あの日から丸一日経った。
俺は今とある村でお世話になっている。歩いている途中で倒れてしまった俺を村の人が見つけて保護してくれたらしい。お世話になるって言ってもたった一日だけど。そんなことを考えていると俺を助けてくれたおばさんが俺に話しかけてきた。
おばさん「とりあえず朝食を用意するからそれ食べたら出ていき。流石にずっと世話は苦しくてな。」
そう言いながらおばさんは茶碗一杯のご飯と味噌汁を俺の前に置いた。
颯「一日泊めてくれたことだけでも十分です。ありがとうございました。」
おばさん「そうかい…ってもう食べ終わったのかい?」
颯「はい。ご馳走様でした。」
おばさん「ちゃんと体に気をつけるんだよ。」
いやいい人すぎるだろ…まぁ少しは腹も脹れたし、本気で鬼殺隊員を目指すとしますか。とりあえず情報を集めなきゃならない。こんな小さな村に鬼殺隊の情報は無さそうだけどやってみるしかない。果たして育手のところに行けるまでどのぐらい時間がかかるのだろう…
まずはそこにいるおっさんに話しかけた。
颯「あの…すいません。」
おっさん「おぉ、どうしたんだボウズ。」
颯「おじさんって【育手】について何か知ってることってありませんか?」
おっさん「そだて ? う~ん…聞いたことがないなぁ…」
まぁ予想通りの反応だ。だって政府非公認らしいし知名度がそんなにないことは原作を読んでる俺なら分かる。
颯「そうでしたか……マジで鱗滝さんとか桑島さんとかどこにいんだよ…」
おっさん「うろこだき?鱗滝って名前は聞いたことあるなぁ。」
ん?
おっさん「確か…狭霧山で子供を育てているとかなんだとか…」
颯「狭霧山…その山ってどこにあるか分かりますか?」
おっさん「ん?あぁ。分かるとも。」
そして俺はおっさんの後を追った。
おっさん「やっぱ道が長ぇなぁ……あの山が見えるか?あそこが狭霧山だ。」
颯「おぉ…あそこが…」
おっさん「でもこんなとこ来てどうすんだ?最近じゃ鬼が出るって話だぜ?」
颯「まぁ…色々…」
おっさん「ま、俺はもう行かなきゃいけねぇ。元気でなボウズ。」
颯「はい、ありがとうございました。」
よし…狭霧山に行けば鱗滝さんに会って水の呼吸を教えてもらえるはずだと俺は考えた。
俺は狭霧山の奥地を目指して再び歩くのだった。
颯「あかん…これやばいわ…」
今の状況を簡単に説明すると
狭霧山へGO!
↓
見つからないなぁ
↓
迷子になっちゃった!
↓
夜になっちゃった!
って感じだ。この世界の夜は刀がないと危険すぎる世界なので夜はなるべく安全にするようにしていたのだがこれは困ったな…ここで鬼が来たら俺は死ぬ。でも鬼なんてそんな近くでうろちょろしてるよう存在じゃないしな。焦る必要はない。
でも灯りがないと流石に怖いな…後ろからグサッ!なんてされたらたまったもんじゃない。
鬼「おぉ?こんなとこにガキがいるなんて俺はラッキーだなぁ…へへへ」
うわああああああ!!??
えぇ?マジ?俺運悪すぎじゃね?
鬼「へへ…今日は一日運がいいぜ!」
俺は良くねぇよ!バッドラックだわ!デュースだぞ!?
鬼「だがまぁ…普通に食うってのもなんかつまらねぇ…指一本一本引きちぎって食ってやるか!」
えぇ…やる気やん…なんか母さんが鬼になった時の危機感が感じられない。意外と死ぬのって怖くないんだな…
鬼「じゃ…早速…」
鬼殺隊員「その子から離れてもらおうか。」
鬼「ちっ…鬼狩りか…」
うおおおお!!ナイス!階級癸ってオチじゃないよな?大丈夫だよな?
鬼殺隊員「離れろと言っているんだ。」
鬼「うるせぇ!とっとと死ねぇ!」
鬼殺隊員「水の呼吸 参ノ型 流流舞い」
鬼「ぐぅ…痛てぇ!」
強いな…でも任務で来たなら何人か食われてるって被害があるはずだ…それほど強い鬼に見えない…嫌な予感がする…
鬼殺隊員「終わりだな…」
鬼「くぅ…クソっ!クソォ!」
鬼殺隊員「せめて楽に死なせてやる…」
鬼殺隊員「水の呼吸 伍ノ型 干天の------------」
鬼「かかったなバカが!」
鬼「[血鬼術 逆氷柱]!」
鬼が叫んだ瞬間、鋭い岩のようものがとてつもない勢いで地面から生えてきた。
その鋭い岩は 俺を助けてくれた 鬼殺隊員の 腹を 貫いていた。
鬼殺隊員「ぐっ…うあ…」
鬼「へへへ…どうだ?苦しいかよ?オラッ!」
鬼はそう言いながらなんども鬼殺隊員の顔を殴る…正直見ていられなかった。
鬼殺隊員「き…み」
鬼殺隊員が俺の事を見つめて大きく叫んだ。
鬼殺隊員「早く…逃げるんだ!!!」
鬼「安心しな。あのガキもちゃ~んと俺が食ってやるからな……もうじきお前は死ぬんだから刀なんていらねぇよな?あ~らよっと!」
鬼殺隊員の右手ごと蹴っ飛ばし、俺の方へ飛んできた。ちぎれた右腕を見て俺は動けなかった。
あまりの恐怖で。絶望で。
このままじゃ殺される……!
せっかく特典みたいなのをもらってここで死ぬなんて…
【特典】…!
そうだ…俺には時を止める能力がある…これを使えば…鬼の首が切れるかもしれない。
俺は鬼殺隊員の右腕から刀を借り、鬼へ刃を向ける。
鬼「クソガキ…俺とやるってのか?」
颯「…あぁ…当たり前だ。」
鬼「そうかそうか……じゃあ…すぐに死ね!」
鬼が猛スピードで俺の方へダッシュしてきた。今だ!
時よ…止まれ!
カチカチカチ…
うおおおおおおおぉ!!
アドリブ水の呼吸 壱ノ型 水面斬り!
スン…
鬼「…!?」
押し切れ!押し切れ!そのまま手を離すな。両手に力を込めて赫刀でも発動させてでも首を斬れ。
鬼「が…ああぁ…クソっ…ガキがっ!」
鬼が俺の腹にボディブローをかました。くそっ…苦しい…息ができない…刀を離してしまった。
颯「ごほっ…げほっ…うっ…」
鬼「ガキだから油断してたぜ…だがもう終わりだ。」
鬼が俺の方へ歩いてくる。無理だなもう…諦めるしか…
「水の呼吸 肆ノ型 打ち潮」
鬼「ぐあっ!?」
颯「…?」
なんだ?鬼の両腕が切断されている…一体何が…
鬼「邪魔するんじゃ-------------」
「水の呼吸 拾ノ型 生生流転」
鬼「なっ…」
鬼の首が切れた。そして切った人の声と後ろ姿ですぐに誰か分かった。
そう…この人…天狗のお面をかぶった…狭霧山の…
鱗滝「大丈夫か?」
水の呼吸の育手、鱗滝左近次だ。
水の呼吸ってかっこいいですよね。
個人的には玖ノ型 水流飛沫は攻撃技として使えないかなーって思ってます。