首都レイフォリアは大騒ぎであった。
それもそのはず、レイフォル海軍の先遣艦隊43隻が完全に撃破された事が情報伝達で伝わり、軍人たちが忙しく動き始めていた。
そしてここ、レイフォル陸軍における首都最大の陸軍基地ラルス・フィルマイナも、その混乱の余波を受けていた。
首都防衛隊の陸将バルムは、不気味な胸騒ぎを抱えながら作戦室への扉を開け、すでに集まっていた参謀たちに状況を聞き出す。
「バルム将軍!」
「挨拶はいい。状況はどうなっておる?」
参謀の一人が、テーブルに地図を広げて駒を動かしながら説明をする。
「海軍の先遣艦隊は壊滅。敵に与えた損害は全く無いとのことで、海軍は残りの艦艇の準備を整えていますが間に合いません。現在首都周辺の制海権は敵側にあります」
「最高司令より、首都防衛作戦の発令が許可されました!敵は目前に迫っております!」
300年無敗だったレイフォル海軍が惨敗しただけでなく、敵に一片の損害も与えられなかったことに我が耳を疑うバルム陸将。
だが敵が首都に迫っているのは確実であり、今すぐ対策を取らなければ首都レイフォリアは灰になってしまう。バルム陸将は頭を抱えながらも、迅速な命令を下した。
「なんという事だ……仕方ない、第11竜騎士団のワイバーンロードは全て離陸!敵への哨戒と迎撃にあたれ!」
「了解!」
「それから、首都駐留の全陸軍部隊に向け非常召集!作戦展開にあたれ!」
「はっ!」
竜騎士と陸軍部隊を司る二人の参謀に命令を下すと、彼らは急いで魔導通信士にその指示を広めさせる。
バルム陸将は地図上の敵艦隊の予想位置を睨みながら、敵の情報を予測していた。
最新鋭の魔導戦列艦が揃ったレイフォル海軍が、敵に一撃を与えることなく全滅したという事実。だが敵の正体は何だ……?
確か西のニホンとかいう国が、保護国であるパガンダを攻め滅ぼしたことを受け、皇帝陛下の怒りを買ったことは知っている。彼らと戦争に入ったことも、無論知っていた。
だが西の方角には僅かな武器しか持たない蛮族しか居ない。最新鋭で最強のレイフォル海軍を無傷で打ち破るなど、西の蛮族では無理な話だ。
じゃあ、ニホンとかいう国は何者なんだ?
「くそっ、敵は今すぐにでも首都へ迫ってくるぞ。防衛体制を整えろ!」
この状況でバルム陸将に出来るのは、敵の首都攻撃に備えて準備を整えることだけである。
バルム陸将の命令により数万の陸軍兵士たちと数百門の大砲の招集が開始され、ワイバーンたちはいち早く基地を離陸して行った。
「ワイバーン全騎、出撃完了!海上方面へ向かいます!」
「よし。これでいくら敵が強大であろうと攻めあぐねる筈だ。陸軍は?」
「まだ全部隊の約20%ほどしか集まっておりません」
「むぅ……やはり陸上部隊の招集は時間がかかるか」
最悪の場合は飛竜隊に時間稼ぎを命令することになるかもしれないと思いつつ、バルム陸将は窓から西の空を見る。
既に飛行した飛竜隊のワイバーンロードが、美しい編隊を組んで首都の空を飛行していた。ワイバーンロード達は西側の海の方角へ向かい、まだ見えぬ敵を迎え撃とうとしていた。
──だが。
「ん?」
その空の向こう、西側の遥か彼方の方角に光る点のような物がいくつか見えた。それらはクネクネと方向を変えつつ、ワイバーンロード隊へ接近している。
「あれはなんだ?」
バルム陸将を含め、窓を見ていた参謀達もそれに気づき、窓の外を見上げる。
そしてその光る物体が見えた瞬間、槍がワイバーンロード隊へ炸裂した。
「なっ!?」
一瞬で5騎のワイバーンロードが、爆裂によって粉微塵に切り裂かれた。それだけでは終わらない、さらに第二波の槍が飛竜隊へ向かっていく。
『なんだあれは!?』
『さ、散開しろぉぉ!!』
見たことのない攻撃、それを脅威だと知った飛竜隊は一目散に散開し、その攻撃を避けようとする。
