魔物使いで奴隷使い   作:しおだれはみさーもん

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流石にステータス低すぎたので追加しました。
ステータス

アレン=ジース 性別 男 Lv12 種族 人類種
【才能】無し 職業【魔物使い】
体力4300 攻撃力160

守備力150 魔法攻撃力120

魔法防御力120 速さ100

武器 鉄の剣と盾

防具 皮の鎧

メダリア=ファーム 性別 女 Lv7 種族 獣人
【才能】??? 職業【奴隷】
体力2800 攻撃力100

守備力100 魔法攻撃力30

魔法防御力80 速さ120

武器 鉄の短剣

防具 皮の鎧



第六話【夢】

走る。走る。走る。

ただ闇雲にアレン達は森の中を全力で走り続ける。

 

そしてそんなアレン達を、追いかける。追いかける。追いかける。

木々を薙ぎ倒しながら牙獣ガドラドは、獲物を追いかけ続ける。

 

追われる者と追う者。

 

この図式は、アレン達が逃げている以上必然的に変わる事はない。

だが、アレン達の方もこのままではいずれ体力の限界を迎えてしまうだろう。

そうなれば、アレン達に待っている結末は死だ。

 

(どうにかしてアイツを倒す方法を考えないと!)

 

アレンは必死に頭を働かせる。

 

(俺とガルちゃんだけで倒せるのか?いや、無理だ!実力差がありすぎる。ならテイムか!?一旦前線を離れて集中しなきゃいけない。そんな隙をくれるはずがない。くそッくそッくそッ!?どうすればいい!?)

 

アレンの頭の中で、様々な戦術や戦略が浮かんでは消えていく。

その間にもアレン達とガドラドの距離は、どんどん縮まっていく。

その距離、二百メトラ─百五十メトラ─百メトラ─

 

ドシンドシンドシンドシンと、重厚な死神の足音が大きくなる。

メキメキメキメキと、木々のへし折れた断末魔が聞こえる。

アレン達は、鬱蒼とした森を必死に走り続ける。

八十メトラ─五十メトラ─

 

すぐ後ろからガドラドの息遣いが聞こえてくる。

ついに森の出口が見え、木で遮られていた陽の光が差し込み、視界が徐々に明るくなっていく。

四十メトラ─三十メトラ─二十メトラ─

 

景色が木々の緑色からやがて、ぽつぽつと土色に変わり始め、アレン達は森を抜けた。

 

そこに広がっていたのはまさかの断崖絶壁だった。

 

「おいおい…嘘だろまじかよ…」

 

先程から走り続けていたアレン達の足が止まり、思わず乾いた笑いが出てくる。

 

そして─

 

ドシン、ドシン、ドシン。

死神の足音がアレン達の前で止まる。

ついに、ガドラドに追いつかれてしまった。

ガドラドはアレン達を、舌なめずりしながら見下

ろす。

 

アレンはその巨躯を見上げ、改めて恐怖していた。

その圧倒的な存在感。

その威圧感。

その力の差。

その全てがアレンの心を押し潰さんとばかりにのしかかってくる。

 

だが、アレンはそれを振り払い剣と盾を構え、前を向いた。

 

「ここでやるしかないッ!くそッ!やるぞガルちゃん!」

 

もうどこにも逃げられない。

やけくそだが覚悟を決めたアレンは、腰を低く落とし戦闘態勢に入り、ガルちゃんも背中に乗せていたメダリアを優しく降ろし、アレンの隣でグルルルと唸っている。

 

「あ……う……」

 

未だ恐怖に駆られていたメダリアは、ペタンと座り込み動けないでいた。

化け物を前に歯をガチガチ鳴らし手も足も震え、戦う気など微塵も湧いてこない。

そんなメダリアを守る様な形で戦闘態勢に入っているアレン達。

 

「な…なんで戦えるの…怖く…ないの?」

 

メダリアの口から自然にこぼれたそんな言葉。

彼女にとって不思議でならなかった。

 

「怖い?いいや!怖くねぇ。俺はこのまま何も出来ずに死ぬ方がよっぽど怖い。だから戦う。死んだらアル姉に叱られそうだからな」

 

アレンは、にっと笑う。

だが、その笑顔はひきつりまくっていて不自然だ。

 

「メダリア。安心しろ。こいつを殺して俺達全員で家に帰るぞ」

「ガウッ」

 

アレンはメダリアの頭を撫で、ガルちゃんは任せろと言いたげな目でメダリアをちらりと見る。

 

「家に帰ったらアル姉にご馳走作って貰わねーとな」

 

だが、メダリアはブルブルと肩を震わせて。

 

「………………ない」

 

「そうだ。メダリアは何が好物なんだ?それをアル姉に作らせて─」

「分かんない分かんない分かんない分かんない分かんないッ!!!」

 

