魔物使いで奴隷使い   作:しおだれはみさーもん

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今年最後の投稿です。
よろしくお願いします。


第三話【メダリアの能力】

「失礼します。師匠」

 

「ああ、入りたまえ」

 

アレン達は、ミラがいる研究室にノックをして入室する。

 

「一ヶ月ぶりくらいですね師匠」

 

「ああ、先のレイド戦では大した活躍だったようだね」

 

「あ、あはは……まあ、そう言ってくれるのは嬉しいですが、俺は大した事はしていません。彼女たちのおかげです」

 

アレンはそう言って、後ろにいるメダリアとネーヴェの肩を、ポンッと叩く。

 

「ふむ、なるほどな……」

 

ミラは、そう呟きながらメダリアとネーヴェを見ていた。

 

「確かに、強くなったようだねメダリア君にネーヴェ君……だったかな?」

 

「はい!ありがとうございます!」

 

「ありがとうございます」

 

ミラは、二人の頭を撫でる。

 

メダリアは、嬉しそうにニコニコしているが、ネーヴェは複雑そうな表情をしていた。

 

「それで、今日はどうしたんですか?」

 

「うむ、実はだな……」

 

そして、ミラから説明を受けた二人は驚愕した。

 

「えっ!?本当ですかメダリアの共鳴の能力の詳細が分かったって!?」

 

「ああ、本当だ。今までの話とメダリア君とネーヴェ君を見て確信が持てたよ」

 

「一体どんな能力なんですか?」

 

「まず一つ目だが、簡単に言えば他者との『絆』を強くする事だよ」

 

「絆……?」

 

「そうだ。絆とは、互いを思いやる心や信頼感といったものさ。それを、自分の力に変換する事が出来る」

 

「へぇ~……」

 

「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!メダリアの能力って何!?私聞いてないんだけど!」

 

「ああ、そうか。ネーヴェは知らないんだったな」

 

そう言うと、アレンはネーヴェに現在メダリアの判明している能力について説明した。

 

「なるほどそんな事が……じゃあ、私が魔法を使える様になったのももしかして?」

 

「ああ、その通りさ。二つ目の能力それは、自分と共鳴した者に適応した才能を与える事が出来る」

 

「才能を……与える?」

 

「うん。これはまだ未解明の部分が多いんだけれどね、まぁ簡単に言えば、メダリア君は誰かと一緒に戦う事で才能を持たない者を覚醒させ、力を増幅させる事ができるんだよ」

 

「なるほど……」

 

「だから今回のレイド戦で才能を持たなかったネーヴェが、魔法を扱えるようになったわけか」

 

「そういう事ね……」

 

「ちなみに、この能力は発動条件があってね。過去に虐げられてきた者。才能を持たない者……まぁ奴隷だな。そういった者達と共に戦い、何らかで共鳴した者にしか発現しないらしい」

 

「なるほど……。あの感覚が共鳴した証みたいなものなのね」

 

ネーヴェは、レイド戦時に感じた不思議な感覚を思い出していた。

 

「そして三つ目。同化能力。これもアレンがテイムしたモンスターと共鳴した場合、メダリア君と同化する事が出来る。今同化出来るのはガルーフだけだな」

 

「という事は、ガルちゃん以外にも共鳴出来れば同化能力を使う事が出来るという事ですか?」

 

「ああ、その通りだ」

 

「なるほど……」

 

(つまり、俺が強いモンスターをテイムしてメダリアが共鳴出来れば、メダリアは更に強化されるという訳か)

 

アレンは、内心でそう思いながらメダリアを見る。

 

「あの…ミラ様質問があるのですが……」

 

「なんだね?」

 

「私は元々才能を持たなかったのに、どうしてこのような才能を持っているんでしょうか」

 

「ふむ、それは恐らく……いや確実に君の過去にあるだろう」

 

「私の過去ですか?」

 

「ああ、君はおそらく、元いた場所で何かしらの虐待を受けていたんじゃないのか?それが原因で君の中に眠っていた才能が目覚めたんじゃないかと思うのだが……」

 