だが槍はワイバーンロードが逃げる方向へグイッと曲がり、まるで意志があるかのように追尾して行った。
『ぐわぁぁぁぁ!!』
『追いかけてくる!た、助け……ぐがぁ!』
『嫌だ!死にたくないぃぃぃ!!』
次々と撃墜されていく飛竜隊の悲痛な叫びが、魔導通信越しに訴えてくる。
「だ、第11竜騎士団第1飛竜隊が全滅!」
「第2飛竜隊も何かに追われています!」
参謀達も状況把握に努めようとするが、入ってくるのはワイバーンロードの撃墜報告だけで、何が起こっているのか全く分からない。敵の攻撃だということは分かるが、あまりに殲滅速度が速すぎて敵の正体が定まらないのだ。
「ああっ、第2飛竜隊が全てレーダーロスト!」
「何が、何がどうなっている!?」
陸将バルムは空を見て叫ぶが、ワイバーンの撃墜は止まらなかった。だが狩人の宴はこれに終わらない。
「──ッ!!」
西の空から空をつん裂く爆音が鳴り響く。それと共に、爆発の煙を切り鉄の飛行機械が首都上空を飛び去った。
遅れてやってきた衝撃波が、基地の施設を大きく揺さぶった。あまりに相手が速すぎて窓ガラスにヒビが入り、地面ですら熱に揺れた。
およそ12機の飛行機械は2軸の炎を噴き出しながら急上昇を始め、ワイバーンでは実現不可能な上昇力で空の彼方へ登って行った。
「くそっ、残りの飛竜隊も全て上げろ!上がれる者は全て上がれ!!」
バルム陸将は部下達に吼え、応戦を命じる。
──ウゥゥゥゥゥゥ────ッッ!!!
基地全体に本当の緊急時のみに使われる最大級の警報が鳴り響き、基地内の人間達がより一層慌ただしく動き始めた。
だが飛行機械は待ってくれない、轟音がまた鳴り響く。その奥から飛行機械の第二波が高速で飛んできたのだ。
──ゴォォォォォ!!
「また来たぞ!」
先ほどの飛行機械と同じ、青灰色の飛行機械が基地上空に飛んできた。
基地の人間達の警戒度が最大に高まり、各々が応戦しようと兵器に取り付き、僅かなワイバーンロード隊が飛び立とうとした。
だがその瞬間、飛行機械の内の2機が滑走路の上空に進路を変えた。
レイフォル陸軍が目視で確認したのは、アメリカ海軍第5空母航空団所属の『F/A-18Fスーパーホーネット』の編隊だ。
AMRAAM装備の第27戦闘攻撃飛行隊がワイバーンを殲滅し、レイフォリア上空はほとんど無防備な状態である。そこへ完全爆装の第102戦闘攻撃飛行隊が飛来し、ラルス・フィルマイナの上空に到達した。
『ダイアモンド1よりダイアモンド各機、敵陸軍基地を叩くぞ』
本来ならばパガンダ島からのF-2戦闘機などもレイフォリアまで届くのだが、これらの空自の機体はレイフォル本土の北側を狙って作戦行動を行っている。
なので、比較的南側に位置するレイフォリアへの攻撃には、アメリカ海軍が参加した。そのパイロット達の胸の内には、レイフォル人に対する義憤で溢れている。
友邦の日本人を不意打ちで殺害し、その日本を危機に陥れようとする驕った覇権主義国家。アメリカ人の感覚としては、絶対に許せない相手である。もはや容赦はいらない。
『ダイアモンド2と3は滑走路を叩け』
『了解!』
高速で編隊を組んでいた『F/A-18Fスーパーホーネット』の内先頭の2機が、針路を変えて基地の滑走路へと突入していく。
パイロットは上空から緩やかに降下し、HUDに映ったロケット弾のレティクルで滑走路全体を収める。その中に離陸しようと滑走路を走るワイバーンロードを巻き込んで。
『ダイアモンド2、
パイロットは引き金を引き、機体から連続して空気が抜ける音がするのを確認した。
ロケット弾は連続して滑走路へ着弾し、次々と爆発が起こる。滑走路のワイバーン達もロケットの爆発に巻き込まれ、飛び立つ前に散っていった。
