ヒーロー社会の妖怪の山   作:島田愛里寿

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最近の鬼太郎を知らないので違和感があるかもしれませんがご了承ください。

今回はぬらりひょんの孫のネタバレが多いです。ご注意を。


第五十三話 決起3

「指鉄砲!」

 

ズガァン!

 

「行動不能か、くそ!脱出!!」

 

ここは妖怪横丁防衛線。現在ここでは鬼太郎とその仲間たちが妖怪連合軍の部隊と戦っていた。

 

今も撤収するタイミングを逃したT-14アルマータを一台大破させて乗員を撤退させたところだ。

 

「なにが起こっているんでしょうか父さん」

 

「うむ、おそらくこやつらは妖怪の山に所属する奴らじゃろうな。天狗や河童、山童が集団で軍を成すなど妖怪の山の者しか思い浮かばん」

 

鬼太郎の疑問に目玉おやじが答えた。

 

「しかしあ奴らは中部地方を根城にしておるはずじゃ。なぜここに?」

 

『それはお前らの行動が原因だよ』

 

「「!!」」

 

どこからともなく聞こえてきた言葉に妖怪横丁の妖怪たちは警戒した。

 

「お、おぬしは‥‥?」

 

「ああ、申し遅れたな。私は八雲藍。八雲家当主の八雲紫様の式神にして九尾の狐だ」

 

「なんじゃと!?」

 

目玉の親父は驚いた。彼らの知る九尾の狐は玉藻前だが、玉藻前は既に地獄に送り返したはずなのだから。

 

「どうやって再び脱獄したんじゃ!?」

 

「ん?ああ、馬鹿姉のことか?」

 

「なんじゃと!?」

 

そう。実は鬼太郎達が戦った大逆の四将の玉藻前は藍の姉なのだ。

 

「その様子から察するにあの馬鹿姉は地獄に落とされても変わってなかったようだな?まああいつらしいが」

 

「で?その妹が一体何の用だ?」

 

「これ鬼太郎!」

 

「ふん。相変わらずのようだな?まぁその方がなにかと言いやすいから構わんがな。降伏を勧告しに来た」

 

「「「「「な!?」」」」」」

 

その勧告に一同は驚いた。なにせ今までは自分たちが勝っていたのだ、それなのにいきなり降伏勧告とは馬鹿にしているとしか思えない。

 

「ふざけるんじゃないわよ!いきなり攻撃してきたのはあんたたちでしょ!」

 

「ああ、貴様が猫娘とかいうやつか。なに簡単なことだ。我が主である八雲紫様を筆頭とした妖怪連合は日本政府を打倒し、新たな政権を立てることにしたのだがその過程上でお前たちが邪魔になったんだよ。特に幽霊族の鬼太郎。お前がな」

 

「な!?」

 

ここで解説しておくが妖怪連合結成の際に組織の代表は各勢力の規模・当主(もしくは組長)の格・実力・妖怪としての格などで決定したので代表は八雲紫。副代表が天魔となっている。

 

(ちなみにこの結果に天魔は納得しており、「妖怪としてはまだまだ若輩者の私が代表になっては威厳がありませんからありがたいです」と言ったとか(紫は面倒くさがっていたが周囲の説得で了承した))

 

 

「それにお前たち。我々の陣営の妖怪が人を食らおうとしている時に限って駆けつけては食事を邪魔しているそうだな?おかげで配下の妖怪たちの反感がすさまじいから気晴らしに侵攻したというのもあるしな。というかお前らが悪いのだぞ?我々が食しようとしていた者たちは救いようのない真正の悪人だったというのに」

 

「なに?」

 

『おお、藍。ここにおったか』

 

「「「「!!」」」」

 

藍が妖怪連合側の都合を話していた最中。突然頭上から別の女性の声がした。しかも只ならぬ妖気をまとって。

 

「ん?ああ、羽衣狐殿か」

 

「羽衣狐じゃと!?」

 

新たに現れた一人に目玉おやじは愕然とした。

 

羽衣狐

 

最近の妖怪の界隈ではあまり聞かれなくなった妖怪だがそれでもなお京都周辺の妖怪たちから恐れられている大妖怪だ。

 

平安の時代に初めて歴史に姿を現した。この時はまだ尾も一本の普通の化け狐だったが安倍保名という名の陰陽師と結婚し、かの有名な陰陽師安倍晴明を出産する。晴明の反魂の術への協力を快く受け入れるが、その直後に彼女の肝を利用しようとした人間に襲われ、死亡してしまう。その際に母を思う晴明が反魂の術を使用したので40年後に転生し、人への復讐を誓い時の権力者に最も近い女に憑依して活動していた。しかし、江戸時代の最初期に豊臣家を淀殿として(この時点では八尾の狐だった)支配しており妖怪による支配をもくろんでいたが関東圏の任侠妖怪のぬらりひょん(ぬら孫の方です)と交戦。そしてかつて自分と息子を殺した一族の子孫である花開院秀元とも交戦して歴史の表舞台から姿を消したが、今もなお生き続けているといわれていた。

 

そんな羽衣狐は現在は藍や玉藻の前と同じ九尾。いくらしぶといで有名で仲間からも『あの台所にでるGなみにしぶとい』と言われている鬼太郎でもこの陣容には歯が立たないと目玉おやじは考え始めていた。

 

「さて。ようやく対面できたの?鬼太郎とやら、さんざんわらわの配下たちの食事を邪魔しおってからに」

 

「羽衣狐殿落ち着いてくれ。さて鬼太郎とその一派よ、紫様と天魔からのありがたい慈悲を含めた勧告文を読み上げる。よく聞け」

 

「勧告文だって?」

 

そして藍は読み上げ始めた。

 

1.今後一切妖怪連合軍の邪魔をしない

 

2.これまでのやって来た妖怪退治も依頼を受けたら必ず報告すること。内容次第で許可を出すので出された内容のみ行え。それ以外は我々がやる。

 

3.人との交流は認めるが、新体制が施行する法には従うように。

 

4.妖怪横丁での居住権を認めるし開発は行わない。

 

5.これらが完璧に履行させたらこれまで我々にたいして行ってきた妨害行為は見逃す。

 

といった内容であった。




次回 新政治体制発足
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