魔物使いで奴隷使い   作:しおだれはみさーもん

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今回のお話はメダリア視点のお話になります。アレンが戦っていた頃、メダリアはどうなっていたのか…。
少し長めですが是非最後までご覧下さい!!
ステータス

メダリア=ファーム 性別 女 種族 獣人Lv16
【才能】??? 職業【奴隷】
体力4600 攻撃力200

守備力190 魔法攻撃力40

魔法防御力150 速さ280

武器 折れた物干し竿

防具 ワンピース

スキル
同化時【白の舞】







第十話【守る者と守られる者】

アレンが戦闘を開始した頃、メダリアも同じようにモンスター達との戦いを繰り広げていた。

 

「やあああああッ!」

 

メダリアの手に握られているのはいつもの短剣ではなく、短く折られてしまった木の物干し竿だ。

 

奴隷は、自分のステータス画面を開く事が出来ずその奴隷の所有者が代わりに開く必要があるため、アレンと離れ離れになったメダリアはいつもの自分の装備を使えないでいた。

 

それでもメダリアは、折れた木の物干し竿を短剣のように使って戦っており、威力はかなり落ちているが迫り来る虫型のモンスター達を自慢のスピードで翻弄しつつ撃破していく。

 

だが、いくら倒してもキリがないほどに次から次へとモンスター達が波の様に押し寄せてくる。

 

幸いなのは、モンスター一体一体がさほど強くない事くらいだ。

 

(私もご主人様みたいに魔法が使えたら少しは楽なんだけど)

 

メダリアは魔法の適性が全くなく、魔法を一切使うことが出来なかった。

 

なので武器である短剣を使って少しずつ減らしながら戦うしかないのだが、この大群とも呼べる程の数の敵を相手するには、あまりにも心許ない。

 

しかし、だからと言って逃げるわけにはいかなかった。

 

(あの二人を守らなきゃ…!)

 

メダリアはちらりと後ろを振り返る。

 

そこには、昼間アレン、アルトリアと服屋に行く時に見かけた貴族の男と子供の奴隷の姿があった。

 

メダリアが人の波に飲まれた後、アレン達を探しに行った際に見つけたのだ。

 

二人は、今にも殺されそうな状況にあり、男が子供を盾にしてなんとか耐えている状態だった。

 

そんな光景を見た瞬間、メダリアは子供を助けたい一心で二人を襲っているモンスターを倒し、何とか助け出すことに成功したのだが、モンスターの大群に目をつけられてしまった。

 

「くっ……!」

 

モンスターの攻撃をかわし、その隙を突いてメダリアは攻撃を叩き込む。

 

何度も、何度も、同じ動作を繰り返し、次から次へとモンスターを倒すが、またすぐに次のモンスターが現れる。

 

「おいもっと倒せ奴隷!この俺を殺す気か」

 

「……」

 

「お前もだクソガキィ!俺のためにもっと体を張りやがれ!」

 

子供が歯を食いしばりながら必死に耐えている中、男は子供を盾にし続けている。

 

(なんて酷い人なんだ!)

 

それを見てメダリアは、怒りを募らせていく。

 

だが、今はとにかく目の前にいる敵を倒すことに集中するしかなかった。

 

(こんな奴らに負けてたまるか……!絶対に生きてご主人様に会うんだ!!)

 

メダリアの瞳に強い意志が宿り、更に勢いを増していく。

 

それからしばらく経ち、ようやくモンスター達の勢いが落ち着いてきた所で、メダリアは額の汗を拭い大きく息をついた。

 

「大丈夫ですか?」

 

「ふんっ。奴隷の分際で生意気な口をきくんじゃねぇよ。俺は貴族だぞ?もっと敬えや」

 

「……」

 

メダリアは男の言葉を無視し、子供に声をかけると、子供は無言のままこくりと小さくうなずき返した。

 

どうやら無事だったようだ。

 

メダリアは、ほっと胸を撫で下ろす。

 

そして再び戦闘体勢に入ろうとしたその時───。

 

ぷちっ!グシャッ

 