爆裂で穴が空いた滑走路をフライパスし、次に本命の爆装した機体が基地上空へ侵入した。
『ダイアモンド1、ボムズ・アウェイ!』
陸軍基地の各施設に対し、大量の無誘導爆弾が降り注ぐ。それがこのラルス・フィルマイナが陸軍基地として終わった瞬間であった。
バルム陸将を含めた参謀達も、飛行機械の内2機が滑走路へ鼻先を向けたのを作戦室の窓から確認していた。彼らは滑走路へ鼻先を合わせ、まっすぐ飛ぶ。
「何をするつもりだ!?」
誰かが叫んだその瞬間、飛行機械から雨の様なナニカが発射された。その次の瞬間、滑走路にそれが着弾する。
強烈な衝撃波。
爆裂の連続。
『F/A-18Eスーパーホーネット』戦闘機から投射された無誘導ロケットが、誤差数m以内で滑走路に着弾した。
「ああっ!!」
その直前、離陸途中のワイバーンロードが粉微塵に吹き飛んだのが見えた。連続した爆発が滑走路を包み込み、熱と衝撃波が作戦室にも伝わる。
「ば、馬鹿な!あれは火薬式の噴進弾か!?」
バルム陸将は記憶の中からそれを探り当てるが、自分の知っている噴進弾とは威力も爆発の大きさもケタ違いだった。
「報告!滑走路の第3飛竜隊が全滅!」
「滑走路も穴だらけです!ワイバーンが発進できません!」
「あ、あの威力、我が国の魔導炸裂弾に匹敵するぞ!それを飛行機械から、しかも噴進弾で……な、なんという兵器だ!」
バルム陸将はもはや狼狽することしかできず、まともな指示を出せずにいる。いや、新たな兵器で蹂躙されていく中、自分の常識の範囲内で指示を出せというのが酷な話だが。
「将軍!また別の機体達が!」
再びの轟音、そして金切り音。上空を通り過ぎて行ったF/A-18Fの機体達が基地へ何かを落とした。
「あれは何だ!?」
バルム陸将は空から降ってきたナニカを見上げ、その正体を掴もうとする。だがそれが何なのかを知る前に、彼の目の前に投下された無誘導爆弾が炸裂した。
陸軍基地ラルス・フィルマイナに、100を超える無誘導爆弾が投下された。司令室を含め、滑走路やその他施設、そして武器庫弾薬庫などで無誘導爆弾は炸裂した。
爆弾は施設を粉々に粉砕し、各所に集まっていた兵士達すらも巻き込んで吹き飛ばし、焼き殺した。煉瓦の建物が全て、激しい爆発の手に包まれる。
軍人達の努力虚しく、ラルス・フィルマイナを荒らした『F/A-18E』と『F/A-18F』の編隊は上空をフライパス。一度母艦へと帰って行った。
レイフォリアの中心部にあるレイフォル皇城でも、アメリカ海軍の攻撃による爆音と、陸軍基地ラルス・フィルマイナからの爆発が音として伝わっていた。
皇城の内部からは陸軍基地が見えないが、その場にいた関係者の誰もがその異常事態を確認しようとしている。
この時、レイフォル国の主要幹部達が全員集まって皇城内部の会議室にて緊急会議を行っていた。その中には、音を聞いて青ざめたまま固まるレイフォル13世の姿もあった。
「な、なんだ……何が起こっておるのだ?」
その時、軍関係者の一人が焦げた軍服を着たまま会議室に入ってきた。彼は悲痛な表情で報告を叫ぶ。
「ほ、報告します……!首都防衛隊の基地ラルス・フィルマイナが、爆発を起こして壊滅した模様です……!」
「な、何ぃ!?」
軍最高司令官のルゲロ大将軍が、当然の報告に対して激しく狼狽した。ルゲロ大将軍はたまらず聞き返す。
「ば、馬鹿な!ラルス・フィルマイナは首都防衛隊の基地として、国内で最も強力で防御力が高かったはずだ!何かの間違いでは!?」
「ま、間違いありません……!私がこの目で敵の飛行機械を見たんです……!」
報告に来た軍人の肩を掴み、激しく揺さぶりながら彼を問いただすルゲロ大将軍。だが、ラルス・フィルマイナが壊滅した事実は変わらない。
「敵が飛行機械をだと!?何が、何が起こったのだ!?」
