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【速報】11ヵ国会議で日本に宣戦布告か?
『神聖ミリシアル帝国で開催中の先進11ヵ国会議にて、日本代表団はエモール王国ほか複数ヵ国の代表から高圧的な要求を受けた。
詳細は不明だが、全技術情報の開示や第2文明圏からの経済活動の撤退などを無条件で要求されたという。会議の様子は衛星中継で日本の各TV局、動画閲覧サイトでもLIVE放送されており*1、多くの人々がこの様子を直視することになった。
ネット上では、要求内容からして宣戦布告ではないかという憶測が飛んでいる。日本代表団はすでに会場を退席したとの事で、この件に関して外務省は緊急記者会見を本日中に行うと表明している』
──中央暦1642年4月23日 ネットニュース
【号外】再び戦争か!? 11カ国会議で戦闘発生、自衛隊艦にも被害
『先進11カ国会議が開催されているミリシアルの港町カルトアルパスにて戦闘が起き、自衛隊艦が攻撃を受けた。
会議ではエモールほか数カ国が日本に高圧的要求を突きつけたため、代表団は予定を繰り上げて帰国の途につき、代表団とともに派遣されていた海上自衛隊の派遣艦隊も緊急で出港した。
しかし出港直後、派遣艦隊はミリシアルを含めた会議参加国の艦隊や航空機から攻撃を受けた。これにより護衛艦〈やまと〉が被弾する等の被害を受けたものの、派遣艦隊は脱出に成功した。死傷者は出ていない。
一連の戦闘については、エモールによる高圧的要求は宣戦布告であり、日本はまたしても戦争に巻き込まれたのだとする声も多い。
武田首相はこの件に関して臨時閣議を開くと表明した』
──中央暦1642年4月24日 報日新聞
事件から8時間後
日本国東京 首相官邸
本日の東京は大騒ぎであった。
今日の朝頃*2に、世界会議で日本に対しての要求がニュースで広まってからというもの、国民はニュースにくぎ付けとなり、混乱が広まる事態となった。
特に、世界会議での様子はムーの放送局がほぼタイムラグ無しでの生放送を行っていたこともあり、衝撃に拍車をかけている。ネットでは様々な憶測が流れ、中には要求を繰り出したエモールから宣戦布告をされたという推測まで流れた。
事件が報道されてから8時間ほどが経ち、混乱は少し収束したものの、それは表面上の話に過ぎない。人々の心中では依然として不安と混乱が渦巻いている。
「……これより臨時閣僚会議を開きます」
首相官邸では武田内閣の全閣僚が集められ、4階の閣議室で臨時閣議が開かれていた。重々しい空気の中、官房長官が閣議開催の宣言をする。
「状況を説明します。日本時間午前6時半ごろ、神聖ミリシアル帝国で開催中の先進11ヵ国会議にて、我が国代表団はエモール王国ほか複数ヵ国から高圧的要求を受けました。詳細は省きますが、無条件での全技術情報開示、第2文明圏からの撤退、非武装化……つまり属国化を要求されています。また、要求の理由ですが、『日本が古の魔法帝国なる存在に与している』というのが
官房長官がそこまで説明した時、出席している大臣の半数は憤怒の表情を、もう半数は困惑の表情を顔に出した。
国際会議の場で世界第3位といわれている大国から属国化を要求された挙句、要求された理由が
官房長官はそのまま説明を続ける。
「……これを受けて代表団は急遽会議を退場しました。しかし代表団が海上自衛隊の派遣艦隊に乗り込み、カルトアルパス港から出港した直後、艦隊は攻撃を受けました。幸いにも死傷者はなく、被害も最小限です。ですが一連の戦闘では、ムー連邦、アニュンリール、アルタラスを除く全会議参加各国が自衛隊艦に攻撃を加えています。開催国のミリシアルも攻撃に参加しました」
説明が終わってから数秒間、閣議室内に沈黙が流れた。
「……やはり何度考えても信じられない。たかが占いなんかで属国化要求などと……」
「許せません……勝手な言い分で攻撃までするなんて……!」
「この世界はこんな奴らしかいないのか!?」
