ハイスクールD×D〜転生したら騎士(笑)になってました〜   作:ガスキン

72 / 187
第七十話 魔改造にだってバランスが大事

あまりにも突然の来訪に何事かと思ったが、話を聞くとなんて事は無かった。以前、ルシファードでの会合の時に話に出たアガレスさんの作ったプラモデル。それを見せる為に招待してくれたのだとか。

 

にしても、まさかあんな口約束を憶えていてくれたとは。って、こんな言い方はアガレスさんに失礼か。とにかく、そういう事情で俺は現在アガレス家へとお邪魔している。

 

中に入って早速、アリヴィアンという男性が出迎えてくれた。彼はアガレスさんの眷属で、専属の執事さんだそうだ。言われてみたら、確かにあの会合の場にも居たような気がする。

 

で、アガレスさんを呼んで来るのでここで待っていてくれと通された立派な部屋で、これまた立派なソファーに座ってまったりしていると、パタパタと忙しない足音が近づいて来るのが聞こえた。足音は俺がいる部屋の前でピタリと止まり、その正体である人物が控えめに扉をノックした。

 

「どうぞ」

 

入るように促して五秒くらい経ってから扉が開き、そこには俺をこの家に招待してくれた人・・・即ちシーグヴァイラ・アガレスさんの姿があった。

 

「よ、ようこそお出でくださいました、神崎様。こうしてご多忙の中、私ごときの招待に応じて頂いた事、このシーグヴァイラ・アガレス、感激の意を禁じ得ません」

 

か、固い。固いよアガレスさん。丁重に扱ってくれるのは嬉しいですけど、逆に恐縮してしまいますわ! 止めて! 俺なんかにそんな恭しく頭下げる必要無いから! え、俺ってプラモ見せてもらう為にお邪魔しただけだよね!?

 

「アガレスさん。そう畏まらないでください。俺の方こそ、あんな軽い口約束を憶えていてくれて嬉しかったですから」

 

「・・・初めてでしたから。私の趣味を真剣に聞いてくれた男性は」

 

アガレスさんがボソッと呟く。何やら初めてとか聞こえたけど・・・ひょっとして、友達を自宅に招くのが初めてなのかも。やっぱり大公家となると友達付き合いも厳しいのだろうか。うむ、そうだとすると、こうしてお呼ばれされた俺ってそうとう栄誉なのかな。

 

勝手に友達の立場になってるけど、それならなおさら畏まる必要なんて無いよな。もっとリラックスするようアガレスさんに言おう。

 

「とりあえず、もっと砕けた口調でお願いします。どうも、そんな風に話されるのは慣れないもので」

 

「で、ですが・・・いえ、神崎様がそうおっしゃるのなら、そうさせてもらいます」

 

うんうん、まだちょっと固いけど、さっきよりはだいぶ良くなったぞ。

 

「では神崎様、よろしければすぐにでも案内させてもらってもよろしいですか?」

 

「ええ、お願いします」

 

というわけで、挨拶も済んだので、俺は早速アガレスさんの後に続いて部屋を出た。扉の横にはアリヴィアンさんが立っていたが、ひょっとしてずっとここにいたのだろうか。まあ、執事である彼からしたら、いきなり現れたどこの馬の骨ともしれない野郎が、自分の大事な主と二人きりになるのが心配でたまらなかったのだろう。

 

現に、こうして移動している今も、俺とアガレスさんの間に入って歩いている。どんな時でも主を守るという忠誠心がその背中から溢れ出ているような気がした。

 

己の職務に忠実な男ってカッコイイよな。俺もいつかはあんな頼りがいのある背中を見せられる様になるのだろうか。・・・今後の参考のためによく観察しておこう。

 

「ッ・・・!?」

 

おろ? 一瞬だけアリヴィアンさんの体がビクッとした様な・・・。何かマズイ事でも思い出したのだろうか。それとも、俺の視線を煩わしいと思っているのかもしれない。・・・冷静に考えたら、野郎に後ろから見つめ続けられるとかどんな罰ゲームだって話だよな。反省反省。

 

「・・・着きました。この部屋です」

 

で、気付いたら目的地に到着していた。アリヴィアンさんが扉の横に立ち、俺はアガレスさんの横に並んだ。

 

「ここは?」

 

