魔物使いで奴隷使い   作:しおだれはみさーもん

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超久しぶりの更新です。

ステータス

アレン=ジース 性別 男 Lv12 種族 人類種
【才能】無し 職業【魔物使い】
体力43 攻撃力16

守備力15 魔法攻撃力12

魔法防御力12 速さ10

武器 無し

防具 布の服

メダリア=ファーム 性別 女 Lv7 種族 獣人
【才能】??? 職業【奴隷】
体力28 攻撃力10

守備力10 魔法攻撃力3

魔法防御力8 速さ12

武器 無し

防具 ボロの布切れ



第四話【家族】

「───という感じなんだ」

 

表通りの石材で舗装された街道を歩きながらアレンはメダリアに今の自分の事や幼なじみであるアルトリアの事などを一方的に話しながら一度自宅に戻り、アルトリアからお金を貸して頂く為に帰路に着いていた。

 

「メダリア?どうかしたのか?」

 

アレンはメダリアに話し掛けつつもチラチラと様子を見ていたのだが、どうもメダリアがソワソワと周りを気にして落ち着きがない。

 

「い、いえご主人様。それよりも…えっと…私みたいな奴隷と並んで歩いてよろしいのでしょうか……」

「ん?どうしてだ?」

「えっと…それは…」

 

メダリアが言い淀んだその時だ。

 

「ちょっと!!何故ここに穢らしい奴隷がいるザマス!」

「ひっ!」

 

アレンは声がした方を見るとそこには、メダリアの方を指差しコソコソと話している女性達と、きらびやかな宝石類のアクセサリーをそこかしこに身に纏っている太ったマダムがメダリアに向けて怒号を放ち、メダリアは屈んでブルブルと怯えてしまっていた。

 

(あーそういう事か)

 

アレンは心の中でメダリアが言いたかった事を理解し苦い顔をする。

 

「すみませんマダム。直ぐにどこかへ行くので。さあいくぞメダリア」

 

怯えきっているメダリアを立たせ、この場を去ろうとするが。

 

「貴方がその奴隷の主人ザマスか?奴隷と横に並んで歩くなんて躾がなっていないザマス!」

「はーい。それはどうもご忠告ありがとうございます」

 

アレンはマダムの言葉を適当に聞き流す。

 

「まぁ!この私に向かってなにその態度!私は親切に教えてあげてるザマス!奴隷なんて存在価値の無い道具ザマス!」

 

アレンの態度が癪に障ったのかマダムは鼻息を荒くし、ベラベラとまくし立てている。

だが、アレンはそんなマダムをスルーし、メダリアと共に歩き始めていた。

 

「話を最後まで聞くザマス!」

 

マダムは、歩き始めたアレンの肩を掴み、歩みを止めさせ話を聞かせようとするが。

 

「あーもうめんどくさいなおばさん」

「おばっ!?」

 

予想だにしていなかったアレンの言葉にマダムは顔を引きつらせていた。

 

「いいか?アンタらには穢らわしい奴隷かも知れないがこいつは今日から俺の“家族”になったんだ。これ以上俺達に構わないでくれ」

「「えっ?」」

 

うんざりした表情でアレンはそうはっきりと言った。

そんなアレンの言葉にマダムだけでは無く、メダリアも驚きを隠せないでいた。

 

(家族?奴隷の分際である私が?本当に?)

 

「そういう訳だから。ほらいくぞメダリア」

 

アレンは優しくメダリアに促し小さな背中を押し再び歩き始める。

 

「あ、は、はい…!」

 

アレンの言葉で我に返り、メダリアは困惑しながらも歩き始めた。

 

「ムキーッ!“コーネラル家”の私をよくも……ッ!貴方覚えてなさい!」

 

キィーキィー鳴くコーネラル家のマダムはアレン達に向かって姿が見えなくなるまで何やら色々言っていたようだったがアレンには聞こえていないようだった。

なぜなら…。

 

(おいおいおい!!あの“コーネラル家”だと!?嘘だろ!?)

 

コーネラル家はスラスト国随一の大金持ちの貴族家系で王家との繋がりを持っているという噂を聞いた事があった。

 

(やべぇ!!どうする!?今からでもさっきのおば様に俺の超必殺スキルスーパー土下座をして許してもらうか!?)

