場所は変わりここは現実世界。そして、とある駐車場に一台の車、アストンマーティン・ヴァンキッシュが止まっていた。そして、そんなアストンマーティンに一人の女性が近づいていた。
コンコンコン
その女性は窓を数回軽く叩いて中にいる人に来たことを知らせていた。運転席にいた人はそれに気づき窓を開けた。
「おまたせ静ちゃん」
そう、運転席にいたのは八幡が前に通っていた総武校の担任の平塚静だった。
平塚「ああ、休日にわざわざ悪いな陽乃」
陽乃「そんなの気にしなくて良いよ。それに今日は暇だったから大丈夫だよ」
平塚「そうか、それならよかった。まぁ、とりあえず乗ってくれ」
陽乃「うん、お邪魔します」
ドアを開けて陽乃は助っ席に乗り込んだ。
陽乃「それで静ちゃん。今日はどうしたの?」
平塚「ああ、今日は陽乃に話しておこうと思っている事があってな」
陽乃「話しておきたいこと?それって何?」
平塚「それは八神の事なんだが」
陽乃「八神?誰のこと?」
平塚「ああ、そうだった。陽乃のには比企谷と言った方が良かったな」
陽乃「比企谷?もしかして比企谷君のこと?」
平塚「ああ、そうだ」
陽乃「もしかしてさっきの八神って比企谷君の事?」
平塚「そうだな」
陽乃「それで比企谷君がどうしたの?」
平塚「そうだな。どこから話そうか。まずは陽乃の言う通り比企谷は八神という苗字に変わったんだ」
陽乃「親が離婚して比企谷君がどっちかについて行ったって事?」
平塚「そうだな。八神っていう苗字は母親の方について行ったんだ」
陽乃「そうなんだ」
平塚「それでだ。何故そうなったのかと言うと修学旅行の事が原因なんだ」
陽乃「修学旅行?なんで修学旅行が関係しているの?」
平塚「ああ、それはだな」
静は陽乃に修学旅行の事を話した。奉仕部に戸部と葉山がやってきてとある依頼をした事。戸部が海老名に告白をしたい。だけど、ふられるのは嫌だから絶対に振られない告白をしたいという依頼。後から奉仕部にやってきた海老名の戸部の告白の阻止して欲しいという依頼。後1つの葉山のグループの現状維持をする依頼。この3つの依頼を何とかする為に八幡が海老名に対して嘘の告白をして何とか依頼を有耶無耶にした事により解消したのだ。だが、それにより八幡が告白を邪魔した最低野郎というレッテルを貼られてしまったのだ。それを八幡は母親に話した。すると母親はもう父親に愛想が尽きてしまい離婚に至った事。
平塚「という訳だ」
陽乃「そんな事があったんだ」
陽乃は静の話を聞いて八幡に申し訳ないという気持ちと妹である雪乃、幼なじみの隼人、そして妹の友人であるガハマに呆れてしまっていた。それと同時に雪乃達の様子がおかしかったのを覚えており、今の話を聞いてその理由がわかったのだ。
陽乃「まさか、そんな事になっているなんて。知らなかったな」
平塚「なんだ雪ノ下から聞いてないのか?」
陽乃「うん。修学旅行の後なんだか様子がおかしかったのは知っていたんだけどね」
それに陽乃は雪乃が隼人と付き合い始めたのも知っている。多分、隼人が比企谷君を陥れて雪乃ちゃんを手に入れたんだろうなっと思っていた。
陽乃「そっか…それで比企谷君のご両親は離婚しちゃったのね」
平塚「ああ」
比企谷君が母親の方へ行ったということは、妹の小町ちゃんは父親の方へ行ったのね。それにしても、小町ちゃんの行動にも問題あるよね。ガハマちゃんから聞いたとは言え、それを真に受けて比企谷君の話を聞かずに一方的に悪者にするなんて。小町ちゃんはなんで比企谷君の話を聞かなかったんだろう。もしかして、仲のいい友達の話だから疑わなかったのかな?それ絶対にガハマちゃんの影響だよね。それが雪乃ちゃんにも影響している。雪乃ちゃんの初めての友達だと思っていたけど、確実に悪影響になっている。それに聞くからにガハマちゃんは自分の主観で小町ちゃんに言ったのだろう。それでも、比企谷君のお母さんはちゃんと比企谷君の話を聞いてあげたんだね。それに比べて雪乃ちゃん達は…………
陽乃「はぁ……比企谷君に申し訳ないなぁ〜」
平塚「私も思ったさ。私が八神をあの部室に連れていかなかったら、こんな事にはならなかったのではないかと思ってしまってな」
陽乃「静ちゃん…」
静の後悔している顔を見るのは初めてで、陽乃は少し驚いている。
平塚「だがな、八神はこんな私に感謝してくれたんだ」
陽乃「感謝?」
