新世界の敵、日本国   作:篠乃丸@綾香

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今回から残虐描写が増えますよ。


第三十七話『はち切れた凶行』

中央暦1643年1月30日

ムー連邦 首都オタハイト 議政府回廊

 

 しんしんと雪が降りしきる街。

 首都オタハイトは、あちこちから火の手と黒煙が上がっていた。

 暴徒化した群衆に車が押し倒されたり、あるいは放火される。オフィスビルなどの建物はガラスの窓や扉を叩き割られ、投石と放火が行われる。

 放火されているのは日本車や日本資本のオフィスビルと工場、日本製品を売っている商店、そしてムー連邦中央政府の関連施設、政府要人や資産家の邸宅ばかりだった。

 燃え盛る街並みの中、数万人の群衆がデモ行進をしており、中には鉄パイプや火炎瓶などの武器を持つ者さえいる。彼らはそのほとんどが労働者階級だった。

 

「二ホン人はムーから出てけ!」

「二ホンに同調する中央政府を許すな!ムーは二ホンの属国じゃない!」

「俺たち労働者の仕事を返せ!仕事を奪った二ホンを許すな!」

「ムーを魔帝の奴隷にして堪るか!二ホン人を追い出せ!」

 

 街のいたるところで暴徒化した群衆やデモ隊が叫びながら闊歩する。前々からムーの労働者階級の間でヘイトを溜めつつあった日本だが、11カ国会議でなんとエモールから魔帝の尖兵と糾弾された。

 にも拘らず、ムー連邦中央政府は日本との同調姿勢を崩さなかった。そして冬が来て暖房費などが高騰したのを契機に民衆の不満が爆発し、オタハイト各地で大規模なデモと暴動が発生したのだった。

 

「中央政府は二ホンとの交流を即刻中止せよ!奴らは魔帝の尖兵である!直ちにミリシアル・エモールと同調せよ!」

「私に仕事を返してちょうだい!お賃金がなくて家族に食事すら買えないのよ!」

「暖房費が高すぎる!冬を越せないぞ!!」

「中央政府の役人ッ、政治家や金持ちども!隠れてないで出てこい!お前らも二ホン人もぶち殺してやる!出てこいってんだ──ッ!!」

 

 数万人のデモ隊は政府への不満を声高に訴えつつ行進し、中央政府の政府庁舎や大統領府が連なる議政府回廊前の大通りに殺到していた。

 彼らデモ隊が数万人もの仲間を集めることができたのは、ひとえに日本から輸入したインターネット網の存在も大きい。

 日本との交流開始後、2年と少しで全土に張り巡らされたネット網*1、そして労働者でも辛うじて手の届く価格帯で売り出された簡易的な日本製携帯端末は、数万人規模での大規模デモの呼びかけを可能としていた。

 ムー国内からの日本排斥を訴えて行進する彼らは、皮肉にも日本製の通信網と携帯端末を使うことにより今回の騒乱を引き起こしたのだった。

 

『デモ隊の諸君!こちらは中央警察である!今すぐ武器を捨てて解散しなさい!解散して引き返すんだ!引き返せ──ッ!!』

 

 だが、デモ隊が目指している議政府回廊にはオタハイト中央警察の警官隊がすでに展開しており、両者はかれこれ数時間も睨み合いを続けていた。

 警官隊の指揮官が拡声器を手に声を枯らして警告するが、デモ隊の返答は投石や火炎瓶という形で返される。それを最前列の警官隊が、対暴徒用の大盾を横一列に並べて防御する。

 大盾は日本警視庁からの供与品だ。

 旧型は超々ジュラルミン製で防弾性がなく*2、日本警視庁はポリカーボネート製の防弾盾へ更新すべく供与したのである。防弾性がなくとも、対暴徒用としては十分以上だった。

 

 いや、日本製は盾だけではない。

 

 警官らが被るヘルメットのバイザーも、催涙ガスをまき散らすガス弾とガス銃も、無線機も、警備車や放水車といった警備車両もすべて日本製だ。

 銃撃戦には使えないが、学生運動や安保闘争の戦訓から作られた日本警察の装備は対暴徒戦に優秀で、ムーの警察は払い下げ品を大量導入している。

 実は出動した警官隊も日本の警視庁機動隊による訓練を受けており、隊員も装備もほぼほぼ日本仕込みである。

 日本警察との違いは各装備がオタハイト中央警察仕様に塗装されていること、そして拳銃だけはムー国産で十分と判断されたので日本製ではないこと、それくらいしかない。

 ムー国土からの日本排斥を訴えるデモ隊は、日本から装備供与と訓練を受けた警官隊に対峙しているのだった。

 