何かが潰れたような音がした。

 

メダリアが振り返るとそこには、巨大な甲殻を持ったカブトムシのような姿をしたモンスタースケアビートルがおり、口元からは男のものと思われる腕らしきものが、ぶら下がっていた。

 

恐らく、貴族の男がこいつに食われたのだろう。

 

「ひっ!?」

 

メダリアの隣にいた子供が悲鳴を上げ、腰を抜かす。

 

無理もない。

 

こんな小さな子では、モンスターに襲われたら恐怖以外の感情を抱くことなど出来ないはずだ。

 

(あの時の私みたいだ…)

 

メダリアはあの時の、ガドラドと接敵した時の事を思い出していた。

 

恐怖に駆られて動く事が出来ず、あろうことか主人のアレンに反発し、普通なら奴隷紋を通して無理やり戦わせる事が出来たのに、決してそれをせず守ってくれていた。

 

あの頃と今違うところをあげるとするなら、守られていたメダリアが今度は、守る側になっている事だ。

 

「大丈夫だよ。私が必ずあなたを守るから、安心してね」

 

メダリアは、優しく微笑みかけながらそう言い、子供の手を取り立ち上がらせる。

 

「ねぇ。名前なんて言うの?顔見せてよ」

 

「……ネーヴェ=グライス」

 

メダリアに言われて子供はフードを脱ぎ素顔を見せる。

 

年齢は十三程だろうか。

 

髪色は雪のように白いロングヘアーで、やや吊り気味な瞳は、青空をそのまま瞳に宿した綺麗な蒼色をしている。

 

まだ幼さが残るものの、氷像のように精緻に整った容姿をしており、どこか誇り高そうな少女だ。

 

「私はメダリア。メダリア=ファームだよ。ネーヴェちゃん私が絶対に守るから。ここを切り抜けたら私とお友達になろうよ!」

 

メダリアは、笑顔を浮かべながらそう提案すると、ネーヴェはその言葉を聞いて驚いた表情を見せた。

 

「……無理よ」

 

「どうして?」

 

「だって、あのモンスターを倒すなんて無理よ。私は戦う事が出来ないし、あなただってそんな装備じゃすぐやられちゃうのが落ちよ。ああ…なんでこんな目に…私は妹を見つけるまで死にたくないのに…」

 

そう言って項垂れるネーヴェ。

 

「大丈夫!絶対にあのモンスターを倒して見せるから!だから諦めないで!それに、私のご主人様達がきっと助けに来てくれる。だからそれまで一緒に頑張ろ!ね?」

 

「奴隷を助ける主人なんているわけがないじゃない!あんたバカなの!?」

 

「それはご主人様の事を知らないからだよね?ご主人様はとても優しい人なんだよ!だから絶対に助けに来てくれるって信じてる!」

 

「……ッ!」

 

メダリアの強い眼差しを受け、ネーヴェは少したじろいでしまう。

 

「だから、私を信じて。必ず倒すから」

 

「……わかったわ。でも、本当に倒せなかったら許さないんだから……!」

 

「うん!約束する!!ネーヴェちゃんも私とお友達になる約束守ってよね!」

 

「ふ、ふんっ!分かったから早く行きなさいよ。私は戦えないんだから!」

 

そう言うと、ネーヴェは再びフードを被り、そっぽを向いてしまった。

 

メダリアは、それを見てくすっと笑い、すぐスケアビートルへ視線を向けるとボロボロになった物干し竿を構えなおす。

 

(絶対に、この子だけは死なせない!ご主人様力を貸してください!!)