メダリアは拳を握り締め、激高した。

 

「何で戦おうとする事が出来るのッ!?私は怖くて怖くて堪らないのに!何でなの!?何で私ばっかりこんな目に合うの?私だってご主人様みたいに自由に色んな所に行きたいのに!どうして私は産まれた時から奴隷なの…」

「メダリア…」

 

メダリアは、産まれた時から奴隷として奴隷商人に育てられ、自由を許されず様々な貴族に商品として買われ、捨てられ、たらい回しにあってきた。

 

「私は奴隷なんだから命令すればいいじゃない!!戦えって!!そうすれば、私を無理やりにでも戦わせる事が出来るのに…」

 

いつもの礼儀正しい言葉遣いを忘れ、小さい子供の様な、年相応の癇癪を起こす。

奴隷人生の中で初めての反抗なのだ。

そんな自分から出た言葉に、はっとして自分の口から出た言葉を認識する。

 

「確かに形式上奴隷だがお前は俺達の家族だ。俺は家族に命令はしたくないし、しない」

 

それなのにどこまでも、どこまでも優しい声で。

それでいて力強くアレンは言った。

 

「そして今、その家族が戦えないならそいつを守る。それだけだ」

「………………あ」

 

メダリアの心に小さな灯火が燃え始め、それは─

そんなアレン達のやり取りを聞き飽きたのか口を大きく空け。

 

グオオオオオオオオオオオオオオンンンンンッ─────!!!

 

咆哮がアレン達を殴りつける。

空気がびりびりと震え骨が軋む。

だが、

 

「うおおおおぉッ!!!」

「ガルルルオオオオッ!!」

 

アレン達も負けじと喝を入れ、生と死が別れる死闘が始まった。

 

アレンは、剣を横薙ぎに一閃。

ひらりと回避して、角で弾き飛ばそうとアレンに突進するガドラド。

アレンは咄嵯に横に転がりながら避け、体勢を整え立ち上がる。

 

そして、すかさずガルちゃんが飛びかかり、噛み付き、引っ掻き攻撃を繰り出す。

だが、ガドラドはそれを、身体を震わせ振り落とし、ガルちゃんに体当たりをする。

 

「ガッ!」

 

振り落とされたガルちゃんは、ガドラドの攻撃が命中。

大きく吹き飛んでいくが、何とか地面に脚を付ける事ができ、受け身に成功する。

 

「火の精霊よ・かの者を焼き払え」

 

ガルちゃんとガドラドの攻防の隙に詠唱を始めたアレンは、火魔法【ファイド】をガドラドに向けて発射。

メラメラと燃える火の玉が、ガドラドに命中。

怯みはするが、ダメージはあまり与えれてはいないようでピンピンしている。

 

「ちっ!ならば!」

 

アレンは再び魔法の詠唱を始める。

 

「土の精よ・かの者の視界を奪え」

 

土魔法【サンド】を起動。

大量の土がガドラドの視界を奪おうと目に向かっていく。

それを咆哮で打ち落とし、パラパラと落ちていく土。

 

その隙に、アレンは剣を抜きガドラドに向かって斬りかかる。

土魔法【サンド】をフェイクに使った不意打ちなのだが。

 

一瞬、驚いた表情をするが、それすらも簡単に避けられてしまう。

 

今度は、こちらの番だと言わんばかりに、ガドラドはその長い角を振り回し攻撃してくる。

アレンは、それを避けながら後退。

 

そして、後ろへジャンプし、距離を取ると再び魔法の詠唱を開始する。

 

「氷の精よ・かの者の自由を奪え」

 

今度は氷魔法【アイスラ】だ。

アレンの周りに複数の氷柱が出現しガドラドを貫こうと襲いかかる。

 

だが、ガドラドはそれにも動じず、全て避ける。避ける。避ける。

 

そして、逆に氷柱を足場にして、滑るようにアレンに迫る。

 

「なんだと!?」

「ご主人様!!」

 

アレンは急いで次の詠唱に入るが。

 

「くそっ!間に合わねぇ!?」

 

ガドラドの長い角が、アレンを空中へと弾き飛ばす。

空中へ弾き飛ばされたアレンは、空中で一回転。

そのまま地面に叩きつけられる。

 

「かはッ──────!?」

 

背中から着地。

肺の中の空気が全て押し出され、あまりの衝撃に息ができない。

 

そんな状態のアレンにガドラドは、トドメを刺そうと追撃を仕掛けてくる。

アレンを吹き飛ばそうと巨体が迫ってくる。

 

アレンは何とか立ち上がろうと手足を動かそうとするが、身体が痺れてうまく立ち上がることが出来ず、もがくだけだった。

 

(くそっやべぇ!?)

