ハイスクールD×D〜転生したら騎士(笑)になってました〜   作:ガスキン

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おかしいな? 最近、オリ主がただのネガティブ野郎になってきてしまった気がする。




第十四話 貴様!見ているな!

「お願い、私の処女をもらってちょうだい」

 

 HEYHEYHEY! どういう事ですか!? いきなり現れて服を脱がれて「抱いてくれ」!? 誰かこの状況を正確に教えてください!

 

 急遽、脳内会議が開かれた。円卓の席に数人の小さい俺が着いている。

 

「はい、発言の許可を求めます、俺A」

 

「許可します、俺B」

 

「ありがとうございます! まず、俺は部屋で休んでいました。ここまではいいですよね?」

 

「ええ、その通りです」

 

「続きは俺が」

 

「お願いします、俺C」

 

「はい。そうやって休んでいる時に、突然、床に変な模様が浮かびあがりました。そこから光が発生し、それが治まったと思った、次の瞬間、そこにはグレモリーさんが立っていました。突然の事に面食らう俺の前で、彼女はいきなり服を脱ぎ始めました」

 

「てっきり黒い下着かと思ったら、予想外の白! いや、これもまたいいんですけどね!」

 

「誰か、俺Dをつまみ出してください」

 

「な、何をするだぁ!?」

 

「馬鹿は置いておいて。そうやって服を脱いだ彼女は、俺の腹に馬乗りになりました。これが経緯です」

 

「はい、ありがとうございます。では、先程の「抱いて」発言と合わせて、今の状況を説明出来る俺はいますか」

 

「「「ははは、無理!」」」

 

「ですよねー!」

 

 以上、僅か十秒足らずで脳内会議終了。ええい、役立たず共め! つーかD! てめー何しっかり見てやがる!

 

「これでも体には多少の自信があるわ。初めてだけど、あなたを満足させる事は出来ると思うけど」

 

いや、俺が聞きたいのはそういう事じゃないんですけど! 止めて! 俺の手を胸に持って行かないで! 指が沈み込む感触とか、一部コリコリした所があるとか考えるな俺!

 

「あ…ん…」

 

 艶やかな喘ぎ声を漏らすグレモリーさん。ヤバい、いくらアル=ヴァン先生の鋼の意思を受け継いでいる俺でもこれ以上は持たない!

 

 最早限界か!? と思ったその時、俺は気付いた。グレモリーさんの肩が僅かにだが震えている事に。それを確認すると同時に、暴走しかけた俺の意思が急速に冷えていった。

 

「グレモリーさん」

 

「え、神崎君?」

 

 俺は上体を起こし、震えている彼女の肩を優しく掴んだ。わかった・・・わかったぞ! これは…ドッキリだな! そうだ、きっと俺の慌てふためく所を撮影して後でみんなで笑うつもりだったんだな!

 

 しかし、詰めが甘いなグレモリーさん! そうやって笑いを堪えている姿を見れば誰だって真相に気付くぞ! でも、ドッキリの為とはいえ、体張り過ぎだろ。もしかしたら、笑いと一緒に恥ずかしさも堪えてるのかもしれない。

 

 俺が気付いてしまった以上、ドッキリは失敗だ。とりあえず、これ以上恥ずかしい思いをさせるのもあれだし、シーツか何かで隠してあげよう。

 

「もういい。キミがそれ以上傷付く必要は無いんだ」

 

「ッ!?」

 

 羞恥心っていうのは、大小問わず、しばらく残る物だ。グレモリーさんもこれから先、今回の件を思い出して悶える時が来るだろう。そんなキミに先輩からちょっとしたアドバイス。…もうね、受け入れなさい。否定したらした分だけダメージでかくなるから。けど、反対に受け入れたら、それだけ恥ずかしさも小さくなるぞ。ああ、これも自分の一部なんだって。そう思えるから。

 

「何があろうと、俺はキミの味方だ」

 

「あっ…」

 

 同じ悶え仲間として、キミのショックを和らげるためなら何でも協力するぞ。とりあえず、俺の言葉に呆けている彼女の頭を撫でてあげた。うーん、相変わらず綺麗な髪だなぁ。

 

 さて、彼女の事はこれでいいとして、問題はこれからだな。見た所、カメラらしき物は周りに無い。という事は撮影では無く、場に乱入するパターンか? 『ドッキリ大成功!』と書かれたプラカードと共にオカルト部の誰かが部屋の扉を開けて入ってくるかもしれない。

 

 だが残念、すでにネタはバレている。さあ、いつでも来るがいい!

 

 そんな感じで身構えていると、またしても床が光り始めた。誰が来る? 姫島さんか? 木場君か? 塔城さんか? 兵藤君か? はたまたまさかの全員登場か? 誰が来ようと返り討ちだ!

 

 眩い光に目を閉じる。そうして再び目を開ければ、そこにはいたのは先程あげた子達の姿では無く、銀色の髪にメイド服を纏ったとんでもない美女が立っていた。

 

(って誰ですかあなた!?)

 

「あなたが来るとはね、グレイフィア」

 

 知り合いかよ!? グレモリーさんに名前を呼ばれ、女性が口を開く。

 

「こんな事をして破談に持ち込もうというわけですか」

 

「こうでもしないと、私の意見なんて誰も聞いてくれないでしょ?」

 

 何やら話を進める二人。破談? 意見? え、これってもしかしてドッキリじゃないの? じゃあ、さっきのは全部俺の勘違い?

 

『もういい。キミがそれ以上傷付く必要は無いんだ』

 

『何があろうと、俺はキミの味方だ』

 

 あれも全て見当違いの言葉だったって事? …イ、イェァァァァァァァァァッ!! また俺の黒歴史が増えてしまったぁぁぁぁぁぁぁ!! 殺せよ! もういっそ誰か殺してくれよぉぉぉぉぉぉぉ!!!

