GANTZ Repeat   作:マルハン

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1.プロローグ

西暦2004年、世界は核の炎に包まれた。アメリカで開発された軍事ネットワークシステム「スカイネット」が人類に反旗を翻したのだ。

地上の新たな支配者となるためにスカイネットは自らの駒として鋼鉄の体に人間の心臓より遥かに強力なエネルギーを供給する水素電池を内蔵した化け物を量産した。

ターミネーターと呼ばれるこの怪物どもに核の先制攻撃で全体の5分の1を喪失した人類は残った戦力をかき集め戦いを挑んだが、文字通り人外の存在である敵に従来の火器・戦術は焼け石に水で開戦から1年経つ頃には大陸の4割が機械帝国に変わった。

その後も一方的な侵攻で各地の支配体制が塗り変えられ、前線の兵士はもちろん、内地の人々にも破滅の足音が次第にはっきりと聞こえるのに時間はかからなかった。

しかし、ある出来事が事態を一変させた。

戦場に突如黒い球体が出現したのだ。死に物狂いで回収した抵抗軍は解析の結果、それが人類にとっての希望になりうるオーバーテクノロジーの塊と認めGANTZと命名し、即座に新兵器の製造に着手した。

そして技術の粋を結集して生み出された黒いスーツを装着した兵士たちは驚異的な戦果をたたき出し、ついに抵抗軍はスカイネットに反撃を開始する。それから20年の月日が流れ---

 

 

2024年7月18日横須賀基地第4兵舎、6時00の起床ベルが鳴る前にコガ・タクミは目を覚ました。途中で止まったMP3のイヤホンを外すのも忘れて飛び起きるがベッドから転げ落ちてしまった。

 

「おいタクミ、うるさいぞ。」

 

隣のナイジェル・ケイブスが寝ぼけ眼をこすりながら挨拶代わりの文句をたれる。灰色の長髪をゴムで留めて2年前から勤務しているこの男は貸した雑誌を忘れたり新人研修と称して報告書の代筆を押し付けはするが、さりげないフォローや兵士たちのいさかいを止める人当たりのいい先輩でもあった。

 

「す、すいません先輩。何か変な夢見ちゃって。」

 

よれたシーツを戻してタクミが弁解する。その証拠にシーツが少し汗で湿っていた。

 

「夢だぁ?何見たんだよ。」

 

「えーと、確か戦ってた気がしたんですけど。」

 

「戦う?誰と?」

 

「鉄屑どもとですよ。飛んできた爆弾に吹っ飛ばされたまでは覚えてるけどそこから先が曖昧で…」

 

「オイオイ、不吉なモン見るなよな。明日の出撃に響くかもしんないだろ。」

 

縁起でもない。すっかり目が覚めたナイジェルが眉間に皺を寄せる。そのまま愛想笑いでごまかそうとしたタクミだったが妙な疑問が湧いた。

 

「先輩、出撃って今日じゃないんですか?」

 

「ハア?昨日の通達聞いてなかったのか。明日って言われたろ。」

 

「えっ!?あ、そうですね…」

 

カレンダー付きの腕時計を覗くと確かに出撃は明日だった。

 

(おかしいな。昨日何度も確認したんだけど…)

 

例の悪夢でテンパっているのか。無理もないと思った。タクミは新兵で明日晴れて初陣となるのだから。

ガンツの出現により世界はかつての安定を取り戻しつつある。段抜かしの技術革新で損害は当初より大幅に抑えられ、抵抗軍は占領地の半分を奪還せしめた。そのあちこちで復興活動が再開し、モノが作られ流通し社会成長もしくは復興は順調に右肩上がりを続けている。

当然人口も増え今では新たな土地を奪還するのが経済の発展に繋がると言われるほどだ。

だがスカイネットの脅威が消えたわけではなかった。

ガンツの兵器が登場するに連れて敵も改良されたメタルボディを戦場に参入させたのである。おかげで以前よりよほど凄惨な戦いが繰り広げられるようになった。一刻も早く戦況を打開したい軍は志願兵を募ることにした。そして自分は今ここにいるのだが…

 

「タクミ、ボケッとすんな。メシの時間だぞ。」

 

「あ、はい。今行きます。」

 

ナイジェルの呼びかけに遊離した意識が戻り急いでMP3を片付ける。だがこのときのタクミに自分が既にとてつもない呪いを背負わされたとは知るよしもなかった。




ふと思いついたことなので長続きするかは分かりません。
気長に読んでいただければと思っています。
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