 

その時だった。

アレンを庇う様にガルちゃんが正面に立ちはだかり、

 

「お、おいっ!」

 

そして─

アレンを守る為に、ガドラドの攻撃を受ける。

巨大な岩が衝突したような音と共に、吹き飛ぶガルちゃん。

木に打ち付けられたガルちゃんは、ピクリとも動かない。

 

「ガルちゃん!!」

 

その光景を見ていたメダリアは思わず、大きな声を出してしまった。

その瞬間、ガドラドと目が合った。

 

「あ………」

 

ガドラドは、最後に残ったメダリアを仕留めようと迫ってくる。

恐怖で足がすくむ。

そして、動けない。

怖いのだ。

心に宿った小さな灯火も消え失せる。

あの鋭い牙も、長く伸びた爪も、何もかも。

自分は今、猛獣の前にいる。

ただそれだけなのだ。

 

もう駄目だと諦め、目をゆっくりと閉じる。

 

(ああ…私の人生本当にろくでもなかったな)

 

産まれた時からの記憶が走馬灯のように流れ、過ぎ去っていく。

楽しかった事など何一つとして無い人生だった。

親の顔すら知らない。

物心ついた時には既に奴隷だったからだ。

夢も希望も友人も持つことを許されず、ただただ主人の為に働き続けるだけのただの道具。

それが自分、メダリア=ファームという存在だった。

 

そんな自分が、アレンと出会い、アルトリアと出会い、家族だと言ってくれた。魔物だが友人が出来た。

だから、最初は戸惑ったが嬉しくて仕方がなかった。

ただ、もう少しだけ生きたかった。

メダリアの頬に一筋の涙が零れ落ちる。

 

(でも、短い間だったけどご主人様に…。アレン様に出会えてよかった)

 

ガドラドがもう、目の前まで迫ってきていた。

次の瞬間には、メダリアは空に浮き叩き付けられ、その人生を終わらせる事になる。

だが、その時だった。

 

「うおおおおおおおおおおおお─────ッッ!!」

 

メダリアの前に立ちはだかり、ガドラドの攻撃を盾で一身に受け止める。

突然の出来事に、驚きながら目を開けるとそこには、 見慣れた背中があった。

そう、それは───

 

「ご主人様!?」

 

それは、アレンであった。

身体のあちこちから血を流し、満身創痍になりながらもガドラドの攻撃を受け止め、アレンは後ろを振り向かずに言う。

 

「怪我はないかメダリア」

 

その言葉にメダリアは、泣きそうになる。

先程まで感じていた死の恐怖が嘘の様に消え去り、今は只々、嬉しさと安心感でいっぱいになる。

 

「ご主人様ぁ!」

 

ガドラドはアレンを押し潰すように何度も頭突きを繰り返す。

 

「ぐッ!」

 

それをアレンは、必死に盾を構え耐えているが、盾に所々ヒビが入り初め、攻撃を受け止める度にバキッビキッと音を立てている。

 

「メダリア。お前に謝りたいことがあってな。あの時、俺は怖くないって言ったけど流石に強がりだったよ。本音を言えば凄く怖い」

 

アレンは、涙目になりながらも必死耐えている。

 

「でも俺は、勇気を出して救える命があるなら一つでも多く救いたかった。だから俺は…お前を…」

 

アレンは、メダリアと出会う前に見捨ててしまった双子の女の子の奴隷を思い出していた。

 

「これも全部俺の捨てても捨てきれねぇ、クソみたいな夢のせいかもな」

「ご主人様の夢…?」

「……俺は正義の勇者になりたかった。この世界を本気で救いたかった。だが、才能の無い俺には勇者になる資格もなかった。それでも俺は、そんな幼稚な夢を…捨て切れなかった」

「それがご主人様の夢…」

「ふっ。笑うだろ?」

 

アレンは少し自嘲気味に笑みを浮かべる。

メダリアはその表情とアルトリアから聞いた事を思い出して、胸が締め付けられるような感覚に陥る。

 

出会った時からろくでもない所ばかりだったアレンが、こんなに苦しんでいたのかと思うと、胸の奥から何かが込み上げてくる。

 

そして、同時に、アレンがどれだけ頑張ってきたかを知った。

それならば─

 

「じゃあ私の夢も今決まりました。ご主人様の奴隷としてでは無く、“家族”として、“剣”として支えて、ご主人様を正義の勇者にしてみせます。それが私の夢です」

 

メダリアは力強く、そう言った。

アレンはそれを聞いて苦笑いする。

まさかメダリアに励まされるとは思わなかったからだ。

 

そして遂に、ビキッバキッバリンッ!

