オラリオに失望するのは間違っているだろうか? 作:超高校級の切望
美の女神自身は間違いなく美しく、体も極上。
嫌悪感あるならともかく精神的に抵抗がなければ自分なんてあっさり溺れてしまうと思ってるから美の女神を遠ざけます。つまり嫌悪感がない美の女神ほど遠ざけ、綺麗だと思わない美の女神はそもそも嫌い。なので美の女神ととことん相性が悪い。というかだいたい全部イシュタルが悪い。
因みにこの事をよりによって「一番美しい」と言ったアストレアに相談して、アストレアは笑顔のまま無言で睨んだ。(そういうとこだぞ英雄
「僕は『幸運』にします」
更に上を目指すなら、『運』は得難い武器だとエイナにも言われ、神と担当アドバイザーからも推薦を得た師のみが持つ発展アビリティを選んだ。
刻み込む発展アビリティも決め、後はステイタスを更新させるだけ。ランクアップ可能になってもアビリティを成長させる者もいるが、SSとかSSSとか限界突破してるベルには不要な行為だろう。
「終わったよ」
ヘスティアの言葉にガバっと勢いよく体を起こすベル。二度目なのでヘスティアは転がり落ちる前にベルから降りていた。
「……特に、何も変わらないですね。師匠の言うとおりだ」
ランクアップしたからと言って力が湧いてくる、となるわけではない。ただ間違いなく、今のベルはLv.1だった頃とは一線を画す。
「だがこれで神へと近づいた。できることも増えるだろ」
「そうだね。新し───じゃなくて、君の待望だったスキルも増えてるぜ!」
「…………!!」
ぽかんとしていたベルは、すぐに言葉の意味を理解して勢い良く用紙に視線を落とした。
『ベル・クラネル
Lv.2
力:I0
耐久:I0
器用:I0
敏捷:I0
魔力:I0
幸運:I
《魔法》
【ファイアボルト】
・速攻魔法
《スキル》
【
・
「お、おおーっ! おぉ────お? 英雄、願……望?」
『ステイタス』に刻まれる『スキル』や『魔法』は経験はもちろん、刻まれた本人の資質や望みが現れる。つまり、このような名前のスキルが現れるという事は………
「…………」
チラリとヘスティアを見るとニコニコ優しい笑みを浮かべていた。
「可愛いね」
「うわああああああああああああああああああああ!!」
「落ち着けベル。同名の『スキル』なら俺にもある」
と、【
「雷公って、ミノス将軍のことだよね? なんでそれがアルゴノゥトって読み方に?」
「アルゴノゥトは自分こそミノス将軍の後継だって名乗ったろ?」
「あ、そっか!」
そして王様に騙されて危険な猛牛退治に向かうのだ。いまいちぱっとしない英雄譚。というかお伽噺に近い。でも何故か祖父と師はこの物語が一番のお気に入りだった。
「それに、英雄になりたいというお前の意思が紛れもない真実である証として現れたんだ。誇りこそすれ恥じる道理はない」
「し、師匠……!」
ジーンと感動するベル。そんな師弟の様子を微笑ましく見守り、ヘスティアはさて、と立ち上がる。
「ボクはそろそろ出掛けるよ。今日は3ヶ月に一度の『
「『
「ああ、そうさ。暇な神達の会合だよ………」
そして【ランクアップ】を果たした者達に
「………欲しいのか?」
「そりゃあそうですよ! 神様達が決める称号はどれも洗礼されていて、かっこいいじゃないですか! 【
「……………あぁ、なるほど」
「ヘスティア。俺はこの際横文字でもいいから仰々しくないのにしてくれ」
「ヴァルド君の感性はこっち側なんだね………」
「…………?」
どういうことだろう、と首を傾げるベル。気のせいか、ヘスティアとヴァルドとの間に見えない壁が生まれたような?