その沈黙を破ったのは、誰かが怒りや困惑を投げつけたような、深層の言葉だった。誰もがこの場の空気を忘れ、あまりの非常識さに本音をぶちまける。
「総理!このような要求をされて、政府が黙っているわけにはいきません!即刻対抗措置を取るべきです!」
「どうしろというのか!国交もない中で何をやっても無駄だぞ!」
「遺憾の意や断固とした措置を下したところで、相手には何のダメージもないだろうに……」
閣僚たちの言うとおり、状況は日本側に不利だった。当事者のエモール王国とは国交はおろか、交流すらも全くなかった国である。
日本から抗議や制裁を与えようにも、今まで交流すらなかった国であるが故に、エモールはノーダメージのまま。結果的に日本側が言われたい放題となってしまうのだ。
「……国民に説明をした後、対抗措置を取ろう。外交ルートでの声明もだ」
閣僚たちが感情混じりの議論を交わす中、今まで沈黙していた武田総理は、あくまで冷静な意見を口に出した。
「幸いにもムー連邦が我が国の味方をしてくれている。その他の第二文明圏諸国も、我が国を支持している。今回の件は、第二文明圏を丸め込むことで対抗措置としよう」
「他文明圏との対立がより深まりそうですな……」
「……仕方ない、我が国が生き残るには必要な措置だ」
周りの国を巻き込む形となった事については、武田総理は目を伏せていた。彼なりに日本が生き残る道を模索しているだけであるが、やはり申し訳なさはあるようだ。
と、そんな沈黙が流れる会議室にて、防衛大臣が挙手をした。どうやら彼から報告があるらしく、タブレットの資料を広げている。
「総理、よろしいでしょうか?」
「防衛大臣か、いいぞ、言ってくれ」
「はい。自衛隊の損害は皆無ですが、こんな事態が起きた後です。関係各国が宣戦布告をする可能性もあります。万が一の奇襲に備え、自衛隊の配置を整えるべきかと」
確かにこのような事態があった後だ、他の国が勢い付いて攻めてくる可能性もなきにしもあらずである。武田総理はそれを理解し、その意見を了承する。
「ああ、もしもの時には戦闘も覚悟しなければな。分かった、海自の配置を改めよう」
「いえ、陸自もお願いします。これに関しては情報省から」
防衛大臣は説明責任を持つ者に話を振るべく、情報省を管轄する情報担当大臣に目配せをした。彼は立ち上がり、説明を引き継ぐ。
「はい、まだ不確定な情報なのですが、前々から燻っていたムー連邦国内の不穏分子が、今回の報道の後に活気づいているそうです」
「なんだと……?」
不穏分子に関しての報告は確かに聞いていた。情報省によれば、ムー連邦内部ではかなり前から日本との貿易摩擦や文化的摩擦に耐えかねた人々が、左派勢力を築き上げているという話だった。
「何分あの地域は日本製インターネットが普及し始めていますから、情報の伝達が早いようで……民衆には我が国に対して不満を持つ者も少なくありませんゆえ、今回の件で油が注がれて爆発寸前です」
「ここにきて、ムーでもそんな動きが……」
「はい。なので防衛省としては、大陸での有事の際の出動に備え、待機中の陸自部隊の態勢を整えたいと存じます」
確かにこのような事態があった後、ムー大陸でも暴動や政権転覆があれば、日本が生き残る道は無くなってしまう。
最悪の場合、ムーが丸ごと"あっち側"に寝返る可能性もあるのだ。放っておくわけにはいかない。だが……
「……準備は一部部隊だけにしてくれ。ヘリボーンと即応部隊だけ許可する」
「総理、それでは……」
「分かっているが、戦闘配置を悟られて全面戦争になることは避けたい」
武田総理は、そこで一歩引いた決定を下してしまった。全面戦争を避けたいが故の致し方ない決定ではあるが、これでは自衛隊の初動対応に支障がもたらされる。
「総理、ミリシアルやグラ・バルカスは偵察衛星を保有していないので、すぐに特定される心配もないかと思いますが……」
「いや、国境に自衛隊が集結しただけでも刺激になるだろう。散々我が国を出し抜いているスパイの件もある。油断は出来んよ」
「……わかりました、では配置転換は一部部隊に留めます」
