ハイスクールD×D〜転生したら騎士(笑)になってました〜   作:ガスキン

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スランプだろうか、最近手が進みません。今回もちょっと短めです。


第五十九話 改z・・・特訓開始!

みんながそれぞれの修行を始めるなか、俺は一人部屋に戻って唸っていた。というのも、俺ごときが何を教えてあげられるのか、真剣に悩んでいたからだ。アル=ヴァン先生の知識と経験を受け継ごうと、俺の本質はただの一般人Aである。そんな俺が、彼女達に何を教えられるというのだろう。

 

「とりあえず、データを渡しておく。それを参考に色々考えてみろ」

 

そう言って、アザゼル先生は部屋に戻ろうとした俺を引き止め、リアス達のデータの記された紙束を渡して来た。さらっと目を通すが、そこに書かれた内容の濃さに目を見開く。それぞれの能力をランク付けしてあった。リアスはB+。朱乃はB-。中々に厳しい評価だ。で、兵藤君は・・・うん、頑張れ。

 

あ、俺のもある。ええっと、何々・・・「人外」? え、どういう事? ランク付けどころか人外指定って酷くないですかね! 人外さんに人外呼ばわりされる人間って後にも先にも俺だけじゃないの?

 

「そうか? 誰が見ても妥当な評価だと思うがな」

 

当然の様に答えるアザゼル先生。さらに、続けてこうも言った。

 

「そんな人外なお前に頼みがある。可能ならあいつらに必殺技の一つでも伝授してやってくれ」

 

もう人外云々はスルーして、何で必殺技? と問えば、「そりゃ男の浪漫だからさ」と答えるアザゼル先生。いや、その気持ちはちょっとわかりますが、女の子もいるんですけど・・・とツッコミたかったが、急に真面目な顔になった先生を見て口を噤んだ。

 

「冗談は置いといて、これは割とマジなお願いだ。“とっておき”を持つ事は、あいつらの自信にも繋がるからな。ついでに、リアスと朱乃のヤツも考えてくれたら助かる。ギャスパーは・・・技を覚える余裕なんて無いだろうから今回はお預けだな」

 

まあ、確かに必殺技と呼べるような凄いものを習得したら、自分は強くなれたと実感出来るだろうけど、いくら彼女達が優秀だといっても、そんな簡単にいくものだろうか。

 

「それを何とかするのが俺とお前の仕事だ。案が浮かんだら一度俺に教えろ。この訓練期間中に覚えられそうならならすぐにメニューに組み込んでやるからな」

 

「頼んだぜ」と、俺の肩をポンと叩き、アザゼル先生は去って行った。こうして、一人残された俺は、自室へと戻ったのだった。

 

「さて・・・どうするかな」

 

一時間ほどデータとにらめっこして、俺は天井を仰いだ。下手なものや、中途半端なものは考えられない。こうしている今も、リアス達はそれぞれの目標の為に頑張っているのだ。・・・今日ほど“責任”という言葉を重く感じる日があっただろうか。いや、無い。

 

とはいっても、そんな都合よく必殺技なんて思いつかない。・・・やはり、ここは元々あるものを引用させてもらうしかないか。具体的には、スパロボからとかスパロボからとかスパロボからとか。

 

まずはリアス。『王』である彼女はゲームで動く事はほとんど無い。データによると“滅びの力”とかいう反則パワーを持っているみたいなので、“攻”は今でも十分だから、それよりも“守”の方が重要だろう。ならバリア・・・っていうのもちょっと違うか。そもそもバリアは技じゃないし。

 

イメージとしては、彼女に迫る脅威を自動で迎え撃つような、所謂ビットみたいな何か・・・。となると・・・“銃神”のアレか? 悪魔で『王』でビット・・・おお、正に彼女にピッタリじゃないか。ついでに巨大な鎌を持たせれば完璧だが、彼女は後衛タイプだから近接武器を持たせてもあまり意味が無いだろう。

 

問題としては、ビット自体をどうやって準備するかだよな。アザゼル先生に相談してみよう。案外、魔力で何とかなるかもしれないし(魔力万能説)。

 

続いて朱乃。なんといっても彼女の長所は、あの広範囲かつ、高威力の雷だな。さっきの会話だと、もっと強力なヤツを出せるみたいだし、あれを使わない手は無い。

 