「その・・・恥ずかしながら、私の作った作品を保管する為の部屋です。中にはこれまで作って来たプラモデルと、それを入れるショーケース。それと、ジオラマ等もあります」

 

うーむ、専用の部屋まで作るとは、まさに趣味人だな。こりゃあ、さぞかし凄い物が見れそうだ。オラ、ワクワクすっぞ。

 

「では、ご覧ください。これが私の全てです」

 

その言い方は誤解を招きます・・・よ・・・。

 

開かれた部屋の扉、その向こうに広がる光景に、俺は言葉を失った。

 

広々とした部屋に並ぶショーケース。戦場を模したジオラマ。そして、そこに存在する数多くの小さなロボット達に目を奪われる。

 

銃を構える機体。剣を抜こうとしている機体。今まさに戦闘を始めようとしている機体。室内の至る所に、小さな・・・だけど立派な“世界”が存在していた。

 

・・・やばい。趣味って言葉で片付けられるレベルじゃない。普通に金取れるぞコレ! くっ、あまりの感動に目から汗が・・・。

 

「あ、あの、やっぱり引いてしまいます・・・よね」

 

はっ、あまりに衝撃的だったからリアクション忘れてた。その所為でアガレスさんが誤解している。引く? とんでもない! こんな・・・こんな凄い物を見せてもらって何で引かないといけないのだ!

 

「素晴らしいです、アガレスさん。こんなに素晴らしい物は見た事がありません」

 

「ほ、本当ですか・・・!?」

 

「はい。ですからもっと自信を持ってください。適当な気持ちでこれほどの作品が作れるはずが無い。ここにあるプラモデルの一つ一つにアガレスさんの気持ちが目一杯込められているのが、初見の俺にだってわかります」

 

気持ちの込められた作品は、それを見た相手の心を揺さぶる。まさしく、アガレスさんのプラモデル達は、俺を感動させていた。

 

「ありがとう、アガレスさん。今日、こうしてあなたの作品を目にする事が出来て本当に良かったです」

 

いやホント、お世辞とか抜きで心の底からそう思うわ。しかも、このプラモデルってアガレスさんオリジナルなんだよな。機体のデザインや武器、色とかも全部。・・・アガレスさんの事、先生をつけて呼ぶべきなのかもしれない。

 

「神崎・・・様・・・」

 

気付いたらアガレスさんが衝撃を受けた様な表情で俺を見つめていた。しかも、瞳がやけに潤んでいる。何これカワエエ・・・。っと、いかんいかん。ここで不埒な事を考えたらアリヴィアンさんがすっ飛んで来るぞ。もっと色々見てみたいし、ここでつまみ出されるわけにはいかない。

 

「アガレスさん、よければ作品について色々説明してくれませんか」

 

「はい・・・はい! 任せてください!」

 

右手で目を擦るアガレスさん。だが、次の瞬間には惚れ惚れしてしまうほどの満面の笑顔を浮かべていた。そのあどけない表情に俺自身もドキッとしてしまった。

 

「・・・それじゃあ、まずはこのジオラマの・・・」

 

それを誤魔化す様に、俺は目に留まったジオラマの前に移動した。廃墟の中、赤と白の機体がそれぞれ剣と銃を手に対峙している。

 

「ええっと、これはですね・・・」

 

説明の為に俺の横に並ぶアガレスさん。ここで一つ問題が発生した。どうも彼女との距離が近い気がする。というか、彼女の肩が完全に俺の腕に密着している。

 

「こちらの機体は最近作成した物で、特徴としては・・・」

 

アガレスさんの方は大して気にした様子でも無い。説明に集中している所為だろうか。なら、わざわざ指摘して変な空気になるよりはこのままの方がいいか。ふふふ、以前からリアスや黒歌のスキンシップという名のイタズラを味わい続けたおかげで、感覚と意識を切り離す事が出来るようになったからな。こんな状況でも耐える事が出来るのさ!