平塚「ああ、そうなんだ。文句の一つや二つ言われると思っていたがそうじゃなかった。あいつは……八神は私に感謝をしてくれたんだ」
陽乃「…そっか」
比企谷君がそんな事を静ちゃんに言っていたんだ。それに比べて私は比企谷君にちょっかいばかりかけまくって、嫌がられているんだろうな。それに文化祭では、雪乃ちゃんの為とはいえ比企谷君には悪い事しちゃったしね。そりゃ、嫌われるか。文化祭でも任せっきりしてしまったしね。いくら、雪乃ちゃんとかの為とはいえ悪い事しちゃったな。
平塚「それでだ陽乃。君には頼みたい事がある」
陽乃「私に頼みたい事?」
平塚「ああ」
陽乃「それは良いけど。その頼みたい事って何?」
平塚「それを話す為には場所を移したい。良いか?」
陽乃「それは良いけど……何処に行くの?」
平塚「ちょっと東京の方へ行く」
陽乃「東京?どうして?そんな所に?」
平塚「着いたら説明する」
陽乃「…わかった」
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車を走らせる事数時間後。静が陽乃を連れて来た場所は、八幡が入院している病院だった。
陽乃「ここって病院だよね。なんでここに?」
平塚「ついてきてくれ」
静はそう言って病院の方へ歩き出す。
陽乃「ちょっと静ちゃん!」
陽乃は急いで静を追いかける。そして、静は陽乃を連れて病院の中に入り、八幡の病室へと向かった。
平塚「ここだ」
陽乃「ここ?」
1つの病室の前に連れこられた陽乃は、その病室の名前を見た。
陽乃「八神…八幡…まさかここって比企谷君の病室!?まさか比企谷君に何かあったの!?」
平塚「あったと言えばあった。それは見れば分かる」
そう言って静は扉をノックした後、扉を開けて入っていく。陽乃もその後について行くようにして入っていく。
平塚「八神、お見舞いに来たぞ。今日はもう1人連れてきたんだ。って言っても返事返ってくる訳ないか」
最後の方はだんだんと声が小さくなっていく静。そして、陽乃はそれを聞いてどういう意味かと思いながら、八幡を見ると目を大きく見開いていた。そこには青いヘルメットのような物を被り、電極などつけており、ベッドに横たわっている八幡の姿があった。そして、陽乃は八幡が被っている青いヘルメットのような物に見覚えがあった。
陽乃「あれって…もしかしてナーヴギア?ってことは比企谷君はソード・アート・オンラインの中にいるって事!?」
平塚「そういう事だ」
陽乃「そんな……まさか比企谷君がSAOの中に入っているだなんて……っ!まさか比企谷君がSAOに入ったのって雪乃ちゃん達のせい?」
平塚「いや、そうではない。安心して良い」
陽乃「そっか……良かった」
平塚「でもまさか買って貰ったゲームをしたら閉じ込められるなんて、八神も思ってなかっただろうな」
陽乃「そりゃあ、誰も思わないよ」
平塚「そうだな」
でも、本当に比企谷君がSAOの中にいるだなんて思わなかったなぁ。
平塚「それでだ陽乃。さっき言った頼みたい事なんだが」
陽乃「言ってたね。それで頼みたい事って?」
平塚「それはだな。八神を雪ノ下達から守ってくれないか?」
陽乃「雪乃ちゃん達から?なんで?」
平塚「これは私の想像でしかないが、もしかしたら雪ノ下達は八神に謝らせようとしているのではないかと思ってな」
陽乃「比企谷君に謝らせる?」
平塚「今、総武校は八神を悪者扱いだ。転校したというのにな。それで、もしかしたら雪ノ下達は八神の居場所を突き止めて来るかもしれない。もし、ここがわかってしまえば、雪ノ下達は来るかもしれない。それで、今の八神を見て何しでかすかわからない。最悪の場合ナーヴギアを無理やり剥がそうとするかもしれない。私の勝手な思い込みだけどな」
陽乃「…確かに静ちゃんの言う通り、雪乃ちゃん達が今の比企谷君を見たら、何するかわからないね」
静ちゃんの言う通り、最悪比企谷君のナーヴギアが外されたら、比企谷君はもう帰らぬ人になってしまう。もし、そうではなくても、何かしら危害を加えるかもしれない。それだけは阻止しなくてはいけない。
陽乃「わかった。比企谷君…ううん、八神君は雪ノ下家の力を使って守るよ。私がお母さんに頼んで」
平塚「すまない。私も守ってやりたいが、限度がある」
陽乃「うん、大丈夫。必ず、八神君は雪乃ちゃん達から守るよ」
平塚「ああ、頼む」
陽乃「任せて!」
