オラリオに失望するのは間違っているだろうか? 作:超高校級の切望
ギルドの豚的には上げたかったけど
まあ『遠征』以外の
例えばそう、どっかの国の要人が護衛に指名するとか(ダンメモのウェディングイベントみながら
オークが振り下ろす棍棒をなんとか弾きながら冷や汗を流すゲド。数が多い。
確かにゲドはこの階層に来たことがある。だが、それはパーティーを組んで、だ。大型級が現れるこの階層でサポーターだけという、実質一人のようなものでこの階層に駆け出しが訪れたと聞き正気を疑った。
「シャアアアア!!」
「っ!?」
背後から迫るインプの群れ。オークと戦っているゲドに避ける手段はない、とインプ達に赤い線が走り鮮血を撒き散らしながらズレる。
「ガキ………」
思わず固まったゲドの前に居たオークを斬り捨てる。守られている。駆け出しに、自分が。屈辱を覚えながらも、それを挽回できる気がしない。
「クソ、クソ! 畜生!」
駆け出しのガキが、自分より上。苛立ちをぶつけるように前に出てオークへと斬りかかる。
(負けてたまるか、負けて!)
何年もLv.1として過ごした。恥ずかしいことじゃない、オラリオでも有り触れた在り方だ。英雄に憧れて、焦がれて、自分が何者でもないと知り自分より弱い者に当たり散らす、よくあるクズ。それがゲド。
だけどそれが普通だ。そう簡単に強くなれない。試練に挑めない、恐怖を捨てられない。
なのに、この少年は何だ? 今もあのサポーター少女を助けようとしている。モンスターに囲まれた今も、誰かのために戦っている。
「【ファイアボルト】!!」
緋色の雷………雷の形をした炎が雷速でオークを焼く。超短文詠唱? 発動が早い。属性は、炎………。
「
「え、は………はい!」
直様
モンスターの一撃が、ベルの翡翠色の籠手の留め具を千切り吹き飛ばす。
「こん、のぉ!」
それを拾う余裕は、今のベルにはない。
今なら、自分だけは逃げられるのでは?
ゲドの中でそんな考えが頭に過ぎる。後ろから蹴ってバランスを崩させて…………いや、そんなことしなくてもモンスターのヘイトはベルに集まってきている。
「ゲドさん、今のうちに逃げてください」
「は………?」
「その方が、僕もやりやすい」
悪意はない、のだろう。だが言外に、彼は
「なめんじゃねえ………なめんじゃねえよ! 何が逃げろだ!? 庇ってんじゃねえよ! 俺だって、俺だってやれるんだ!」
オークへ斬りかかりながら叫ぶゲド。その体躯に怯えなければ、ゲドに比べて遥かにトロい。胸を切り裂き内部の魔石を砕く。灰へと還るオークの死体を突き破るように現れたインプが腕に噛み付いてきた。
「ぐっ!?」
「っ!」
「来るんじゃねえ! てめぇの助けなんざいらねえんだよ!」
別方向から迫ってきたキラーアントに叩きつけるように腕を振るい、インプの頭が潰れキラーアントの目が凹む。そこから剣を突き刺し脳髄を撒き散らすように切り捨てる。
戦えている。不格好で、見るものが見れば無様に映る有り様とはいえ、戦えている!
「プギイイイ!」
「シャアアア!」
それでも、モンスターの数が多い。
「は?」
「え?」
モンスターの群れが吹き飛んだ。いや、消し飛んだ。
霧の中を走った一陣の風がモンスターの群を消し飛ばし、余波に巻き込まれたモンスター達が地面を転がる。魔法? それとも、高速移動? どちらにしろ、最低でもLv.4はある………
「すいません、ここは任せます!」
「おいまて何で俺までえええ!?」
「…………………あの人、パーティーメンバー…………じゃ、ないよね」
モンスターを蹴散らしながら現れた冒険者、アイズはベルに引っ張られていくゲドを見ながらそう呟く。パーティーメンバーにしては連携が成ってない。初めだから上手く行かなかったというよりは、そもそも合わせる気がなかったかのような。
モンスターに囲まれ急増で組んだのだろうか?
「……………10階層」
だとするなら、実質一人でこの階層までたどり着いた事になる。アイズがこの階層に一人で来られるようになったのは半年。ヴァルドは4ヶ月。あの少年は、20日前は間違いなく駆け出しだった。
(まさか、一ヶ月で?)
ふと地面に転がった焼け焦げた肉とキラーアントの死体に気づく。僅かな魔素の残留。魔法もしっかりと戦闘に活かしている。
「ヴァルドが欲した『成長性』………」
異常、異様では言葉が足らない。成長ではなく飛躍。Lv.1がLv.6である自分に追いつくなんて、何年かかるのか………その間にだって強くなってみせると思っていた。でも………
(追いつかれる? それも、そう遠くない未来で………)
それどころか、追い抜かれるかもしれない。ヴァルドの理想とする領域まで至るのかもしれない。そしたら、自分は? また置いていかれるの?
「オオオ!!」
「シャアアアア!!」
「きぃぃぃぃっ!」
「五月蠅い」
八つ当たり染みた一撃。しかしLv.6へと昇華した少女の一振りがモンスターを一掃する。程なくして
(…………あ、これ…あの子のかな?)