 

メダリアは心の中で強く思いながら武器を強く握り締め、

 

「行くよ!!」

 

掛け声とともにメダリアは地面を蹴り飛ばし、一気に加速してスケアビートルへと向かっていく。

 

だが、それを迎え撃つかのようにスケアビートルは角を振り上げ、勢いよく振り下ろしてきた。

 

メダリアは紙一重でそれをかわし、すれ違いざまに腹部を斬りつけるが甲殻に弾かれ更に武器が短くなる。

 

「硬い……」

 

メダリアは、一旦後方へジャンプして距離を置き。

 

「やああああッ!!」

 

そして、着地と同時にスケアビートルに向かって駆け出し、今度は頭部を目掛けて突きを放つ。

 

だが───。

 

バキンッと乾いた音が鳴り響き、物干し竿は完全に折れてしまった。

 

「嘘!?」

 

武器を失ったメダリアは慌てて後ろに跳躍すると、先程までいた場所にスケアビートルが突進してくる。

 

「くぅ…!だったらこれでどうだぁああッ!!!」

 

メダリアは突進を交わし、右脚に力を込めて鋭い蹴りを放つ。

 

だが、それも甲殻に阻まれダメージを与えられず、逆に脚を痛めてしまい苦痛の声を上げる。

 

「うぐ……っ!?これなら……!」

 

今度は拳を握って殴りかかるが、やはり攻撃は通らず逆に拳を痛めてしまっただけだった。

 

「まだまだぁ!!」

 

メダリアは自身の拳を、脚を武器にしてスケアビートルに攻撃を仕掛け続けるがダメージを与えられずにいた。

 

しかし、メダリアはそんな事お構い無しに猛攻を続ける。

 

「やあああああああああ!!!」

 

メダリアは渾身の一撃をスケアビートルに放つも、これもろくにダメージが入らない。

 

それでもメダリアは諦める事無く何度も攻撃を繰り出す。

 

「いいいいやあああああッ!!」

 

メダリアの攻撃はどれもまともに決まらず、その度に身体に傷が増えていき、着ていたアルトリアのお下がりのワンピースが破れ、所々メダリアの幼い身体があらわになっていく。

 

だが、メダリアは決して退かずに果敢に攻め続けていく。

 

「はあ、はあ、はあ……!」

 

やがて体力の限界が近くなったのか、メダリアの動きが鈍くなり始め、肩で大きく息をし始めた

 

「ちょっと!!大丈夫なの!?」

 

メダリアの戦いを後ろで見ていたネーヴェが、心配そうに声をあげる。

 

「大丈夫…だから!絶対に…ネーヴェちゃんを守るからッ!」

 

「ど…どうしてそこまで私のために…何なのよこいつ……」

 

どくん──。

 

ネーヴェの中で何かが目覚めたような感覚を一瞬だけ感じとった。

 

(何…今の………?)

 

そんなネーヴェの気持ちなど知らず、メダリアは乱れた呼吸を整え直し、スケアビートルに向かっていく。

 

しかし、そんなメダリアに対してスケアビートルはゆっくりと頭を下げ、まるで角を突き刺そうとするかのような体勢を取った。

 

「危ない!!」

 

それを見た瞬間、ネーヴェは思わず叫んでしまう。

 

「うわ……!?」

 

スケアビートルは、角をメダリアに向けて突き出し飛んでくる。

 

メダリアは咄嵯に避けようとするが、疲労のせいで反応が遅れてしまい回避が出来ずにいた。

 

(しまった…避けられない………!)

 

次の瞬間、メダリアの身体は宙に打ち上げられ地面に叩きつけられる。

 

そんな光景がネーヴェの頭の中にフラッシュバックする。

 

どくん───。

 

どくん───。

 

「え……?」

 

突然ネーヴェの中で何かが目覚めるような感覚が、また襲ってきた。

 

それは先程よりも強く、心臓が激しく脈打ち全身の血流が激しく流れていくような錯覚に陥るほどだった。

 

(な、なにこれ……?一体何が起こってるのよ……!?)