 

先程までのかっこよかったアレンの姿はどこへやら。

冷や汗を滝のように流し内心焦りに焦りまくっていた。

 

「あの…ご主人様…?私が家族って……本当ですか?」

 

そんなアレンの事などつゆ知らずメダリアは先程アレンに言われた家族という言葉が脳裏から離れなかった。

 

「あ、ああ。本当だ。嫌か?」

 

格好つけた手前そんな情けない心の中をバレないようアレンは先程の焦りを心の隅へと追いやり平常心を保ちながらそう言った。

 

「初めて…家族だって言われたので…。ありがとう…ございます」

 

心が暖かく感じる。

奴隷として今まで扱われてきたメダリアにとってこんな事無かったからだ。

だが、

(だめだめ!油断させて私に酷いことさせるつもりなんだ!警戒しないと…)

 

「まぁ今日会ったばかりなのに家族って言われても難しいわな。さて、あと少しで着くぞ」

 

そんなメダリアの心中を察してかアレンは苦笑いを浮かべていた。

 

(……少しだけ、少しだけ信じてもいいのかな)

 

メダリアの心がほんの少しだけ揺れ動いていた。

 

(もしかしたらまた裏切られるかも知れない。それでもまた、期待してもいいのかな)

 

アレンとアルトリアの家が見えてくる。

メダリアはそんな小さな小さな自分の心に射した光を感じながらアレンについていくのであった。

─────────────────────

「アル姉ただいま〜。アル姉いるか〜?」

 

アレンとメダリアはアルトリアの家の一階にある武具屋にいた。

そこには自分の背丈と同じくらいの大剣や小剣、槍などの武器類や、鉄鉱石で作られた盾や鎧などの防具が壁に掛けられ値札が貼られており、メダリアはキョロキョロと落ち着かなさそうに周りを見ている。

 

「あれ?居ないのか?」

 

アルトリアの返事が返ってこない。

だが、地下に続く石階段の方から、カンカンカンカンと金属を叩く音がなっている。

 

「ん?地下にいるって事は何か作ってるのか」

 

アルトリアの家には地下室を鍛冶専用に改築しており、主に地下室で武器や防具を作り一階で作成した物を売って生計を立てて生活している。

 

「仕方ないアル姉が戻るまで待つか。メダリア」

「ふえっ!?な、何ですかご主人様?」

 

気の抜けたメダリアの声が返ってくる。

どうやら飾られた武器や防具を興味津々に眺めていたらしい。

その証拠に尻尾や耳がピコピコと動いている。

そんなメダリアにアレンはクスッと笑った。

 

「アル姉が作った武器や防具が気になるのか?」

「えと、は、はい。前や前々のご主人様は基本的に家事を中心に命じられていたので…。外の世界に出る事は許されていませんでしたし」

 

遠慮がちに言うメダリア。

 

「そうか…」

 

メダリアの話を聞いてふむ、と手を顎に当て、

 

「ならちょうどいいじゃないか。メダリアお前には今日から俺の“剣”になってクエストを手伝って貰うぞ」

「へ………………?えぇぇぇぇ!?!?」

 

あまりに突然なアレンの言葉にメダリア素っ頓狂な声をあげた。

 

「そんな驚かなくたっていいだろ?」

「い、いやいやいや!!驚きます!!私に“剣“になれって言われたって武器なんて扱えないですよ!?それこそ冒険者を雇って手伝って貰えば私なんかより確実なのではないですか?」

「ふっふっふっ!メダリアを買った時点で俺の持ち金はほとんど残ってないのだよ。そんな俺に冒険者を雇えと言うのかね?」

「何でドヤ顔しているんですか!?い、いやご主人様が私を買ってくれた事は、凄く感謝してますけど少し罪悪感が─」

 

謎のドヤ顔をするアレンにメダリアは自然にツッコミを入れる。

 

「今罪悪感を感じると言ったな!?ならこれで決まりだな!やったぜ!これで楽が出来る!!いや、まてよ?メダリアをクエストに行かせて俺は家でゴロゴロしてればお金は増えるしメダリアは強くなるしで一石二鳥じゃね!?俺ってば天才じゃねーか!?」

「えぇ………」

 

このどうしようもないご主人様を前に流石のメダリアも顔を引きつらせドン引きしている。

 

「家事も全部メダリアにやらせれば俺は何もせずに遊んで暮らせるじゃん!そして───」

 

アレンはどんどん調子に乗っていくがそんな事は“彼女“が許さないわけでして。

 

「ふーん……。それでなに?アレン?」

「ヒッ………!?」

 