 

「・・・という感じになります。ご理解頂けまし・・・たか・・・」

 

説明を終えたアガレスさんが満足そうにこちらに振り向く。・・・そうなると、至近距離で顔を合わせる事になるわけで・・・。

 

「え、近、あ、す、すみません!!」

 

バヒュンなんて聞こえて来そうな速度で俺から離れるアガレスさん。やっぱり密着してた事に気付いてなかったのね。

 

「わ、私、集中すると他の事が気にならなくなるというか! と、とにかく、馴れ馴れしい真似をしてしまい申し訳ありません!」

 

ああ、また畏まっちゃったよ。てか、むしろ謝るのは俺の方なのに。気付いた時点で俺から離れればよかったのだ。何でその考えに至らなかったんだろう。

 

とりあえず、気にしない様にとだけ伝えて、俺はショーケースの方へ顔を向けた。意識を別のものに向ければ、アガレスさんの気持ちも晴れるだろうし。

 

そんな感じで、色々見させてもらったわけだが、総じての感想は、アガレスさんがかなりの凝り性だという事だ。プラモや武器の一つ一つに名前をつけてあるのはもちろん、機体設定まで細やかに考えられていた。それらは全て、部屋の奥に設置されていた大型のPCの中にデータとして収められていて、それらを眺めているだけで普通に一日過ごせそうだった。

 

そして、それを見させてもらった俺は、何の気無しにアガレスさんに対して尋ねてみた。これだけの物を考えられる彼女なら、きっと今から俺が言おうとする事にも面白い答えを出してくれるはずだと確信して。

 

「アガレスさん。もしもあなたがラフトクランズを強化するとしたら・・・どんな風に強化しますか?」

 

「ラフトクランズって・・・ッ、ひょっとして、神崎様のあのお姿の事ですか?」

 

おお、察しがいいなアガレスさん。説明する手間が省けたわ。

 

「も、もしかして、近々実際に強化する計画が・・・!?」

 

「いえ、そういうわけでは無いです。ただ、こんなにも濃密な設定を考えられるアガレスさんの作りだすラフトクランズがどういう物になるのか興味がありまして」

 

「あ、そうですか・・・」

 

ちょっと残念そうなアガレスさんだったが、気を取り直した様に真剣な表情で頷いた。

 

「わかりました。不肖、このシーグヴァイラ・アガレス。持てる知識の全てを動員して、必ずや満足して頂ける強化プランを考えさせて頂きます!」

 

あ、あれ・・・? なんか凄い気合い入ってますけど。俺はただのお遊び企画として言ってみただけなんですけど。

 

そんな風に思っていると、アガレスさんがPCのキーボードをもの凄い速さで叩き始めた。画面が次々と切り変わり、やがてラフトクランズの全体像が画面一杯に表示された。

 

「以前撮らせて頂いた写真をPCに取り込ませた物です。ではまず、神崎様が纏われるこの鎧の正確なスペックを教えて頂けますか」

 

「わかりました」

 

というわけで、改めてオルゴンソード等の武装や、動力炉であるオルゴンエクストラクター、チート特殊能力オルゴン・クラウド、ついでにラースエイレムとラースエイレムキャンセラー、まだ一度も発動させていないFモードについても全部説明してみた。

 

「だいたいこれくらいですね」

 

何とかそれなりの説明が出来たので満足していると、アガレスさんが絶句していた。

 

「アガレスさん?」

 

「・・・はっ。す、すみません。あまりにも自分の想像とかけ離れたスペックでしたから呆けてしまいました」

 

ラフトクランズってオリジナルの中でも中々の位置の機体なんだけどなぁ。これでもアガレスさんが満足するようなスペックじゃないのか。まあ、能力じゃなく、設定だけ見たら化物レベルの機体もたくさんいるけど。

 

「では、それらを踏まえて、神崎様ご自身は強化するにあたって何か案がありますか?」

 

俺も口出ししていいの? てっきりアガレスさんが全て決めるのかと思ったけど。そういう事なら、ちょっと考えてみるか。どうせ妄想なんだ。この際、実現可能かどうかは無視して、思いっきり魔改造してやろうじゃないか!

