ハイスクールD×D 思いを背負う者   作:堕天使ノ翼

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これはifの世界…もしあいつの少年時代の出会いが変わっていたら…そんな続くかもしれない物語



プロローグ
邂逅 I.Hの場合


邂逅

 

それは自分にとって劇的な変化を与えた出会いだった。俺の根幹となるような衝撃を与えた。もし、遭遇しなかったら、碌な人間にならなかったと思えるほどだ。今でも忘れない。瞼にあの光景が焼き付いている。夕陽の中に輝く鮮烈な赫色を。

 

回想

 

K県海辺に一週間の家族旅行に来ている。丁度夏休みに入り、親もまとまった休暇が取れたからだ。親友が引っ越し傷心の俺を気遣っての旅行だろう。随分心配をかけたようだ。自分でもビックリする程落ち込んだ。引っ越しと聞いて国内かと思ったが、まさかの海外だからな。もう二度と会えないと思ったんだろう。凄い気分が沈んでた。

 

しばらく一人で海辺をぶらぶらと散策していた。暗く沈んでた気分は潮風と波音を聞いて大分マシになった。気づいたら夕方だった。そろそろ旅館に戻ってもいいだろう。だけど、最後にあの岬に行ってから戻ろう。

 

…自分は生涯この光景をわすれないだろう。岬に着いたら半分ほど夕陽が沈んでいた。綺麗な茜色だった。そんな背景を背に一人の男が立っていた。

 

男の服装は赤いワイシャツ、黒のネクタイ、黒のスーツを着ている。手には薔薇の刺繍がされた黒い帽子がある。肩に紅いコートを肩に掛けている。……この季節には不似合いだ。だが、そんなことは些細なことである。そんな物より印象的だったのが男の髪であった。肩迄伸ばされた髪が夕陽を浴びて、より一層赫く煌めいていた。

 

普通じゃない…明らかに非日常の雰囲気がする。本能が告げる…「逃げろ…立ち去れ…一刻も早く….危険だ」だが、今この場から離れたら自分にとっての何かを喪失してしまう予感がする。この瞬間を逃したら絶対に後悔する。

 

気づいたら一歩進んでいた。体があの男に引き寄せられる様に動いていた。…男が此方に気づき振り向いた。目が会った。その男の瞳の色は鮮やかな朱色だった。……あまりの美しさに息を呑んだ。その光景は外国の美術館に展示されている絵画のようであった。一秒が永遠に感じられるほど見入っていた。はっきり言って魅了された。茫然としていたら、男から話しかけてきた。

 

「潮風が気持ちいい……夕陽も綺麗……こんな絶好のロケーションで一杯といきたいところだが、あいにく今は手持ちに無くてできねぇな…ところで…てめぇは何故此処にきた?」

 

……暗に何故こんな怪しい男に近づいたのかと聞いているようだ。…男の目を見た。まるで此方の全てが筒抜けのような気がした。…ありのままを言おう…貴方に魅了されたからだと。

 

「………キヒッ……キヒキヒ…魅了されたからか…俺にそんな趣味はねぇよ……全く変に勘繰りやがってよ……普通に考えろよ…なんでこの岬に来たかって聞いたんだぜ?もっとシンプルに答えろよ。」

 

…まさかの普通の質問だった。旅行で来て散策途中だと答えた。それにしても変わった笑い声だ。

 

「キヒッ………旅行かい…んー…てめぇの沈んでる気分が原因か?大方、親友と別れてしまってもう一生会えない、寂しい!って所か」

 

…この男は人の心が読めるのだろうか?まるで妖怪さt…

 

「俺はサトリじゃねぇよ。てめぇが分かり易すぎるだけだ。」

 

…もう何も言うまい。キヒキヒと笑う男を見て気になってた事を聞いた。貴方は何者か?と

 

「キヒッ………おいおい、そんな事を聞くのかよ。んー、じゃあ、魔法使い?だぜ(笑)」

 

…この男….いやもう、コイツでいいや。コイツは巫山戯ているのだろうか?