すっかり青ざめたアレンはギギギ、と壊れた時計のようにゆっくりと声の主の方へと向いていき、やがてアレンが見たそれはこめかみにピキピキと青筋を立て鍛治用の鉄製ハンマーを携えたその姿は髪色が赤い事もあり、まるでそれは鬼の様で。

 

「えっとー全て冗談でしてー。あ、あはは……。なんて」

「アレン?」

「は、はいなんでしょう?」

「色々“お話“しようね♡」

「ご、ごめんなさいいいいいいいいい!!!!????」

 

かくして、アレンとアルトリアの“お話”が始まり、アレンを正座させてガミガミと怒る姿はまるで親と子そのものであり─

 

「あ、あはは…」

 

(私これから大丈夫かなぁ)

 

怒られている主のアレンの姿に将来の不安ともう一つの感情を抱くのであった。

 

アレンがこってりアルトリアに絞られた後、鍛治で汗をかいていたアルトリアは汗を流す為に、風呂場に向かって行ったのだが、ちらりと薄汚れたメダリアを見るやいなやメダリアに一緒に風呂に入ろうと誘うが、メダリアは奴隷だから気にしなくていいと断った。

しかし、いいからいいからとアルトリアに押され、風呂場で固まっていた。

 

「あ、あの本当にいいんですか?」

「ん?ああ、奴隷だからって事?いいよいいよ私はそんなの気にしないし。そんな事よりほら、バンザイして?」

「こ、こうですか?」

 

メダリアは言われた通りに両の手を上に上げてアルトリアがメダリアの服を脱がした後、アルトリアもスルスルと服を脱いでいく。

 

「き、綺麗……」

 

一糸まとわぬ姿になったアルトリアの姿はまるで精緻に計算された彫刻の様に美しく、思わず口から言葉がこぼれてしまう。

そして何よりメダリアの視線は大きな胸に視線が釘付けになっていた。

服を着ていてもかなりの大きさだったのだが、どうやら着痩せするタイプらしい。

 

「むぅ………」

 

メダリアは自分の平らな胸とアルトリアの大きな胸を見てショックを受けていた。

例え奴隷であっても女の子には変わらないようだ。

 

「あはは。まだまだメダリアちゃんはこれから大きくなるよ。もしかしたら私よりも大きくなるかもよ?」

「そうですよね!私もまだ可能性はありますよね!」

アルトリアの胸を見て落ち込むメダリアを励ますアルトリア。

 

「うんうん。ほら風邪引いちゃうからお風呂に入るよ。メダリアちゃん」

 

二人は風呂場のドアを開けアレンに沸かさせたお湯にゆっくりと浸かる。

 

「ん~~気持ちいい~」

「初めてお湯に浸かりましたけどこれは気持ちいいですね」

 

アルトリアは、んーと身体を伸ばし、メダリアは気持ちよさそうに目を細めている。

 

「そ~でしょ~!よかったよかった。あ、そう言えばアレンに何か変な事はされてない?」

「い、いえ特に何も。あのご主人様とアルトリア様はどういう関係なのですか?」

 

メダリアの質問にアルトリアはうーんと少し考え、

 

「ただの幼なじみかな。小さい頃からアレンの世話をしてたから姉替わりみたいな所もあるかな。十年前、この世界に連れてこられた時にモンスターから襲われてアレンのお父さんが私たちを庇う形で亡くなって、それから一緒に暮らす事になったって感じかな。アレンも昔はあんな性格じゃなかったんだけどね」

「そうなんですか?」

「うん。昔は自分が勇者になって世界を救うって言って努力してたんだけどね、この世界は才能が全てだから自分に勇者の才能が無くて戦いの才能もあまり無いからそれで折れちゃってよく励ましてたの。そしたらいつしかあんなのになってしまって…」

 

はあ、とため息をつくアルトリア。

その表情にはどこか寂しさが宿っていた。

 

「ご主人様の過去…」

 

「まぁアレンが元気で過ごしてくれれば私はそれで嬉しいかな。働いてくれれば文句無いんだけど」

「ご主人様とアルトリア様は仲がよろしいんですね。先程のやり取り等、本当の姉弟に見えましたし。家族がいない私には凄く“羨ましい”です」

「メダリアちゃん……。じゃあ今日から私たちの事を本当の家族だと思えばいいじゃない」

「え………?」

 

メダリアはアルトリアから何処かで言われた様な気がする言葉に目をぱちくりさせる。

 

