魔物使いで奴隷使い   作:しおだれはみさーもん

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2ヶ月投稿がなかったってまじ???


第三話【スノとエリゼの力】

アレン達は、オークの群れの討伐のためスラールの森に来ていた。

 

「えっと……ここか」

 

「みたい…ですね」

 

アレンとエリゼは目の前に広がる光景を見て言った。

 

森の中にはオークがひしめき合っており、まるで一つの隊のようだ。

 

「これはまたすごい数ね」

 

「本当だねぇ〜♪」

 

そんなオークを見てネーヴェとスノが呑気に感想を述べる。

 

「オークってこんなにいるものなのか50匹くらいいるけど?」

 

「普通はそこまで多くはありませんが、今回は繁殖期を迎えているためそのせいでしょう」

 

アレンは疑問を口にすると、エリゼが答えてくれた。

 

「へぇ〜。そういうもんなのか」

 

「ご主人様どうします?この数を私たちだけで倒すとなると骨が折れそうですよ?」

 

「そうだな。ネーヴェの魔法で足止めをしながら──」

 

いつも通りアレンが指示を出そうとするが。

 

「それでは時間がかかりすぎてしまいます。ここは私がやりましょう。それに私の実力も見せれるでしょうし」

 

「スーちゃんもやりたーい!」

 

エリゼとスノがアレンの提案を遮るように名乗り出る。

 

「いいのか?」

 

「もちろんです」

 

「やったぁ!いっぱい倒せるよぉ!」

 

「んー。よし、じゃあ任せた!だが、無理はするなよ」

 

自信満々な二人にアレンは少し悩んだが大丈夫だろうと判断し、任せることにした。

 

「はい!分かりました」

 

「スーちゃん頑張る!」

 

二人は意気揚々と戦闘態勢に入る。

 

「じゃあ、私は一応サポートに徹しているわ」

 

「ありがとう。ネーヴェちゃん」

 

「いいのよ。私も二人の戦いを見たいし」

 

「そうだな。俺たちも見ておきたいし、二人の力を見せてもらうぞ」

 

「そうですね。エリゼちゃんとスノちゃんの戦い楽しみ!」

 

そう言うとアレン、メダリア、ネーヴェの三人はエリゼたちの後ろに下がる。

 

「じゃあ始めるよ〜!」

 

スノが合図を出すと同時に魔法を放つための魔力を高め始めた。

 

「いくよ〜。風の精霊よ・敵を切り裂け〜【ウィンドカッター】」

 

スノの詠唱が終わると同時に、風属性初級魔法のウィンドカッターが発動した。

 

風の刃が広範囲に飛んでいき、次々とオークの首を斬り落としていく。

 

「すごっ……」

 

アレンはその威力に驚く。

 

それもそのはず【ウィンドカッター】は初級魔法であり、一番最初に覚える事が出来る弱い魔法だ。

 

しかし、スノの放った風刃は上級魔法に匹敵するほどの威力を持ち、スパスパとオークの首を跳ね飛ばしていく。

 

突然の襲撃に驚き、逃げ惑うオークたち。

 

「ほらほら〜いけいけ〜」

 

「グギィ!?」「ギャッ!!」

 

スノが楽しげに言うと、さらに速度を上げ、逃げるオークの首を次々と刈り取っていく。

 

「凄いな……」

 

「ですね……」

 

アレンとメダリアが呆気に取られながら呟く。

 

スノに与えられた風竜の力は想像以上のものだった。

 

「私も負けていられませんね」

 

そんなスノの活躍を見たエリゼが闘志を燃やし、弓矢を構えて狙いを定める。

 

「行きます!スキル【雷弓の矢雨】」

 

エリゼが弦を引き絞り、放つと同時に一本の雷の力を宿した矢が無数の矢に分裂し、四方八方に飛び散り、まるで矢がそれぞれ意思を持っているかのよう動き回り、逃げ惑うオーク達を無慈悲に射抜いていった。

 

オークたちは次々に倒れていき、絶命していく。

 

エリゼの放った矢は、オークの急所を正確に貫き、一撃で仕留めていった。

 

「すげぇ……これがエリゼの実力か!?」

 

「流石エリゼさんですね!」

 

「ええ……そうね」

 

正確無比なエリゼの技に三人は感嘆の声を上げる。

 

そして、あっという間にオークの群れは全滅してしまった。

 

「ふぅ……終わりました」

 

「スーちゃんも終わったよ〜」

 

オークを殲滅し終えたエリゼとスノが息を整えて戻ってくる。

 

「お疲れ様。二人とも予想よりもずっと強かったよ」

 

「ありがとうございます」

 

「えへへ〜」

 

アレンの労いに二人は嬉しそうにはにかんで笑う。

 

スノはもちろんだが、エリゼもこうしてみると王女ではなく、ただの年相応の女の子にしか見えない。

 

