オラリオに失望するのは間違っているだろうか? 作:超高校級の切望
A一部が過保護になり囲おうと、一部がこれ幸いと監禁しようとして………まあ最終的にヴァルドが気合で恩恵を取り戻す
「そちらから出向いてくるとはな……願ったりだ」
天井から降り注いだ複数の柱のせいで切り離されたアイズにかけられる声。
(やっぱり、いた…………)
振り返ると赤髪の
「また会ったな、『アリア』」
「………貴方はここで何をやっているの?」
「さぁな」
アイズの質問にまともに答える気はなさそうだ。それでも、少しでも情報を取り出そうとするアイズ。
「これは……このダンジョンは何? 貴方が作ったの?」
「それを知る必要はない。お前に会いたがっている奴が居る………ついてきてもらうぞ『アリア』」
「私は『アリア』じゃない」
否定するアイズに女は怪訝そうな顔をする。
「『アリア』は私のお母さん」
「世迷い言を抜かすな。『アリア』に子など、居るはずがない」
確信に満ちたその言葉は………やはり彼女は『
「仮にお前が『アリア』本人でなくとも関係ないことだ」
女は気怠そうに、それでいて苛立つように呟く。
「『アリア』…名前だけは聞かされた。『アリア』に会いたいと何度も何度も………うざったらしい声に従い探していればお前にあった」
ズブリと緑の肉の地面に腕を沈める。
「お前を連れて行く」
引き抜かれた手に握られたのは、アイズも見覚えがある血肉を鋳型に押し込めたかのような不気味な赤い長剣。
──
「行くぞ」
言葉とともに女が駆ける。
第一級冒険者と遜色ない身体能力を持って接近し長剣を振るう。並の冒険者なら認識もできずに両断される一撃を、アイズは躱す。
叩き込まれる連撃をすべて受けるアイズ。違和感を覚えたのは、赤髪の女………
「お前、まさか…………」
疑問が確信に変わった瞬間、アイズの剣が女の剣を女諸共吹き飛ばす。
「っ! 器を昇華させたか」
さらなる高みへと至ったアイズの強さに忌々しげな顔を浮かべる女。元々膂力で圧倒していた力関係は逆転し、技術はアイズが遥かに勝る。
「面倒な………」
だが、
あの男を殺すために女もまた、ダンジョンにて力を得た。
「………………」
今一度剣技を鍛え直すべく『風』は使わないつもりだった。しかし、そうも行かないようだ。
「【
「【剣姫】! おい聞こえないのかよ!?」
アイズと自分達を分断した柱を叩きながら叫ぶルルネに迫った食人花をファルガーが切り捨てる。
「余所見するな!」
「ご、ごめん。助かった!」
「助かったと言うにはまだ早いかもしれませんね。正直良くない状況です」
無数に蠢く食人花の群。一体一体がLv.3以上はあるという、上級冒険者のパーティーでも逃げ出す状況にアスフィは冷や汗を流す。
一刻も早く移動したいが、アイズが分断されたまま………
何時だったか、主神であるヘルメスに『命の価値が平等だと思っているのかい?』と聞かれた事を思い出す。
アイズ一人の命のために、この場全員の命を危険に晒す訳には行かない!!
「全員! 道が確保でき次第この場から移動します!」
「【剣姫】を置いていくのかよ!?」
「さっきの見たでしょ!? 何があったって死なないわよ。悔しいけど私達が心配していい相手じゃないのよ、あの
ルルネの言葉にエリリーが叫ぶ。盾を持ち皆を食人花から守っているエリリーの言葉には文句を言えず黙り込むルルネ。今はアイズを信じるしかない。
「モンスター! 更に後ろ、5! 前からも来るぞ!」
「各員、魔石をばらまきなさい!!」
アスフィの号令ととも投げられた魔石に食人花達は我先にと食らいつく。その隙に食人花の包囲を通り抜け、
「ネリー! 『魔剣』を!」
魔剣から放たれた炎が瓶を砕くと同時に中の薬品が大爆発を起こす。
「ルルネ! もう地図を書く余裕はありません、貴方は戦闘を避け全力で道筋を記憶してください」
「わかった!」
直ぐ様駆け出す【ヘルメス・ファミリア】。ここから一気に
(やはり仕留めきれていませんか………!!)