 

よーし! お兄さん張り切っちゃうぞ! 手始めに“バリオン創出ヘイロウ”でもくっつけてみようか! それに某“史上最強の家”の動力炉を載せて・・・。

 

・・・・・・・

 

・・・・・

 

・・・

 

「「・・・」」

 

二時間後。PCの画面には、ラフトクランズの面影など欠片も残さない、ラスボス臭漂いまくるトンデモ機動兵器の姿があった。

 

「あの・・・神崎様。話が盛り上がり過ぎて自重が出来なかったのは否めないのですが、これは・・・」

 

「ええ、わかってます。これは“無い”」

 

だって最早完全に別の機体だし! 元々の目的だった『ラフトクランズの強化』になってないし! だからこのネオ・ラフトクランズ(仮)はボツだな。

 

「で、では、換装パーツによる強化はどうでしょう? 元々バランスがいい様なので、何かに特化する様な感じで」

 

おお、それは良いアイディア。よし、今度はさっきみたいに口出ししないでアガレスさんに任せよう。変に意見を出すとさっきの二の舞になりそうだし。

 

アガレスさんの作業を邪魔しない様、俺は再びプラモデルを鑑賞しながら時間を潰す事にした。

 

どれくらいそうしていただろうか。アガレスさんの「出来ました」という声で、俺はPCの所へ舞い戻った。

 

「お待たせしました、神崎様。今回、私は換装パーツによる二つの強化案を提案させて頂きます」

 

そんな前置きと共にアガレスさんがキーボードを叩く。そうして画面に映し出されたのは、ラフトクランズであってラフトクランズではなかった。

 

“剣”・・・第一印象はそれだった。オリジナルの装甲をより鋭角にしたその姿は、機体そのものが剣を彷彿とさせるものだった。

 

肩から背中にかけて展開する二門の大型スラスターは見るからに出力が高そうだ。代わりに元々その位置にあったオルゴンキャノンが無くなっている。同様に、腹部のオルゴンキャノン発射口も追加された装甲で塞がれている。

 

「こちらは、ひたすらに近接、及び高機動戦闘に重きを置いたプランになります。神崎様の剣の腕を最大限に発揮出来るような設計にしてあります。代わりに、オリジナルにあった遠距離用の武装は全てオミットさせて頂きました」

 

極端過ぎるだろアガレスさん。いいぞ、もっとやれ! こういう浪漫溢れるヤツは大好きです!

 

「その分、出力を他の場所へ回しました。それがこの大型スラスターです。武器の格納庫も兼ねているこのスラスターによって、オリジナルの約二倍、後で説明させて頂きますFモード発動時には三倍のスピードが出せる計算です」

 

三倍て・・・某赤い彗星さんばりの速度じゃないですか。今でさえ相当なスピードが出せるのに、それ以上とか激突必至な未来しか想像出来ない。

 

「続いて、武装についてです。最初に説明させて頂いた通り、近接特化型ですので、武器も全て近接用の物となります。まず、両腰にマウントされている剣ですが、ライフル機能を除いた純粋な実体剣となっています。この剣は左右対称の形となっていて、合体させる事で一本に、また柄頭同士を接続する事で双刃剣とする事も出来ます」

 

つまりこの武器だけで三つの形をとる事が出来るってわけか。いいね、デザインもカッコイイしこういうの好きだわ。

 

「二つ目は、膝から突き出ているこの部分です。ただの飾りに見えますが、表面にオルゴン結晶を纏わせる事で格闘戦時に威力を発揮します」

 

油断して来た所に思い切り膝蹴りを入れるんですね。わかります。

 

「三つ目は、左のスラスターに格納されている大剣です。この剣は大型の相手・・・例えばドラゴンの様な存在への対抗手段としての物です。対ドラゴンの為の魔術的な処置を加えてもいいですが、かつてドライグの尾を斬り飛ばした神崎様には余計なお世話でしょうね」

 

仮に実装したら益々ドライグさんとの仲が悪化しそうでならない。どうも俺ってドラゴンとの相性が悪い気がする。この前だってティアマットさん相手にやらかしてしまったし。

 

「武装に関しては以上です。また、盾についてですが、クロー部分を外し、小型化した上で、右腕に装着するタイプに変更しました。これで両手に剣を持って戦う事が出来ます」

 

装備は剣と盾のみ・・・ラフトクランズ・セイバー(仮)とでも呼ぶべきか。

 

「最後に、フューリーモードについて説明させて頂きます」

 

「フューリーモード?」

 

「オリジナルのファイナルモードは各武器の必殺技の名称でしたが、こちらは技では無く、能力を増加させるモードです」

 

ああ、リミッター解除みたいなもんか。

 