「ったくよお、デモ隊の奴ら、こんな何時間も張り込みしやがって。仕事もねえ暇人共が」

「ほんとだぜ……だがまあこっちは休憩取れるし今日は寒いから、時間かければ根を上げるんじゃないか?」

「だといいがな……お先にごちそうさん」

「ゴミはそこに捨てとけ」

 

 デモ隊と最前列の警官隊がにらみ合いを続けている一方。

 警官隊後方の車両の方では、長時間の張り込みに耐えるべく休憩所が設けられており、最前列と定期的に交代していた。

 デモ隊は必死になって自分の意見を訴えて、それなりの疲労が見られたが、こちらの方では警官隊が日本製のカップ麺を食べていたりと、それなりの余裕があった。

 

「ん?あれは……」

 

 警官の一人が休憩を終えて復帰する途中、デモ隊がそこまでいない大通りから軍用トラックの車列が議政府回廊に向かっていくのを見つけた。

 トラックの荷台には陸軍の兵士が大勢乗り込んでいる。中には見慣れない装備品──まるで極小の飛行機械のような──を大量に積んだトラックもいた。

 

「どうした?」

「あぁ。いや、あの車列って連邦軍だよな?軍が治安出動したなんて聞いてないが、なんで居るんだ?」

「確かにそうだな……」

 

 警官らは知らなかったが、このとき中央政府は日本情報省からのリークにより、首都オタハイトでの大規模暴動に乗じ、何者かが破壊活動を行うという情報を掴んでいた。

 どのような破壊活動が行われるかは不明だったが、中央政府はこれに備え、ムー連邦陸軍の国家親衛軍団から先んじて部隊を展開させ、緊急時の治安出動に備えさせたのだった。

 そして警官が見つけた極小の飛行機械のような装備──ムー連邦軍が日本の技術で開発した新兵器の小型自爆ドローンも、破壊活動に備えて大量に持ち運ばれている。

 一銭でも多くの外貨を獲得したい日本はムー国内にも多数の工場を建て、自国製品をノックダウンやライセンスなどの形でムーに生産させており、ドローンはそれらから転用した技術で作られたものだ。

 これらは顔認証システムを導入したドローンであり、有事の際は上空から工作員を見つけ、自爆突入する予定であった。

 だが、この装備の特性は裏目に出てしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻

首都オタハイト 工事区画

 

 中央政府が警戒している破壊活動は、実際のところかなり小規模だった。

 何故なら、狙撃銃を装備した数名の工作員だけだったからだ。

 デモ隊と警官隊がにらみ合いを続けている大通り、そこに面した工事中の高層ビルの上層階では2つの人影が揺らめいていた。

 その人影はどちらも黒いケープに身を包んでおり、容姿は判然としない。

 

 しかしケープから出ているその顔は第1文明圏でよく見る町エルフの顔立ちであり、片方の人影はその手にライフル銃を装備していた。

 神聖ミリシアル帝国軍、制式歩兵銃『シルフィード・ライフル』──その狙撃銃仕様であった。もはや説明するまでもないが、彼らはミリシアルの工作員である。

 工作員のうち一人はアタッシュケース型の魔信機を使い一言二言通信を交わしていたが、それを終えるとシルフィード・ライフルを持つ相方の方へとやって来た。

 

「本国から長距離魔導通信(LRMC)が来た。予定通り、本日18時にオタハイト中央警察の警官隊を狙撃せよ。以上だ」

「了解。……しかし本当に上手くいくのかしらね」

「?何だ、狙撃するのが怖くなったか?」

「違う、そっちじゃなくて、この任務を成功させた後よ。『オタハイトの暴動を狙撃で混乱させ、ムー連邦政府の目を国内に向けさせる』……そうして対日戦を有利に進めるって話だけど、そんな都合よくいけると思う?」

「さぁな。俺たちは上からの指示に従うだけ、指示された先に何が待っているかを気にする必要はない。お前は警官隊に1発ぶち込んで混乱させればそれで良いんだよ」

「ありきたりな答えね」

 

 狙撃役の工作員はちら、とオタハイト市内の西側にそびえ立つ時計塔に視線を向ける。もうすぐ時計塔の長針が午後6時を指し示そうとしていた。

 そろそろね、と呟いて彼女は狙撃姿勢を取る。彼女の付添人もまた、すでに設置していたスポッター──望遠魔導波検出装置に取り付き、狙撃に必要な諸元の観測を始めていた。

 

「……悪く思わないで、魔帝の手先(日本)に与した貴方たち(ムー)が悪いんだから」

 

 工作員の視界にシルフィード・ライフルの魔導照準器を通して浮かぶ景色には、大勢のムー連邦人の警官たちが並んでいた。

 彼女の得物に装填された魔導実体弾は、あと数分で彼らに惨劇をもたらそうとしている。

 

