと共に残骸となっている事は撤退の道中で横目に見たし、これまでも戦闘らしい戦闘などなかったのに……。面倒毎に巻き込まれるのかと兵士たちはげんなりしながら戦闘音を発している方角を確認する。
襲われているのは2台のトレーラー。おそらくはどこかの会社ぐるみの旅行か何かの最中に襲われているのだろう。
一方で襲撃を仕掛けているのは、総勢10機のグラスゴーだ。グラスゴーにペインティングされたエンブレムから、”真なる日本の独立のための闘争”を掲げてE.U.領とユーロ・ブリタニア領の境界付近にある周辺の村や旅行客などに襲撃を仕掛けて略奪・誘拐を行っているイレヴン達”日本革命軍*1”を自称するテロリスト集団だ。
敵影をほとんど見る事もなく弛緩しきった空気が漂っていたE.U.軍132連隊は、襲われている2台のトレーラーを早々に見捨てる事にする。連中の”狩り”が終わって引いた後に、通った方が安全だからだ。相手からしても、連隊規模の正規軍を相手にするなどという無謀は冒さないだろう。
行軍続きで兵士たちも疲労しているのもあったので、折角だから一時休憩を兼ねるのも良いかもしれない。そんな事を考えていた矢先に、見たことがないKMFが2機、トレーラーのうち1台から姿を見せた。
そのKMFはブリタニアのグラスゴーやサザーランドとは異なる、下半身に対して上半身が大きめのコンポーネントと丸みを帯びた装甲で構成されていて、一つ目のような頭部と若干長めで先端が爪状になっている両腕を持っている。1機はチェーンソーの様に刃の部分が高速回転するブレードを握り、もう1機は両腕に機関砲を外装式で取り付けている。
「なんだあのKMF?」
「新しくロールアウトする予定のKMFに、あんなのいたか?」
「いや、違った気がする」
双眼鏡越しに正体不明のKMFを眺める兵士たちの顔は渋い。下手に攻撃などして、もしもE.U.で正式発表前の試作機だったりしたら、始末書どころでは済まない。かといって、事態を静観するにはワルシャワまで目と鼻の先という位置関係がよろしくない。放置してワルシャワに被害が出ましたなんてなったら、給料の判断基準となる評価が下がってしまう。
実際のところは国外に関するニュースをちゃんと読みこんでいれば、合衆国日本で運用されているKMF月下である事は分かるのだが、E.U.の外の世界への興味や関心が薄い者ばかりだった132連隊に月下の存在を知る者はいなかった。事実、ヴァイスボルフ城にいるwZERO部隊指揮官代行となっているレイラ・マルカル少佐ならばすぐに気が付いたことだろう。加えて、KMFの機種識別コードがE.U.軍に大部分で十分に更新されていなかった事も災いしている。
トラックを運転していた若い兵士が、道中で荷台に載せたイレヴンの少年兵と奇妙なKMFの事をふと思い出す。
「イレヴン! その妙なKMFで様子を見て来い!」
「了解した」
荷台で胎児の様に膝を抱いて眠っていたはずのイレヴンは、既に妙なKMFに乗り込んでいるようだ。
「日向アキト、アレキサンダ。出撃する」
トラックの荷台から
「うおっ! 気持ち悪い!?」
ガシャガシャと高速で大地を走る蜘蛛型に変形したアレキサンダに、トラックの兵士は生理的嫌悪感を催しながら思わず叫ぶ。
アレキサンダの武装は既に近接戦闘用のトンファーと手首に格納されているウルミナイフしか残っていない。エナジー残量も心許ないし、本来のコンディションからは程遠いと言わざるを得ない。
インセクトモードでアレキサンダが向かった先では、10機のグラスゴーがトレーラーと2機の
日向アキトの搭乗する可変型KMF──アレキサンダがその勢いのまま跳躍し、空中で人型へ変形してグラスゴーのコックピットを背後から蹴り潰した。
「死ねぇ!」
アレキサンダに乗る日向アキトの瞳から、理性の色が消える。何かに衝き動かされるように狂騒に支配されるまま、アレキサンダを操り両腕に保持したスパイクを備えたトンファーで2機のグラスゴーのパイロットをコックピットごと串刺しにする。残るは3機。
その間にも2機の
瞬く間に残る1機になった、奪う側だったはずのグラスゴー。日向アキトはそのままトンファーで仕留めようとして、
『助力感謝する。しかしすまないが、生き残りのこいつには色々と聞きださなくてはならないことがあってな』
庇ったのは、尋問のためか。
「こちらwZERO部隊日向アキト少尉。貴官らの所属を答えよ」
『こちら黒の騎士団所属。
「合衆国日本、それに黒の騎士団。確かエリア11でブリタニアに反旗を翻し、独立を宣言した勢力の名前のはず。なぜこんなところにいる」
『E.U.への救援部隊として、合衆国日本から派遣された。繰り返す。我々に貴官らへの敵対の意思はない』
E.U.のお偉いさんとは違って、合衆国日本はフットワークが軽いようだ。レイラ・マルカル少佐が聞けば、その即応能力を羨ましがるだろうか?
