ワールドトリガーの世界に転生してその特典に仮面ライダーシリーズの怪人になる能力を持って後悔する話。 作:怪物怪人怪獣さん
どんな物すら食べられる物にする魔法の調味料⋯⋯そんな人が聞くなら病院を勧めるような調味料を自分を転生させた神様から貰った我らの主人公モンスターは⋯⋯自宅で1人ホームセンターで購入した石に魔法の調味料をふりかけて黙々食べていた。
(本当に神様の言う通り調味料をふりかけたら食べられるようになった⋯⋯なったけど⋯⋯うん。現実を見よう⋯⋯⋯⋯人外感増々ですわ!!?)
仮面ライダーキバに登場するゼブラファンガイアの姿で石を1人食べる姿がもう完全に人外の存在のソレである。外で石食っていたら確実にボーダーに新しい生態として誤解されるだろう。
(石が食えるようになったが、石の味は大昔の人が食べていた兵糧丸か味無しのオートミールと同じだな⋯⋯美味いとか不味いが無い⋯⋯)
「砂糖をかけたら甘くなるかな?」
道端に落ちている石は食える食えないとか以前に何かヤダ⋯⋯⋯そう考える隼人であった。
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隼人が所属していないボーダー本部内では行き交う知り合いに声を掛けずに1人進む。
迅「⋯⋯。」
かつてない程真剣な様子でボーダー本部内を歩く男、迅悠一。
彼は⋯⋯無言で加古隊の部屋の前に立ちノックをする。
加古「どうぞ♪」
迅「加古さん。今日炒飯を作る予定はあるかい。」
加古「あるわよ。完璧な真四角の立方体のデリシャ〜スな生命力が高い苺大福を使った炒飯よ。」
迅(生命力が高い苺大福って何!?)
加古隊の部屋のキッチンベースに視線を向けると独りでに蠢く謎の苺大福の姿が見えて迅の見た未来予知に表情をかつてない程に青褪める。
加古「あら?迅君。凄く顔色が悪いわよ。」
迅「そうかい?睡眠不足かな」
迅(何としてもこの未来を阻止しなくては!?)
ボーダー本部内にいる各部隊の隊員や隊長は勿論、職員やオペレーターにエンジニアが炒飯で地獄絵図になる未来が見えてしまった迅はその地獄絵図に頭を抱える。
加古「?」
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迅「皆、力を貸してくれ⋯⋯」
加古と別れた迅はラウンジにいる知り合いを集めて真剣な表情で言う。
太刀川「突然、何の話だ?迅、俺は風間さんとのランク戦で忙しいんだ。」
風間「太刀川。俺と個人ランク戦をする前に、レポートを提出ししろ。」
出水「てか何でこんな仰々しい面子を集めたんだ?」
A級B級の名のある隊員隊長達が一同に集められた理由を気になる太刀川隊の射手の出水。
迅「加古さんが作る炒飯でボーダー本部が大変になる未来が見えたんだ。」
1人重苦しい空気の中、皆の顔を見て懺悔しながら言う迅。
「「っ!!」」
迅のその言葉にかつてない程の真剣な表情をした風間は言う。
風間「確かか?」
迅「あぁ。残念だが加古さんが炒飯を作らないと言う未来は存在しない。」碇ゲンドウに似た口調で言う迅。
全員の顔が柔らかな芦原タッチ新世紀エヴァゲリオンのキャラクターの顔芸に変わる。
風間「太刀川と二宮の両手首と足首を縄で縛って加古隊の部屋の前に置いておけば全て解決するだろう。」
二宮「本人を見ながら良くそんな事が言えるな。風間。」
風間「さんを付けろよ。黒スーツ野郎。」
何故かバチバチと火花を散らし合う真顔の両者。
太刀川「何も解決していないぞ。迅。俺達が助かる道は無いのか?」
迅「可能性は低いが俺達の助かる道はある⋯」
二宮「とっとと言え。迅。」
太刀川「どんな未来なんだ?」
心做しか太刀川は何故かワクワクした顔を迅に向けて他の面々も迅の方に視線を集中させる。
迅「皆が美味しそうに加古さんの炒飯を食べる未来を予知していると見慣れない調味料が加古さんの所にあったんだ。」
