新世界の敵、日本国   作:篠乃丸@綾香

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第四十五話『世界連合艦隊の悲運』

通報から数分

オタハイト湾内 政権軍臨時編成艦隊

 

 湿気る外洋とは打って変わり、比較的なだらかで落ち着いた波だけが立つオタハイト市の湾内。

 戦艦ラ・カサミの艦橋にて、艦隊司令官のレイダーは通信士からの報告を待ち、目を閉じていた。

 そして待機から数時間が経ち、ついにその時が訪れる。

 

「ニホン海軍潜水艦より入電!!」

 

 通信士が叫ぶ。艦橋にいる司令部要員たちが、一斉に彼に振り向く。

 

「我、敵艦隊発見。オタハイト沖合300Km、沿岸部ヘ向ケ進行中!」

「……来たか」

 

 レイダー司令はその言葉を確認すると、即座に艦橋を後にして階段を下りた。艦橋下に備え付けられたCICへと向かうのだ。

 ほぼ直角に見える階段を下りている途中、艦長のミニラルが彼に追いつき、後ろから意見具申された。

 

「司令、敵は400隻を超える大艦隊です。このままでは……」

「艦長、焦るな。戦闘配置を継続、待機だ」

「ですが……」

 

 ミニラルは艦隊が置かれた状況を鑑みて、そう強く具申するも、レイダーの意志は固かった。

 

「敵が射程に入るのを待ち、全対艦ミサイルを叩き込む。こちらから仕掛けるのは愚策だ、我々は好機を待つ」

「はっ……」

 

 レイダー司令はそう言って固い意思を示し、ミニラルを黙らせ階段を下りた。

 降りた先のCICでは、多数の士官たちが暗い部屋で青白い画面を見ていた。部屋は狭く、コンソールを監視する水兵たちの間を縫わなければ移動もままならない。

 ここはラ・カサミが日本の手によって改装されてから設置されたものだ。この船の環境はほぼ作り直されているため、設備はほとんどが新しいものになっているが、容積の限界から来る狭さは拭えない。

 

「参謀、内陸の運河の掌握はどうか?」

 

 レイダーはCICで戦域マップを見ていた艦隊参謀に、状況を問いかける。

 比較的若手の参謀は、即座に回答を持ち出してきた。

 

「はい。陸軍によると、撤退ルートはあと一つ街を掌握するだけで確保できるそうです」

「よし、では逃げ道は確保できそうだな」

「彼らを信じましょう。我が陸軍は優秀ですから」

 

 レイダーは壁に表示された戦域マップを見て、400隻を超える敵のフリップを睨む。

 敵が射程圏内に入るのをじっと待ちながら、彼らはその牙を研いでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻

グラ・バルカス帝国海軍 世界連合艦隊

 

 一方で、波が立つ大海原では、艦隊の騒乱が続いていた。

 

「全艦、対潜回避運動!」

 

 打撃部隊を指揮するミレケネス・アンネッタ大将は、配下の戦艦部隊に魚雷を警戒した回避運動を行わせ、日本の潜水艦からの攻撃に備えていた。

 ミレケネスの乗る戦艦バルサーも大きく揺られ、左右に回避運動を行っていた。艦橋乗組員は手ごろなものにしがみ付いて揺れに耐えている。

 

「……司令!いくらなんでも警戒しすぎでは!?前衛の我々がここまでする必要はないかと思われます!」

「デルンジャ、敵の潜水艦が一隻とは限らないわよ!」

 

 左右に揺られて酔いそうな参謀のデルンジャを、ミレケネスは叱咤した。

 確かに現代の潜水艦は二隻単位での行動が基本である為、警戒するのは間違った行動ではない。

 

「しかし、これでは当初の波状攻撃の作戦が……」

「どうせ後方も、航空機の発艦は中止してるわよ」

 

 ミレケネスはこの状況で後方の空母が航空機を吐き出せる状況にはないと睨み、今は艦隊の保全を第一として回避運動を優先した。

 実際のところ、彼女の勘は間違っていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 深度400m 

海上自衛隊 SSEN〈たいげい〉

 

 世界連合艦隊が追いかける潜水艦〈たいげい〉は、戦域からの退避を続けていた。

 艦内が緊張と集中によって静まり返る中、ソナー員が周りの状況を伝える。

 