これにはたまらず、レイフォル13世も問いただす。
「おそらくニホン軍の攻撃です……!飛行機械が空から爆発物を投下して、作戦室も、倉庫も、施設も滑走路も、全て破壊されました……!」
そう言って報告に来た軍人はフラリと倒れ、慌てて待従者に引き渡され介抱される。
その様子を見て状況の信憑性を把握したルゲロ大将軍は、自身から血の気が引くのを感じていた。
ラルス・フィルマイナがやられたということは、すなわち首都レイフォリアの防空を担うワイバーンロードと、陸軍部隊が全滅したということになる。
それは、首都目前にまで敵艦隊が迫っているこの状況下では看過し難かった。
「まずい!まずいぞ、まずい!このままでは、レイフォリアの防衛はどうするのだ!」
狼狽するルゲロ大将軍に対して、レイフォル13世がヒステリックに叫んで問いただす。
「も、申し訳ございません!今すぐ他の都市からワイバーンを移動させ、首都防衛を果たします」
「だが……それでは属領の反乱に対してどうやって対抗する!」
「陸軍部隊はまだ数万人規模が内陸に残っております!陸上部隊が居るなら反乱は起きにくい筈です!」
「ダメだ!ダメだダメだ、属領が反乱してしまっては我が国は終わりだ!」
「何もしなければニホン軍にやられっぱなしです!とにかく、ワイバーンだけでも移動させてください!」
彼ら軍人達は困難な状況でも真剣に議論をし、不利な状況をどうにかしようとしている。レイフォル皇帝にすらも恐れ多く反論して、とにかく事態を打開しようとしているのだ。
レイフォル13世もそれは分かっているのだが、自らに向けられた危機により思考が麻痺し、より高圧的でヒステリックになってしまっていた。
「皇帝陛下。海軍が出撃できず、陸軍基地も破壊された今、首都を守る者がありませぬ。どうか、ルゲロ大将軍の作戦だけでもお願いできませんか?」
「だが!」
「移動するのはワイバーンだけで、陸軍の部隊は残すのです。そうすれば反乱の鎮圧は可能でしょう。どうか、最良のご決断を」
他の側近達の説得により、少しづつ落ち着いて来たレイフォル13世。彼は深く息を吸い、その提案を受け入れることにした。
「……分かった。各種ワイバーンの準備を」
「ははっ」
承認をもらったルゲロ大将軍は、すぐさま側の副官へ伝達。副官は駆け足で軍司令部へと向かった。
「くそっ、まさか我が国の海軍に続いて陸軍まで……こんな事態、あってはならぬのに!」
「仕方ありませぬ。敵は……思ったより強大で強い敵です。こうなれば小手先の甘い戦力ではなく、全力をぶつけて殲滅するべきかと」
「殲滅戦……いや、総力戦か。それだけでも屈辱だ。だが、負けるわけにはいかぬ!」
そう言って、レイフォル13世は一度立ち上がった。
──だが、その瞬間。
何か空気が震えるような音がして、首脳陣が騒めいた。
「な、何の音だ?」
「これは…‥まさか!」
そう、その音は殲滅の宴の序章。
300年の歴史を誇るレイフォル皇城が、一瞬で灰になるその時刻が間も無く訪れようとしていた。
海上自衛隊の哨戒機『P-3C』を改造した爆撃機『BP-3C』は、空母から再び離陸したF/A-18Eを護衛としてレイフォリア上空に侵入した。
機長の眼下に異世界の栄えた都市が見える。
「間も無く、投下目標地点です!」
機長含め、搭乗員達は全員海上自衛隊の哨戒機部隊の隊員達である。本来なら空域の哨戒が主任務であり、爆弾を落として敵を殲滅するのは仕事ではない。
だが彼らはこの日を待ち望んで、改造された『BP-3C』について猛訓練をこなし、確実に敵を殲滅できるように訓練されて来た。
その全てはレイフォルへの恨み。同じ日本人である海上保安官達が、レイフォル海軍軍人達によって非道に処刑された恨みから来ていた。