 

よく分からない感覚にネーヴェは戸惑いを隠せないでいた。

 

だが、その感覚、メダリアと繋がるような感覚と同時に、ネーヴェの頭の中に何かが流れ込んでくる。

 

それは、魔法の知識だった。

 

魔法の詠唱文や使い方などがネーヴェの中へと入っていく。

 

(なにこれ、知らないはずなのに、分かる…)

 

その不思議な現象に戸惑うネーヴェだったが、今は考えている暇はない。

 

スケアビートルとメダリアとの距離は、数メトラまで差し迫っていた。

 

「させない!!」

 

スケアビートルはメダリアに向かって角で弾き飛ばそうと突進してくる。

 

しかし、ネーヴェは左手を前にかざし、魔法を唱えた。

 

「氷の精霊よ・我が呼び声に応え・彼の者に絶対零度の刃を授けよ!!」

 

「アイスエッジ!!」

 

ネーヴェが呪文を唱えると、スケアビートルの前に巨大な魔方陣が展開され、そこから鋭く尖った無数の氷柱がスケアビートルに向かって放たれた。

 

『ギィィ』

 

中級氷魔法【アイスエッジ】はその名の通り、鋭利に尖った氷の柱を相手に放つ魔法だ。

 

ネーヴェの【アイスエッジ】はスケアビートルの甲殻を貫いて胴体に大きな穴を空け、そのまま地面へと突き刺さり、一瞬にしてスケアビートルに大ダメージを与えたのだ。

 

「はぁ……はあ……はあ……!」

 

「え…何が起こったの!?」

 

メダリアは目の前の氷の柱が身体に突き刺さったスケアビートルに、驚きを隠せなかった。

 

それはネーヴェも同じだった。なんの才能も能力もない奴隷の自分が、初めて放った魔法がモンスターに致命傷を与える事が出来た。

 

その光景にじわじわと高揚感が湧き上がる。

 

だが、 初めて使う魔法でしかも、いきなりの中級魔法を使ったせいか、ネーヴェの息切れが激しく顔色が悪い。

 

「助かったよネーヴェちゃん!ありがとう!」

 

「べっ別に大したことじゃないわよ!!そ、それよりまだ終わってないわ!!」

 

ネーヴェは顔を赤くしながらメダリアに言う。

 

「ふふっ。ネーヴェちゃん可愛い!でもそうだねトドメを刺さなきゃだけど、私の攻撃じゃダメージが入らないし。ネーヴェちゃんやれる?」

 

「か、かわっ!?………少しだけ休む時間をくれるならやれそうだけどキツイわね」

 

「そうだよね〜どうしよう」

 

ネーヴェはメダリアのストレートな言葉に弱いらしく、照れてさらに赤くなりながら答えた。

 

 

そんな時だった。

 

背後から何かが駆けてくる音がする。

 

二人が音のする方向を見るとそこには、一匹のオオカミ型のモンスターがこちらに来ていた。

 

「あれは…ガルちゃん!!」

 

それは、オオカミ型のモンスターガルーフのガルちゃんだった。

 

「ガルちゃん来てくれたんだ!ネーヴェちゃん!ガルちゃんが来てくれたから倒せるよ!」

 

「え、ちょっと待って!どうするつもりなのよ!」

 

「大丈夫だよ!だから見てて!やるよ!ガルちゃん!」

 

『ワウ!』

 

メダリアの言葉に応えるように吠えるガルちゃん。

 

すると、ガルちゃんの身体が光に包まれメダリアと一体化していく。

 

「な…!?」

 

それは、見たことのない現象だったが、メダリアの変化が終わるとその姿は一変していた。

 

青かった髪は白くなり、歯には牙が生え、身体には銀色の毛並みに所々白いラインが入っていた。

 

「よし!ご主人様が居ないと出来ないかもって思ったけど出来た!」

 

「ちょ……どういうことよそれ……」

 

「んーとね、これは私の才能の一つらしいんだ」

 

「らしいってどういう事よ」

 

「うーん。説明が難しいんだけど…まぁ今は置いといて、あれを倒してくる!」

 

メダリアはネーヴェを置いてスケアビートルの方へ走り出した。

 

「あっ、待ちなさい!!」

 

メダリアはスケアビートルに近付くと拳を振り上げる。

 

「はあああ!!」

 

『ギィッ!!』

 

「やあッ!!」

 

スケアビートルは腕を交差させメダリアの攻撃を防ぐが、メダリアの一撃は凄まじく、スケアビートルの腕を砕いた。

 