「任せろヴァルド君! ボクは必ず、君達の為に無難な二つ名を手に入れてみせる!!」
そして『
まずは情報交換で、ソーマが【ファミリア】運営に力を入れ始めた事がからかわれた。ソーマは『酒を飲んだ幼女は恐ろしい』とだけ返した。後、
その後はロキが極彩色のモンスターについて話題に出す。揺さぶりをかけてみたが、そんな簡単にボロを出す神などヘスティアぐらいだろう。そしてヘスティアは裏などないから関係ない。
「ヴァルドが昔やんちゃしとったクソ共の生き残りを見つけたらしい。皆も気をつけー」
ヴァルドの名に数名の神が反応したが、それだけでは確証としては弱い。特に気持ち悪い笑みを浮かべ【ランクアップ】した冒険者の資料を見ているアポロンは違うだろう。別の意味で危険だが…………。
「うし、ほんならそろそろ命名式に進もか」
ロキの言葉に殆どの神々がニヤリと笑い一部の神々の顔に緊張が走る。
「ほなセトんとこのセティ・セルティ。称号は【
「「「「イッテエエエエエイエエエエイ!」」」」
「うわああああああ!!」
下界の子供達からすれば洗練された、神々からすれば香ばしい二つ名をつけられた冒険者に神々が嘲笑い主神が己の無力を呪う。
その後様々な二つ名が決められていき、ヘスティアの貧乏仲間の眷属ヤマト・命は【絶†影】と名付けられた。†が味噌である。
アイズもランクアップしたが力ある【ロキ・ファミリア】に誰も逆らえるはずもなく、無難に【剣姫】のまま。オッタルは【猛者】のまま読みを『もさ』にした。オッタル本人の希望で『王者』の名を捨てたのだ。
「最後はヘスティアんとこか…………二人も。つーか片方はヴァルドやけど……」
「あーはいはい、ヴァルドね」
「オッタルさんより先にLv.8になってたらしいな。オラリオの外で」
「精霊が封印しかできなかった古代の怪物でも狩ってたの?」
「半端ねーっすわ」
「てか発展アビリティ『不死身』て………これはもう
「ねえねえロキ、今どんな気持ち? 出ていった眷属がLv.8になって他の神の眷属になってどんな気持ち〜?」
「おいてかこの弟子所要期間一ヶ月半なんですけど!?」
「流石ヴァルドちゃんの弟子ねえ」
「あー、ヴァルドの弟子かぁ」
「【剣聖】の弟子だもんなぁ。5年間他の弟子を放置するほどの」
「むしろおかしくないほうがおかしいな!」
やいのやいのと盛り上がる神々を見てヘスティアはダラダラと汗を流す。めちゃくちゃ興味を持たれてる。これは、変な名をつけられるのでは?
「一ヶ月半でランクアップか………ヘスティア、貴様どうやって
「……………?…………っ!!」
イシュタルの言葉に首を傾げていたヘスティアは、しかし言葉の意味を理解して立ち上がる。
「僕がベル君を『改造』したっていうのか!?」
「そう考えるのが普通だ。ああ、何ならあの愚者もお前に改造してもらいLv.8へと至ったか?」
「っ! ヴァルド君にふられたからって、言葉がすぎるぞ!」
「〜〜!? 黙れ! あの気狂いの話をするな!」
「そっちが切り出したんだろう!?」
ヴァルドを嫌っていると聞いていたが、思った以上に悪意を向けてくるイシュタル。
「改造していないと言うなら、この成長速度は何だ? 一ヶ月半? オラリオの外でLv.8? 説明してみせろ!」
「あら、別に良いじゃない」
と、美しいソプラノボイスが響きイシュタルが顔を歪める。
「ヴァルドのランクアップ方法なんて、知るだけ無駄と切り捨てたのは
それで確かに、と神々が頷くあたりがヴァルドクオリティ。
「それにミノタウロスをLv.1で倒すなんて、憧れの師と同じ経験なら獲得した【
資料によればベルは前にもミノタウロスに出会い、敗北している。それを乗り越えたともなれば、確かに有り得なくもない話ではあるのだ。
「ミノタウロスといえばおたくの子が中層で来る日も来る日も格闘していたそうじゃないか。上層に現れたっていうミノタウロス、おたくのところの