アレンの持つ盾が粉々に砕け散った。

 

(ここまでか…すまないアル姉。メダリア。ガルちゃん)

 

自身の攻撃を阻む物が無くなった事を確認したガドラドは、アレンを突き飛ばそうと角を振り上げ攻撃。

 

そして、ガドラドの攻撃がアレンに当たると思われたその瞬間。

ガドラドが、何故か吹き飛ばされた。

 

「なっ───!?」

 

何が起きたかわからず困惑していると、背後から聞き覚えのある声が聞こえた。

 

「今度は私に任せてくださいご主人様!!」

 

ガドラドを吹き飛ばした張本人であろう人物は、 アクアマリンの様な綺麗な青髪が純白の髪に変化し、爪や歯が牙のように鋭くなり、狼の様な体毛が生えている。

それはどこかガルちゃんを思わせる姿で。

 

「メダ……リアか?」

「はい。よく分からないけどガルちゃんの力を取り込んだみたいです。なので今は私に─」

 

メダリアが言葉を最後まで言い切る前に、アレンの視界からメダリアが消えた。

そして、気が付いた時には、メダリアは既にガドラドの懐に入り込んでいた。

 

その速さはアレンの動体視力では追いつかない程で、一瞬で距離を詰めると、そのままガドラドの顎に蹴りを入れた。

 

ガアアアアッ─────!?

 

すると、たった一撃でガドラドは空中に浮かび上がり、地面に激突した。

その光景にアレンは唖然としていた。

メダリアはそんなアレンに振り向きニコッと微笑んだ。

そして、ガドラドに向かって跳躍し、追撃を加える。

 

そこから先は一方的な戦いだった。

メダリアは縦横無尽に走りガドラドの顔面を、角を、翼を、身体を斬る。斬る。斬る。

縦、横、縦の三連撃。ジャンプして空中から繰り出す無数の連撃。

回転しながらコマのように斬りつけていく回転斬り。

 

(あの姿…メダリアにガルちゃんが同化したのか。これがメダリアの才能なのか?それにしても…すげぇ…)

 

まるで、踊りを踊っているかのような流れる攻撃にアレンは、目を奪われていた。

ガドラドは、そんなメダリアを鬱陶しそうになぎ払おうとするが、それを回避し、斬る。斬る。斬りまくる。

ガドラドは怒り狂いながらも、なんとか反撃しようと試みるが、その度にメダリアにカウンターを食らい、更に傷を増やし、血を流していく。

 

(身体が軽い。不思議な感じ…身体が勝手に動いてく…見ていてください私の力を!)

 

メダリアは、ガドラドの動きを見切りながら確実にダメージを与えていく。

 

そして、ガドラドが膝をついた。

もう既に満身創痍で、息も絶え絶えである。

そんなガドラドに対して、メダリアは最後の止めをさす為、駆け出した。

 

「いいいいいやああああああッッ!!スキル【白の舞】ッッッ!!」

 

ガドラドを無数に縦横無尽に斬りつけていく。縦、横、縦の三連撃から、一歩前にステップして右斜め、左斜めの二連撃。

短剣と鋭い爪を双剣の様に扱い、無数斬りつける連撃。

 

それは舞のように美しく、それでいて力強かった。

 

そして、とうとうガドラドの首が宙に舞い、胴体から離れ、ガドラドの巨体が大量の魔障となって消え去り、その場にはガドラドの角と皮が落ちていた。

 

「やった……」

 

ガドラドとの戦闘に勝利したメダリアは、近くに合った木の幹にふらふらと、身体を預け、力を使い果たして、元の姿に戻っていた。

 

「よく頑張ったな」

 

アレンが身体を引きずらせながらもメダリアの方へとやってきて、拳を差し出す。

その傍らには、同化から解除されたガルちゃんもいた。

 

「はい!ご主人様!!」

 

メダリアは満面の笑みで、アレンと拳を合わせるのであった。

 

 

 

 

 

 




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ステータス

アレン=ジース 性別 男 種族 人類種 Lv13→16
【才能】無し 職業【魔物使い】
体力4600→5400 攻撃力180→210

守備力190→210 魔法攻撃力130→150

魔法防御力140→160 速さ120

武器 鉄の剣 壊れた盾

防具 皮の鎧


メダリア=ファーム 性別 女 種族 獣人Lv9→13
【才能】??? 職業【奴隷】
体力3000→4100 攻撃力130→160

守備力120→165 魔法攻撃力30

魔法防御力90→110 速さ160→230

武器 鉄の短剣

防具 皮の鎧

スキル
同化時【白の舞】


ガルーフ(ガルちゃん) 性別 オス 種族 牙獣 Lv10→14

体力3800→4800 攻撃力180→240

守備力100→120 魔法攻撃力60→80

魔法防御力70→90 速さ170→230


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