「敵駆逐艦、デコイに釣られています。我が方から遠ざかりそうです」

 

 追跡してきていた駆逐艦が、別方向へと遠ざかっていくのが艦内からも聞こえていた。

 ごうんごうんと、水をかき分けるスクリュー音が遠くへ離れていく。

 だが──

 

「上方、新たな敵駆逐艦」

「くそっ、次から次へと」

 

 また別の駆逐艦が、〈たいげい〉の艦上方に展開された。どうやらこの海域のノイズをかき分けて、潜水艦を見つけに来ているらしい。

 このままではキリがなく、海域からの離脱もままならない。そう考えていた艦長に対し、副長が手を挙げた。

 

「艦長、意見具申があります」

「なんだ?」

「一度敵艦をサブハープーンで攻撃しませんか?このままでは離脱もままなりません」

 

 副長はこの危機的状況を打開すべく、こちらから攻撃することを述べた。

 確かに海域が敵駆逐艦で覆われているならば、攻撃してその数を減らせばよいという作戦だ。

 

「ふむ。確かに、一度爆雷攻撃を受けている以上、自衛権の行使で攻撃は可能だが……」

「サブハープーンなら、ブイを出さなくても弾頭のレーダーだけで攻撃は可能です」

 

 副長からそういわれるが、艦長は未だ迷っていた。

 この潜水艦が日本の物だという確証は、状況から見て世界連合艦隊も分かっている事だろう。そんななかでこちらから攻撃するというのは、先制攻撃に他ならない、

 ムー大陸が複雑怪奇な内戦に陥っている以上、下手な攻撃はそのカオスをさらに悪くする悪手ではないかと。

 

「艦長、それに関して私からも意見を」

「なんだね?」

「せっかくですからトマホークも使いましょう。敵艦隊の中央に投げつけて、逃げる時間を稼ぐのです」

 

 そこに砲雷長がさらに進言する。

 砲雷長もやる気であったのか、すでに手元のトマホーク発射指示装置の近くに手を置き、いつでも諸元を入力できるようにしている。

 

「敵艦隊にトマホークをぶっ放すのか」

「やりますか?」

「……やろう」

 

 その様子を見て、艦長はしばらく目を瞑り、ようやく決心した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻

世界連合艦隊 グラ・バルカス帝国海軍 旗艦グレード・アトラスター

 

 一方で、後方の方でも対潜警戒が続いていた。

 空母は発艦作業を中止。戦艦、巡洋艦なども回避運動を優先し艦隊の安全を確保している。

 一番大忙しで責任重大なのは、対潜装備を搭載している駆逐艦だった。今、艦隊の駆逐艦のほとんどが対潜戦闘に従事し付近の捜索を行っている。

 

「ピケット駆逐艦〈ルイテンⅥ〉より入電!敵潜水艦の撃沈を確認!」

「よし……」

 

 真っ先に日本の潜水艦を発見し、対潜水艦戦闘を行っていた駆逐艦〈ルイテンⅣ〉から報告が上がる。

 艦橋に安堵の声が上がり、誰かがガッツポーズをした。

 

「対潜用具、納め待て。まだ海域に潜水艦がいるかもわからん」

「了解です。警戒を続けます」

 

 艦橋に油断が蔓延ることを危惧したカイザルは、すぐに命令を上書きして警戒を緩めさせない。

 ユクドにおいても、対潜水艦戦闘で一番危険なのは一隻撃沈した直後だ。油断して足が止まった駆逐艦は、まだ潜んでいる潜水艦に食われてしまうかもしれない。

 

「カイザル司令、撃沈した潜水艦の残骸が上がってくる筈です。回収を指示しますか?」

 

 そう言って来たのは、艦隊の若手参謀の一人だった。

 振り返ると、彼の後ろに先進技術研究所の職員が控えている。おそらく彼に頼まれたのを、上手く解釈して自分に伝えたのだろう。

 

「そうだな、部品や装甲板があったら回収しておきたいが……今は危険すぎる。後にしてくれ」

「了解しました」

 

 カイザルとしても、高い静音性を持つ日本の潜水艦の部品は欲しかったが、手に入れるにはこの海域は危険すぎる。

 まだ潜水艦がいるかもわからないのに、おちおちと回収作業などしていられない。そう結論付けた。

 

「(しかし、潜望鏡を上げてくるまで見つけられなかったとはな)」

 