そうと決まれば家に帰ってお母さんに頼まなくちゃいけないな。でも、その為には全て話さなくちゃいけないよね。文化祭の事とか修学旅行の事。修学旅行の事は私は関与してないけど、文化祭の事は少なからず関与しているからね。それを話すと多分…いや、確実に私に何らかの罰が与えられるはず。でも、それは仕方ない事だよね。私が変に関与しなかったら、八神君があんな行動をしなくて済んだはずよね。お母さんに怒られるのは嫌だけど、八神君を守る為。お母さんに話して八神君を雪乃ちゃん達から守らないとね。だから、安心して八神君。君は私達が守るから、だから君は安心してクリアに専念してね。
平塚「さてと陽乃。そろそろ、帰ろうか」
陽乃「そうだね」
平塚「じゃあな八神。また来るよ」
陽乃「私もまた来るね」
そう言って2人は病室から出て行った。
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そんな同日。ある公園に2人の女子がその場所で待ち合わせをしていた。もう既に1人は公園のベンチに座り、もう1人待っていた。そして、待ち合わせ相手がやってきた。
「海老名おまたせ。待った?」
ベンチで待っていたのは、八幡が前に通っていた時のクラスメイトの海老名姫菜だった。
海老名「ううん、大丈夫だよ。優美子」
そんな海老名の待ち合わせ相手は、こっちも八幡の元クラスメイトである三浦優美子であった。
三浦「それでどうしたん?突然話があるだなんて」
海老名「うん、優美子はさ、今学校でヒキタニ君…ううん、比企谷君の噂知ってるよね」
三浦「え?うん、知ってるけど、それがどうしたん?」
誰だって知っていて当然の噂だ。その噂はヒキタニが戸部の告白を邪魔したクソ野郎という噂だ。
だが、三浦は自分の言うことを無視して、ちょっかいかけた結果だと思っている。
海老名「あのね。比企谷君があんな事したのには、それには実は私が理由があるんだ」
三浦「え!?そうなん!?」
海老名からの言葉に驚いている。でも、なんで海老名が関係してるのかわからない。
三浦「なんで海老名が関係してるん?」
海老名「それはね…」
海老名は三浦に修学旅行の事を話した。戸部が自分に告白して来るのを知ってしまった。三浦も知ってることだが、海老名は今は誰とも付き合う気はない事。前に三浦が海老名にしつこく男を紹介しようとした時、絶交しそうにになった。だから、この時から海老名に男を紹介しようとしなくなった。そして、海老名は続けて話す。告白をされても断るのだが、それでグループがぎくしゃくしてしまうと思った。今の関係が好きで壊したくなかった海老名は葉山に相談をした。葉山は引き受けてくれたが、葉山は何故か戸部の手伝いをしていた。その為海老名は奉仕部に……いや、正確には八幡に戸部の告白の阻止の依頼をしたのだ。それで八幡は自分に嘘の告白をすることにより、告白の阻止の依頼が達成したのだ。だが、それをした為か八幡が悪者扱いされていた。でも彼は強いし、何より結衣や雪ノ下さんの2人がいる。あの、2人なら八幡の味方をしてくれる…そう思っていたのだが、あの2人は八幡を拒絶したのだ。そして、八幡は孤立するようになった。そして、修学旅行の事は由比ヶ浜により、家族である妹の小町に知られてしまい、妹から拒絶され父親にも知られ、家族でも悪者扱いされ、両親は離婚したと聞いた。その事を聞いて、修学旅行の真実を話そうとした……だが、話す事ができなかった。理由は葉山に脅されていた事。その為、言うに言えなかったのだ。言ったら、どんな事をされるのか、どんな事を言いふらされるのかわからなくて、今まで怯えていた。だが、勇気を出して友達である三浦に話そうと決めたのだ。
海老名「これが…修学旅行の…真実だよ」
三浦「そんな……そんな事があったなんて。じゃあヒキオは何も悪くないって事?」
海老名「…そうだよ」
三浦は後悔していた。八幡の行動に意味があったのに、それを自業自得と勝手に決めつけていたのだ。その時、もっと話を聞いていればと……
三浦「な、なんで……なんでその時あーしに相談してくれなかったん?」
後悔をしている中、三浦は海老名になんで自分に相談しなかったのか聞いた。
海老名「そ、それは…優美子に言ったらキツイ事言われると思ったから……でも、それが間違いだって今更気づいちゃったよ」
三浦「海老名……」
三浦は海老名の顔を見たら、怒るに怒れなかった。海老名はものすごく反省と後悔している顔になっているからだ。