「……了解した」
『感謝する』
会話が終わり、数秒の沈黙ののちに警戒をようやく解く。そして合衆国日本からの救援部隊を名乗る男からの礼を受け取ってから卜部との通信を切ると、そのまま132連隊と通信周波を合わせて簡潔に報告を行う。
「こちら日向アキト少尉。
通信機の向こう側からがやがやと騒ぐ声を無視し、アキトは待機していた132連隊と再び合流しにその場を後にする。去っていくアキトのアレキサンダ。その背を卜部は月下のファクトスフィアを通してみながら呟く。
「あのKMF……E.U.が公にしていない真の最新鋭機か? 侮れない機動性と運動性を持っているようだな。それに、日本人がデヴァイサーを任されているとは。存外、E.U.にも頭の柔軟な将がいるようだな」
それは、後に
カレンパパの名前をギュンター・シュタットフェルトとしたのは、本作の独自設定。
※位置づけとしてはアフラマズダとパロミデスの間における開発ツリーを仲立ちする本作オリジナルのKMF
| 機体名称 | キュクロプス | 型式番号 | Mk3-F1F7 |
| 分類 | 第5世代型KMF | 所属 | ユーロピア共和国連合 |
| 全高 | 4,69m | 重量 | 7,51t |
| 動力 | エナジーフィラー | 推進機関 | ランドスピナー |
| 武装 | スラッシュハーケン×2 | 胸部左右 |
| 対ナイトメア戦闘用アックス | ||
| WAW-04 30㎜リニアアサルトライフル「ジャッジメント」 | ||
| オプションユニット*1 | WAW-06 6連装NbW12*2 | |
| 無人機操縦用通信機*3 | ||
| 自爆ユニット*4 |
| 備考 |
| 鹵獲したグラスゴーを解析し、コピーしたKMF。モノアイ型のファクトスフィアと後ろに伸びた鶏冠状の角型パーツが特徴。 見た目モチーフは、ガンダムSEEDシリーズのジンオーカーをKMF仕様にコンバートしたもの サザーランドを凌駕する性能を有する強化改修機と銘打っているが、実際の性能的には防御力に勝り機動力に劣る。 コスト削減のため、武装の多くはアレキサンダと共通の物が流用されている E.U.軍は戦争における兵士及びE.U.市民の死者を抑制するために、新型有機コンピューターによる無人機の大量配備を進めている。 |
| 機体名称 | パンツァー・マルダー | 型式番号 | Mk4-E3F9 |
| 分類 | 第5世代型KMF | 所属 | ユーロピア共和国連合 |
| 全高 | 4,36m | 重量 | 9,31t |
| 動力 | エナジーフィラー | 推進機関 | ランドスピナー |
| 武装 | WAW-04 30㎜リニアアサルトライフル「ジャッジメント」×2 | 両腕部マニピュレーター |
| キャノン砲×2 | コックピット左右 | |
| 3連装ポップアップ式ミサイル×2 | 両胸部格納式 | |
| スラッシュハーケン内臓機銃×2 | 両大腿部 |
| 備考 |
| ブリタニアのグラスゴーに対抗してE.U.製KMFとして開発されたものの、性能の低さも相まって旧式化著しいパンツァー・フンメルの近代化改修機。 改修点として、 ・従来の腕部キャノン砲をコックピット左右に接続。肩から伸びる形にして射角を確保 ・腕部をマニピュレーターに換装し、アレクサンダと同一の武装を共有可能に。 ・脚部にホバーユニットを増設。 のほか、 細々とした改修が施されている。 性能としてはパンツァー・フンメルよりは向上しているが、ブリタニア軍の現行主力KMFを相手するには数と徹底した中遠距離戦が求められることは変わらない。 E.U.軍は戦争における兵士及びE.U.市民の死者を抑制するために、新型有機コンピューターによる無人機の大量配備を進めている。 |