 ……だが、工作員は彼らだけではなかった。

 

 ミリシアル工作員らが陣取ったオタハイト市内の工事中のビル、そこから200メートルも離れていない場所に建つホテルの上層階。

 地球のニューヨークにあるウォール・ストリート・コートを彷彿させる外観のホテルの一室、照明が消された薄暗い客室には、やはり2つの人影が揺らめいていた。

 だが彼らはミリシアル工作員ではない。

 ホテルの2人はムー国内で一般的に流通している黒のタキシードに身を包んでおり、ホテル利用客らの中に紛れても全く目立たなそうな服装だ。

 しかし顔立ちはムー連邦人でもミリシアルの町エルフのそれでもない。ムー連邦人の基本的な顔立ちは外国人と日本人のハーフを思わせる、特徴が少ない顔なのだが。いかに方や糸目で柔和な、方や猫目で泣き黒子が有るとは言え、双方共に金髪色白の細い顔つきだ。そんな男達の一方が手にしているライフル銃はミリシアル軍のそれではなかった。

 地球のドイツが開発したkar98kライフルに似ているが、弾薬には大日本帝国陸軍が使用していたのと同じ7.7×58mm弾を装填するそれはグラ・バルカス帝国製の『98型騎兵銃』だった。

 

「狙撃の準備はできたか?」

「ああ、いつでも大丈夫だ。異世界人をぶち殺せるのはパ皇戦以来だぜ、腕が鳴るよ」

 

 彼らはグラ・バルカス帝国の工作員だった。

 といっても情報局や外務省暗殺連隊などに所属する正規の工作員ではなく、帝国国内に本社を置いている傭兵企業の傭兵たちである。

 

「しかしエルチルゴの旦那も人使いがメチャクチャだぜ。『ムーの暴動を内乱へと激化させて帝国軍が介入するチャンスを作れ』だなんてな」

「仕方ないだろう。帝国軍が動けば工場が動く。工場が動けば金が回る。そして俺たちを雇ってるエルチルゴの旦那……カルスライン社にも金が回り──」

「俺たち傭兵業者も稼げる、だろ?」

「そうだよ。分かってるなら仕事しろよな」

「へいへい、わーってるよ」

 

 彼らグラ・バルカス傭兵がここにいる理由はただひとつ。帝国最大の軍需企業カルスライン社の代表取締役会長エルチルゴの依頼(というか命令)であった。

 戦争需要で大儲けしたいカルスライン社としては、今回のムーでの騒乱が悪化すれば帝国軍が介入する公算が生まれ、大儲けができるチャンスだ。

 しかし今のところ帝国軍が動く気配はなく、ならば現状を悪化させる他ない。エルチルゴはムー大陸で活動中の傭兵を雇い、工作員としてオタハイトに送り込んだのだ。

 ……正確にはカルスライン社とズブズブの汚職関係にある帝王府副長官オルダイカがエルチルゴに命じ、それをエルチルゴが傭兵に命じた、というまぁまぁ複雑な経緯ではあったが。そんな事情は傭兵らも知らない。

 

「もうすぐ18時か……よし、ちょうどいいから18時ぴったしに狙撃しよう」

「あと数分だな。ところでどこに撃てば良い?」

「適当にデモ隊にでも撃ち込めば良いんじゃないか?そうすりゃ混乱するだろうし」

「確かにな。よし、そうしよう」

 

 ただ、正規の工作員ではないために傭兵らはかなり適当であった。これでも元軍人で射撃の腕前こそ優れてはいたが、それ以外は微妙なのだ。

 狙撃役の傭兵は98型騎兵銃に据えられた4倍率スコープを覗き込む。そこに映るのはムーの労働者たちが形作る数万のデモ隊であった。

 あと数分で彼の騎兵銃は、ガス密閉が得意なボルトアクションによって銃口から効率良く精度も高い凶弾を吐き出そうとしている。

 

 ──しかし、この場にはまたさらに別の存在がいた。

 

 日本人が見たら旧世代的だと感じるような鉄筋造りの高層ビル、その屋上には一人──狙撃銃を携え、外套を羽織る小柄な女性の姿があった。

 頭にはVRゴーグルの様な物が付いたヘルメットを被り、そこから流れる銀髪が夜闇と合わさって異様な雰囲気を醸している。

 彼女は今、耳に装着された小型の携帯魔信機に手を押し当て、ここからどこか遠く離れた場所にいる通信相手と会話を交わしている。

 

