オラリオに失望するのは間違っているだろうか?   作:超高校級の切望

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救出隊合流

 【勇者(ブレイバー)】フィン・ディムナ、【重傑(エルガルム)】ガレス・ランドロック、【九魔姫(ナイン・ヘル)】リヴェリア・リヨス・アールヴ。

 かつて師が所属していた【ロキ・ファミリア】のトップスリーにして現代を生きる英雄達。

 彼等との対面にガチガチに緊張したベル。遠征がよほど過酷だったのか、かなりの重症だったがベル達の滞在を快く受け入れてくれた。

 でも他の団員からはやはり何故か睨まれている。

 

 

 

 

「ラウルさん! 誰なんすか、あの白髪頭!」

「アイズさんとあんなに親しく! 麗しの【剣姫】は陰から見守るのが鉄則なのに!」

「はいはーい! 私は、レフィーヤとあの子との関係が知りたいで〜す!」

 

 幹部陣との橋渡し役でもあるラウルは平団員達に詰め寄られていた。アイズに甲斐甲斐しく世話されていたベルが何者か気になるようだ。

 

「あんた達はいいの? 師匠の選んだ弟子だけど」

 

 と、アキがロイド達に尋ねる。特にロイドとレミリアは【ロキ・ファミリア】の中ではアイズを除けば一番成長した。そんな彼等を措いて次代の英雄として選ばれたのはまだ幼さの残る少年。

 

「それはアキも同じでしょ?」

「私は正直……期待に応えられてる自覚ないもの」

「ど、どういう人なんですか? ヴァルド・クリストフさんって………」

 

 彼についてあまり知らないリーネが尋ねる。名前は聞いたことがある。というか、聞かないほうがおかしい。

 最強派閥の一角である【ロキ・ファミリア】の元幹部にしてフィン達をして同レベル帯なら最強と言われていた冒険者で、しかも今はLv.8。アイズを含め【ロキ・ファミリア】の何割かが弟子らしい。それどころかオラリオに何人も弟子がいる。

 

「ん〜、そうね…………期待がすっごく重い人、かしら?」

「期待?」

「全員が全員、自分より強くなれると思ってるのよ」

 

 歴史で見てもゼウスとヘラしか存在しなかったLv.8になった身でありながら、周りの方が凄いと本気で思っている。

 

「ああ、いや………実際そうなんだっけ? でも、真似できないだけで」

 

 他の先達いわく、才能という面では何ならラウルの方が上らしい。ただし寝る間も惜しみ、適正階層を大きく超えてダンジョンに挑み、その地獄で折れることなく戦い続ける必要があるが。

 

「無理無理。格上に挑む必要があるのはわかるよ? でも、それは強くなるのに必要なことで生きるには不要なこと……結局私は、死にたくないから真似できない」

 

 だから、見限られたって文句など言えない。

 

「少なくとも私はLv.2のなりたてで、怪我人3人も18階層まで運ぶなんてできない。あの人の期待には応えられないわ」

「アキさん…………」

 

 と、リーネは諦めたようなアキの顔を見て呟く。

 

「それ普通に考えてヴァルド・クリストフさんとあの子がおかしいですからね?」

「……………まあ、そうね」

 

 

 

 そして、その晩の食事。アイズ、ヒリュテ姉妹がベルに寄っていき、リリが引き剥がそうとする。命は感謝の証として食事を取ってきたり飲み物を運んできたりと見事に女だらけ。

 ヴェルフは我関せずだ。

 

「そ、それにしても不思議なところですね………ダンジョンの中とは思えない。師匠達から聞いていましたけど………」

「そうですね………良ければ、街を案内しましょうか? 少し、いえ、かなり高額ですが装備を新調したほうがいいでしょうし」

「あー…………じゃあ、お願いします」

「……………私も、案内するよ?」

「うえ!? ア、アイズさん!?」

「……………いや?」

 