風間「調味料?何のだ?」
迅「俺なりにスケッチブックに模写して加古さんに見せたんだが本人は描いた調味料について何なのかまるで知らなかったんだよ。」
諏訪「どういう事だ?」
迅「此処からが重要な内容なんだが⋯⋯皆の未来を予知して⋯モンスターを捕まえようとする未来が見えたんだよ。」
弓場「何でモンスターの奴が加古の炒飯と関係があるん⋯⋯っ!!」
迅の言葉に疑問を覚える琢磨は、まるで点と点が繋がるように脳裏に稲妻が走り理解する。
来馬「どうしたの?弓場君。」
弓場「迅。モンスターを捕まえようとする俺達は⋯⋯どんな顔をしていた?」
迅「⋯⋯モンスターを捕まえようとする皆の顔は⋯例えるなら⋯⋯鬼滅の刃の上弦の鬼の頸を斬ろうとする炭治郎がする凄く必死な形相かな?」
各部隊の隊長達「「っ!!」」
迅の言葉を聞き察しの良いボーダーの隊長は無言で悟る。自分達を助かる未来の鍵を握る謎の調味料は神出鬼没に変幻自在に姿を変えるモンスターが持っている可能性があるのだ。
迅「A級B級の合同部隊でのモンスター捕獲作戦を提案して良いかな?」
自分達が変な仮面ライダーに拐われたり危険な目に合わせようとする時に助けてくれる恩人であるモンスターを捕獲する。しかし加古の炒飯で死屍累々は全く笑えない。
太刀川「ボーダーの皆の命と三門市の人達の安全には代えられないだろう。俺達全員で力を合わせりゃモンスターを捕まえる事が出来るぜ。」
割りとマジなボーダー達のモンスター捕獲作戦が準備される。
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三門市の警戒区域にて
生駒「どうも皆さん。ボーダーの赤いフリージアの生駒達人です。」
僕らのイコさんが視線をぐるっと読者目線に合わせて語り始める。
生駒「実は⋯⋯ボーダーの職員達や隊員用の寮の自分宛てのポストを見るとこんなピンクの可愛らしい用紙で書かれた手紙がありました。これはもう⋯⋯あれですよね。皆さん。アレしかないですよね。そう⋯⋯ラブ《アホ!絶対にイタズラ手紙やろ。》⋯⋯」
トリオン体に内蔵された通信から真織のノリツッコミが聞こえてくる。
生駒「否、今度こそ!?ホンマ物や!?」
水上「てかイコさん。待ち合わせ場所が警戒区域の時点で普通にきな臭い香りしかしないでしょ。」会話しつつ隊長から素早くラブレターを奪い取り黙々と読む生駒隊の作戦参謀ポジションの水上敏志
生駒「きゃ〜〜何勝手に人のラブレターを開いて読んでいるんや!!」
水上「⋯⋯⋯⋯⋯。」
生駒「ちょっ!水上?何で黙ってるの?」
手紙を読み終えてイコに返して斥候として先に放った仲間に連絡する。
水上「此方、水上や。隠岐。海。目標地点に誰かいるか?」
隠岐《此方隠岐。目標地点に人が居ます。》
水上「性別は?」
隠岐《女性です。》
水上達の通信を聞いていたイコさんが無言で両手を力強く上げて嬉しそうにガッツポーズをする。その姿はまるでプラトーンのポスターのまんまだった。
水上「海。報告を求む。歳や服装は?」
南沢《此方、海。パット見て服装は可愛い系で歳はマリオちゃんと同じくらいです。》
イコはガッツポーズのまま声を出さずに男泣きをする。
水上《了解。二人ともこのまま俺達がいる所に合流せい。》
隠岐、南沢「「了解!?」」
水上「さて⋯⋯イコさん。」
水上はイコさんがいる後ろに振り返りある会話をしようと考えていたら何処にもイコさんの姿はなかった。澄ました顔から慌てた表情になり急いで走り出す敏志
水上「隠岐、海!!作戦変更!?俺に合流するより先に目標に接近しようするイコさんと合流せい!?」
隠岐、南沢「「了解(笑)」」
生駒「助けてぇ〜〜この子の性別は男だったぁ〜〜」
聞こえてきた我らの隊長の叫びを聞いて生駒隊の面々はプッと吹き出す。