海老名「今更…気づいても遅いよね。私がすぐに真実を話していたら……ううん、私があんな事頼まなかったら、比企谷君は悪者扱いされなかったのにね」
三浦「…」
海老名はさらに話続けるが、ポロポロと目から涙がこぼれ落ちていた。
海老名「ごめんね優美子……今まで黙っててごめんね…」
三浦は泣きながら謝る海老名をそっと抱きしめた。
三浦「ありがとう海老名。辛いのに…脅されているのに、あーしに話してくれてありがとう」
海老名「うぅ…ひぐっ……」
三浦「泣いても良いよ。今、ここにいるのはあーしだけだから」
三浦に抱きしめられていた海老名は、その言葉で我慢していた糸が切れ、涙がさらに出てくる。そんな海老名を優しく受け止め抱きしめた。
それから数分後、海老名は落ち着きを取り戻した。
海老名「ごめんね優美子。服汚しちゃった」
三浦「そんな事気にしなくて良いし」
海老名「でも…」
三浦「気にしなくても良いって。ね?」
海老名「う、うん。わかった」
ちょっと納得がいかないけど、渋々といった感じになった。
三浦「でも…まさか、あーしの知らないところでそんな事が起きてただなんて」
海老名「……ごめん」
三浦「もう良いって。でも、正直言うとショックだったけどね」
海老名「うぅ…」
三浦「でも、隼人がそんな事してただなんて思わなかったし」
海老名「そうだね…」
三浦は葉山が雪乃と付き合ってる事は知っている。それもそうだ。2人が付き合ってすぐにその話が学校中に広まっていたのだ。そして、三浦はそれで失恋したのだ。というか葉山に恋している人はほとんど失恋している。そして、2人は絵に書いたようなお似合いのカップルと言われている。
三浦「それに結衣も結衣だし。なんでそんな依頼受けようと思ったのかわかんないし。告白なんて他人の力を借りずにするのが当たり前なのに」
海老名「そう…だね」
三浦「でも、前のあーしだったら隼人に告白するの不安だったろうね」
海老名「優美子…」
三浦「それで、どうするし?この事話すの?」
海老名「話したいけど……話せないよ。隼人君…ううん葉山君に脅されているのに話せないよ。もし、言ったら何されるかわからないよ。考えただけで怖い」
三浦「そうだよね」
葉山に脅されている海老名は話せない。
海老名「でも…どうしたらいいのかな…」
三浦「今は……今は黙っとくしかないかもね」
海老名「……そっか」
結果は海老名は自分が望んだ事だった。でも、まさかこうなるとは思っていなかった。どうしたら八幡を助けられるのか、もしかしたら助けれたかもしれないと思い、戸塚達のように悔やんでいた。
海老名「やっぱ私って……最低だね。自分の為だけに比企谷君を利用しちゃったもんね」
三浦「確かにそうだね。戸部も戸部だけど、自分で告白を断れないのはね」
海老名「うっ…」
三浦「まぁ、でも、海老名は反省してあーしに話してくれたし。あーしは許すよ」
海老名「……ありがとう優美子」
三浦「よしっ!」
三浦はそう言って立ち上がり、海老名の方に向き直る。海老名はどうしたんだろう?と疑問に思いながら三浦の方を見つめる。
三浦「ねっ!海老名!今からカラオケ行かない?」
海老名「え?カラオケ?」
三浦「そ!今嫌なムードじゃん?だからさ、気分転換に一緒にカラオケ行って、ストレス発散しよっ!」
海老名「優美子……良いの?」
三浦「良いし。だから行こっ」
海老名「うん!」
海老名は立ち上がり三浦の横に駆け寄る。そして、2人は談笑しながらカラオケへ向かった。
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一方SAO内では
アスナ「ほら、キリト君、エイト君、早く来なさい」
フィリア「ほらっ、早く早く」
キリト・エイト「「はいはい…」」
俺とキリトはアスナとフィリアに半分振り回されている状況にいる。そして、今はとあるクエストの最中である。
エイト「なんでこんな事に?」
キリト「さあ?知らないうちこうなった」
エイト「なんで俺ら手伝わないといけないんだよ」
キリト「それは俺も思うけど、俺らはあの2人に迷惑かけたんだし、少しは付き合ってやろうぜ」
エイト「…そうだな」
アスナ「ねぇ、何してるの?」
フィリア「置いて行っちゃっうよー」
キリト・エイト「「今行く」」
キリトとエイトは女子2人の元へ小走りに向かった。
どうでしたか?今回は現実世界の話を多めにしてみました。ではまた。