「まだまだぁ!!」

 

『ギィィ』

 

続いてもう片方の腕も粉砕し、スケアビートルを追い詰めていく。

 

(す、すごい……。これがあの子の力……)

 

その戦いぶりに圧倒されるネーヴェ。

 

「これで終わりだぁ!!」

 

『ギィィィィィィ』

 

メダリアの怒涛の攻撃にスケアビートルの甲殻に亀裂が入り、遂には粉々になり、断末魔を上げながら地面に倒れ消滅した。

 

「はぁ……はぁ……はぁ……やったぁ!」

 

メダリアは勝利の雄叫びを上げ、喜びを噛み締める。

 

「はぁ……全く無茶して」

 

メダリアはスケアビートルを倒した後、すぐに元の姿に戻っていた。

 

「えへへ。ごめんね。でも無事倒せたし良かったじゃん!」

 

「それは結果論でしょうが。私が魔法を使えるようにならなかったらどうなってたか分からないわよ…全く!」

 

「そ、そうだね。ありがとネーヴェちゃん!」

 

「ふんっ。というかなんで私は、急に魔法が使えるようになったのかしら…それにあの時あんたと繋がった感じがして…。一体…」

 

ネーヴェは先程の妙な感覚を気にしていた。

 

「えっと、それは多分才能の力だと思うよ?あ、でも確かに奴隷は、能力も才能も持ってないのに変だね」

 

「そうなのよね。どういう事かしら」

 

メダリアとネーヴェは、二人揃って首を傾げた。

 

「でもさっきの戦いすごかったね!初めて使った魔法なのに、あんな威力出るなんてびっくりしたよ!」

 

「そ、そうね。まぁ私の才能のおかげもあると思うけどね」

 

「ふふっ。でもその後バテてたじゃん!」

 

「う、うるさいわね!そういうのは言わなくていいの!!」

 

「あはは!!」

 

「ガウッ」

 

二人がじゃれあっていると、前方から一人の男が走って来ているのが見えた。

 

その男は、メダリアが会いたかった人物でネーヴェにとってはあまり会いたくなかった人物。

 

「おーい!!メダリア大丈夫か!?」

 

男は、二人の側まで来るとメダリアに抱きついた。

 

「ふえっ!?ご、ご主人様!?」

 

「よかった…無事で…」

 

「わぷっ。…ちょっとは、恥ずかしいです…服が…」

 

頬を赤らめたメダリアの言葉を聞いた男はすぐにメダリアから離れた。

 

「あ、悪い!大丈夫か?」

 

「は、はい。大丈夫です!それよりどうしてここに?」

 

「あぁ。メダリアを探してたんだが、途中大きな音がしてな。その方向を目指してたらメダリアが居たというわけだ」

 

「な、なるほど。あ、そうだ!この子が助けてくれたんです!ネーヴェちゃんって言うんですよ!」

 

メダリアはそう言って後ろにいるネーヴェを紹介した。

 

「ありがとう。メダリアを助けてくれてって君は…」

 

「ふん…」

 

アレンはネーヴェの顔を見た瞬間、思い出していた。

 

アレンがメダリアと出会う前、見捨ててしまった双子の奴隷の姉。

 

それが今、目の前にいるネーヴェだ。

 

「あの時はすまなかった。俺は君を見捨ててしまった。許してくれなくても構わない。でも本当に悪かった」

 

アレンはすぐに地面に頭と手を付け、土下座をすると、そのまま動かない。

 

「ちょ、ちょっと!ご主人様!?」

 

「メダリア止めないでくれ。これは俺の責任なんだ。だから謝らせてほしい」

 

「…………」

 

「ネーヴェちゃん……お願いします」

 

メダリアの言葉を聞き、しばらく黙っていたネーヴェだったが、大きく息をついた。

 

「顔をあげてよ。もう過ぎたことだし、あの時は仕方なかったわ。それにあのクソ主人が死んで自由の身になったんだし」

 

「そうか…」

 