 カイザルは改めて、日本の技術力の高さを物語る事実を目の当たりにしていた。

 だから戦争は避けるべきだったんだと思うが、もうここまで来てしまったのなら、後戻りすることは叶わない。

 今は艦隊司令官としての任務を全うするしかない。

 その時だった。見張り員が何かを見つけて大声で叫ぶのが、艦内電話越しに響き渡った。

 

『左前方!何かのロケット噴射を確認!』

「何!?」

 

 カイザルは慌ててその方向に向け、双眼鏡を照らし合わせる。

 だだっ広い大海原の只中、そこにロケット弾の噴射炎が見えており、何かが水面から飛び出していた。

 

「なんだあれは!?」

「ロケット弾が爆雷投下中の〈ルイテンⅥ〉に!」

 

 ロケット弾は水面高く飛翔し、弾頭のレーダーを起動。一番近くでまだ爆雷を投下中だった〈ルイテンⅣ〉に目標を定め、一気に高度を下げて突入していく。

 刹那、轟音と共に弾頭が起爆した。

 100kgの炸薬が、爆炎を上げ海面に衝撃波を生み出す。その威力に巻き込まれた〈ルイテンⅣ〉は、艦橋丸ごと消滅し、船体は真っ二つに引き裂かれた。

 

「く、駆逐艦〈ルイテンⅥ〉に着弾!行き足止まります!!」

 

 榴弾の破片により機関部も損傷したのか、自力で航行すらできなくなった〈ルイテンⅣ〉は、そのまま海を漂うように行き足が止まる。

 その攻撃を見て、艦橋では動揺が走った。

 

「なんだあれは!?海中からロケットが飛び出したぞ!?」

「ま、まさか潜水艦から誘導弾が……!?」

 

 動揺する他の士官達をよそに、カイザルは強く言い放つ。

 

群狼戦術(ウォルフ・パック)だ!さっき沈めたヤツ以外にも潜水艦が居るぞ!探し出せ!」

「なんてことだ……全艦対潜戦闘を継続!急いで炙り出せ!」

 

 カイザルはこの攻撃を潜水艦からの攻撃と断定し、群狼戦術だと見た。

 しかし、彼らが最初に撃沈したのは音響欺瞞デコイであり、〈たいげい〉が健在だった事実など知る由もない。

 そして、艦隊は潜水艦を燻り出すため必死になって行動し始めた。

 駆逐艦はそこらかしこに散らばり敵潜水艦を探し出し、巡洋艦は回避行動に移り、主力艦はそれに守られるように下がっていく。

 

「まだ敵潜水艦を発見できません!」

「反応が無くても良い!爆雷を投下し続けろ、そこら中に潜水艦が居ると思え!」

 

 見つけられなくても、とにかく今は潜水艦を炙り出さなければならない。そこら中に潜水艦が居ると仮定した艦隊は、たとえ反応がなくても爆雷を投下した。

 そこら中で爆雷の水柱が轟くが、目立った戦果を上げられているようには思えない。むしろ海中の音が爆雷によって掻き乱され、お互いに索敵が困難になっていた。

 そんな時だった、レーダー員が海面から浮上する物体を検知したのは──

 

「レーダーに感あり!更なる誘導弾が浮上、数、10……11、12!」

 

 その言葉を聞き、先ほどの若い士官が海面を双眼鏡で舐めまわして探る。そして見つけてしまった。

 

「あそこです!右舷距離3400!」

「しまった!」

 

 カイザルがその言葉を言うのと同時に、トマホーク巡航ミサイルは世界連合艦隊の中央、すなわち空母部隊の方へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻

ミリシアル帝国海軍 オリハルコン級戦艦〈コスモ〉

 

 世界連合艦隊が引き連れて来た空母機動部隊。その前衛にはミリシアルの新鋭戦艦〈コスモ〉が、空母を守るべく布陣していた。

 

「レーダーに反応!海中より誘導弾多数出現!!」

「誘導弾、本艦隊に向かってきます!距離12000!数は12!」

 

 僚艦と共に艦隊防空を任されていた〈コスモ〉は、己の任務を発揮するべく12発のトマホークの前に立ち塞がる。

 彼女の神通力は、すでに目標を捉えていた。陸上実験施設の指揮官から、晴れて本艦の艦長に就任したイレイザは、冷静に部下達に指示を出す。

 