「アタック・スタンバイ──ナウ・アタック」
日本国海上自衛隊の爆撃機編隊60機は、殲滅目標3箇所に予定通り到達。投下地点に向け、無誘導爆弾を投下するべく爆弾倉を開いた。
──ィィィィィィ──ゴォォォォォ──
「な、何だ?」
「またニホンの飛行機械か!?」
突然空から轟いた不穏な音に、首脳陣は思わず空を見上げる。天井に備え付けられた透明なガラスが震え、空気の震えが止まらない。
レイフォル13世はその肉眼で、西側の窓を見た。そこには、空を羽ばたかないで飛ぶ何かの飛行物体が、多数飛んでいる。
「あ、あれは……!?」
それは、かつて隣国ムーで見かけた飛行機械に似ていた。羽ばたかないのも同じ特徴だった。だが、それより遥かに強大で大きくそしておどろおどろしかった。
「ほ、報告!敵の巨大な飛行機械が数十機、首都上空に侵入!造船所と工場、そしてこの地点に向かってきています!」
「な、何!?この城にも向かって来ているだと!?」
再び西の空を見上げれば、その巨大な飛行機械の一部がこの城の方角へ向かって来ているのが見えた。
「なっ……ああっ!」
皇城に向かって来ているということは、敵はレイフォルの首脳部、つまり自分を狙っている事になる。
敵はその国家の中枢を狙い、攻撃をしに来たということだ。最初の陸軍基地への攻撃は、その足がかりだった。
「皇帝陛下、今すぐ避難なさってください!」
「そ、そんな!このレイフォリア城が、危ないとでも言うのか!?」
「危ないも何も、敵の飛行機械は基地を丸々吹き飛ばしました!おそらくここは灰になります!今すぐ避難を!」
その言葉に促され、レイフォル13世が逃げようとしたその瞬間、首脳陣の一人が指を指す。
「ああっ!敵の飛行機械が!」
「っ!!」
その瞬間に、ニホン軍の飛行機械が上空に到達した。避難の指示を出すには、その行動はあまりにも遅すぎたのだ。
敵の飛行機械から、何か黒い物体が次々と投下される。それらはまるで破滅の雨の如く投下され、飛行機械が通り過ぎるごとに五月雨式に増えていく。
「あ、ああっ!」
「爆弾の雨だ!逃げろぉぉぉぉ!!」
「くそっ!くそぉぉぉぉぉぉ!!」
巻き起こる衝撃の嵐、連続する炸裂と爆発。それらが皇城全体を包み込み、敷地全体を塗り潰すように、繰り返し爆風が吹き荒れる。
爆弾の投下を終えた『BP-3C』の爆撃機編隊は、上空で旋回して西へと戻って行った。
その後、一機の偵察機が再びレイフォリアに侵入した。今回の爆撃に関する効果判定のため派遣された、航空自衛隊の『RF-4E』である。
爆撃機編隊から遅れること20分、レイフォリア上空に到達。後部座席のコパイが高高度パノラミックカメラを操作し、今回の攻撃の効果を測定していた。
破壊された造船所では爆発の煙と火の手が上がり、残っていた残存戦力の戦列艦達も粉々に粉砕されていた。
近代的な蒸気機関の工場地帯は全てが破壊され、工作機械と死体で瓦礫の山と化している。もうここでは何も作れまい。
そして3箇所目となるレイフォリア中心部の城。政府中枢区画であるこの美しい城は、建材が粉々に砕かれ、白と赤色の装飾は全て黒焦げになり、建物自体が崩壊していた。
その周囲には、様々な服装をした従者や軍人達が五体バラバラに横たわり、血みどろで赤く黒く染まっていた。
『各施設の完全破壊を確認。第二次攻撃は不要と認める』
本部に戦果の具合を報告し、待機していた第二次攻撃を不要とさせる。
『これより帰還する、RTB』
戦果を確認し、『RF-4E』は翼を翻して西の空へと戻っていった。その様子は、レイフォリアの市民に焼き付き恐怖として記憶されることになる。
F/A-18はトップガン見たので出しました。
まあその前から第七艦隊いるので、出ることは確定していたのですがね。