アレンはゆっくりと、顔をあげた。

 

「君はこれからどうするつもりなんだ?」

 

「私は、離れ離れになった妹のスノを探すわ」

 

「そうなのか……。それなら──」

 

アレンが何かを言いかけたその時だった。

 

アレン達の目の前に巨大な転送用の魔法陣が出現。

 

「な、何ですかこれ!?」

 

「こ、こんな大きさの転移魔法陣見たこと無いぞ!」

 

メダリアとアレンは、驚き戸惑っていたがネーヴェは冷静に、手に入れた知識を使って分析していた。

 

「おそらくこれは、召喚魔法の類いの物だと思う」

 

「ど、どうしてそれが俺たちの前に!?」

 

「知らないわよ!魔法陣の大きさからすると、とんでもないのが…来るわよ!!」

 

「「ッ!!」」

 

三人は魔法陣に目を向けると、魔法陣が光り出し中からそれが姿を現した。

 

身体は全長十メトラ程ある細長くてらてらと輝く漆黒の背板。

 

脚は無数に生えておりそれぞれがうねうねと動いている。

 

頭部には毒を含んだ牙を持ち、頭部に一番近い脚は、鎌のように鋭く全てを切り裂く大型のムカデ型モンスターダークセンチピードだ。

 

「おいおい…まじかよ」

 

「ッ!!」

 

「冗談じゃないわよ…」

 

三人は嫌な汗をかきながら、後ずさる。

 

「あれってやばい奴ですよね!?」

 

「あぁ……ヤバい奴だ。くそっ誰だよこんなやつ転送してきたの!」

 

「ああもう!!やるしかないわよ!!私はまだスノを見つけるまで死ぬ訳にはいかないのよ!」

 

「ああ、そうだな!この戦いを切り抜けたら俺たちも君の妹探しに協力しよう。それがせめてもの償いだ!メダリアもそれでいいか!?」

 

「はい!ご主人様!」

 

アレンの提案にメダリアは力強く返事をし、ネーヴェにニコッと笑顔を向ける。

 

「あんた達…わかったわ!!」

 

「ああ!!君もよろしく頼む!」

 

「というか、さっきから君、君うるさい!私の事は、ネーヴェと呼びなさいよ!」

 

「わかった!行くぞメダリア!ネーヴェ!ガルちゃん!」

 

「はい!」

 

「ええ!」

 

「ガウッ!」

 

アレンは、メダリアにいつもの装備を装備させ、三人と一匹は戦闘態勢に入る。

 

『グギシャアアア───!』

 

アレン達の負けられない戦いが今始まる。




最後まで読んで頂きありがとうございます!
第三話で出てきた奴隷の双子の女の子ネーヴェ=グライスとアレンとメダリアそして、ガルーフのガルちゃんは無事この戦いを生き残ることができるのか。そして、ネーヴェは妹のスノと無事再会することができるのか。
ゆっくり更新ですが頑張っていきます!
いいねとブックマークよろしくお願いします!ものすごくモチベになります!

ステータス

アレン=ジース 性別 男 種族 人類種 Lv21
【才能】無し 職業【魔物使い】
体力6150 攻撃力245

守備力260 魔法攻撃力180

魔法防御力180 速さ140

武器 鉄の剣 盾

防具 皮の鎧


メダリア=ファーム 性別 女 種族 獣人Lv16→19
【才能】??? 職業【奴隷】
体力4600→5200 攻撃力200→240

守備力190→210 魔法攻撃力40

魔法防御力150→170 速さ280→320

武器 短剣

防具 皮の鎧

スキル
同化時【白の舞】


ネーヴェ=グライス 性別 女 種族 人類種 Lv15
【才能】魔法を扱う 【職業】?
体力4300 攻撃力130

守備力200 魔法攻撃力250

魔法防御力240 速さ140

スキル
氷魔法【アイスエッジ】


ガルーフ(ガルちゃん) 性別 オス 種族 牙獣 Lv14

体力4800 攻撃力240

守備力120 魔法攻撃力80

魔法防御力90 速さ230



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