 

「おい…いま、コイツでいいやって思ったろ…まあ、いいけどね。魔法使い云々は信じる信じないはお任せするぜ。…あぁ、一つだけハッキリ言ってやるよ…俺は普通じゃない…この意味わかるよな?」

 

あぁ、理解してるよ。一目見た時からそんな事はわかってるよ。

 

「…オモシロくねぇな。もっと驚いたっていいんだぜ?…『なんだってー!普通じゃないのかー!!』とかよ…なんかあるんじゃね?」

 

なんだってー普通じゃないのかー

 

「…あーやだやだ近頃のガキって奴は妙に空気を読みやがる…つまんねぇ…もっとひねくれろよ…しかも棒読みだよ…台本どおり言いやがって、アドリブぐらいいいやがれ…なんかイライラしてきた…ドツキテェ…一発デコピン喰らえや…」

 

そう言いつつ、デコピンの素振りをしてきた…風切り音がヤバイ…シュッて音じゃないんだよ…繆とか渺とかするんだよ…たまにパンッとか聞こえるよ……聞きたいことができた…ソレ当たったらどうなります?

 

「ん?…なんだわからないのか?まったく察しが良いのか悪いのかわからないな…教えてやるよ………なんと!首から上が消し飛ぶんだぜ!!キラッ」

 

聞きたくなかったよコンチクショウ!とんでもないことを笑顔で言ってくれましたよこのヒトデナシ!….あ、石が粉になった…ガクガクブルブル

 

「冗談だよ安心しろって…そんなビビるなよ…首から上が世界一周する位だから」

 

安心できるかー!!!

 

「…キヒッキヒキヒ…元気になったじゃねぇか…辛気臭ェツラしやがって…こっちのテンション下げてんじゃねぇぞ…しょうがねぇから聞いてやるよ…なんでそんな周囲の物を腐敗させるかの如く辛気くせェオーラプンプン振り撒いてたんだよ?」

 

……凄く…凄く言いたくない…だけど言わなかったらデコピンて顔に書いてある…言うしかないじゃないか…そう決意して言おうとしたら

 

「あぁ、さっきの親友云々のことか…ちいせぇことでウジウジしやがって…遠くにいったからもう会えないって決め付けてんのかよ………なに縮こまってんだよ…もっとアクティブにいけよ…会いに行けよ…てめぇならできんだろ?…なんだよ…所詮はその程度の想いで『親友』とか言ってたのかよ…ッ」

 

…コイツ…巫山戯んなよ…言うに事欠いて俺のあいつへの想いを『その程度』だと?…モウイッペンイッテミロヤ!!

 

「ああ言ってやるよ…てめぇの想いは『その程度』だってよ…わかるか?てめぇは遠く離れてしまった事を言い訳にして連絡を取る努力さえせず、現状を受け入れずウジウジ悩んで、あの頃が良かったと思い出に引き篭もっている現実逃避が趣味ののクソガキなんだよ……ッ!」

 

………ッ!!

 

「更に言うなら、てめぇが想っているように向こうも想ってるんじゃねぇの?その親友はどう思っているんだろぉなぁ?また会いたいとか、また会うことを期待して頑張って生きてんじゃねぇの?なぁ…其処のところどうよ?…過去に囚われウジウジ悩んでるガキと再会を夢見て前を向いて明日に生きて、てめぇの事を想うマシなガキ…さぁ、この差を知ったお前はどうしたい?」

 

………ッ….そんなの…決まっているじゃないか………ッ!

 

…明日に…生きたい……ッ!

 

「キヒッ……良い目になったじゃねぇか…しょうがねぇな…短い時間だが…少し話してやるよ…いいか?てめぇが想っているように向こうも想っているんだよ…つまりてめぇは親友の想いを『背負って』いるんだぜ…そんな奴が軽い訳がないよな?容易く吹っ飛ぶ訳がないよな?どんな困難が来ようとぐらつく訳がないよな?…つまり『自分を信じ想っててくれてる奴らに見る目があったと証明するために自分に重きを置く』んだ…言いたい事はわかるな?」

 

…つまり「想われてる俺は誰よりも重い」か?

 

「それで良いんじゃね?…要はてめぇの感情次第ってこと…テンションあげてけや」

 

………そういったことを短い時間だけど話してた。

 

回想終了

 

これが今の俺の根幹なんだろう。他にも色々話したが面白いことも聞いたな。

 

「昔に源義経っていう奴の側についてた弁慶と闘ったんだけどよ…引き分けだったよ…究極の自己愛だったよ…まぁこっちが押してたけどね。いやー楽しかった。またしたいね…よし、今から殴り込みにいってくる。じゃあな、また十年後位に会おうや」

 

そんな事を言ってたな……アレ?そろそろじゃね?……人間って冬眠できたっけ?

 

………『オイ…逃げんじゃねぇよ…頭ツブスゾ』………

 

ゾクリッ

 

彼に…兵藤一誠に平穏は来るのか?

 




多分続かない!
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