「メダリアちゃんは、自分が奴隷だって言うのを気にしてるけど、私たちはそんな事気にしてないし、多分アレンも同じ事を言うと思うよ」

「家族…確かにご主人様にも同じような事を言われました」

 

メダリアは、先程アレンから表通りでマダムに絡まれていた時に言われた言葉を思い出していた。

 

「………本当に家族だって信じていいんですか?」

「もちろん。私たちはメダリアちゃんの事を家族だと信じているからメダリアちゃんも私たちを信じて」

「…ありがとうございます。えと、これからよろしくお願いします!」

「うん!こちらこそよろしくねメダリアちゃん!えへへ。ちょっと臭かったかな…恥ずかしくなってきちゃった」

 

てへへ、と笑うアルトリアの頬は、ほんのりと赤く染まり髪をクルクルと指で恥ずかしそうに触っていた。

 

そんなアルトリアの姿にメダリアも共に恥ずかしくなりお湯に鼻まで潜らせ、ぶくぶくぶくぶくと泡を立てている。

二人の間に訪れる静寂。

だがそれはすぐに破られる事になる。

 

「あ、そだ。メダリアちゃん頭洗ってあげる。私が作成した特製シャンプーがあるの。よいしょっと」

 

沈黙に耐えれなかったアルトリアがメダリアの頭を洗うために浴槽から出て、メダリアの体をひょいと持ち上げ椅子にちょこんと座らせる。

 

「ん?メダリアちゃんの背中の模様?みたいなのは何なの?」

「分からないですね。生まれた時からあったらしいので」

 

メダリアの背中の肩甲骨辺りに、小さな“四角形の中に三角形が二つ重なり合っている”様な模様が刻まれている。

 

「ふーん。まぁ分からないならいいや。ほらシャンプーするよー目に入ると染みるから目を閉じていてね」

「はーい」

 

アルトリアがビンから液体を取り出し泡立てている間、メダリアは言われた通りに目をキュッと閉じる。

そしてメダリアの頭を優しく洗っていく。

髪に指を通すたびに頭皮をマッサージするように洗い流す。

それが終わる頃にはアルトリアの手つきも慣れたもので、メダリアは気持ち良さそうにしていた。

 

「はい終わり!目を開けてもいいよ」

 

「え、すごい…髪がふわふわしてる…綿毛みたい

メダリアは自分の髪を触るとアルトリアに洗って貰う前との劇的な違いに驚いている。

きしんだ髪はサラサラになり、くすんでいた青い髪はまるで宝石の様に綺麗な色を取り戻していた。

傍から見れば奴隷だという事に気付かないくらいだ。

 

「ふふっ。喜んでくれて良かったよ」

 

アルトリアはメダリアが驚いているのを見て嬉しそうに笑う。

 

「ほ、本当に凄いです!ありがとうございますお姉ちゃん!」

「へっ?」

「あっ…」

 

不意にメダリアから出た言葉にアルトリアはキョトンとし、メダリアはそれに気付いたのかすごい勢いで赤面していく。

 

「えっと、違うんです!これはその…なんというか」

 

メダリアは必死になって言い訳をしようとするが、上手い言葉が出てこずにあたふたと慌てふためいている。

それを見ていたアルトリアはニコッと笑い。

 

「ああ、もう可愛すぎる!」

 

そう言いメダリアに抱きついてきた。

 

「わっ!?」

 

アルトリアはメダリアを抱きしめながら頭を撫でたり頬擦りをしたりしている。

 

「あ、アルトリア様!?」

「ごめんごめん。メダリアちゃんが可愛すぎちゃって…ほら!もう一回お姉ちゃんって言って?」

「えと、アルトリアお姉様…で許してください」

「うーん可愛いから許す♪」

「あ、ありがとうございます?」

「ふふ。さて、体をあっためてお風呂から出よっか」

「そうですね」

 

二人は再びきゃいきゃいとお風呂タイムを楽しんでいた。

その様子はまさに家族であり姉妹の様だった。

 




読んでいただきありがとうございます!


ステータス

アレン=ジース 性別 男 種族 人類種 Lv12
【才能】無し 職業【魔物使い】
体力43 攻撃力16

守備力15 魔法攻撃力12

魔法防御力12 速さ10

武器 無し

防具 布の服


メダリア=ファーム 性別 女 種族 獣人Lv7
【才能】??? 職業【奴隷】
体力28 攻撃力10

守備力10 魔法攻撃力3

魔法防御力8 速さ12

武器 無し

防具 アルトリアのお古

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