しかし最終的には防衛大臣が折れた。
確かにここ最近、ムー大陸で活動する敵の優秀なスパイに関して報告が上がる以上、警戒して行動せざる得ないのは致し方ない事だった。
神聖ミリシアル帝国 帝都ルーンポリス
政府中枢 アルビオン城
この日の帝都ルーンポリスは、今日もどんよりとした曇り空に覆われていた。春先でもルーンポリスは雲に覆われ、湿った空気が地上に流れていく。
そんな眠らない魔法都市、栄華を極めた都の中心にあるアルビオン城にて、緊急の御前会議が開かれていた。
帝前会議の大会議室、国の要人がほぼ全て集まる会議にて、彼らは片膝を突いて世界一の権力者を迎える。
皇帝がそのまま、壇上に上がる。
宰相に促されたミリシアル皇帝、ミリシアル8世は静かに口を開く。
「余は……怒りを抑えきれぬ。この王宮を破壊尽くしてもなお湧き上がる、筆舌に尽くしがたい怒りだ」
背筋が凍りつくような、冷たい覇気が会議室に染み渡る。重役たちも思わず冷や汗を流し、背筋を凍らせた。
皇帝の怒りはごもっともである。主催する先進11カ国会議は中断、関係国との連合軍は返り討ちに遭い、海軍主力の第零式魔導艦隊は戦う事なくその機能を損失した。
帝国の面目は丸潰れである。
「我が国に泥を塗り、さらにはカルトアルパスを破壊し、愛すべきミリシアルの臣民をも無差別に殺戮した、世界の長たるわが国を辱めたあの国、ニホン国……!」
憤怒の様相のミリシアル8世が、声を静かに震わせる。世界の頂点に立つ男が、滅多に見せない怒りを溜め込んでいる事を知れば、声量以上の威圧感を聞くものに与える。
「奴らは異世界より出現したというが、どうやらかの魔法帝国と結託しているようだな……!! 余は世界の導き手たる帝国の長として、この世界と人類の平和を乱す魔法帝国の尖兵を、断じて見過ごすわけにはいかない!」
皇帝は杖を持つ手を握りしめて、それが折れんばかりの怒りを持って怒声を上げる。
「余はここに、ニホン国に対する神罰を下す事を宣言する! 我が国を起点とした同志国を集め、『世界連合軍』を組織せよ! 第二文明圏から奴らを叩き出せ! 裏切り者は全て粛清しろ!!」
「「「ははっ! 皇帝陛下に勝利を!!」」」
会議出席者が踵を鳴らして立ち上がり、皇帝に敬礼する。そうして御前会議が始まり、その日の約半分の時間もってして今後の方針を決めた。
会議の後、ミリシアル8世は自分の執務室に戻って来た。
豪華で座り心地の良い椅子に腰掛け、大きなため息を吐く。その表情には目元の隈を筆頭に疲れのようなものが見え、連日の執務と外交に明け暮れる彼の多忙さを表しているかのようだった。
「はぁ……」
「お疲れ様です、陛下……」
軍務大臣のシュミールパオが、皇帝の疲労を案じて言葉を投げかける。隣にいる国防長官のアグラも、度重なる激務に疲労困憊だった。
「ふむ、
「はい。これで外務省の独断専行に関しては、軌道修正することができそうです」
シュミールパオの言う通り、今回の件に関しては、ミリシアルは元々乗り気ではなかった。
元はと言えばエモールが勝手に会議を遮って自分の国の儀式の結果を大っぴらに出したからこうなったのであって、ミリシアルは本来なら様子見に徹するべきだった。
だがこれをチャンスだと、その後のことを何も見据えずにその場のノリで乗った外務省の独断により、そのままミリシアルも追従する流れになってしまったのだ。これに関しては、皇帝自身も監督の不届きだったとしか言いようがない。
だからこそ、ここでミリシアル8世が強い言葉を発する事で、ヒートアップした世論を押さえつけなければならなかった。
「……熱した世論を抑えるには、こちらも矛をチラつかせなければならないからな。だがこれでは、ますますニホンとの対立は深まるばかりだ」
「それは致し方ないことかと……いつかは彼らと戦わなければならなかったでしょうし」
アグラはそう言うが、軍部としては日本と全面的に戦うのは避けたかった。
やはりフォーク海峡での日本艦隊の実力が思い起こされる以上、日本と全面戦争になったところで、こちらも損害を負うかも知れない。