「エンリル、エンリル、こちらラタ」

『エンリル受信。ラタ、状況知らせ』

「ラタよりエンリル。当方は狙撃ポイントで待機中。……付近の工事中のビルとホテルにスナイパーらしき人影あり。こちらには気づいていない模様」

『エンリル了解──狙撃ポイントを変えるか?』

「いや、狙撃は予定通り1800に実行。狙撃後すぐに離脱する」

『了解。エンリルよりラタ、予定通りオタハイト中央警察の警官隊へ狙撃を実行せよ。狙撃予定時刻は本日1800。ラヴァーナルに栄光あれ』

「ラタよりエンリル、了解。ラヴァーナルに栄光あれ、以上」

 

 通信を終えた彼女は、狙撃銃の二脚(バイポッド)を展張して屋上に置く。その狙撃銃は魔導炸薬弾を使うタイプの実体弾用魔導銃だが、ミリシアル製ではない。

 狙撃銃を設置した彼女は羽織っていた外套を脱ぎ捨てる、そして白日の元にさらされる彼女のシルエット。ヘルメットも異様だが、彼女の服装も大概だった。

 エナメル質のレオタードは彼女のボディラインをこれでもかと浮き立たせるばかりか、首元から臍の部分まであるチャックを全開に下ろし、その隙間からは色白で豊満な胸が苦しそうに谷間を作っている。アンダーバストに巻かれたベルトは本来様々な小道具を引っ掻ける為の物だが、今のところ双丘を持ち上げる以外の用途を見出だせない。

 際どいV字を描くハイレグは、桃の形をした安産型の尻を強調するように滑らかな曲線を描き、これまた色白の尻肉がはみ出る──そして背中には白黒一対の小さな羽が生えている──身体を屋上へとうつ伏せさせると、むにゅりとスイカ大の白玉は床に押し付けられ、パンを捏ねるように形を変え、鏡餅みたいに楕円形に潰れる。

 ベストポジションを取ろうと身体をモゾモゾと動かす度に、黒く輝く布はクチッ、クチッと音を立てて尻に食い込む、これには流石に彼女も痛い思いをしていたが。

 ヘルメットの側面からコードを引っ張り出す。普通なら筒状であるが、長方形で様々な機器がはみ出ている異質なスコープの側面にコードを取り付け、起動ボタンを親指で押し込んだ。

 

「くうぅっ……!」

 

 苦悶の声が思わず漏れる。そのスコープはアニュンニール皇国が様々な人体実験の果てに産み出した狂気の産物であった。

 具体的には古の魔法帝国の生体兵器の開発記録を参照し、脊髄に魔導式同調装置を直結させる事により正確性、ラグの軽減を担保しようと考えたのである。さながら人間FCSとでも言うべき品物だ。既に何十人もの廃人を産み出してすらいる。

 おまけに副産物として、実験対象者の記憶力によってのイメージ誘導も可能となっており、有り体に言えば空自の93式空対艦誘導弾(ASM-2)のシーカーと同じ事を行えるのである。

 撃つべき対象を彼女は円環の中へと捉えた。外環は相変わらず橙色の靄が掛かっているが、人間兵器と化した彼女は何も思う事はない。銃と直結しているせいもあり、18時きっかりに対象へ弾丸を叩き込むだろう。その技術力はグラ・バルカス、ミリシアル双方の狙撃手どころか、狙撃技術だけなら日本の特殊作戦群すら上回るだろう……。

 

「……ラヴァーナルに栄光あれ」

 

 引き金に添えた指に力を込める直前、彼女はボソリと呟く。

 彼女がそこにいる理由は、オタハイトでの混乱をさらに悪化させること、そしてこの世界をさらなる混沌の渦中に叩き込むこと。ただそれだけであり、それこそが彼女とその祖国が望んでいることだった。

 

 そして18時ちょうど、3ヵ国の工作員は示し合わせた訳でもないにも拘らず、完全なる偶然で同時に発砲した。

 3カ所から放たれた3発の凶弾が超音速で警官隊とデモ隊に襲い掛かる。

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻

首都オタハイト 議政府回廊

 

 その銃弾の飛翔音は、突然大通りに鳴り響いた。

 沸いた銃声が夜の広場に響き渡り、放たれた三発の弾丸は、それぞれ別の警官とデモ隊に命中した。

 

「ぐあッ──!」

「がッ!」

 

 工作員の狙撃銃から放たれた超音速のライフル弾は、2発がデモ隊と最前列で睨み合っていた警官達に、1発がデモ隊に命中した。

 警官隊を襲った1発は最前列の警官の胴体を大盾ごと貫き、もう1発はガス銃を手に後方で待機していたガス銃分隊を率いる分隊長の警官の頭部を破裂させた。

 断末魔の絶叫と鮮血が周囲に飛び散った後、甲高い銃声が木霊する。超音速ゆえ、発砲音は着弾した後から反響した。

 

「撃たれた!?」

「なんだ、どうした!」

「銃撃だ!銃撃!」

 