雷を利用しての技となると神雷・・・はゴリゴリの格闘技だから彼女には合わないな。せっかくの遠距離攻撃なんだから、それを活かしたものにしないと。

 

・・・そうなると、龍虎王の爆雷符あたりだろうか。直接敵にブチ込んでもいいし、あらかじめセットした場所に誘い込んで一網打尽とかもいけるだろうし。護符を使って戦う巫女さんか・・・いいな。

 

あ、でも、悪魔が護符とか使って大丈夫なのかな。これもアザゼル先生に要確認だな。

 

兵藤君は、そうだな・・・格闘技、それも拳を使ったものがいいだろう。ゲシュペンストのジェットマグナムとかいいかもしれない。『禁手』状態ならジェットファントムもいけるかもな。前回、ヴァーリさんと一緒に戦うはめになってしまった時に見せた、あのおっそろしい魔力弾を、殴ると同時に相手に叩きこんだらそれこそ一撃必殺レベルの威力になるんじゃないのか。

 

それか、もしくはブーストナックルか。あ、グルンガストみたいに飛ばすヤツじゃなくて、ブーストで加速して殴るザムジード方式の方だからね。生身でやれとかトラウマもんだわ。・・・いや、そもそも加速して殴るのはすでにやってるから意味無いか。

 

木場君は、前に合宿で突き合った・・・もとい付き合ったから知ってるが、とにかく動きが速い。高速の剣士といえば、やはりヴァイサーガ以外思いつかないな。流石に本家みたいに音速や光速を越える事は出来ないだろうが(いつかは越えるかもしれないけど)、それでも風刃閃や光刃閃を習得すれば、おそらく大抵の相手は何も出来ずにやられてしまうだろう。速さっていうのはただそれだけで武器になる・・・みたいな感じの言葉があったけど、誰の言葉だったっけ?

 

ゼノヴィアさんは木場君とは対照的に、力こそパワー! を地で行く子みたいだ。なので、親分とその師匠である大親分の技を引用させてもらおう。さらにデータを見るに、デュランダルはゼノヴィアさんの魔力で刀身を伸ばせるみたいなので、やろうと思えば星薙の太刀も使えるんじゃないだろうか。

 

塔城さんは・・・どうしようかな。俺としては彼女には白虎咬とか覚えてもらいたいけど。もしくは虎龍王の乱舞系の技とか。でも、あまり変な技を教えようとしても黒歌に怒られてしまうかもしれない。彼女に関しては一度本人と話し合ってみるか。

 

そこでふと、俺は自分の考えの間違いに気付いた。塔城さんだけじゃない。そもそも、本人が何を求めているか知らないのに、見当外れな技を教えたってしょうがない。俺が最初にやらないといけなかったのは考える事じゃない。聞き込みだ!

 

俺はすぐさま部屋を出た。そして、修行中の一人一人に事情を説明し、意見を聞きながら考えを纏めて行った。生憎、拉致された兵藤君と、早速師匠さんの所へ出掛けてしまった木場君には話を聞く事は出来なかったが、概ねこんな感じで俺の考え通りになった。

 

リアス・・・ガン・スレイブ。

 

朱乃・・・爆雷符。

 

兵藤君・・・ジェットマグナム(案)。

 

木場君・・・風刃閃もしくは光刃閃(案)。

 

ゼノヴィアさん・・・斬艦刀系。

 

塔城さん・・・白虎咬。

 

こんな所か。話が聞けなかった二人については(案)のままになってしまったが、とりあえず、これでアザゼル先生に提案してみよう。ゲームの技なんて提案したら怒られるかもしれないが、俺なりに真剣に考えたものなので、そこはちゃんとアピールしないとな。

 

それぞれの技についての簡単な説明を紙に纏め、それを手に、俺は再び部屋を出てアザゼル先生の部屋へと向かうのだった。




改造計画始動。それぞれの技には頂いたアイディアを元に決めました。

一部技ではなく武装ですし、そもそも教えられるのか? という疑問もあるでしょうが、こういう時にこそアザゼル先生に役だってもらおうと思います。

それと、技の募集はこれからも続けますので、何かありましたら活動報告の方へお願いします。

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