オラリオに失望するのは間違っているだろうか? 作:超高校級の切望
剣戟の音が響く。
片やオラリオ最強の
誰もが鎧の男に挑んだ青年がただの一撃でやられると思った。しかし、現実の光景は互角とは言わずとも互いに剣を交える戦いの光景。
「はは………はははは! 居るではないか、食いでのある獲物が!」
獲物、そう、獲物だ。男にとって青年は、それでも獲物でしかない。その事実を受け入れた上で、青年は男に挑む。時間稼ぎ? 否。死ぬ気? アホか。
勝つ気に決まっているだろう。
剛剣に相対するのは至高の絶技。レベル差を覆し、瞬殺されるべき青年が、もろに爆発を受け火傷を負い、骨すら罅が入っている青年が都市最強を一撃で降した男と斬り合うさまは、正しく英雄の所業。
「『失望』するには早かったか………いや、邪神の甘言に乗らねばお前とも斬り合えなかったであろうよ」
「『失望』を早まった、か………確かにそのとおりだな」
「何?」
「早いだけで、『失望』するには十分なんだよ、この街は」
見下すような、嘲るような、怒るような青年の言葉に男は兜の奥で目を細める。
「未来を知ったかのように語るなぁ、若造」
「正しくは知らん。だが、お前が踏み台となったところで上がる段は一段に過ぎない。黒竜という脅威を知りながら、やれ最強派閥は何処だ、やれ勇者の伴侶だ、やれそいつ殺すだと乱痴気騒ぎでまるで成長しない」
吐き捨てられる未来予想、あるいは未来予知?
それは確かに看過できぬと男は唸る。
「だがどの道、俺に残された時間は少ない。期待するしかあるまいよ、お前のような輩もいることだ」
「ならその殺気は何だ……」
「遊びで成長できるものか。生きていれば、慈悲を一度くれてやる」
「
「それでそれで、どうなったの!?」
「負けた」
「え〜」
目をキラキラさせていた少年は青年の言葉にがっかり、と言うように声を漏らす。
「仕方あるまい、それだけの差があった。ただ、まあ……そこで青年は死ななかった」
そんな子供を宥めるように言うのは灰色の髪を持つ女性。青年は彼女に話を引き継がせることにしたのか、畑に吹っ飛んだ老人の回収と家の修理に向うため部屋から出る。扉ではなく跡形もなくなった壁の僅かな残骸を跨いで。
「男の言う『慈悲』というやつだ。生き残って、もう一度だけ挑む権利を与えた」
「じゃあその人は、再戦して勝ったの?」
「いいや、別の戦士に譲った。因縁があったからな………そして、その戦士は次の位階に上がり力を得た。男もまたそれを予測していたのだろうよ」
『ここはお前に譲ってやる、必ず勝て』ということだろうか? その戦士も応え、さらなる力を手にした。なんか格好良い!
「青年は鎧の男とは別の脅威、地下にて生み出された怪物と、女魔導師を討つべく数人の仲間とともに洞窟へと潜った」
「まどーしなら、せっきんできれば勝てるね!」
「馬鹿言うな、当時の未熟なあい………青年よりも、その女魔導師のほうが剣士として優れていた。100回やっても99回女が勝つ」
「え………」
「だがその一回を引き寄せるために、諦めなかった。一回以上にするために、青年もまた戦いの中で進化していった」
神の恩恵とは別に、己の器を壊し、次のステージに上がる。戦いの中で、勝てぬ相手に挑む絶望の丘で一分一秒凌ぐように強くなっていった。
至高の絶技はさらなる高みへ、剣技に於いては最強派閥の者達に迫っていたそれを、追いつき、追い抜くほどの高みへ。
「周りの女どもの言葉など聞こえず、援護など不要とばかりに女に迫り、魔法を打ち合い剣を振るい、たった二人だけの世界を何時間…………いや、実際には数分続け女の身に刃を届かせた。青年自身が驚いていたよ」
すっと服の上からその下に刻まれた傷をなぞる女。少年はそれに気付かず英雄の偉業に目を輝かせる。
「その後怪物と戦っていた仲間に混じり、怪物を倒した」
「急に雑!?」
「別に見応えのある戦いではなかったしな………その後、青年は自ら命を絶とうとした女を攫い、街から逃げた」
「? なんで?」
「その女には、残した血縁が居たんだ。どうせ死ぬならその短い命、罪に苛まれようとその子とともに生きろ、と……全く、勝手なやつだ。英雄になれたろうに、その愚行で全てを捨てたのだから」
そういう女の顔は、どこか幸せそうに見える。それに気づいた少年は首を傾げた。
「その人はどうしたの?」
「幸い英雄の都に戻ることは出来た。そこで偉業を積み、第一級と呼ばれる者達の中でも上位の位階に到達した一人となった。だが最近また姿を消したらしい」
どこで何をしているのやら、と笑う女。大きな音を立てず家が直せるよう考案した組み立て式の家を組み立てている男に目を向けた。
「この子もそろそろ寝る時間だ。お前も来い」
「……………」
ピシリと青年が固まる。女はニヤリと笑う。
「この子にとって、お前は父親だそうだ。家族はともに寝るものだろう? どうした、子供を悲しませる気か? 早く来い」
「そうじゃそうじゃ。家族は一緒に寝るものじゃからなあ! さあ、儂を挟むように並ぶのじゃ! お前は子の横に、何なら床に寝るがいい! ゆくぞ!」
「【
「おじいちゃああああん!?」
せっかく直した壁が爺とともに吹き飛んだ。
□
どうも皆さん、ベル・クラネルの義父です。髪の色は同じでも血の繋がりはありません。
まあベル君目は父親似で髪は母親譲りらしいから白髪の俺が父親のはずないよね。あ、因みに自分転生者っす。
恋人が複股してたせいで、やってる時にやってきた男に刺されて死んだ。童貞卒業と一緒に人生卒業ってね………。
で、俺が生まれたってわけ。
気付いたら中世の外国風景で、獣耳やエルフ耳の人間が街を歩いていた。
12歳ぐらいだった俺の目の前で、両親が白いローブ着た変人に殺された。俺は親父の灰皿で男の頭をかち割って、吐いた。気持ち悪かったからね。
孤児になった俺を面倒見てくれる人なんて居なかった。というよりは、余裕がなかったのかね?