 ついさっきまで余裕をもってデモ隊と対峙していた中央警察の警官隊は、一瞬でパニックに陥った。

 

「どこだ!どこから撃たれた!?」

「警備車の後ろに隠れろ!」

「ガス撃て、ガス!視界を遮れ!」

 

 命令と怒号が交錯する恐慌状態の中、ガス銃を構えた警官らが煙幕代わりに催涙ガス弾を発射したことで、大通り一帯に白煙が漂い始めた。

 一方、デモ隊の方でもパニックは起きていた。

 グラ・バルカス工作員により1発が撃ち込まれた7.7mm弾は、デモ隊の最前列でシュプレヒコールの音頭を取っていた中年労働者の頭部に命中した。

 超音速の弾頭は労働者の頭蓋骨を破裂させ、辺りに鮮血と脳漿をぶちまける。デモに参加していた気の弱い主婦が悲鳴を上げ、たちまちデモ隊はパニックに陥る。

 しかも警官隊の発射した催涙ガスが視界を遮り始めたことで、混乱に拍車をかけていた。

 

「いやぁぁぁ!!」

「なんだ!?警察の連中が撃ったのか!?」

「アイツらついに暴挙に出たぞ!もう許せねぇ!」

「腐れ政府の公僕どもを許すなァ!突っ込め──ッ!!」

「「「オォオオオオ──ッ!!」」」

 

 混乱した群衆が警官隊に突っ込んでいく。

 催涙ガスで彼らの視界と感覚器官は麻痺しつつあったが、デモ隊はそれをものともせずに催涙ガスの煙幕の中を突進していく。

 一方の警官隊も群衆の雄叫びと雑踏音により、デモ隊の突撃にすぐ気が付いた。

 

「隊長、デモ隊が突撃してきます!」

「何ッ!?放水車、デモ隊を近づけさせるな!」

『了解。放水開始、放水!』

 

 日本警視庁払い下げの数台の高圧放水車が、高圧の水流をデモ隊に直射する。

 水流をもろに食らったデモ隊の人間が何人か吹っ飛ばされるが、大通り一帯を埋めつくして突撃する群衆の津波を押し返すには至らない。

 

「ダメです、数が多すぎて止まりません!」

「クソ……!来るぞ、総員構え!」

 

 指揮官は大盾を構えるよう指示。

 覚悟を決めた警官らは片足を後ろに下げ、大盾を押し出すように前に構える。

 そこにデモ隊の群衆が突っ込んだ。

 一瞬、警官隊はデモ隊の波に押されたが、すぐに押し返す。しかしデモ隊側は次から次へと後ろの群衆が殺到し、警官隊はジリジリと押し出され始めた。

 日本の警視庁機動隊による訓練を受けた彼らだが、その訓練の成果を以てしても、目の前に殺到する数万の群衆を押しのけるのは困難だった。

 最前列では警戒線を突破したデモ隊が警官たちと乱闘を始めており、互いに殴ったり蹴ったりしながら揉みくちゃになりつつある。それどころか群衆が警官隊の壁を押しのけ、警察の防衛線を突破しつつあった。

 

「マズいです、押されてます!」

「警戒線の一部が突破されました。待機中の人員を応援に向かわせましたが、突破した群衆が多すぎて対応しきれません!」

「クソッタレ!本部に連絡、議政府回廊前の警戒線は突破されつつあり、至急増援を乞う、とな!」

「了解!」

 

 指揮官は毒づきながらも指示を飛ばし、部下が返事する。

 その指示により、警察無線を通じてオタハイト中央警察本部庁舎に増援要請が送られる。

 オタハイト全域で暴動とデモが起こっている現状、議政府回廊前に送れる増援の警察部隊はない。

 しかし幸いにも議政府回廊には連邦軍の部隊が展開している。中央警察本部は連邦中央政府を通じ、連邦軍による応援を要請した。

 

 ──その要請がまさか、後の悲劇を生み出すとは誰も予想していなかった。

 

 中央政府が「破壊活動」に備え、よりにもよって連邦軍でも特殊な戦力である自爆ドローン部隊を展開させていたこと。

 そして中央警察本部の要請と、議政府回廊前の警戒線突破という報告から、中央政府は「破壊活動」が自分たちの目前に迫っていると勘違いし、震撼してしまったこと。

 情報源がよりによって今をときめく日本国情報省からの、そしてムー政府が信仰に近いほどに信頼する高技術な諜報機器によって入手されたこと。

 これらの要因により中央政府は、()()()()ともいえる命令を連邦軍に下した。

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻

首都オタハイト 議政府回廊 裏路地

ムー連邦統治軍車列

 