軍人としていきなり戦争を決断できる状況ではないが、前述の通り外務省がやらかしている以上、その軌道修正は必要だった。
「さて、周りの反応はどうだ?ゴフッ!!」
「陛下っ!!」
「よい……続けたまえ」
「は、ハハッ………ニホンはすでに対抗措置を下しています。外交ルートを経由して、こちらにかなり強い言葉での声明を出しております」
「やはりニホンの対応は早いな……その他は?」
「少し遅れて、ムー連邦がニホンへの追従を宣言……他第二文明圏の国家も、ニホンに追従するものかと思われます」
「ふむ……やはり第二文明圏の結託は明らかだな……これでは第二文明圏と他文明圏による全面対立だ」
「もとより覚悟の上です。これ以上、ニホンの台頭を許しておくわけにはいきません」
今のところ取れる選択肢は、全部エモールが壊していった。だから政治家ができる選択肢はかなり限られてくる。そうなれば、自ずと戦争という選択肢も出て来てしまうのだ。
「うむ。だとしたら尚更、敗戦を重ねるような無様はあり得んぞ」
「承知しております。こちらも万全の体制です」
「これは単なる文明圏外国家が牙を剥いて来た程度のものではない。わが国を打ち負かすような実力を持った国が、世界全体に対して挑戦を仕掛けて来ているのだ。わかるだろう、事の重大さが」
「……ええ、かの魔法帝国と相対するようなものです。決して油断なりません」
「今回の争いでは、我々も、魔法文明も、それどころかこの世界全体が試練として試されている。我々の存続の以上、決して負けは許されないのだ」
「…………」
皇帝がそこまで言うのを聞き、軍人二人は萎縮して緊張してしまう。皇帝に念を押されているのは、フォーク海峡で海軍が日本の航空機や艦隊相手に無様を晒していたからだった。
「すまぬ、プレッシャーを掛けたな。引き続き
「分かりました。では我々はこれで失礼します」
「お身体にはお気をつけて」
二人はそう言って、皇帝の執務室から踵を揃えて出ていく。それを椅子に座りながら見送ったミリシアル8世は、誰にも聞こえないような声量でボソリと呟く。
「……場合によっては、古代兵器も使うべきか、どうするか」
その言葉は執務室の静けさにかき消され、誰にも聞こえなかった。
グラ・バルカス帝国
帝都ラグナ
一方、帝都ラグナにあるカルスライン社の執務室では、帝王府副長官のオルダイカが頭を抱えていた。
その理由は彼らしくもない、大きな誤算が原因であった。
「まずいな……まさかここに来てこんなにも積極性が無いとは……!」
オルダイカは頭を抱えつつ、ラグナで入手した様々な新聞社の記事を見ていた。
その新聞はどれもこれも世界会議における日本を報道する内容であったが、多くがまるで自分たちとは関わりがない他人事のように記事を書いていた。
これは戦争経済を望むオルダイカにとっては、好ましくない状況だ。こんな記事が蔓延しているということはすなわち、大手メディアは今回の事件を激しく報道しても部数が稼げないと判断したということである。
「オルダイカ様、このままでは我が帝国は連合国への参戦が遅れそうです。後に参戦するのは確実でしょうが、参戦が一、二年遅れるだけでも我々にとっては大損です」
「ああっ、くそっ、それだけは嫌だ。なんとかできんのか?」
メディアのやる気のなさもそうだが、最も厄介なのは、前まであんなに日本との戦争に乗り気だった陸軍が、訳のわからない理論を抜かす事であった。
最近海軍よりも多額の予算を付けてもらい、ロウリア・パーパルディアに対して圧倒的勝利を得た事によってプライドが高くなったのはまだ良い。独自の諜報機関でミリシアル帝国の実情を調べあげ、国防に資するのもまだ良い。
だが数々の成功と、過去最大勢力の実在を知った結果、「何が楽しくてミリシアルの指図に乗らなければならないのか」「我々は戦争には賛成だが、そんな事は知らんぞ!!」「ミリシアルに追従するのはなんか嫌だ」と我が儘とも言えるような主張をし始めて今に至る。