黒竜が何たら、ロキだのフレイヤがなんたら言ってるのを聞いて俺は思った。あれ、ここ「ダンまちじゃね?」と。
正式名称「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか?」。主人公のベル・クラネルが英雄の街オラリオにて、初恋を拗らせスキルを得て、一途なのに色んな女を落としに落としてハーレム築いているのに気づかず一途に一人の女を思い続け英雄になっていく物語である。なんか番外編もあるらしいが知らん。本編もミノたんがベル君好きすぎるやろって辺りまでしか知らねえ。
ただ動画サイトでアプリの周年イベントでベル君の前世とか見るともうある意味両思いなんだな、って思いましたはい。
そして、3周年のイベント。あれはすごい。超すごい。皆かっこいい!
唯一、思うところがあるとするならオッタルもフィンもその後の7年何してたんだよって話だよ。好きなキャラで、格好良かっただけに残念感が半端ない。
なので一計を案じることにした。そう、起爆剤になればいい!
アルゴノゥトもやっていた、こいつにも出来るのだから自分にも、そう思わせる存在になろう! と【ロキ・ファミリア】に入団。結構無茶して、半年でランクアップ!
それに感化され周りの者達がやる気になって…………でも面倒なことに【
俺が【ロキ・ファミリア】に入って5年ほど、あの後邪魔な白蟻共のせいで中々上がれずまだLv.4だった頃に金髪の目が死んでるガキが入団した。原作ヒロインじゃん。
半年でランクアップし、同じ剣士というのもあってか俺に師事を求めてきたので鍛えてやった。手足折ったらリヴェリアに怒られた。
ランクアップしたがってたので教えたかったが主神ストップ。まあ10ヶ月と少し早めになった。「師匠超えたかった」という弟子が最高に可愛かったね、もう。
そしてなんやかんやあり『死の7日間』の際にオッタルの成長のためにザルドを譲り、リヴェリア、ガレスと共に怪物及びアルフィアとの戦闘。何度も死にかけ気合と根性でまだだしながら勝利をもぎ取り消化試合の怪物退治をしたあとアルフィアを攫いベル君探しの旅に出た。まあ場所だけならアルフィアが知ってたが。
会わない、会わせると言い合って、なんとか折れたアルフィアをベル君に会わせふと気づく。帰れねえや、俺。
暫くショタベル君とアルフィアと一緒に過ごすことに。
こうなると解っていながら何故助けたというアルフィアに(ベル君の)笑顔が見たかったからと言ったらゴスペられた。その後ヘルメスからの手紙で帰って大丈夫なことを知り一度帰る。
フィンの野郎、大勢の冒険者見捨てて邪神を討ちに向かいやがった。間違いではないと心で解るが気に入らなかったので27階層に向かい………遅すぎた。助けられたのは数名。そのうち一人、エルフの女には散々罵倒されたな。
その後彼奴とパーティーを組むと死ぬという噂が流れ、まあただの自己満足のためにパーティーを組んだ。
後は【アストレア・ファミリア】も、結局全員救うことは出来なかったなあ。リューの代わりに俺が弱った彼奴等を狙う脅威全てを殺して回り、またオラリオから逃げた。いや、関係者も皆殺しだ〜なんてしてないから指名手配されてないけどね。
このままじゃ駄目だと思った。最強に全然追いついてねえくせに伝説を超えたとか言われるオッタルも、偶像になるべく耳に心地のいい偉業を優先するフィンも。
見込みがあるのは狼ぐらい。俺はオラリオを出て、アルフィア達の真似をすることにした。別に敵になるわけじゃない、ただ上から目線で『失望した』と言ってやれば彼奴等もやる気になるだろ。あと単純に、なんかかっこいいからやってみたい。
ついでに『もはやお前達になんの期待もしない。英雄は俺が育てる』とベルを俺の弟子扱いで紹介したらアイズとかどんな顔するのか見てみたい。
「まあそのためには説得力がいる。俺が『最強』でなくてはならない」
「グルルルルル!!」
「グオオオオオオ!」
大地に届く黒い雲の中、大型の階層主すら超える超大型の怪物の群れを前に青年、ヴァルド・クリストフは剣を構える。
その奥に佇む漆黒の霧の向こうの怪物を見据え不敵に笑う。冷や汗が流れるほどの威圧感。一人で挑むには無謀なその行為を、余裕だと己を偽るための笑み。
「偶然………あるいはこれも必然か。来るがいい、明日の光は奪わせぬ」
人知れず復活した大地を穢す怪物の王は、人知れず打倒され、世界に新たなLv.8が誕生した。
なんか思ったより筆が進んでヒロインも増えたので聖夜祭デート再アンケート
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