 この暴動を受け、付近の裏路地で待機していた連邦軍の車列の方でも動きがあった。

 指揮官の一人が日本製の無線機──移動加入端末装置──の受話器を片手に、上級指揮官からの命令を受け取っていた。

 

「はい……はい……確認ですが、本当によろしくて?」

 

 指揮官の声には、多少なりとも困惑の色があった。

 それもそのはず、彼が受け取った命令は民間人を標的とした武装鎮圧の命令であり、指揮官がためらうのも無理はない。

 

『構わん、奴らはグラ・バルカスとミリシアルに煽動された分離主義勢力だ。貴官はさっさとその玩具を奴等にぶつけたら良いんだ!さっさと実行せんかぁ!!!』

「はっ……了解いたしました、すぐに取り掛かります」

 

 かなりヒステリックに叫ぶ上級指揮官からの命令を受け、部隊指揮官は受話器を置き、深く息を吸った。

 彼自身迷いはあったが、連邦軍人として命令は忠実に受け取り、実行するつもりだった。その覚悟はこの一呼吸の間に定められた。

 彼は通信機の受話器を手に取り、送信モードに切り替える。その無線は彼の指揮下の部隊に繋がれる。

 

『総員に告ぐ、総員に告ぐ。先刻より中央政府より国家非常事態宣言が発令された。これより我々は、緊急事態につき特務作戦αを開始する』

 

 指揮官の言葉を受け、裏路地の各所に散らばっていた”黒蜂”の部隊員とトラックは、無線を聞きながら戦闘態勢を整える。部隊員たちにも緊張が走り、無線を注意深く聞く。

 

『現在中央警察は、デモ隊との本格戦闘に突入しているが、形勢は不利な状態だ。まず我々は中央警察を援護する。各員、連邦へ勇気と忠誠を捧げよ』

『こちら第1中隊、了解』

『こちら第2中隊、了解しました』

『第3中隊、こちらはいつでも』

 

 この部隊は、連邦軍初の小型無人機攻撃部隊として創設された中央軍管区の特殊部隊だ。

 通称──黒蜂部隊。対ゲリラ戦闘のために自爆ドローンを大量に導入した、ブラックオプス専門部隊だった。

 各部隊員たちからの報告を受け、指揮官は既に裏路地から飛び立っていたドローンの空撮映像を片手のタブレットで見る。

 市民たちが武器や火炎瓶を持って議政府回廊を進んでいく様子を見て、部隊指揮官は冷たく命令を発した。

 

「……まずは非国民共を露払いする、ドローンを射出せよ」

「了解、全部隊ドローン射出!上空に展開させよ!!」

 

 その命令はすぐに各所に伝達され、彼らは行動を開始した。

 部隊に随伴する中型トラック──日本から輸入した73式トラック系列の改造車──の天幕が外され、中から大量のドローンと射出機が露出する。

 中のドローンは日本製の民間ドローンだが、下部には何かの粘土のような物体を抱えている。

 この裏路地は周囲に誰もおらず、市民の目から離れている。彼らは市民の目がデモ隊に気を取られている間に、そのドローンたちを連続で射出した。

 ドローンはカメラをオンにし、半自立飛行で空に飛びあがると群体を組んだ。

 そしてドローンは市民の方向へ向かい、群体のまま飛行していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻

首都オタハイト 議政府回廊中央広場

 

 自爆ドローンに狙われていることを知らない市民たちは、各所の政府機関に次々と火を放っていく。

 すでにオタハイトの中央警察本部庁舎は包囲され、火炎瓶が放たれている。外務省の建物も同様に包囲され、たまたま路上の車に居合わせた外務省の職員が市民に拘束されていた。

 

「や、止めろ……私は外交官だぞ、関係ない……!」

「ふざけんな!てめえらが日本人共と関係を続けたんだろうが!」

「俺たちを不平等条約で絞めつけやがって……殺してやる!」

 

 それらの暴行により逃げ遅れた人々が悲劇に遭う中、怒り狂った群衆はさらに前へと進む。

 その道中で日本製品を扱っている店を見つければ、容赦なくシャッターを突き破って略奪を繰り返し、その日本製品を破壊し続けた。暴動を続ける彼らは、政府中枢が多く点在する中心部へと向かう。

 

「行くぞ!このまま議事堂を占拠してやる!」

「公僕共をぶっ殺してやれ!!」

「「「おぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」

 

 怒り狂った彼らが見境なく暴力を振るう中、デモ隊の参加者の一人が空に響く何かの音を聞き、立ち止まった。

 

「ん、なんだこの音?」

「おいおい……軍の飛行機械じゃないよな?」

「気にするな、どうせ軍は俺たちを攻撃できん。さっさと行くぞ」

 

 しかし、その羽音のような音は段々と大きくなって近づいてくる。

 さすがに他の参加者もその音の異変に気付き、上空を見上げた。

 