「このモードを発動させると、オルゴンエクストラクターがオーバードライブしてあらゆる能力が上昇します。その際、機体各部、特にスラスター部から激しい光が放出され、さながら光の翼の様な形となります」

 

「その光の翼にも何か機能が?」

 

思わずそう尋ねると、アガレスさんは少し恥ずかしそうに頬を赤らめた。

 

「と、特に意味は・・・。強いていえば、私の趣味というか・・・」

 

あー、そっか。そういう事ね。うん、わかるよ、カッコイイもんね翼。厨二だなんだと揶揄されるが、好きなものは好きなんだからしょうがない。

 

「オ、オホン。そして、このモード発動中に限り、各武装も真の力を解放します。さらに速度を維持したままでオルゴン・クラウドによる連続跳躍が可能となります。これにより、一方的に攻撃が行えます」

 

いきなり目の前に現れた何かに目にも止まらぬ速さで切り捨てられる・・・トラウマ一直線だな。

 

「説明は以上です。では二つ目の案について・・・」

 

とその時、部屋のドアが突然ノックされた。アガレスさんが入室を許可すると、入って来たのはアリヴィアンさんだった。どうもすっかり時間が経ってしまっていたようで、そろそろ帰った方がいいんじゃないかという事だった。

 

「ホントだわ、もうこんな時間・・・。神崎様、申し訳ありません。出来ればもう一つの案についてもお話させて頂きたかったのですが」

 

「いえ、気にしないでください。むしろ、とても楽しい時間を過ごさせてもらって嬉しかったです。もう一つについてはまた時間が出来た時にでも・・・」

 

「ですが、神崎様はもうじき人間界へ戻られるのでしょう。そうなるとこうしてお招きするのは難しいのでは」

 

あ、言われてみればそうだ。俺一人だけで軽々しくこっちに来るとか出来ないだろうし、どうしよう・・・。

 

「・・・あ、そうだわ」

 

思いついた様にアガレスさんはPCの置かれた机の引き出しから小さな端末を取り出すと、それをPCに接続させた。何やらデータを送っている様に見える。

 

「神崎様。どうぞこれをお持ちください」

 

「これは?」

 

「私も使っている端末です。外に出ている時に急にアイディアが浮かんだ時等にこれを使って記録しておくんです。この端末に先程の強化プランのデータを入れておきましたので、時間のある時にでもご覧になってみてください。それと、メール機能もついていて、人間界からでもこのPCにメールが送れます。もちろん、逆も可能です。もしまた何か思いついたら、メールさせて頂きますね」

 

「いや、待ってください。こんな高価そうな物をもらうわけには」

 

返そうとする俺に、アガレスさんは微笑みながら首を振った。

 

「どうか受け取ってください。こうして、誰かと一緒にロボットの話をするのが私の小さな夢だったんです。だから、お願いします。また、一緒にこうしてお話したいです」

 

・・・駄目だ。そんな風に言われたら受け取るしかないじゃないか。俺は端末をそっと懐に仕舞った。

 

「・・・大事にします」

 

「はい!」

 

こうして、最後に素晴らしいお土産まで頂き、俺はアガレス家を後にした。

 

ただの思いつきだったラフトクランズの強化プラン。まさか、これが後に重要な意味を持つ事になるとは、この時の俺には想像すら出来なかった。

 

さて、それはともかくとして、いよいよ修行も佳境に入った。時間の許す限りみんなの様子を確認するようにしていたが、どうやらみんなそれなりに必殺技の手ごたえを掴んでいるようだ。中にはほぼ完璧にマスターしている子もいた。

 

「はあっ・・・はあっ・・・どうして、どうして上手くいかないの・・・!」

 

ただ一人・・・リアスを除いて。




というわけで、シーグヴァイラとのラフトクランズパワーアップ計画でした。・・・ぶっちゃけ、某機動戦士のパクリですけど。まあ、シーグヴァイラとの連絡手段も確保しましたし、これからいくらでも修正は効きますけどね! 第二プランについてもその内書きます。

次回は原作でいうパーティー。黒歌がこっちにいるけど、あのキャラ達は出したいな。特に聖剣(笑)使い。オリ主からしたら見敵必殺(サーチアンドデストロイ)でしょうけど。

それと、今回が今年最後の更新となります。今年もお世話になりました。みなさんよいお年を!


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。