爆炎に焼かれながらも耐えた個体が襲ってくる。
Lv.を考慮すればあの中で一番高Lv.の自分が殿を務めるべきだ、アスフィはそう考える。
だが、そんな覚悟など無意味と嘲笑うかのように対処しきれぬ数がアスフィに襲かかり………
「おおぉ!!」
「!?」
キークスが目の前に飛び出しアスフィの盾となる。動揺しながらも一瞬生まれた好機を逃さず
「何故こんな真似を!? Lv.4の私ならここまでの深手にならなかったというのに!」
「………アスフィさん。他の誰が犠牲になっても、アスフィさんだけは犠牲になっちゃ駄目なんすよ」
アスフィの怒号に、キークスは血を吐きながらも答える。
「あんたが居なきゃ俺達はバラバラ。きっと…すぐ死んじまいます。あんたは【ヘルメス・ファミリア】、俺達の要………俺達の、俺の一番大事な人なんですから」
と、カッコつけて笑うキークスの口にアスフィが瓶を突っこんだ。
「ハイポーションです。無駄口叩かず早く飲んでください」
精一杯の告白を無駄口扱いされたのを見た【ヘルメス・ファミリア】の一同はキークスに同情した。
「アスフィさん、これ………まさか」
「私が手を加えたものです。その辺りの品より効果が高いはず。もう一本を傷口に」
「家宝にします!」
「使いなさい!!」
などとコントのようなやり取りをしつつ周囲の警戒を怠らなかったファルガーが新たに迫る音に気付く。
「前方多数! さっきより大きい……いやまて、なんだこの大きさ!!」
「「オオオオォォォォ!!」」
「な、何だあれ!?」
「変異体………いえ、
複数の食人花を無理矢理に混ぜ合わせたかのように、巨大な口や体の各所に張り付くように生えた食人花の頭。無数の触手を伸ばし襲いかかってくる。
「ぐぅ!!」
「お、も!!」
巨体に相応しく、それでいてただ大きくなっただけではない一撃にエリリーとファルガーの顔が歪む。
吹き飛ばされた盾役を見て顔色を変える【ヘルメス・ファミリア】。たった一匹で守りの要がなくなり、陣形が崩壊した彼等をさらに絶望に落とすかの如く追加で現れる集合体。
「────!!」
「メリル!?」
その中で真っ先に動いたのはメリル。詠唱を唱えながら駆け出し並行詠唱。魔力に反応する性質は変わらないようで、巨大化した分ぶつかり合う際の隙間は大きく小柄なメリルはその隙間を潜り抜け集合体の群を突破し、魔砲を放つ。長文詠唱の炎が集合体達を焼き尽くした。
しかし全てではない。炎に耐えた個体がメリルに向かい
「「させるか化物!!」」
ポックとポットが己の獲物を叩き込む。打撃武器ゆえ効果は薄く、邪魔だとばかりに振るわれた触手に振り回されるが、彼等の行動に【ヘルメス・ファミリア】に闘志が戻る。
「十分だ」
「へ?」
と、メリルが誰かに引っ張られる。メリルの居た場所に爪を振るった緑の肉に侵食されたコボルトは突然現れた影に蹴られ爆ぜた。
「………貴方は!」
「久し振りだなアスフィ」
と、アスフィ達のもとまで移動しメリルを渡すのは、ヴァルド・クリストフ。オラリオで………世界で一番強い男。
「どうして、ここに………」
「元よりこれは俺の仕事のはずだった。依頼主に様子見を頼まれてな………丁度いいから、弟子の成長を見ることにした」
アイズのことだろうか?
「メリル、ポット、ポック……良くやった」
「っ!!」
「………!」
たったそれだけの称賛に、ポットとポックは目を見開き胸が熱くなる。メリルも嬉しそうに笑う。
「ファルガー、吹き飛ばされた程度で敵わぬと諦めるな」
「す、すいません」
「ヴァルド、その辺に………今はそのような時間はありません。後で………ええ、後でまたゆっくり話しましょう」
「ああ、あとは任せろ」
「お、おいおい! お前急に現れて何なんだよ!!」
と、アスフィの態度を見てキークスが叫ぶ。惚れた女に頼りにされている男に対抗心を抱いたのだろう。
「はっ! さっきまで隠れてたくせに大言壮語も甚だしいぜ! 英雄様は本当に英雄みたいに強いのかよ!」
「お、おいキークス!!」
「大言壮語。なるほど返す言葉もない」
ルルネが止めようとするが、ヴァルドは気にした様子もなく迫りくる集合体と融合体へと歩みを進める。
次の瞬間、消えた。
いや、モンスターの背後に何時の間にか移動していて、モンスター達が全て切り裂かれていた。
映像の一部を切り取ったかのように、一瞬で目の前の光景が切り替わる。圧倒的な速さに、巨体を両断する膂力。
「これで、大言に相応しい行動は出来たか?」
笑うでもなく、ただ純粋にキークスの疑問に答えたとでも言うような態度。女達の顔がポォ、と赤く染まりキークスはただ固まる。メリルは目がハートになっていた。
ヴァルドが一番美しいと思ってる女神はアストレア
一番仲が良い女はシル・フローヴァ
一番二人で組んだ回数が多い女はフィルヴィス
一番信頼できる女はアルフィア
一番期待している女はアイズ
一番世話を焼かせている女はアミッド
一番嫌いな女はイシュタル
一番好きな女はR──おっと、誰か来たようだ
なんか思ったより筆が進んでヒロインも増えたので聖夜祭デート再アンケート
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