水上「隠岐?」ジト目で呆れながら仲間の名前を口にする敏志。
隠岐《プッハハハ⋯⋯見た感じ服装やら顔やら本当に女の子でしたよ。》
細井《⋯⋯男の娘だったんやな。》状況に呆れながらしみじみ言うマリオ。
生駒「しかも普通に愛の告白だったぁ〜〜」
細井《良かったやんか。念願の愛の告白やで》聞こえてくる生駒の叫びに呆れながら返事をするマリオ。
隠岐《ヒュ〜ヒュ〜》
水上《誠心誠意に断って下さい。》
生駒「えっ?始めての告白を断るの?それって凄く人として不誠実な対応ちゃうか?」
水上《普通の人は同性同士で付き合いしませんよ。》
細井《そうや!男と付き合っている隊長なんてオペレートしたくないや!?》
生駒「分かった⋯⋯誠心誠意に彼の告白を断って見るで。」
生駒「助けてぇええええ!!この子、仮面ライダーやった!!」
人質にされて声高く叫ぶ生駒達人。その時の表情は無駄に驚愕のジョジョ顔である。
水上《でしょうね。告白する場所が余りに不自然過ぎるわ。》
南沢《どうします?イコさん。凄く泣いてますよ。》
水上《漸く春が来たと思ったら吹雪の中で見た幻と知って悲しんでいるや。そっとしてやれ。》
隠岐《可哀想なイコさん。持ち上げられて落とされた。》
水上《上げられてない。勝手に谷に転がり落ちただけや。》
生駒「全部聞こえとるからな!?」
転生者「イコイコさん。イコイコさんさん。イコさんさん。イコさんイコさん。イコさんさんさん。」
生駒「何か子供の頃何処かで聞いた事あるリズムを口ずさんでムーンウォークしながら接近してくる!!」
水上《⋯⋯確かに何か既視感のあるリズムや。》
隠岐《イコさんも急いでムーンウォークして相手の仮面ライダーから離れて下さい!?》
細井《何でムーンウォーク縛りで移動しなきゃあかんのや!?》
生駒「よっしゃ、やってみるわ!!」
細井《そして思いの外にノリ気や!?》
南沢《頑張れイコさん!?根拠は無いけどイコさんなら出来る気がする!?》
水上《根拠無んかい!?》
水上(あっ!アンパンマンのてんどんまんの登場のリズムの奴や。)
生駒「アカン!?相手のムーンウォークの方が上手いし速い!?追い付かれる!?」
細井《普通に走らんかい!?》
水上《いや、此処はイコさんのムン力を信じよう!?》
細井《知らん単語出た!?ムン力って何っ!?》
水上《ムン力とは優れたムーンウォークが出来る力の事や。俺達も知っている伝説のムーンウォーク使いのマイポゥーさんはムン力が38。其れに引き換えイコさんのムン力は踊る昆布2袋分。勝負の栄え目は相手のムン力に委ねられた。》
細井《情報多いわ!?マイポゥーさんって誰や!?踊る昆布2袋分って速いのか遅いのか分かりにくいわ!?》
水上《踊る昆布2袋分と言うのはワルイド・スピンドー二人分って意味や。》
隠岐《成る程⋯⋯そりゃ速いですね。》
細井《でも余裕で追い付かれるとるで!?》
転生者「逃さないよ!?」
生駒「タスケテ」
南沢《頑張れイコさん!?イコさんなら出来る!?》
生駒「うん無理や!!」
生駒が漸く水上達がいる所に逃げ込むも寸前に仮面ライダー西鬼に捕まる。
南沢「動くな!?この人質が目に入らんか!!」
敵の行動を止める為に何故か南沢海は近くにいた水上の喉元に孤月を向けて人質にする。
水上(何で俺が人質にされるんや⋯⋯)驚きの表情で南沢の方を凝視する水上。
転生者「卑怯だぞ!?水上を解放しろ!?」
水上(そしてイコさんじゃなくてお前が言うんかい!?)
南沢「良いだろう!俺は生駒隊の隊員なんだから。」
水上(そんな理由で俺を人質にするな。)
生駒、転生者「確かに⋯⋯」
水上(納得するんかい!?)
生駒「でもやって良い事と悪い事がある筈や!?」
水上(説得してくれるのが人質になっているイコさんって⋯⋯)
南沢「わははははははっ!!やって良い事と悪い事は⋯⋯⋯あるな。」
水上(そんで納得するんかい!?)