 

「このような下賤な輩に操を捧げて…」

 

 そう言いかけてグレイフィアさんがジッと俺を見つめて来た。見るなよ・・・今の俺を見ないでくれよぉ!

 

「…あなた、何者ですか?」

 

 勘違いして自爆する間抜けですけど何か? いや、そんな事聞きたいわけじゃないってわかってますけどね。

 

「初めまして。俺は神崎亮真。グレモリーさんとは同じクラスで友人です」

 

 誰か、ズタボロメンタルでもちゃんと挨拶出来た俺を褒めてください。いや、マジで。ご褒美にちょうど首括るのに使えそうなロープとかくれたらなおよし。

 

「そういう事を聞いているわけではありません」

 

 なら、何を聞きたいんですか? 趣味ですか? 好きな食べ物ですか? ははは、今ならヤケクソで何でも答えてあげますよ。

 

「…語るつもりは無いという事ですか」

 

 はい? なんか納得しちゃってるんですけど。それにさっきより目つきが怖い。自己紹介で気分を害されるって俺くらいじゃね?

 

「グレイフィア。神崎君は私の大切な友人よ。手を出すのは許さないわ」

 

 手を出す? それってグーパンか何かですか? やだ、この人、見た目と違ってすぐに暴力振るったりするわけ?

 

「その様なつもりではありませんでしたが。…まあ、いいでしょう。では、こちらも改めて挨拶させて頂きましょうか。初めまして、神崎様。私はグレモリー家にお仕えする者の一人でグレイフィアと申します。どうぞお見知りおきを」

 

 お辞儀の仕方から何から完璧な挨拶だった。まさにメイドだなこの人。これでバイオレンスな所がなければ最高だと思う。…グレモリー家の人達大丈夫なのかな?

 

「グレイフィア。あなたがここに来たのはあなたの意思? 家の総意? それともお兄様のご意思なの?」

 

「全部です」

 

「そう…」

 

 すっかり放置された俺を尻目に、グレモリーさんは諦めたように頷いた。あ、終わったんですね。なら俺にも説明してください。

 

 だが、俺への説明などする必要は無いと言わんばかりに、グレモリーさんはいそいそと衣服を纏い、グレイフィアさんの傍へ近寄った。それと同時にまたあの模様が床に浮かびあがる。

 

「ゴメンなさい。神崎君。それとありがとう。さっきのあなたの言葉、凄く嬉しかったわ。ふふ、どうしてかしらね。あなたが味方って思うだけで心が満たされる。凄く心強いわ」

 

 え、ちょ、待っ! だから説明を…!

 

「どうしてこんな事をしたのか、近い内に必ず話すわ。人間であるあなたに関係の無い話ではあると思うけれど」

 

 その言葉を最後に、グレモリーさんとグレイフィアさんは光の中へ消えて行き、その場にはただ俺だけが残された。

 

「…解せぬ」

 

 いや、もうね。あまりにも色んな事があり過ぎて頭ん中がパンパンだぜ。

 

「あの、リョーマさん。お風呂が湧きましたよ」

 

 ノックと共にアーシアのそんな声が聞こえる。ああ、次は入浴だ…。

 

「ああ、なら先にアーシアが」

 

「え、えっと…その、よかったら一緒に入りませんか」

 

 …ファイ? 今あの子なんて言ったの? 一緒に入る? どこに? 風呂に? 誰と誰が?

 

「あの…ですね。日本では、は、裸の付き合いというものがあると、とある方に教えて頂きまして…。お、お風呂で一緒に体を洗ったりして、親睦を深めるって」

 

 誰だこらぁ!!! ウチの天使にふざけた事吹き込んだヤツはぁ!!! 許さん、絶対に許さんぞ貴様ぁぁぁぁぁぁぁ!!! ソードか? ライフルか? クローか? お望みのファイナルモードをぶち込んでやる!

 

「アーシア」

 

「は、はい!?」

 

「それはあくまで同性同士の話であって、男女で親睦を深めるのに一緒に風呂に入るという話は俺も聞いた事が無いんだが」

 

「え、そ、そうなんですか?」

 

「ああ、だからせっかくのお誘いで申し訳ないんだが、一人で入ってくれ」

 

「…わかりました。でも、私はリョーマさんなら別に…」

 

「何か言ったか?」

 

「い、いえ! では先に入らせてもらいますね!」

 

 いざとなれば誓いに従って去勢するつもりだが、それでもあんな可愛い子と混浴などしたら俺が持たない。きっと彼女なりに一緒に暮らすにあたってより深い信頼関係を築きあげたいと思っての提案だったのだろうが。ハッキリ言おう、それは逆効果です。

 

 去って行く足音を聞きながら、俺は長く大きな溜息を吐いたのだった。そして、それから数日経ったある日、俺とアーシアはグレモリーさんの別荘へと招かれる事となる。

 

 やれやれ、ここはまたあのセリフを口にしなくてはならないではないか。それではみなさん、ご唱和ください。

 

 …どうしてこうなった!




色々あって、グレイフィアのオリ主からのイメージが暴力的な女性となってしまいました。これから先、オリ主は彼女に対し、若干の苦手意識を持つようになります。

しかし、アンケートに彼女もハーレムに加えてくれという意見がありましたが、さすがに人妻は無理じゃなんですかね? あれか、妹でも捏造するか?

さて、原作でいうレーティングゲームの特訓に巻き込まれたオリ主。ただ、この小説ではレーティングゲームの内容はあまり書きません。結果だけ出してさっさと次に進めようと思います。

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