「焦るな!対空戦闘始め、本艦で撃ち落としてみせろ!」

「了解!対空戦闘はじめ!」

「クゥ・ウルティマ発射!発射!」

 

 その途端、武装に込められていた魔力を元に一筋の光が天高く登って行った。

 オリハルコン級戦艦は、ミリシアルの先進魔法技術の遂を結集した艦艇である。本艦にはグレード・アトラスターに迫る大口径の主砲のみならず、対空、対艦ミサイルに類似した"ウルティマ"と言う兵器が搭載されている。

 この"ウルティマ型誘導魔光弾"こそが、本艦が特殊性を物語っていると言ってもいい。

 ウルティマは古の魔法帝国の遺産を元に開発された、ミリシアル軍初の誘導魔光弾だ。この神通力がいかに革新的なことか。性能も亜音速までの航空機ならば余裕で撃墜できることは、先のグローバルホーク撃墜事件でも実証されている。

 しかし、今度の敵は甘くなかった──

 

「何発落とした!?」

「だ、ダメです!海面スレスレで六分の一しか……」

「クソッ!!」

 

 インターセプトを確認した砲雷長が、青ざめた顔でそう言った。

 いくら高性能なクゥ・ウルティマといえど、地球で初期のミサイル防空艦が苦戦していたシースキミング目標への対処能力は、時代相応に低かった。

 イレイザは悔しさに拳を椅子に叩きつける。

 

「右舷前方、誘導弾の航跡を確認!本艦にも二発来ます!!」

「被弾に備えろ、右舷装甲強化!アトラタテス砲も迎撃用意!」

 

 悔しさを滲ませる暇はなかった。

 ミサイルとの戦いは一秒一瞬が命取りであることは、彼らも数多くの試験や演習で十分理解していたつもりだった。

 イレイザは素早い指示を出し防御の姿勢に入るが、ミサイルはアトラテスタ砲の対空砲群をすり抜け、此方に迫っている!

 

「一発撃墜!もう一発が来ます!」

「総員衝撃に備え!!」

 

 その刹那、艦は大きく揺さぶられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻

オタハイト湾内 政権軍臨時編成艦隊

 

 沖合での様子は、オタハイト湾内にて待機をしていた政権軍艦隊からは掴めなかった。

 ムー海軍に提供された艦載レーダーは、あの地平線の向こう側まで探知できるほど高性能ではない。

 しかし、海自からの通信は衛星を介してキャッチすることはできた。通信員が大声でレイダー司令に叫ぶ。

 

「ニホン海軍より通信!!敵艦隊ハ我ガ方ノ攻撃ニヨリ統制ヲ失イツツアリ、追撃ノ要アリ」

「……好機到来か」

 

 レイダー指令はその報告を聞き、目を瞑る。

 日本の潜水艦は、たった一隻で世界連合艦隊を相手に取り、勇敢に戦っているようだ。その戦果たるや、敵艦隊を丸ごと混乱に陥れているようだ。

 オタハイト湾脱出のためにも、この好機を逃すわけにはいかない。レイダー指令は目をカッと見開いた。

 

「よしっ!全艦対艦戦闘用意!!」

「了解!対艦戦闘用意!」

 

 その途端、ラ・カサミの艦橋に赤いブザーが鳴り響いた。甲高く、そしてけたたましいブザーの音と共に、艦隊は照準を敵艦隊が居るであろう位置に合わせる。

 

「対艦ミサイル、目標世界連合艦隊!弾道飛行モードでばら撒け!」

「了解です!対艦ミサイル、発射!」

 

 その号令一下、政権軍艦隊から無数の90式対艦ミサイルが発射された。

 ムー海軍向けに多少性能を下げ仕様を変えたモデルではあるが、その威力はオリジナルとほぼ変わらない。戦艦ですら一撃で大損害を与える。

 

「ミサイル第一派、順調に飛行中」

「全艦反転!右舷のミサイルも使っていくぞ、地対艦ミサイル連隊にも攻撃要請!!」

 

 その後もオタハイト湾から無数のミサイルが放たれる。

 放たれた90式対艦誘導弾は、オリジナルには無い弾道飛行モードで射程を稼ぎ、約300km離れた世界連合艦隊へ向け鎌首を振り下ろす。

 その数、艦隊の左舷側ミサイルだけで232発。その全てが世界連合艦隊に襲い掛かった!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻

ミリシアル帝国海軍 オリハルコン級戦艦〈コスモ〉

 

「レーダーに反応──お、多すぎる、もはや測定不能です!!」

 

 コスモの神通力は最早過去の物となりつつあった。先程のトマホークの連打により防空能力が著しく低下しており、自らの身を守るのに精一杯である。

 弾道飛行で飛び込んできた数々のミサイルは、ウルティマの加護を失った艨艟へ無慈悲なる死を与えんとしている。

 生き残る術は………ない!!