「お、おい!空に何か来てるぞ!」

「あれは……ドローン?」

 

 すると一人の目のいい参加者が、夜の雪が降りしきる空に何かが無数に飛んでいるのを見つけた。

 それと同時に数機が顔認証でデモ隊を見つけると、ドローンのプログラムは事前情報をもとに彼らを敵性対象として認識。ドローンは自律的に高度を下げ、一気にデモ参加者に突入すると、腹に抱えられた高性能爆弾を起爆させた。

 

「うわっ!!」

「な、なんだ!?」

「自爆しただと!?」

 

 参加者の目の前で自爆したドローンは、機体の破片が飛び散って参加者の身体に被害を与える。

 まさかドローンが自爆するとは思っていなかった参加者の体は、飛び散ったドローンの破片によりズタズタに引き裂かれ、内臓が破裂し即死した。

 地面に倒れる参加者数名を見て、誰かが青い顔で叫んだ。

 

「ま、まずい……全員逃げろ!早く!」

「何百機も来てるぞ!!」

 

 だが彼らが危険を知らせるのもつかの間、自爆ドローンの群れはさらに群衆へ向け突入していく。

 その数は数十、数百にまで上るともいえる膨大な数のスウォームドローンだ。群衆は急いで逃げ惑うが、ドローンの降下速度にすぐ追いつかれ、何度も爆発が起き、デモ参加者は次々と死んでいく。

 

「やめろ、死にたくない!助k──ぐわっ!?」

「いやだ!俺を狙わないでくれぇ!!」

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 議事堂前の群衆は散り散りになって逃げ惑うが、彼らを敵として判断したドローンによる攻撃は止まらなかった。その後、群衆たちがほぼ全滅するまでこの攻撃は続いたという。

 そしてこの日、議政府回廊前をはじめとするオタハイトの数ヵ所で推定1,000人あまりの市民が自爆ドローン攻撃により死亡した。

 攻撃から時を置かず、中央政府はオタハイトに戒厳令を布告。連邦軍中央管区の部隊が市内各所に展開し、騒乱は終息した。

 

 だが、この事件はムー連邦国内の様々な人々、あるいは勢力が抱いていた中央政府への不満を爆発させることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

【ムー連邦の各地で流されたSNSでのライブ配信】

アカウント:ムー連邦陸軍西部管区総軍

ライブ開始時:午前1:00

 

『ムー連邦の国民の皆さん。および、この配信を見れている全ての皆さん。夜分遅くに騒ぎを起こして申し訳ない。

 私はムー連邦陸軍西部軍管区所属、第3独立戦車旅団の旅団長フリスク大佐です。このアカウントは、西部管区総軍のものでしたが今は違います。我々が西部管区総軍の通信設備を制圧し、配下の通信部隊を介して配信をしております。

 これは、我々が政府軍に対して反逆を起こしたことを意味します。皆さんには、それをまず受け止めていただきたい。ではなぜ我々が、このような手段をとったのか……それを今からお話しいたします。

 まず第一に、我々の政府は信じられない強硬策を取りました。デモ行進を行う民衆を、自国民を、政府はドローンで虐殺したのです。まだ新聞にも報道されていないことですが、勇気あるオタハイトの民衆は、政府が規制を行う前にSNS上にその悲惨な光景を流してくれました。それにより、我々は真実を知ることができました。

 第二に、我々にも同様の命令が下されました。戒厳令が発令されている中、怪しい行動を起こした市民は、射殺しても良いと。我々は正気かと疑いました、今でも信じられません!

 我々は名誉ある軍人であり、自国民への虐殺行為は断じて受け入れられない!そして皆で話し合い、決めました!我々だけでも立ち上がって、軍の指導者の悪を止めなければならないと!

 我々は正義のために、オタハイトまで前進します!この配信が終わる頃、すぐにでも出発し、野を越え山を越え、25000人の同志たちと共にオタハイトへ入城します!

 しかし、政府軍は強大です。我々だけではすぐにでも玉砕します。ですが、この配信を見た軍人、政治家、有権者の皆様は立ち上がってくれると信じています!