「……」

 

ミラの言葉を聞いて、黙り込むメダリア。

 

「確かに私が元々いた場所は、色んな所から連れてきた奴隷を使って実験と称して色々な事をしていましたが……」

 

「やはりか……ではメダリア君。君は、そこにいた奴らに何かを“飲まされた”か?」

 

「えっと……確か薬みたいな物を投与されました」

 

「そうか。なら、その薬が原因である事はほぼ間違いないだろう」

 

「そうですか……」

 

「ちなみにだが、そいつらが名乗っていた組織名を覚えているかい?」

 

「えっと確か……」

 

メダリアは、記憶を呼び起こしその名前を口にする。

 

「『G・H教団』です」

 

「奴等か……」

 

その言葉を聞いた瞬間、ミラは苦虫を噛み潰したような表情をする。

 

「師匠?」

 

「ん?ああ、なんでも無いよ。少し嫌な名前を思い出してしまっただけさ」

 

アレンが声をかけると、ミラはすぐに笑顔に戻る。

 

「今日はこれくらいにしようか。これ以上メダリア君の過去を掘り返すのは、良くないからね」

 

「はい。分かりました」

 

「よし。あ、そうだ。メダリア君、君はこれからどうしたい?」

 

「え?」

 

突然の問い掛けに困惑するメダリア。

 

「これから先、君には様々な選択肢が用意されている。冒険者として生き、アレンを支えるだけの道だけではないだろう」

 

「私は……」

 

「今すぐに答えを出す必要は無いよ。ゆっくり考えればいい」

 

すると、ミラはメダリアの頭に手を乗せ、優しく撫でた。

 

「大丈夫だよ。過去の事は気にする必要はない。今はアレン達がいるじゃないか。それに、もう辛い思いをすることはない。ここには誰も君を傷つける者はいないからな……」

 

「ミラ様……」

 

「これからは、今まで辛かった分沢山楽しい思い出を作っていきなさい」

 

「はい……!」

 

「うん。いい返事だ。メダリア君だけじゃない。ネーヴェ君もだよ」

 

「え、私?」

 

「そうだとも。君にも幸せな人生を歩んでほしいと思っている。妹の事見つかるといいな」

 

「ええ。ありがとう」

 

「アレンも頑張るんだよ」

 

「はい。ありがとうございます師匠。それでは失礼します」

 

「あ、ちょっと待ちたまえ。アレンに渡す物がある」

ミラは、机の引き出しから青い小さな石と一枚の紙をアレンに渡した。

 

「師匠これは?」

 

「これは、浄化石と言って魔障をある程度浄化してくれる魔石だ。ここ最近魔障と縁があるだろう?いつか役に立つかと思ってな」

 

「あ、ありがとうございます師匠!んでこの紙は…?何かの地図みたいですけど」

 

そこには、とある場所への行き方が書かれていた。

 

「これは、私の知人が経営している孤児院への地図でな。孤児院の近くに植物モンスターが現れたから倒して欲しいという依頼書だ。この依頼をアレン達に任せたくてな。私はあいにく、これから遠征しなければいけないんだ」

 

「なるほど。じゃあ、今から一度準備をしに家に帰ってから、その孤児院へ行き、依頼を達成しに行きます。二人共それでいいか?」

 

「はい。大丈夫です!」

 

「ええ、いいわよ」

 

アレンの提案に二人は頷く。

 

「助かる。気をつけてな」

 

アレン達はミラの研究所を去り、一度準備をするために帰路へ着くのであった。




最後まで読んで頂きありがとうございます。
さて、メダリアの能力、才能である【共鳴】の詳細が分かりましたね。絆の力…色んなアニメとか色々なものに使われていたりするので想像はしやすいかなと思います。
今話で出てきた教団【G.H教団】はどういう教団なのでしょうね。メダリアの過去話はepisode,0【メダリア=ファーム】を読んでいただければと思います。またキャラクターの過去話等を投稿しないとですね。
今年最後の投稿でした。ありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。良いお年を!!
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