下級冒険者のものだけあり、質こそアイズ達のものより低い。それでも中々きれいな装備。ベルのだろうか? とマジマジ見つめるアイズ。と……
「……………」
ガサリと音を立て一本角の兎が飛び跳ねていた。アイズと目が合うと一目散に逃げ出し、
だが、今感じたのはもっと盗み見るような気配だったのだが。気の所為? いや………
抜剣し虚空を睨むアイズに、虚空から声が響く。
『気付かれてしまうか、御見逸れする』
霧の奥から現れたのは漆黒の影。黒ずくめのローブを全身に纏い、闇に覆われたフードの中身は何も見通せない。両手には複雑な模様のグローブ。
肌を一切露出しないその人物に警戒を緩めず剣を構える。
「私に、何かようですか?」
「ああ、その通りだ。だがその前に剣をおろしてもらえるか。こちらに危害を加える意思はない」
敢えてアイズの間合いに入り、生殺を委ねてくる黒衣の不審者。話をどうか聞いてほしいという態度にアイズは一先ず剣を下げた。
「貴方は、誰ですか?」
「そうだな………以前ヴァルド・クリストフに30階層に向かうよう依頼を出した者、と言っておこう」
「!!」
ヴァルドが『宝玉』を見つけた階層。『赤髪の
「アイズ・ヴァレンシュタイン。君に
「へへへ……ここまで来りゃ彼奴も追い付けないだろう」
「正気ですか、あなた方…………6年前、ヴァルド・クリストフに潰されかけたのを忘れたんですか!?」
カヌゥの蛮行に思わず叫ぶリリ。6年前、唐突に現れたヴァルド・クリストフはボコボコにされた【ソーマ・ファミリア】の団員を片手で引きずりながらただ一言、「主神を出せ」と言った。
主神、厳密には酒を守ろうとした団員達は1人残らず叩き伏せられた。リリは物陰に隠れながらそれを震えてみていた。
あの時よりさらに強くなっているヴァルドに、少ししか変わっていないカヌゥ。だというのにその弟子に手を出す暴挙。
「はは。馬鹿かよお前、あの英雄様だぜ? 【剣姫】に【
だがその育成もただの道楽だと言い切るカヌゥ。
「それにダンジョンで死んだって犯人がわかるわけねえしなあ。それよりもアーデ、とっとと出せよ。持ってんだろう? あのガキからたんまり貰った金を隠す部屋か金庫の鍵をよ」
「っ!!」
ローブを剥ぎ取り装備品を奪い取るカヌゥ。魔石に金時計、指輪などいざという時換金できるように備えていたもの全てを奪い、リリの腹を蹴りつける。
「うぇ、げほ!」
咳き込むリリを、自分の思いのままに出来る弱者を見て嫌らしい笑みを浮かべるカヌゥ。
「わか、わかり………まし、た………わかり、ましたから!」
と、リリが叫んだまさにその瞬間だった。
「リリから離れろ!!」
「げぶぅ!?」
真っ白な風がカヌゥを蹴り飛ばす。
ベルだ。片手にはぐったりしたゲドがいた。あっちこっち引きずったかのようにボロボロだ。
「く、クソガキ………ころすころす」
なんかブツブツ言ってる。
「が、ガキ………ゲドの旦那!? な、なんで!」
「よくも………リリは女の子だぞ!」
「だ、だからなんだってんだ!」
不意打ちされたことに怒りを覚え、ナタを振り下ろすカヌゥ。キン、と済んだ音が響きカヌゥのナタが斬られた。
「リリに謝れ!」
そのまま拳がカヌゥの頬にめり込む。回転しながら吹き飛び地面をバウンドするカヌゥ。残りの二人は顔を青くして慌てて逃げ出す。
「リリ、大丈夫!?」
「あ、え……ベル様…………え、なんで?」
ここにいるのなら、あのモンスターの群れを突破したのだろう。そこはいい。そこまではいい。だけど、どうしてここにいるのだろう? そのまま逃げればいいのに。サポーターなんかほうっておけばいいのに。
「なんで、リリを助けてくれるんですか?」
「………え? ええっと…………女の子、だから?」
「じゃあゲド様は女の子だとでも言うんですか!? まじめに答えてください!」
「ご、ごめん! ええっと…………ええと………その、つい?」
「ついって…………」
何だそれは、じゃあ誰でも助けるとでも言うのか。
「うーん。違う、かな………ゲドさんはそうだけど……リリのために頑張れたのは…………うん。リリだから、かな。僕は、君を助けたいと思ったんだ」
「じゃあ俺を巻き込むなよ………」
と、恨みがましい目でベルを睨むゲド。内臓をシェイクされ、フラフラと立ち上がる。
「っ!」
「怯えんなクソパルゥムが……そのガキに守られてるお前になにかしようなんてもう思うかよ」
そして、ベルを睨んだ。
「おいクソガキ………」
「はい…」
「……………チッ」
何か言うのかと思えば、ゲドは舌打ちだけして去っていた。
「おいカヌゥ、もう歩けるか」
「いでぇ……あのクソガキ、アーデ! 許さねえ、二人まとめて………!」
「二人まとめて、何?」
「「「!?」」」
ダンジョンを出て路地裏を歩くカヌゥ達3人にかけられる声。振り返ると赤い髪の女が何時のまにか立っていた。
「ス、【
「ん〜。心当たりならいくらでもありそうね。でも残念、貴方達にようがあるのはこの
「外、辛い………歩くの、面倒。帰りたい」
と、ブツブツ呟きながら現れたのはカヌゥ達の主神、ソーマ。何故かすでに疲れている。そのままじろりとカヌゥ達を睨む。
「さて、お前達…………リリルカ・アーデ、及びヴァルド・クリストフの弟子に何をした?」
「な、なんのことですかい!? お、俺達はなにも…………!」
「
「っ!!」
「恩恵は封じさせてもらう。その上で…………えっと……………まあ牢屋に閉じ込める」
「最後雑!?」
「その牢屋の前で、リリルカ・アーデとチャンドラとほか数名で酒を飲む」
「「「なんて嫌がらせだ!?」」」
「ヒュウ、ソーマ様やるぅ!」
「だろう? 俺が一番やられたくないことだ」
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