シン・ウルトラマン対シン・ゴジラ 作:イマジンカイザー(かり)
いろいろあってここだけ大幅に書き直しました。
どうぞごらんください。
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「米国はよくやってくれた。これほど価値のあるモノをこの世にもたらしてくれたのだからな」
紅い鷲のマークがでかでかと貼られた壁に、ドーム一個分はあらんかという巨大な実験区画。
白いタイルの床を埋め尽くすコード、コード、コード。どれだけの大電量が通っているのか。それを可能としている財力は何なのか。そして、「それ」を世話するこの黒服面の連中は何なのか。
「素晴らしい。こんな木っ端の細胞ですら、他を取り込み、独自の進化を遂げようとしている。素晴らしい、なんと美しい生き物なのか」
ゴジラがこの世界に現れたあの日。米軍は迎撃のため、強力な貫通弾を多数使用し、あの頑丈な皮膚を穿ち、東京湾にその肉片を沈めた。
誰もそのことを気に留めるものはいなかった――。いや、いるには「いた」が、肉片は残らず”彼ら”がさらい、事情を知る・その異常性に気付いた科学者たちは皆”彼ら”に拉致され、意に沿わなかった者たちはその場で鮫の餌とされた。
「君の頑張りも徒労と化したね"バッタ君"。まっ、お前ごとき旧式オーグに我々が敗ける訳がないのだが」
ここの研究所員らしき白衣の男は、足元で突っ伏す『緑の仮面』を見下ろし、尊大な態度で彼に接する。彼の手足は返り血で真っ赤に染まり、その周囲には黒服に白い仮面をつけた者たちが山と積まれていた。
「折角だから見てゆきたまえ。異世界のチカラと我が頭脳の結晶、その結実をな」
電源らしきツマミを全開に回し、レバーを一杯に上げ、パワーバーが極限まで伸びて行く。
エネルギーを取り込んで、”なかのもの”が胎動を始めた。細胞が肥大化し、マリモめいた丸に口が生じ、牙が生え、湧いたあぶくが目玉となった。
顔だけだったマリモから触手が伸び、その先に目がなく、牙でびっしりと覆われた口が生える。
顔は本体ではなくダミーなのか。その下に赤く発光する
青々とした植物の蔓が幾重にも絡まり、熊を思わせる太く大きな手足。乱高下が激しく、獲物を噛み千切るには適さない上下不揃いな歯と顎。どこを見ているのか解らない黒曜石めいた瞳。
形をかなり歪められているが、その面影は強く残っている。この姿は、まるで――。
「ふざけやがって……。こんなもん、世に解き放たせる訳には……!」
黒いダイヤモンドめいた瞳が”彼”を捉えた。そこに感情は乗っていない。そもそも感情があるのかさえわからない。
「彼」は止めようと手を伸ばした。伸ばしただけで、その先には届かない。背後に立つオオカミの仮面を被った男に首根を掴まれ、振りほどくことができないでいる。
「さあ、さあ、さぁ! いよいよだ。いよいよだぞォ。我が人生における最高傑作! 人工合成禍威獣第一号! 目ェ覚ァめよォオオオオオ」
分厚い強化ガラスに亀裂が走り、中の溶液が溢れ出る。その体躯は水槽に収まりきれず肥大化し、建物を破壊しながらどんどん大きくなってゆく。
災厄が、ヒトの手でこの世に解き放たれた瞬間だった。
◎シン・仮面ライダーvsシン・ウルトラマン
に、つづく。