 我々は玉砕します!その覚悟を持っています!しかし、もし皆様にも覚悟があるならば、どうか我々と合流していただきたい!』

 

 

 

 

 

 

 

 

【地下組織による第一文明圏宛の暗号通信】

発:北部ナッシル州の山奥

宛:第一文明圏、詳細不明

 

『昨晩深夜にて、ニホンの傀儡と化した中央政府と中央管区総軍が、我が国の民衆に対して強行策に及んだ事が確認された。ドローンによる一方的な虐殺だったそうだ……大勢の民衆が犠牲になっている。もう我慢ならない。

 これを受け、反乱の同志たちは各所で立ち上がっている。正規軍の方でも一部部隊がクーデターを起こしたそうだ。

 我々を支援してくれる心優しい方々、このチャンスを無駄にしてはならない。今こそニホンの傀儡政権を倒し、魔帝の影を振り払うチャンスだ!()()なるムー連邦は貴方達連合国に参戦する!』

 

 

 

 

 

 

 

 

【ムー連邦軍中央管区総軍宛緊急通信】

発:中央管区第117歩兵師団司令部

宛:中央管区総軍

 

『昨晩発生した第3独立戦車旅団の反乱は、現実でした。

 彼らは旅団長のネット配信の時から既に進軍を開始しており、早急に██市にあった西部管区総軍の司令部を制圧し、その勢いのまま中央管区に侵入。既にオタハイトまで400km地点の██市に侵入しています。これはたった18時間の出来事です!我々は迎撃の許可がありませんので、無抵抗のままです!

 しかも悪いことに、彼らは事前に多数の旅団に根回しをしていたのか、各管区総軍からの離反、及びオタハイトへ向かう車列への合流が相次いで発生しています。

 現在オタハイトに向かっている戦力は兵員2万5000人にまで及ぶと見られ、戦闘が発生しても、我々一個師団では抑えきれません。

 早急に反乱軍に対する鎮圧命令と、増援の派遣をお願い致します!これは国家を揺るがす非常事態です!』

 

 

 

 

 

 

 

 

【ムー連邦軍南部管区総軍宛通信】

発:南部管区第21軍司令部

宛:南部管区総軍

 

『首都オタハイトで起きた騒乱に対し、中央政府と中央管区総軍が取った強硬策に、我が連邦陸軍第21軍は強く遺憾に思っている。

 自国民の虐殺すら命令する中央政府および、命令を愚直にも遂行して千人以上の尊き人命を奪った中央管区総軍を、我々はもはや信用できない。

 また、先日ムー連邦統治軍から離脱した旧西部軍管区第3独立戦車旅団の将兵らの志と覚悟に、我々は強い共感の念を抱いている。

 この件に関して、我々は管轄地域を同じくする第23軍、および管轄地域内のカロッシュ州知事と会談を行い、次の合意を得た。

 本日より第21軍と第23軍はムー連邦統治軍から離脱。

 カロッシュ州もカロッシュ共和国としてムー連邦から独立し、我が第21軍は第23軍とともにカロッシュ共和国臨時軍としてこれに合流。中央政府および中央管区総軍と対峙することを、ここに宣言する。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ムー連邦中央政府宛要請書】

発:中央管区総軍司令部

宛:中央政府非常事態省

 

『西部管区第3独立戦車旅団が反乱して以降、他管区総軍の複数の軍、軍団、師団、旅団でも連邦統治軍からの離脱が宣言されました。

 これらは反乱軍として行動し、我が中央管区総軍へ攻撃を行っております。

 また、連邦各州および都市の独立宣言、ムー連邦からの相次ぐ離脱も留まるところを知りません。

 我がムー連邦は急速に瓦解しており、内戦状態に陥りつつあります。状況は60年前の南北戦争の時よりも悪く、最悪といえるでしょう。

 この事態は最早、中央管区総軍の戦力だけでは解決できません。混乱する事態の収束は不可能です。ここは一刻も早く、同盟国日本への救援要請を!』

 

*1
先に述べた通り、本来は日本が有事への対策目的で整備したため、急ピッチで全土に張り巡らされていた。

*2
某山荘立て籠もり事件では2枚重ねにしても銃弾が貫通した。




情報コラム

『日本製携帯端末』
 転移後、日本はLSI等の外国製電子制御部品の輸入が断絶したことにより、携帯電話やスマートフォンなどが枯渇する危機が発生。
 これに強い危機感を抱いた日本は政府主導で大手企業に出資し、コピーも想定内に入れた国産電子制御部品の研究開発・生産体制の整備を急ピッチで行わせた。
 幸いにも特許やライセンスを無視した、なりふり構わぬ早期開発(実態はほぼコピーだった)により、LSI等の問題は比較的早期に解決。ひとまず携帯端末枯渇の恐れは回避された。

 その後は転移により地の底まで落ち込んだ日本経済回復のため、政府と経済界は外貨をかき集めるべく、あらゆる製品輸出を促進。各国に電話通信網の輸出も進められていたため、併せて国産の携帯端末も輸出されることになった。
 これらには各国へ輸出されたネット通信網にも接続するブラウザ閲覧機能が備えられたが、機能はかなり簡素化することで生産性と低価格性を獲得し、各国への大規模輸出を達成。第2文明圏を筆頭に、新世界でのネット通信網普及を後押しした。
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