「それが聞いて頂戴、イシュタル。私の
「………っ!」
ぐっと押し黙るイシュタルにフレイヤはクスクス笑う。
「ねえアストレア、貴方はヴァルドの新しい二つ名………なにかないかしら?」
「え? そうね……………【
「却下よ。私情に走らないで頂戴」
「っ……そ、そういう貴方はどうなの?」
「そうね……【
「却下! 却下却下却下!」
「お、おお………アストレアの駄々なんて初めて見た」
ヘスティアを始めとしたアストレアの同郷の神々が驚いたようにアストレアを見る。アストレアは頬を赤くしてこほんと咳払いしながら座り直す。
そして様々な案を出し合う神々。一人の神がベルに
最終的に…………
「【リトル・ルーキー】に、【
「貴方はどうしてフレイヤを拒絶したの?」
「………質問の意図が解らん」
お洒落なカフェテリアのテラス席に座ったアストレアとヴァルド。
ヴァルドはアストレアの唐突な質問にパフェを食べる手を止めていた。
(こういうところ、結構かわいいのよね…………)
Lv.2への
「アストレア?」
「あ、ごめんなさい。そ、その………貴方が私の事を『一番美しい女神』って言って、沢山の美の女神達が襲撃してきたでしょう?」
「その節は迷惑をかけた」
「それはいいの。ただ、貴方が嫌ってるのはイシュタルや嫉妬で私を襲った女神達でしょう? フレイヤや他の美の女神を嫌っているようには見えないのだけど………」
少なくとも、イシュタルや嫉妬に狂った女神達には確かな嫌悪の視線を向けていた(美の女神相手に)が、フレイヤや
だがヴァルドは、フレイヤを始めとした美の女神達に関わってくる事すら嫌がった。確かにそういう関係になれば自分に執着させようとしてくるのが美の女神だが、可能性だけで誰かを嫌うような子ではないはず。
「………そうだな、相談も兼ねて、話しておくか」
「相談? 珍しいわね。ええ、話してみて」
輝夜ではないが、アストレアも頑張りすぎているヴァルドに頼ってもらうのは嬉しい。ニコニコと笑みを浮かべる。
「俺が美の女神を拒絶するのは、彼奴等が美しいからだ」
「────」
そして口元は笑みを浮かべたまま目を見開きピシリと固まった。
自分の記憶が確かなら彼はついこの前、詰め寄ってくる美の女神達を前に『一番高潔で美しい女神はアストレアをおいて他にいない』と言っていたのだが。ご丁寧、『耐神威』による嘘の隠蔽を使わず………。
「イシュタル共のようなクズならともかく、そうでない美の女神達と親交を築き、求められれば、根が俗物の俺は断りきれる自信がない」
僅かに目を細めるアストレア。相談するからか、こちらに気を使って嘘がわかるようにしている。つまり嘘はない。
「イシュタルなどは性格がまず受け入れられん。他の女神達には……失礼だとは解っている。どうすればいい、アストレア」
「………………」
「アストレア?」
ニコニコ笑みを浮かべたまま黙り込むアストレア。顔は笑顔のままだが、これは睨まれている。
「…………俺はお前に迫られても断りきれないと思っている」
「せまっ!? そ、そんなことしません!」
もう、と赤くなってそっぽを向くアストレア。ヴァルドはアイスが溶けないうちにパフェの残りを食い始める。
「………高潔で美しいという評価を違える気はないが、可愛らしい嫉妬もするものだ」
「かわ………っ………べ、別に嫉妬なんて」
「神に対して称賛になるのかは知らんが、人間らしい一面も見れて俺としては満足だ」
「…………もう」
「………あたし等は一体何を見せつけられてんだ?」
「クサレナンパ男の口説き文句とそれに落ちてしまった主神様だろう。アストレア様も………あの男は苦労するぞ」
「そうよね。輝夜も嫌われてるって思われてるから、輝夜にはあっちから話しかけてくれる事殆どないし大変ね!」
「? 輝夜はヴァルドさんを嫌っているのでは?」
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