(だがスノは風竜を、エリゼは王女としての立場がある。それは俺とは比べ物にならないほど重いものだ。そんな二人がこうやって笑顔でいる事はとても大切な事なんだろうな。俺ももっと強くなりたいな)

 

アレンはそう思いながら、自分の拳を見つめる。

 

しかし、先程コールから言われた言葉がアレンの心に深く突き刺さっていた。

 

『お前じゃ誰も守れない』

 

その一言はアレンの心に重くのしかかっていた。

 

(確かに俺は強くない……だけど……)

 

「ご主人様?どうかしましたか?」

 

「ん?いや何でもないよ」

 

「そうですか……何かあったら言ってくださいね?」

 

アレンに寄り添いながら心配そうな表情を浮かべるメダリア。

 

「ああ、ありがとう」

 

アレンは優しく微笑み、感謝の言葉を述べ、頭を撫でる。

 

「えへへ……♪」

 

メダリアは気持ち良さそうに目を細め、されるがままになっていた。

 

「あー!!スーちゃんも頭なでなでして〜!」

 

そんな様子を見たスノがアレンに羨ましそうに声をかける。

 

「分かった。ほら」

 

「わーい♪」

 

スノも嬉しそうにアレンに頭を預ける。

 

メダリアとスノが頭を撫でられている光景をエリゼは少し離れた所で羨ましいそうに見ていた。

 

「エリゼはして貰わなくていいのかしら?」

 

それに気付いたネーヴェが声をかける。

 

「いえ、私は別に……」

 

「して欲しいんでしょ?」

 

「そ、そういうわけでは……一応王女だし……」

 

「あら、普通に接して欲しいと言ったのは誰だったかしら?」

 

「うっ……」

 

エリゼは言い返せず、顔を赤く染める。

 

「いいじゃない。今は私たちしかいないんだし。ただの女の子なんだから」

 

「……うん」

 

ネーヴェが諭すと、エリゼは小さく返事をした。

 

「ほら、早くしないとチャンスを逃すわよ」

 

「ううっ……あの……アレンさん私もお願いします……」

 

エリゼは俯きながら消え入りそうな声で懇願する。

 

「ああ、もちろん」

 

「ありがとうございます」

 

エリゼは恥ずかしながらもどこか嬉しそうだ。

 

エリゼはゆっくりと近付き、恐る恐るといった様子で頭をアレンに差し出す。

 

アレンが優しく手を乗せると、エリゼはビクッと身体を震わせたが、すぐに落ち着いた。

 

エリゼは目を閉じて、とても心地好さそうにしている。

 

「エリゼちゃん可愛い……」

 

「ええ……」

 

「そうだねぇ〜」

 

メダリア、ネーヴェ、スノの三人はその様子を見て癒されていた。

 

「よし、こんなもんかな」

 

アレンは一通りエリゼの頭を撫で終え、手を離す。

 

「はい。ありがとうございます。その……凄くよかったです。誰かに頭を撫でて貰うってこんなに幸せなことなんですね……」

 

エリゼは幸せそうに呟いた。

 

「エリゼ……満足してくれたなら良かったよ」

 

「はい!凄く満たされた気分になりました」

 

「エリゼちゃん嬉しそう」

 

「うん!エリゼちゃん可愛かったよぉ〜♪」

 

「ふふっ。そうね。完全に恋する乙女って顔してたわよ?」

 

「ううぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!違うからネーヴェちゃん!!」

 

エリゼは耳まで真っ赤にしてネーヴェを追いかけ始めた。

 

「きゃ〜♪エリゼ様が怒った〜♪」

 

ネーヴェも楽しげに逃げ回る。

 

(えっ!?エリゼちゃんご主人様の事を!?)

 

その様子を見ながらスノは楽しそうに笑い、メダリアは何故かショックを受けていた。

 

「はぁ……はぁ……全くもう!」

 

「ふぅ……はしゃぎすぎちゃったわね」

 

「二人とも仲良いな」

 

「ええ、そうですね」

 

「そうね」

 

「むぅ……なんかエーちゃんだけずるい!スーちゃんもお姉ちゃんと遊ぶ!」

 

スノが頬を膨らませて不満を口にした。

 

「まあまあ、スノちゃん落ち着いて」

 

メダリアが苦笑いしながらスノを宥める。

 

「だってぇ〜」

 

「ふふふ。スノも後で遊んであげるわよ」

 

「ほんと?やった〜♪」

 

スノはすぐに機嫌を直し、飛び跳ねている。

 

「さて、オークの討伐も終わった事だし素材を回収してどれくらいレベルが上がったか確認するか」

 

「はい」

 

「分かりました」

 

「ええ」

 

「は〜い♪」

 

アレンたちはスノとエリゼが倒したオークの元に向かい、素材の回収を始めるのであった。

 

 




久しぶりの投稿です。
趣味程度に書いているとはいえ流石に期間を空けすぎましたね……

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