 コテンと首を傾げるアイズの可愛らしさに顔を真っ赤にするレフィーヤとベル。と、その時だった………

 

「ぐぬああー!?」

 

 突如聞こえてきた悲鳴に、ベルはバッと振り向く。その声に聞き覚えがあった。直ぐに走り出すベル。既に人が集まっていた。

 

「通してください!」

 

 ベルが人垣の向こうに押し入ると、やはり見知った顔。ヘスティアが、そこに居た。

 

「神様!?」

「いたた…………って、ベル君!? ベルくーん! サポーター君も!」

「ぐえ!」

「げふ!」

 

 ベルに気づいたヘスティアは直ぐ様己の眷属達を抱き締める。小柄な神だ、Lv.2のベルはなんとか倒れず受け止めた。

 

「二人共………無事で良かった……………本当に、良かった」

「神様………」

「ヘスティア様………」

 

 普段ならベルを巡るライバルでもあるリリ。

 この時ばかりは、幼子のように包容を受け入れた。

 

 

 

 

「可愛いエルフか生意気な小人族(パルゥム)かと思った!? ここに来るなら、普通はどっちかよね? けど残念! いいえ、喜びなさい! 私よ!」

「……………彼女は突然何を言い出したんだ?」

「アリーゼちゃんは相変わらず面白いな〜」

 

 ビシッと虚空に向けてポーズを取るアリーゼ。彼女がヘスティア達の護衛としてアストレアから派遣された眷属だ。

 困惑するリヴェリア。ヘルメスはヘラヘラと笑っていた。

 

「ベルがヴァルドの弟子である以上、保護するなら【ロキ・ファミリア】だと思ったわ。ありがとう。ベルってば私の親友の将来の伴侶になりそうだから死なれなくってよかった」

「君は、相変わらず元気な子だね」

「あらやだ、元気で愛らしいなんて、褒めても何も出ないわよ【勇者(ブレイバー)】」

 

 言ってねえだろ、とティオネが睨んだ。

 

「そういえば、『遠征』は成功したのかな?」

「まあね」

「そりゃ凄い! ゼウスとヘラ以来の快挙じゃないか! それで、59階層でなにか見つけたかい?」

 

 ヘルメスの言葉にピリッと空気が張り詰める。ヘルメスは笑みを浮かべたまま、しかしその瞳は人類の真意を覗く神の瞳。

 

「我々はロキの眷属だ。得体のしれない神に話す義理はない」

「それはそうだ! いやすまない、さっきも言ったようにゼウスとヘラ以来の快挙だからね、気になったんだ」

 

 ははは、と笑って流すヘルメス。彼も情報が引き出せるとは思っていなかったのだろう。

 

「ちなみに私達は17階層で『宝玉の胎児』が成長しきった精霊もどきを見つけたわ」

「「「!?」」」

 

 アリーゼの言葉に【ロキ・ファミリア】の表情が強張り、それを見てあらやっぱりと笑う。

 

「『宝玉の胎児』に関わる女から来いって言われてたんでしょ? 見てると思ったけど、あたりみたいね」

「………ヴァルドから聞いたのかい?」

「ええ、ヴァルドも居たし……その時に詳しくね…」

「彼奴は………本当に騒動を目ざとく見つけるな」

「ああ、今回はシルちゃんとの娘が誘拐されたからよ」

「……………あ?」

 

 

 

 

 

「…………?」

「どうしました?」

 

 ヴァルドに抱えられながら18階層に向かうアミッド。不意にヴァルドが表情を強張らせ、首を傾げる。

 

「なにか嫌な予感が……」




最近感想が少ない。もっと、もっとくれぇ

カーリー・ファミリアのバーチェがどうなるかは決めてるんですよ。アルガナはどうしよう

  • フィンに任せる
  • ヴァルドに調き─鍛錬されたティオネが勝つ
  • ヴァルド「戦士の作法を教えてやろう」
  • 船止めるためにぶん投げた石で船ごと沈む

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