「まさか国民ですら意見がこんなにも細分化するとは思いもしなかったぞ……」
メディアがメディアなら、世論もまた似たような雰囲気だったのである。そして今に至ってまたさらに厄介な主張を始めた。
と言うのも、グラ・バルカスの国民は日本に対する敵愾心が全く無い人間が多く、なんなら「所詮は(帝国から見て)田舎国家同士の諍いなのだから、放って置いても良いのではないか?」と主張する一派も居たのだ。
「ミケレネスの飼い犬どもめ、余計な事を……」
そしてカルトアルパスの戦いで何ひとつ犠牲が無かったのに加え、グレードアトラスターの乗組員には実際に日本の乗組員と交流を持った者も少なくない。
特に箝口令が敷かれていた訳でも無かったのでベラベラと日本の"海兵"のここが良いとか、ここが凄いとか、さらにはニホン海軍海兵と交換して貰った高性能腕時計等を自慢したせいである。
おまけに、第二文明圏と第三文明圏との距離が相当離れていた事も影響した。
異国どころか異世界とも言える(この世界なら尚更)、実情がわからない国に対してどう敵意を向ければ良いのか?と言う話である。
「それと、第三文明圏各国がほぼ全て乗り気で無かったのが意外でしたね……リームやロデニウスだけですよ、まともに取り合ってくれるのは」
「仕方有るまい、未だにパーパルディアの残党どもが自由パーパルディアを僭称している上に、戦争で国内が荒れているからな。まあ第一、有象無象が烏合の衆を形成しても邪魔にしかならんが」
「これはこれで武器が飛ぶように売れるので、此方としてもどうでも良い者ばかりですが……」
これにはグラ・カバルも無理に巻き込む必要も無いだろうと発言しており、皇太子の虎の威でフィルアデス大陸各国を呼び込む案は雲散した。
一方で、クワトイネ、クイラ、アルタラスは恩を返す義理人情もあり、帝国と協同する路線でいた。そしてリームも帝国に媚びを売るためにも、レンドリース兵器欲しさでも参戦する事を表明している。
「兎にも角にも、俺たちは戦争での利益……多少金を使ってでも邪魔な奴らを黙らせる、メディアも買うぞ、お前も手伝え」
「か、かしこまりました……」
いくら帝国の腐敗の総本山といえど、全てが上手くいくわけではない。その事を今回の事件で思い知った二人であった。
次回はドキュメンタリーや外伝短編になる可能性があります。
情報コラム
・新世界諸国に輸出されたインターネット技術
日本は転移後の世界で様々な製品を輸出していたが、当初インターネットの輸出と海外整備だけは技術流出などの観点から否定的だった。
しかし日本と第2文明圏間で経済交流が進んだことにより、話が変わる。
多数の日本人がムー大陸へと渡った結果、まず最初に日本企業の間から経済活動の効率化、派遣中の社員の福利厚生のためにネット環境整備の声が上がった。
次いで、インターネットは有事に際して非常に有効となる通信網であり、転移後に日本は2回も戦争に巻き込まれた経験から、外務省、経産省、防衛省が連名で第2文明圏でのネット環境整備を政府に提言。
この結果まずムー大陸でのインターネット網の整備が始まり、最初に日本人が海外でインターネットを使用可能になった。
それからさらに第2文明圏との経済交流が進んだ頃。
すでに魔信という形で電話・ラジオ放送・テレビ放送を兼ねる高度な通信技術が世界中で普及していることから、新世界諸国へのネット技術の輸出も許可。
また、魔信よりコスパが良いと判断した各国が電話通信網とともに輸入を進めていた国産携帯端末に対し、ネットブラウザ閲覧機能が付与された。
輸出許可されたのは2000年代相当の初歩的なネット技術で、IP制限により日本国内のサイトにもアクセス出来なくされている。
しかしそれでも、新世界の人々はネットという新たな技術に魅了され、特にムーなどの大国を中心に急速にネット環境整備が進んだ。
なお、新世界の人々は日本語を読めないため、各国言語版の整備が進められているが、翻訳作業が中途の現状、使用できるのは利用者の多いムー語とレイフォル語のみとなっている。