南沢「やい!?仮面ライダー!?こんな事は辞めるんだ!?イコさんはまだM−1グランプリに出場すらしてないんだぞ!?」
水上「仕切り直しにしては雑過ぎやろ。」
生駒「そうや!水上はまだR−1グランプリに出場すらしてないんや!?」
水上「何で勝手にピン芸人の大会に出場を目指していると思われているんですか!?」
転生者「確かに⋯⋯それは困るな。」
水上「何で仮面ライダーが納得するんや!?」
転生者「イコを返そう。」
水上「そして人質を解放した。」
生駒「待てや!?」
生駒隊が勢ぞろいになった状況でいざ仮面ライダーとの対決が始まろうとしている前にイコが叫ぶ。
生駒「水上が欲しいなら此方の要求を呑め!!」
水上「何でそんな話になるん?」
隠岐「刑事ドラマの犯人みたいな言い方。」
転生者「おのれっ!要求は何だ!?金か!?」
生駒「えっ!お金!!お金とか有りなん?お菓子くらいかと思ってた。」
水上「ちょっとイコさん?」
生駒「ぼんち揚げ一つで呑もう」
水上「えーー。俺達の信頼ってぼんち揚げ一つで消える程脆いん?」
転生者「普通は金だろ!?100万か?1000万か?」
生駒「えっ!そんなに!?イヤイヤ全然そんなつもりじゃないから!?」
水上「何やこのやり取り⋯⋯」
南沢「ホントッスね⋯⋯」
水上「海。お前は後で加古隊長の炒飯で手打ちにしたる。」
「おい。何やってるんだ?」
水上「俺が一番聞きたい事ですよ。うん⋯⋯」
後ろから話し掛けられて何とも言えない返事をする水上。聞こえてきた声に振り返ると緑色のワームサナギ体の姿になったモンスターが其処にいた。至近距離からサナギ体の顔がドアップである。
水上「⋯⋯出会い頭に夢に出そうな姿辞めてくれませんか?(切実)」
数秒間の沈黙を得てからガチトーンで注意する水上。
「あっ。すいません。」
転生者「あっ!化け物!?」
(前々から分かっていたけど⋯⋯このワームサナギ体の姿って怖いとか通り越してキモいなぁ⋯⋯)
転生者「関西の希望の星、生駒隊の皆は僕が守る!?」
仮面ライダー西鬼は生駒隊の前に出てモンスターに言う。
水上「関西の希望の星なんて⋯⋯そんなに褒めるなよ。」
生駒「照れちゃうやん。」
「何この人ら⋯⋯」
転生者と生駒隊のやり取りに素直に困惑するワームサナギ体。
転生者「大人しく家に帰れ。お前にも家族がいるだろう。」
生駒「魔が差したんや。許してやったらどうや?」
水上「吉本新喜劇みたいな展開になった!?」
(どうしよう⋯⋯何か戦う雰囲気じゃないぞ。しかし和気あいあいとしている訳でもない⋯⋯)
生駒達からそれ程離れた警戒区域の建物の屋上にて
東《モンスターを発見した。コレより捕獲作戦に入る。》
太刀川「腕が鳴るぜ!?」
迅「太刀川さん。それモンスターを捕まえようとする度に言ってない?」
東《近くに生駒隊の面々もいるがどうする?》
ボーダー各部隊がモンスターを包囲していた。
太刀川「生駒達に協力要請するか?」
迅「ちょっと待って⋯⋯」
迅は生駒隊に秘匿通信を使用して連絡する。
生駒「この前、桃の被り物をした少年に水道水で薄めたお茶を一緒に飲んだんだけどさ。」
水上「イコさん。そこは普通にお茶飲みましょうよ⋯⋯⋯うん?」
南沢「俺は二足歩行で喋る亀とロボとおにぎりでカラオケ行ってました!?」
水上「海。嘘吐くならもう少し現実的な嘘吐きや。」
転生者「カラオケに行くなら今度誘えよ。」
南沢「おう。得意な歌のジャンルは?」
転生者「勿論、演歌だ。」
水上「そこはヒップホップちゃうんかい!」
(カラオケか⋯⋯俺もボーダーの人達とカラオケ行きたいな⋯⋯)
「事件性がないなら注意して帰るぞ。」
思ったよりも荒事をせずに済みそうと考えたモンスターは自宅へ帰宅を考えていた。しかし⋯⋯
転生者「待て!?仮面ライダーとなったのなら、一度は怪人相手に戦いたい!?」
離れようとした隼人の注意喚起の言葉を聞き仮面ライダー西鬼は俺にこう言い放つ。
「え?俺と戦いたいの?」
その言葉で俺は足を止めて転生者の方へ振り返る。
転生者「そうだ!?」
「うんじゃ⋯⋯やるか。」
戦うつもりの相手に対してモンスターはワームサナギ体の姿からバタン怪人タイガーロイドの姿になって言う。
「お前はバタンの虎よりも強いかな⋯⋯」