 

「衝撃に備えっ!!」

 

 もはや風前の灯となっていた〈コスモ〉の甲板上に向け、第一波のミサイルが命中した。

 まず最初に、ミサイルは〈コスモ〉の艦首部に命中。90式対艦誘導弾の260kg HE弾頭が、装甲強化を失った〈コスモ〉の甲板上を貫通し、内部の構造物をズタズタに引き裂きながらその威力を発揮した。

 続いて二発のミサイルが、今度は主砲基部の甲板に命中した。甲板に対してほぼ垂直に着弾したこのミサイルにより、主砲バーベットはひび割れ、弾薬庫にまでその衝撃が伝わる。

 その後も次々とミサイルが満身創痍の〈コスモ〉へと着弾。しかし幸いにも、艦橋への被弾は一発しかなかった為、艦長のイレイザは損害報告を聞く前に叫んだ。

 

「総員、退艦!!」

 

 もはや戦闘能力を失った〈コスモ〉を、これ以上持たせることは無理だと、イレイザは判断したが故の命令だった。

 臆病な即断に思えるが、クゥ・ウルティマを撃つために専門の訓練を施された乗員を救助する意味では、イレイザの指示は間違っていなかったと言えるだろう。

 




情報コラム

・グラ・バルカス帝国海軍の今
ユグド世界において世界最強を誇り、多数の戦艦と空母を擁したグラ・バルカス帝国海軍であるが、転移による影響を一番受けてしまった海軍になってしまった。
周辺国家がクワトイネやクイラといった良心的国家が多数存在し、尚且つ第三世界最強だったのがあのパーパルディアであった為、その存在意義に疑問を持たれてしまい艦艇数が790隻から562隻程度になってしまったのである。
挙げ句予算も縮小傾向になってしまい、グレードアトラスター級戦艦及びペルセウス級戦艦による旧式戦艦群の更新は凍結されてしまった。
その海軍で一番被害を食らったのは、まさかの伝統有る東方艦隊であり。初戦の敵が借金濡れかつ中世海軍のロウリア海軍であった上に、その後ロデニウスより東方に敵性勢力が出現しなかった為に戦力を引き抜かれ。
反面新参の西方艦隊は西方にパーパルディア、ミリシアル、ムーと強国が存在していたので膨れ上がる様に戦力が投入された。
監査軍もまた同様であり、所属する戦艦がまさかのグレードアトラスター一隻と言う有り様で。護衛も居らず、港でポツンと佇むグレードアトラスターの姿を見て、水兵達はグラ・バルカス帝国海軍の未来を悟ったと言う………。
かの旧世界で猛威を振るった本国艦隊所属の第52地方隊イシュタムは戦力再編によって所属艦艇が櫛の歯が掛けるように少なくなり、戦艦と空母が有るだけマシである。
そして追い討ちを掛けるように海軍内部で部隊内のパイの切り合いが始まってしまう。

例を挙げると駆逐艦部隊や護衛部隊、軍政担当間で内紛が勃発してしまい。
・艦隊駆逐艦と護衛駆逐艦を増産しろ派
・艦隊駆逐艦減らして護衛駆逐艦を増産しろ派
・護衛駆逐艦なんてすぐに作れるんだから先に艦隊駆逐艦増やせ派
・艦隊駆逐艦も護衛駆逐艦も減らせ派
の四組に分かれてしまい何時も会議が紛糾している


戦艦16隻
(東部3西部7本国5監査1)
巡洋艦52隻
(東部10西部18本国16監査8)
各種空母69隻
(東部12西部23本国16監査18)
駆逐艦263隻
(東部62西部95本国65監査41)
潜水艦162
(リーヒ16第一28第二38第三48第四32)

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